No.402829

そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~ 第7話『紫槌と決着と未来』

蒼き星さん

これまでの[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]は

「クドウセツナ…、ナンデオマエガ……ユルセナイ……」

(こいつ、俺が目的なのか。!? まさかアロガンスに正体がバレたのか?)

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2012-04-04 21:31:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:849   閲覧ユーザー数:843

【工藤家】

 

商店街でウヴァやヤミーと一戦交えた後、リビングで伊達達との話し合いが行われていた。

 

「ヤミー……、それがあの怪人の名前なんですね」

「そうだ」

「話を聞くに、ヤミーはお前を狙っていたみたいだな」

 

肯定した伊達に続くように喋ったのは、後藤慎太郎という男性である。

 

「憎しみのあまり殺されかけるって、アンタいったい何をしたのよ?」

「身に覚えがないな」

「リインちゃんにイカロスちゃんが可愛すぎてすぎて嫉妬したんじゃないの?」

「……すごくありえるわね」

 

たまたまイカロスに会いに来ていたニンフはイカロスとリインを見ながら伊達の言葉に頷く。

 

「すみません、刹那」

「お前が気に病むことじゃない」

 

シュンとなっているイカロスに刹那はフォローを入れる。

 

「医師せんせいの言うことが本当なら私達も狙われる可能性があるってことですよね?」

「そういうことになるな」

「翔ちゃんにも応援を頼んでお前達を護衛しながら犯人を探してみるよ。刹那はともかくイカロスちゃんとリインちゃんはあまり荒事に慣れていないだろ」

「すみません、ついさっき会ったばかりなのにそこまでお世話になってしまって……」

「良いってことよ」

 

申し訳なさそうにするイカロスに対し、伊達は笑顔で答える。

 

「せっかくですし、今日は夕飯を食べていってください。刹那がべヒーモスという獣を狩ってきたのでお肉は山ほど有るんです」

「待て!! 今明らかに地球産じゃない名前が出てきたが、どこから狩ってきたんだ?」

 

イカロスが口に出した単語に反応した後藤が質問するが、刹那はさも当然と言うように

 

 

「イヴァリースで狩ってきました」

 

 

と口にした。

 

 

★★★★★

【翌日・風花高校】

 

「また怪人絡みでここに来るとは思わなかったぜ」

「速く調査を進めるぞ! でないと、2人が危ない」

「分かってるって」

 

2人は目についた女子や男子、教員などに話を聞いていった。1時間ぐらい調査を進めていった後、1年生の教室が多く集中しているエリアでようやく手がかりをつかめた。

 

「男子の様子がおかしい?」

「詳しく話を聞かせろ」

「はい、ついこの間に同じクラスの山田黒助っていう男子が別のクラスにいる女の子に告白したんですけど、玉砕したんです」

「それで」

「それからこの世が終わったかのような表情をしていたんでしけれど、今朝工藤先輩の話をしてから急に怖い顔になったんです」

「なんか展開が読めてきたが、その告白された女の子の名前は分かるか?」

「工藤リインフォースさんです」

 

それを聞いて翔太郎は「やっぱりか」と頭を抱えていたが、照井の方は頭の上にハテナマークを出していた。

 

「どういうことだ、左?」

「昔からリインに告白する奴は結構いたんだよ。結果は言うまでもないが……」

「なるほどな。で、そいつは今どこにいる?」

 

翔太郎の話を聞いた照井が話の続きを促した。

 

「授業が終わったら、すぐに教室を出ていきました」

「ッ!? 刹那が危ない!!」

 

翔太郎がそう言った瞬間に校舎の一部が破壊され、悲鳴が聞こえてきた。

 

★★★★★

 

 

「まさか犯人がこの学校の生徒だったとはな」

 

教室にいた刹那は嫉妬のオーラをみにまとった山田がやってきた後にヤミーの出現を確認し、現在は1階を逃走中である。

 

「確か今の時間は体育館が空いていたな。そこなら人的被害が出ないはずだ」

 

刹那は体育館に進路を向け、全力疾走した。

 

「刹那!!」

 

途中、十字路から伊達が合流した。

 

「イカロスちゃんは後藤ちゃん、リインちゃんは翔ちゃん達が守ってくれているから安心しろ! それで、これからどうする!?」

「体育館で敵を迎撃します!!」

「了解した」

 

2人は一般人に接触しないよう気を付けながら全力で走り続け、数分後に体育館の中へと入った。敵に備え、2人はそれぞれドライバーを腰に巻いた。

 

「「変身」」

≪KAMEN RIDE:GATHER≫

 

2人が変身完了すると同時にスズメバチヤミーが体育館の窓を突き破ってきた。

 

「クドウセツナ……オマエヲコロス……」

 

ヤミーは左腕を構え、上空から加速をつけながらゲイザーめがけて突っ込んだ。

 

「自分を変えようともせず、わめくことしか出来ない奴に文句を言う資格はない!!」

 

ゲイザーはなんなく攻撃を回避した。勢い余ったヤミーはブレーキをかけることが出来ず、腕を床に突っ込んでしまって抜けなくなってしまった。バースとゲイザーはその光景を見て目が点になった。

 

「「…………」」

≪kAMEN RIDE:KIVA≫

≪FOME RIDE:KIVA DOGGA≫

 

ゲイザーは吸血鬼をモチーフとした仮面ライダーキバ・ドッガフォームに変身し、ドッガハンマーを思いっきり振り上げてヤミーに叩きつけた。それにより、ヤミーの全身が深く埋まっていくと同時にセルメダルが辺りに散らばった。

 

「……セルメダル拾うか」

 

やることが無くなったバースはセルメダル収拾に集中し、Gキバ・ドッガは黙々とハンマーを振り上げては叩きつけるを繰り返した。そして、ヤミーに止めを刺そうとした時、

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

かなり切羽詰まった表情でウヴァがGキバ・ドッガを突き飛ばした。

 

「お前、仮にも正義の味方がやることじゃないだろ!!」

 

Gキバ・ドッガはゲイザーに戻ってウヴァに近づきながら1枚のカードをドライバーに装填し、

 

≪FINAL ATTACK RIDE:≫

「お前らグリードにだけは」

 

右手でサイドハンドルを押した。

 

≪T・T・T・THE BEE≫

「言われたくないわぁぁぁぁ!!」

 

ゲイザーは槍状に形成されたエネルギーをまとった左腕でウヴァの胸部を貫いた。

 

「がはっ!!」

 

ゲイザーが左腕を引き抜くとウヴァはよろよろと左手で胸をかばいながら距離を取った。

 

「こうなったらセルメダルだけでも――」

 

ウヴァが後ろを振り向くと、大量のセルメダルとバースの姿があり、ヤミーの姿はどこにもなかった。

 

「残念、ヤミーは俺が解体しちゃった♪」

 

バースは茶目っ気を出しながら言った。

 

「くっ! 覚えてろ、貴様ら!!」

 

ウヴァは捨て台詞を吐きながら去っていった。

 

「なんか締まりの悪い終わりだったな……」

「まあ、いいじゃん。結果オーライって事で」

 

こうして、工藤刹那殺害事件は未遂に終わった。

 

 

 

後半がこんな展開になるとは、自分でも予想外でした。

 


 
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