No.404182

そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~ 第15話『Sな三人組/破壊と断罪の交差』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-07 15:34:07 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:906   閲覧ユーザー数:900

敵ライダーは歩みを徐々に速め、一気にゲイザーの懐へ潜り込んで正拳突きを決める。ゲイザーは左腕のスモールシールドで受け止めるが、後ずさる。

 

 

「刹那!!」

 

龍騎が救援に向かおうとするが、ソルジャーT達に阻まれる。

 

「なかなかの反応だな」

「お前は何者だ!?」

「仮面ライダーパニッシャー……悪魔共を断罪する者だ」

 

そう名乗った赤いライダーにゲイザーは反論する。

 

「なぜアロガンスに加担する!? 奴らはテロリストだぞ!!」

 

ゲイザーは敵ライダーに右ストレートを打ち込む。パニッシャーは左ストレートでそれに応じる。

 

「決まっている! 人間界に巣食う汚物を駆除するためだ!!」

「人間じゃないなら問答無用で殺すならただの虐殺にすぎない! それこそ悪魔だ!?」

「黙れ!!」

 

パニッシャーは激しい拳の嵐にゲイザーはなかなか攻撃に移れない。

 

「奴らは魔法を使えない俺達を虫けらのごとく見下している!! だから、俺の両親をあんな簡単に殺した!!」

 

「知ったかぶりをするなッ!!」

 

一瞬の隙を突いて放ったゲイザーの回し蹴りがパニッシャーの脇腹に直撃し、たたらを踏ませる。

 

「くっ……!!」

「この世界には、心優しい神族や魔族だっている!! 好きな人とただ平和に暮らしたいって願うだけの妖怪だっている!!」

 

ゲイザーは回し蹴りの勢いを利用して裏拳をパニッシャーの左頬に叩き込む。バランスを崩していたパニッシャーは地面に倒れこむ。

 

「知り合いに神族の血を引く女の子がいる。彼女はスキンシップが少し過激だが、料理は出来るし、気が利く」

離れた場所で戦いを見ていたリインが目を見張る。

 

「だが、彼女は何の罪もないのに人間じゃないというだけで両親を殺され、自身も殺されそうになった!! そんなテロリズムを放っておけるわけないだろ!!」

「ほざけぇぇぇぇ!!」

パニッシャーは起き上がって右腕のスラッシュハーケンを突きだし、ゲイザーに叩きつける。ゲイザーが避けると、後ろにあったコンクリートの柱に直撃して粉々に壊れてしまった。

 

「おいおい!! あんなの食らったひとたまりもねえぞ!!」

「刹那……」

 

イカロスは心配そうに刹那を見つめる。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

(攻撃に隙が出来てきているが、それ以上に速い! 下手に踏み込めばやられる……!!)

(味方を助けるために予定より速く出てきたとはいえスペックはこちらが上回っているはず! なのに有効打をほとんど叩き込めていない。よほど厳しい訓練を積んできたな、このライダー)

(パワーで劣るこちらが突破口を開くには……)

(この均衡を崩すには……)

((必殺技で主導権を奪うしかない!!))

 

ゲイザーとパニッシャーはいったん離れ、それぞれの武器を構えて向き合った。

 

「偽善者が、消えろぉぉぉぉぉぉ!!」

《PUNISHER:MAXIMUM DRIVE》

 

パニッシャーはロストドライバーからメモリを引き抜き、右腕のスラッシュハーケンの付け根にあるスロットに装填する。

 

「悪いが、ここで負けるわけにはいかない!!」

《FINAL ATTACK RIDE:G・G・G・GATHER》

 

対するゲイザーも自らの紋章が描かれたカードをドライバーに装填する。パニッシャーの右腕には禍々しいほど赤黒い光が集まり、ライドブッカーⅡを構えたゲイザーの正面には10枚のディメンションフィールドが展開される。

2人は同時に走り出し、必殺の一撃を振りおろす。降りおろされた[パニッシャーストライク]はゲイザーを食らいつくさんと迫り、ディメンションスラッシュⅡとぶつかり合い、爆発が起こる。

 

「がはっ…………」

 

吹き飛ばされたゲイザーは壁に変身が強制解除され、静かに倒れる。対して、パニッシャーは健在だ。

 

「刹那っ!!」

 

「イカロスさん、うかつに飛び出しちゃ危ないです!!」

「リインちゃんの言う通りだよ」

 

それを見ていたリインと入江は、飛び出そうとしたイカロスを抑え込む。パニッシャーはゲイザーに構わず、龍騎と交戦していたソルジャーT達に声をかける。

 

「作戦は失敗だ。これより撤退する」

「しかし、ゲイザーは無防備です。今のうちに…」

「これ以上の深追いは危険だ。手はず通りに撤退する」

「分かりました」

 

ソルジャーT達は手榴弾型チャフスモークを使い、その場を離れて人通りの少ない裏路地まで逃げた。

 

 

「どうやら撒いたようです。もうすぐ回収部隊との合流ポイント――」

 

遠距離型ソルジャーTの連絡を最後まで聞かずにパニッシャーは倒れた。

 

「若槻様!!」

 

慌ててドライバーを外して変身を解除させると、肩までかかる黒髪が特徴的な青年……先日、遊園地で刹那とイカロスを遠くから見ていた人物が現れた。

 

「どうやら仮面ライダーというのは伊達ではないようだな……」

 

一方、敵の撤退を確認した龍騎は変身を解除して、刹那の側に急いで駆け寄った。

 

「おい! しっかりしろ!!」

 

智樹に体を揺らされても刹那は反応しない。近くに隠れていたイカロスが迅速に脈を取る。

 

「……脈はあります。ただ、下手に動かさない方がいいですね。リイン、救急車を呼んで!!」

「もうやっています!!」

「ニンフ、何か冷たい物を出して!!」

「分かった」

 

イカロスが刹那の様子を手で確認しながらテキパキと指示を飛ばした。

 


 
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