No.403205

そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~ 第8話『Dを捕まえろ/奪われたクリュサオル』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

続きを表示

2012-04-05 20:14:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:960   閲覧ユーザー数:958

「私のクリュサオルがな~い!!」

 

アロガンスの襲撃もなく、刹那たちが工藤家で平和に過ごしていると、アストレアが叫んだ。

 

「うう、さっきまではちゃんと有ったのに」

「もう、またどこかで落としたの?」

 

落ち込むアストレアにニンフが近づく。

 

「イカロス、クリュサオルというのはなんだ?」

「アストレアが持つ超振動光子剣のことで、分かりやすく言えばビームサーベルみたいなものです」

「そんな物騒な物を落としたんですか!?」

 

刹那の質問に対するイカロスの答えにリインは驚愕した。ニンフとアストレアがあーだこーだと話していた。

 

「もう1度よく探してみなさい。そういう時は、あんがいポケットの中にあるから」

「さっきからずっと探しているんですけど……あっ!?」

「……見つかったの?」

 

様子を見ていたイカロスがアストレアに尋ねる。

 

「クリュサオルは無かったんですけど、代わりにこれがありました」

 

アストレアが手に持っていたのは、青いバーコードのような模様が描かれたカードだ。そこには、「お宝は頂いたよ」と1文添えられていた。

 

「これ、ものすごく見覚えがありますね」

「というより、こんなことをするやつを人しか俺は知らない」

「心当たりがあるんですか!?」

 

アストレアが刹那に思いっきり顔を近づけ、涙目で聞く。

 

「顔が近いぞ」

「で、犯人h」

 

アストレアの発言は、彼女に向けられたリインのフリジットダガー(1本)とイカロスの銃で遮られた。

 

「良い度胸ね、アストレア。命が惜しくないのかしら?」

「少し……頭を冷やしましょうか」

 

今にも死刑が執行されそうになっているアストレアを放置し、刹那はフィリップに電話をかけた。

 

『どうしたんだい、刹那?』

「少し探してほしいことがあるんだ。キーワードは――」

 

 

★★★★★

【町はずれの工場】

 

「今日は、またコレクションが増えたね」

 

1人の青年が右手で待機状態のクリュサオルを投げて遊びながら言った。

 

「さてと、次の世界に行くとするか」

≪ATTACK RIDE:MAGNET≫

 

電子音が聞こえた瞬間クリュサオルは何かに引っ張られていった。青年がクリュサオルの飛んでいった方向を見ると、クリュサオルをキャッチした仮面ライダーゲイザーと仮面ライダーダブルCJがいた。

 

「クリュサオルは返してもらった」

【見事な手際だね、刹那】

「後は、このこそ泥を叩きのめすだけだな」

「武器に使われている技術からうすうす感じていたんだけど、やはり彼女は君の関係者だったのか」

 

青年……海東大樹はやれやれといった感じでディエンドライバーを構えた。

 

「変身」

≪kAMEN RIDE:DI-END≫

 

大樹はディエンドに変身し、ゲイザー達に銃を向けた。

 

「せっかく手に入れたお宝なんだ。返してもらうよ」

「ふざけるな! なんだ、そのジャイアニズムは!?」

【落ち着きたまえ、翔太郎】

「フィリップの言う通りだよ、翔兄。それに、策は既に講じてあるから心配しなくていいよ」

「いったいどんな策なんだ?」

 

ダブルCJがゲイザーに質問する。

 

「それは、見てのお楽しみだ」

「なら、その策が出される前に片をつけるか」

≪KAMEN RIDE:OOO GATAKIRIBA≫

 

ディエンドはドライバーにカードを装填し、オーズ・ガタキリバを召喚した。

 

「たった1体呼び出しただけで何が出来る?」

「翔兄、それ死亡フラグ」

 

2人が話している間に召喚されたオーズ・ガタキリバは特殊能力で分身し、その数が50体に増えた。

 

「な、なんじゃ、こりゃあ!?」

【これだけの分身を作り出せるライダー、実に興味深いね】

「さあ、どうする?」

ディエンドは不敵な笑みを浮かべていたが、その瞬間負のオーラを身にまとうなにものか―優しいオレンジのセミロングとチャイナドレスを想わせる服装―に両肩を掴まれた。

 

「大樹さん……何をしているんですか……」

「お宝探し探しさ。というより、何故君はこんな所にいるんだい?」

「刹那に頼まれたんです……どこぞの女に手を出している馬鹿を止めるのを手伝ってくれって……」

 

突然の乱入者に付いていけないダブルCJはゲイザーに尋ねた。

 

「あの子、誰?」

「士樹と付き合っているアインハルトと同じく古代ベルカの王族の1人である冥府の炎王イクスヴェリアだ。先日、プールで大樹さんに告白したらしい」

【なるほど、ニンフ好みの昼ドラを繰り広げるつもりなんだね?】

「結果的にそうなる可能性もあるな」

 

一方、ディエンドはイクスに問い詰められていた。

 

「で、あなたは私という者が有りながらいったい何をしていたんですか?」

「彼女のお宝(クリュサオル)を奪ったのさ」

「ふうん、女性の大切な物(処女)を奪ったんですね……」

「なんか逃げた方が良い気がするね」

 

ディエンドはイクスの両手を振りほどこうとするが、振りほどけなかった。あえて言うが、イクスは生身であり、身体強化の類はいっさい行っていない。

 

「向こうでちょっとOHANASHIしましょうか」

「待ちたまえ! まだお宝の回収が」

 

イクスは問答無用でディエンドライバーを取り上げてディエンドの変身を強制解除させる。それにより、オーズも消滅する。

 

「さあ、逝きましょう」

 

海東大樹はイクスに連れ去られていった。その後、彼がどうなったかは想像に難くない。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択