No.491111

そらのおとしもの〜天使と仮面騎士の物語〜第20話『Jの強襲/騒霊のコンサート』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
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2012-10-01 23:18:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1078   閲覧ユーザー数:1066

「コンサート?」

 

 

放課後、教室で帰り支度をしていた刹那とイカロスの前にリインが現れ、2人にポスターを見せた。

 

 

「はい。友達からチケットを3枚もらったんです。3日後、市民ホールの野外スペースでコンサートがあるそうなんです」

 

「コンサートか。たまにはそういうのもいいな。イカロスはどうする?」

 

「問題ありません。その日は空いています」

 

返事を聞いた刹那は教室の時計で現在の時間を確かめる。今日は、5限目で終わりなので夕ご飯までにはまだ時間がある。

 

 

「下見も兼ねて1度様子を見に行くか」

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「で、来たのはいいんだが、」

 

 

刹那は一緒に居る『3人』に振り返る。

 

 

「なぜ咲夜姉がいる?」

 

「ちょっと用事があってここまで来ただけよ」

 

 

咲夜は爽やかに笑ってそう答える。

 

 

「あれが、プリズムリバー幻楽団の人達ですか」

 

「……ちょうどリハーサル中のようですね。かすかに音が聞こえます」

 

 

イカロス達の視線の先では、3人の少女が楽器を演奏していた。

 

 

「防音結界を展開しているはずだぞ。すごい聴覚だな、イカロス」

 

「昔から音には敏感です」

 

 

刹那に誉められたイカロスは嬉しそうに頬を赤く染める。

 

 

「そろそろ休憩しようか」

 

「ふぅー」

 

「疲れたー」

 

 

金髪の少女が楽器を下ろし、顔を上げた時、刹那達の姿があった。

 

 

「あの男の子は……」

 

 

人が来ていたことに気づいた他の2人が声をかけた。

 

 

「コンサートは、3日後だよ。何しに来たの?」

 

「えぇ、その下見に来たんです。コンサートに来るのは初めてなので」

 

「あまり緊張しすぎない方がいいよ。音楽って、気楽に楽しむものだし」

 

「ねぇねぇ、名前は何て言うのかな?」

 

「……工藤刹那……」

 

 

見ず知らずの少女に突然名前を呼ばれて刹那は首を傾げる。

 

 

「それで合ってますが、なぜ知ってるんですか?」

 

「夜行性の知り合いが経営してる食堂に君の写真があった……」

 

「みすちーの知り合いだったのか」

 

 

共通の話題が見つかった2人の話は少しずつ盛り上がっていった。

 

 

「……世の中って、狭いんですね」

 

「そういうの意外と多いわよ」

 

 

イカロスが驚いているなか、咲夜は諦めにも似た境地に至っていた。

 

 

「……自己紹介が遅れたけど、私の名前はルナサ・プリズムリバーよ。他の2人は、メルランとリリカって言うの」

 

 

「改めて紹介しますが、俺は工藤刹那です。連れの――」

 

 

自己紹介の途中、刹那はルナサと共に伏せる。その直後、ライフルの弾が2人のいた位置を通りすぎた。

 

 

「フォルスかッ!!」

 

「刹那っ!!」

 

「大丈夫だ!!」

 

 

イカロスに応対しつつ刹那は辺りを警戒する。リイン、イカロスは咲夜とアイコンタクトを取り、プリズムリバー三姉妹の所へ駆け寄る。その間にも、大勢の足音が聞こえてくる。

 

 

「皆さん、こっちです!!」

 

「速く逃げましょう!!」

 

 

三姉妹は、戸惑いつつも素早く避難行動を取る。

 

 

「既に警察にリイン達の保護を頼んである。後は、フォルスを倒すだけよ」

 

「さすが、メイド長は仕事が早い」

 

 

2人はドライバーを装着し、変身の構えを取る。

 

 

「「変身!!」」

 

《KAMEN RIDE:GATHER》

 

《HENSHIN》

 

 

2人が変身を終えると同時にフォルスの部隊が目の前に現れた。

 

 

「仮面ライダーが!! またしても、我らの邪魔をするか!! 奴らを殺せ!!」

 

 

背中にローターを装備したヘリコプター型の怪人……ジャイロフォルスが前へ出て号令をかける。新型のTタイプを含むソルジャー部隊は剣を構え、一斉に突撃してきた。ゲイザーとカブトMは武器を構え、それを迎え撃った。

 

 

「…………」

 

 

2人はまるで水の様に動き、1体1体を確実に斬り捨てていく。

 

 

「くそッ!!」

 

 

やけくそになった1体がマシンガンを撃つが、カブトMは近くにいた別のソルジャーを盾にして防ぎ、瞬時にクナイガンで反撃する。

 

 

「キャストオフ」

 

《CAST OFF》

 

「うわっ!!」

 

 

カブトは装甲をパージし、周辺のソルジャー数体を戦闘不能に追い込む。

 

 

「危ないな、咲姉」

 

 

盾にしたソルジャーTから顔を出して、ゲイザーはカブトRに抗議する。

 

 

「問題ないわ。怪我をしたら、私が隅々まで面倒を見てあげるから」

 

「リインかイカロスにやってもらうから別にいらない」

 

「戦場で、よそ見をするな!!」

 

 

残っていたソルジャーT近接型2体がバスターソードを手にゲイザー達に斬りかかる。

 

 

「ここは、我らが食い止めます!! 隊長は、先にお進みください!!」

 

 

他にも残っていたソルジャー部隊が続くように攻撃をしかけた。

 

 

「すまん……」

 

 

ジャイロフォルスはローターブレードを頭上に展開し、ゲイザー達を飛び越えていった。

 

 

「雑魚は、私がなんとかする。貴方はあいつを追って」

 

「後は任せた」

 

 

そう言うと、ゲイザーは1枚のカードを取り出し、ドライバーに装填した。

 

 

《FORM RIDE:GATHER MATERIAL》

 

 

電子音がなると同時にゲイザーは光に包まれ、白銀の翼を身につけた。

 

 

「逃がすか!!」

 

 

ゲイザーMは踵を返して空を飛び、イカロス達の所へ向かっていたジャイロフォルスを日本刀型ライドブッカーⅡで叩き落とした。

 

 

「くそッ!!」

 

 

ジャイロフォルスは殴りかかるが、ゲイザーMはひょいとかわしながら銀色の閃光を走らせた。

 

 

「この先には行かせない!!」

 

 

ゲイザーMは放たれたハイキックを左腕で防ぎ、右手の刀でジャイロフォルスを斬り払う。

 

 

「これで止めだ」

 

 

ゲイザーMは必殺技のカードを発動させた。

 

 

《FINAL ATTACK RIDE:G・G・G・GATHER》

 

 

10枚のディメンションフィールドが現れ、刀を構えたゲイザーMに重なってエネルギーを蓄積させた。ゲイザーは刀を握り直し、地面スレスレを飛翔した。

 

 

「くっ……」

 

 

ジャイロフォルスはチャフスモークを辺り一面に展開し、視界を塞いだ。ゲイザーMはやむ無く停止し、地面に降りた。少ししてスモークが晴れたが、フォルス達は既に姿を消していた。

 

 

「逃がしてしまったわね」

 

「ああ」

 

 

ゲイザーMとカブトRは変身を解除した。

 

 

「3日後にまた来るな」

 

「警察や楽団と合流して対策を練った方がいいわね」

 

「それが、妥当だな」

 

 

刹那達は、今ごろ翔太郎達と合流しているであろうリイン達の所へ向かった。

 


 
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