No.580513

そらのおとしもの〜天使と仮面騎士の物語〜第24話『サイレントヴェノム 後編』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
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第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298

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2013-05-26 22:46:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:929   閲覧ユーザー数:920

 

「これで本日の授業は終わります」

 

 

病院へ行った後、刹那は学校へ戻ってきて午後の授業を受けていた。一見、普通にしているが、内心はそうでもなかった。

 

 

「刹那……」

 

「無理もねぇよ。たった1人の肉親があんな目に会ったんだからな」

 

 

イカロスと智樹が見つめるその背中は空虚感が漂っていた。自身の荷物を纏め、席を立った。

 

 

「――ります、刑事さん」

 

「――に質問するな!!」

 

 

廊下で大声が聞こえたと思ったら、いきなり照井竜が扉を乱暴に開けて教室へ入ってきた。

 

 

「照井さん、どうかし――」

 

 

周りがざわめくが、照井は顧みようとしない。

 

 

「照井さん、いったい何があったんですか?」

 

「良いから来い!!」

 

 

照井は刹那が声をかける間もなくその腕を引っ張っていった。言っても聞かないので刹那はしぶしぶ付いて行った。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「これを見ろ」

 

 

そのまま超常犯罪対策課まで連行された刹那は照井に促されるままある資料を見る。

 

 

「これは、魔族が経営するレストランですよね?」

 

「そうだ。その近辺でこの様な目撃情報があった」

 

 

照井はコートを着た男性の写った写真を数枚見せる。

 

 

「この男は先ほど俺と十六夜が交戦したアロガンスの構成員だ。変身する様子は全く無かったがな」

 

「この男が……」

 

 

刹那はその写真に写る事件の黒幕を見つめるが、ある疑念を抱かずにはいられなかった。

 

 

(アロガンスにしては不用心すぎる……。いったい何のつもりだ?)

 

「俺達はこの施設の警護にあたる。地図を把握しておいてくれ」

 

「分かりました」

 

 

まぁ、どんな敵が来ても倒すだけだと考えた刹那は照井に頷いた。

 

 

★★★★★

 

 

 

数日後、風都ライダーズは一般客として紛れ込んでいた。

 

 

「今のところ、異常は無しか」

 

「いつ襲撃が来てもおかしくはない、気を抜くな」

 

 

カレーを頬張る照井はスパゲティを掻き込む翔太郎に注意を促す。その周りには、結構な枚数のお皿が並んでいた。

 

 

「少しは自重しようよ、翔兄」

 

「腹が減っては戦が出来ぬって言うだろ。すいませーん。追加の注文いいですか?」

 

 

オムライスを口に運ぶ刹那の前で翔太郎は更に追加で注文を取ろうとする。翔太郎に呼ばれて店員が近づこうとした瞬間、ガラスの雨が空を舞った。

 

 

「おいでなすったか」

「照井さん、避難誘導をお願いします」

 

「分かった」

 

 

逃げ惑う一般人の波に逆らい、刹那と翔太郎は襲撃者の下へ駆けつける。レストランの入り口で魔族に襲いかかっていたソルジャーをライドブッカー?で素早く狙い撃ちする。

 

 

「お前たちの悪巧みはここまでだ」

 

「お前は……」

 

「変身」

 

《KAMEN RIDE:GATHER》

 

《LUNA・TRIGER》

 

 

パニッシャーが刹那を見て息を飲むが、特に気にすることなく刹那達は変身する。パニッシャーに出来た小さな隙を見逃さずゲイザーはパニッシャーにつかみかかり、店の外へ押し出す。

 

パニッシャーがゲイザーを突き飛ばし、間髪入れずにスラッシュハーケンを飛ばすが、ゲイザーは左腕で弾く。その代償として左腕が強烈な衝撃で軽く麻痺する。このままでは前回の二の舞になるとゲイザーは感じた。

 

 

(やはりパワーが違いすぎるな)

 

 

ゲイザーは新たな変身カードを取り出し、ドライバーへ装填した。

 

 

《FORM RIDE:GATHER MATERIAL》

 

 

一瞬で鎧は白銀へと染まり、純白の姿へと変わった。ゲイザーMは剣を構え、パニッシャーへ矢のように飛んだ。交差する瞬間を狙ってパニッシャーが拳を放つ。ところが、手応えは全く無く、ゲイザーMの姿は残像となってかき消える。

 

 

「何っ!?」

 

 

茫然自失となったパニッシャーに背後から降り下ろされたゲイザーMの斬撃が直撃する。

 

 

「ぐはっ!?」

 

 

ゲイザーMは返す刀でもう1撃加えようとするが、パニッシャーは左腕のハーケンで受け止める。

 

 

「データ以上にすばしっこいな。お前は忍者か!?」

 

「残念ながら違う」

 

 

パニッシャーは右手で手刀を切るが、ゲイザーは身を屈めて回避し、パニッシャーを蹴って距離を取る。2人の間で幾度となく斬撃と打撃の応酬が繰り広げられる。

 

 

「最近、いつにも増して強引だな。他にやることは無いのか?」

 

「悪魔共に加担する異端者めっ!! 貴様に我らが総帥の理想が分かるはずがない!!」

 

「お前達の策は分かるさ。バイオテロがまだ続いているってことぐらいはな」

 

「っ!?」

 

 

口には出していないが、パニッシャーは明らかに動揺していた。

 

 

「証拠が余りにも残りすぎている……この襲撃も恐らくはブラフ」

 

 

何も言い返せないのかパニッシャーは沈黙し、おもむろに無線機を取り出した。

 

 

「部隊が全滅だと!? どういうことだ!?」

 

『はい。事前に待ち構えていた警官隊とライダー達によって別動隊は全滅し、バイラス隊長は捕縛されました』

 

「その様子だと、向こうは上手くやったようだな」

 

「くっ……撤退だ!!」

 

 

状況を覆すのは不利だと見たパニッシャーは部隊を引き上げていった。ゲイザー達も民間人への被害を最小限に抑えるため、追撃を控えた。

 

 

「ずいぶんと引き際が良いな」

 

「翔兄、そっちの方は?」

 

「こっちは問題ねぇよ。照井の方も上手くいったしな」

 

【これで、倒れていた人達も快方に向かうはずだ。現に、リインの体調が少しずつ良くなり始めているらしい。さっきイカロスから連絡があったよ】

 

「分かった」

 

 

ゲイザーMは変身を解くと、ゲイズチェイサーで病院へすっ飛んでいった。

 

 

【あれが、家族の本来有るべき姿だったのかな?】

 

「フィリップ……」

 

 

フィリップの声が悲しみを帯びていたのは、家族との望まぬ別離を迫られたが故だろう。

 

【気にしないでくれ、翔太郎。最後は、一応ハッピーエンドだったのだから】

 

「ああ、そうだな。落ち込んでばかりだと、シュラウド達に申し訳が立たねぇ」

 

【まずは、素直に仲間の無事を素直に喜ぶとしよう】

 

 

ダブルLTは変身を解くと、刹那の後を追っていった。

 

 


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