No.440102

ACE学園第20話『鬼姫の騎士達』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-06-21 21:18:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1873   閲覧ユーザー数:1845

「ギルフォード卿、他の皆もそんなかっこうで何をやってるんですか?」

 

 

スザクは、バックステップで斬撃を避けながら目の前でサングラスをかけた男性の集団に声をかける。変装のつもりなのだろうが、まるで意味をなしていない。

 

 

「黙れ!! ユーフェミア様に手を出した不埒者め!!」

 

「ここで死んでもらうぞ!!」

 

 

先頭にいたギルフォードと一緒にいたダールトンはパープルカラーのヴィンセントを身に纏う。後ろにいたグラストンナイツも1人は青いヴィンセントを、4人は砲撃型ナイトメアのガレスを装着した。

 

 

「さっきから感じていた殺気はあなた達の物だったんですね」

 

「気づいていたのか?」

 

「周りに、そういう事に敏感な友人がいまして。動きを見てればすぐに分かります」

 

「そういうことか」

 

 

程なくして、士樹とアインハルトがスザクとギルフォード達の間に割り込む様に到着する。

 

 

「スザク、大丈夫?」

 

「ああ、問題ないさ」

 

「早くユフィさんの所へ行ってあげてください」

 

「そうさせてもらう」

 

 

スザクは、自慢の脚力で素早くかけ去っていく。

 

 

「逃がさん!!」

 

 

ガレスの1機が右腕のハドロン砲をスザクに向けるが、散弾によって撃ち抜かれた。それと同時に、光学迷彩を解除した宗介のアーバレストが現れた。

 

 

「M9系列のAS!! ミスリルまで動いてるのか!?」

 

「知っているか? 人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ぬらしいぞ」

 

 

宗介は愛用のボクサーを構えながら発言する。

 

 

「僕達も行くよ! 変身!!」

 

《KAMEN RIDE:AQUARIUS STRIKE》

 

「もちろんです!」

 

 

士樹はアクエリアス・ストライクへと直接変身し、アインハルトもMS少女へと変身する。

 

「敵装甲騎兵3機、こちらに向かってきます」

 

「仕方がない!! 奴らを早々に蹴散らすぞ!!」

 

 

ダールトン達は散開し、アクエリアス達を半包囲陣形で取り囲もうとする。

 

 

「遅い!!」

 

 

アーバレストはガレスの1機にボクサーを放ち、機動力を削ぐ。その隙を突いてアインハルトが右脚部のビームサーベルを展開して回し蹴りを叩き込む。元々動きの遅いガレスにそれをかわすことは出来なかった。

 

 

「バート!!」

 

「ガレス部隊は後方に回れ!! お前達では分が悪い!!」

 

 

ギルフォードの指示に従い、ガレス達が後方に下がる。反対に、ヴィンセント3機が前線に出てくる。

 

 

「よくも、バートを!!」

 

 

ダールトンがアインハルトにMVSを叩きつけようとするが、アクエリアスSのダブルガトリングで遮られる。

 

 

「アインハルトには指一本触れさせないよ!!」

 

「あの蒼い騎兵から倒せ!! あれさえ落とせば敵の砲撃支援は途絶える!!」

 

 

青いヴィンセントの指示に従い、グラストンナイツの攻撃がアクエリアスSに集中し始める。

 

 

「まず、後方支援を断つ。正しい選択だな」

 

「士樹ッ!!」

 

「お前の相手はこっちだ!!」

 

 

青ヴィンセントが斬りかかり、アインハルトは横に回避する。

 

 

「こうなることは、予測済みさ」

 

《KAMEN RIDE:SEED・SEARCH PSYGA G3-X》

 

 

アクエリアスSはカードを使って、仮面ライダーシード・サーチフォーム、サイガ、G3-Xを召喚する。

 

 

「サイガ、G3-Xは空陸から牽制を、シードは遠距離から1機ずつ確実に狙え」

 

 

アクエリアスSの指示に従い、3体のライダーはそれぞれ配置につき攻撃に始める。その攻撃は、ガレスの砲撃を止めるのに十二分の役割を果たしていた。アクエリアスSは、部隊から孤立したガレスに容赦なくガトリングの降らせる。シードSも追従するように銃の引き金を引く。

 

 

「これ以上、やらせるかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

青ヴィンセントが仲間を救うべくMVSを構えて突っ込んできた。

 

 

「そんな人形で私達を止められると思うな!!」

 

 

ここで1つ説明しよう。G3-Xは通常の人間には扱いきれないほど高度な戦術AIを積んでいるため、普通はAIのレベルを下げる必要がある。しかし、今のG3-Xは無人だ。つまり、

 

 

「ぐはっ!!」

 

 

単純に突っ込んでくるだけの機体の腹部に高周波振動ナイフを突き刺すことなど朝飯前である。

 

 

「呼び出しておいて難だけど、けっこうえげつないことするね」

 

「まだまだ……!!」

 

 

G3-Xは、青ヴィンセントをそのまま蹴り飛ばしてガトリングを至近距離から2分間撃ち続け、機能を停止させる。その光景に、宗介以外の全員があぜんとした。

 

 

「あの人、大丈夫かな?」

 

「敵の息の根は確実に止めるべきだ。心配する必要なんかない」

 

 

さすがにG3-Xの召喚を後悔し始めたアクエリアスSにアーバレストはよどみなく答える。

 

 

『全軍、聞こえるか?』

 

「コーネリア殿下から通信?」

 

 

ギルフォード達は、仕える主からの暗号通信に耳を傾ける。

 

 

『もはや、勝敗は決した。全軍、撤退せよ』

 

「なっ!? 我々はまだやれます!!」

 

「そうです!!」

 

『この騒ぎで、治安維持部隊が動き始めている。負傷兵を回収し、速やかに撤退せよ』

 

「イエス・ユア・ハイネス」

 

 

ギルフォードは仮面の下で苦虫を噛み締める様な表情をした。倒れた負傷兵は分担して運び、戦場から撤退していった。それを見届け、アクエリアスS達は変身を解除した。

 

 

「これにて一件落着だね」

 

「いいかげんスザクさんのことを認めればいいのに……」

 

「油の様にしつこかったな、あいつら」

 

「アインハルト、大丈夫?」

 

「ご心配なく」

 

「今日は、いい経験をした。デートには銃火器の類いが必要だということが分かったからな。今度、千鳥とデートに行く時は選りすぐりの武器を用意していこう」

 

「激しく間違っているよ、それ」

 

「間違いなくかなめさんに怒られますよ」

 

「? そうか?」

 

「ひとまず帰ろうか。皆、心配しているだろうし」

 

 

アクエリアスS達は変身を解除し、翠屋へと向かった。

 

 


 
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