No.406799

ACE学園 第8話『バニーな女性たち/ドッキリお正月』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-11 21:33:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1000   閲覧ユーザー数:990

【高町家、朝】

 

 

自室のベッドで眠っていた士樹は携帯の目覚ましで目覚めた。士樹はベッドから降りようとした時、心当たりのない膨らみがあることに気がついた。

 

 

「何だろう、これ?」

 

 

士樹がシーツをめくると、そこにはいつの間に潜り込んでいたのかアインハルトが何故かコミックアラカルトの扉イラストで来ていたようなビキニに近いバニーガール姿でいた。

 

 

「……朝ご飯までまだ時間あるし、二度寝するか」

 

 

士樹はシーツをかけ直した上でアインハルトをしっかりと抱きしめ、再び寝ることにした。

 

 

 

【30分後】

 

 

「士樹、あけましておめでとうございます」

 

「あけましておめでとう、アインハルト。新年早々男としては嬉しいんだが、何故そんな恰好を?寒くないのか?」

 

 

士樹はさっき聞けなかった質問を意識のはっきりしているアインハルトにした。

 

 

「今年が兎年で、士樹を誘惑するためです。後、士樹が温めてくれましたので寒くありませんでした」

 

 

アインハルトは顔を赤らめながら言う。

 

 

「それだけじゃなくて枕元にある猫のおかげでもあるだろう」

 

 

士樹は枕元にあるアインハルトのデバイス[アスティオン]を見た。見た目はただのぬいぐるみで、とてもデバイスとは思えない一品だ。

 

 

「2人共、ご飯が出来たわよぉ!」

 

 

1階から桃子が士樹達を呼んだ。もう1度言う、士樹『達』である。

 

 

(この件、桃子さんが絡んでいるな)

 

 

士樹は「あの人なら普通にやりかねないな」と考えるが、私服に着替えてアインハルトと1階のリビングに入った。

 

すると、

 

 

「「あけましておめでとうございます、士樹さん、アインハルトさん」」

 

「あけましておめでとうございます」

 

 

目の前には何故かアインハルトと似たようなバニーガール姿のコロナとリオがいた。士樹がその事実に驚きの目を見張って周りを見渡すと、他にも同様の恰好をしたヴィヴィオ、なのはがそれぞれの相手であるレイとユーノにくっついていた。この場に居る女性陣で桃子と高町家長女の高町美由希だけがバニーガール姿ではなかった。ちなみに、ここに現在ここにいない恭也は月村邸にいたりする。

 

 

「桃子、お前もバニーガール姿になったらどうだ?充分似合うと思うぞ」

 

「あなた、私はもうそんな年じゃないわよ」

 

 

高町家の大黒柱である高町士郎は誰が見ても分かるぐらい残念そうにしていた。

 

 

「やあ、士樹」

 

「あ、明けましておめでとう」

 

「明けましておめでとう、2人共」

 

 

レイは普通に受け入れているが、堅い所があるユーノはまだ照れが残っていた。

 

 

「何故女性陣がバニー『兎年だから』……」

 

 

先程アインハルトにした質問を再びするが、その結果に士樹は閉口するしかなかった。とりあえず、士樹はアインハルトとテーブルに着くことにした。

 

 

「さて、皆がそろったところでお節を食べるわよ」

 

『いただきます』

 

 

皆は思い思いに箸を取り、好きな物を食べ始めた。

 

 

「ユーノ君、あ~ん」

 

「あ、あ~ん」

 

 

さっそくなのははユーノとイチャつき始めていた。

 

 

「コロナ、この黒豆、味がおかしくないかな?」

 

「確かにそうだね」

 

「それ作ったの私だよ、リオちゃん、コロナちゃん」

 

「え!?」

 

「美由紀さんが作ったんですか!?」

 

 

リオとコロナは自分が食べた黒豆を作ったのが、アンブレラ社のTウイルス並にやばい料理を作るシャマルやセシルと並ぶ腕前の美由紀が作ったと知り、顔が青ざめる。

 

 

「これを2人で飲め!」

 

 

士樹が素早く万能薬のボトルをリオに手渡す。リオはそれを半分ほど飲んだ後クロックアップに匹敵する速さでコロナに渡す。

 

 

「助かります、士樹さん」

 

「どういたしまして」

 

 

リオは万能薬を渡してくれたことに感謝し、士樹は素直に応える。

 

 

「ちょっと!!私の料理を何だと思ってるの!?」

 

 

当然のことながら美由希は抗議する。しかし、

 

 

『猛毒』

 

 

美由希以外の全員――ヴィヴィオやコロナでさえも――一蹴される。それで落ち込む美由希を置いて高町家+αは食事を続けることにした。

 

 

「士樹さん、伊達巻卵が好きでしたよね」

 

 

士樹の左側にいたコロナがさいばしで重箱から伊達巻卵を取って、士樹の取り皿に置く。

 

 

「ありがとう、コロナ」

 

「良いですよ、これくらい」

 

 

士樹の言葉にコロナが笑顔で返す。

 

 

「士樹、あ~ん」

 

「あ~ん」

 

 

それを見たアインハルトが自身の皿にあった黒豆を士樹に食べさせ、視線でコロナをけん制する。

 

 

“士樹は私のものです、コロナさん”

 

“何のことですか?私は命を助けてもらったお礼をしただけですよ”

 

 

念話で会話する両者の間で黒いオーラが発生し、空気が張り詰める。アインハルトは「誰にも渡しません」と言わんばかりに士樹の右腕に密着するが、コロナは眉毛一つ動かさず、笑顔のままだった。

 

 

(こういうのを修羅場というんだろうな)

 

 

士樹は普通の人間ならあたふたするであろうこの状況を恋人と密着できるという理由でむしろ楽しんでいた。

 

 

「(もっと楽しむか)アインハルト、口を開けてくれ」

 

 

士樹は肉レンコンを口でくわえ、ポッキーゲームの要領でアインハルトに突き出す。

 

 

「わ、分かりました」

 

 

アインハルトは赤くなりながらもレンコンを口に含む。2人はレンコンを黙々と食べ続け、最後に軽くディープなキスをした。

 

 

「お楽しみは後で取っておくとしておこう。まずは、お節を楽しみたいからね」

 

「そうですね、士樹」

 

 

それを見た人達の反応は様々だった。

 

 

「見せつけてくれるじゃないか、士樹」

 

「うー、2人には負けてられないね」

 

 

上からレイ、ヴィヴィオの反応である。

 

 

「相変わらず仲が良いね、2人共」

 

「そうだね」

 

 

なのはとユーノは士樹達を暖かく見守り、高町夫妻はレイとヴィヴィオよりも張りきっている。リオとコロナは抱き合って(Not百合)キャーキャー騒いでいる。

 

 

今日も、そしてこれからもバカップルはバカップルであることをやめないであろう。

 

 

 


 
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