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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第九十九回 第五章B:御遣い奪還編⑮・エピローグ

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回はエピローグです

長かった北郷奪還劇もこれにて終了です。

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2016-12-11 00:00:47 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4320   閲覧ユーザー数:3715

 

 

曹操軍本隊が許に帰還した時には、すでにすべてが終わった後であった。

 

 

 

郭嘉「本当に申し訳ありません。北郷涼州連合軍の強襲を防いでいるうちに、臧覇を筆頭とした元呂布軍の者どもが造反、天の御遣い、

 

徐庶と共に脱走を許してしまいました」

 

 

 

郭嘉は玉座に戻って来た曹操に対して平伏し、しかし焦りや恐れの感情は一切なく、

 

どこか覚悟の決まった落ち着いた口調で曹操が南征中に起きた出来事を何一つ隠すことなくありのままを伝えた。

 

曹操の周囲では荀彧や程昱といった文官の他に、夏候惇や許緒、典韋、三羽烏など南征軍に従軍していた、

 

主要な武官たちも静かに聞いていたが、皆全身に煤や火傷の跡があり、一様に俯き加減である。

 

 

 

荀彧「チッ、アイツ、今まで男のくせにそれなりに使えると思っていたら、ずっと呂布の元に帰参する機会を窺っていたのね・・・!」

 

郭嘉「兵も何人かの負傷者を出しておりますが、特にチョコ、公明は重症です。チョコは毎度の事ですが、公明は未だ意識が戻りません」

 

 

 

高順によって腹に風穴を開けられた張郃については、不死身の名が体を表すが如く、

 

その内ケロッと回復して見せる謎の生命力を持っているのだが、

 

呂布に敗れた徐晃については、切り伏せられてはいないものの、方天画戟による打撃をまともに受け、

 

加えて城壁をぶち破るほどの勢いで吹き飛ばされたため、未だ意識が戻らず危ない状態であった。

 

 

 

郭嘉「華琳様、今回の件はすべて、呂布の精神状態を読み切れず、御遣い拉致を提案した私にあります。ですので、どうか処分は私だけ

 

に留めて頂きたいのです。チョコも公明もただ指をくわえて御遣いの脱走を許したわけではありません。満寵含め、彼女らの功もあり、

 

城下に大きな被害を許していません。ですので―――」

 

 

曹操「黙りなさい、稟」

 

 

 

そして、郭嘉は誰かが口を開く前に立て続けに謝罪し、今回の未曽有の大失態の責任は自分にあり、

 

他の城を守っていた者にはないため、処罰は自分一人に留めてほしいと嘆願するが、

 

最後まで言い切る前に、曹操が黙れと郭嘉の主張を一蹴した。

 

玉座の空気が重苦しいものからピリピリ張りつめた冷たいものに変わる。

 

郭嘉と曹操とのやり取りを、周囲の者たちは冷や汗を感じながら固唾を呑んで見守ることしかできない。

 

 

 

曹操「・・・はぁ、そもそも、今回私はあなた達を処分しようなどとは考えていないわ。御遣い拉致の件も、処刑の件も、果ては北郷軍の

 

強行の気配に気づけず捨て置いたことも、全ては最終的に実行すると判断した私に責任がある。それに、兵の大半が抜けてしまっている

 

中、城を守り切ってくれた事実は変わらないわ。確かに失ったものは大きいけれど、全てではない。我が宝はまだ手元に残っている。民、

 

城、そして稟、公明、チョコ、満寵、あなた達がちゃんと生き残ってくれたのだからね。よくやってくれたと言いこそすれ、処分などする

 

ことはできないわ」

 

 

 

しかし、曹操の口から飛び出た言葉は、意外にも不問というものであった。

 

責任の話をすればトップである曹操自身にあるし、事実、絶体絶命の中城の陥落を防いだのだから、

 

労いの言葉をかけこそすれ処分などありえないというのである。

 

曹操の主張はこの場の誰もが想像したものと違っていた。

 

 

 

郭嘉「華琳様・・・」

 

 

曹操「そう、命がある限り、まだ道はある。我が天命はまだ尽きていない。南征も失敗に終わったけれど、それでも私たちは生きている。

 

これはつまり、天は統一を急くなと告げているに過ぎないわ」

 

 

 

天に見放されたのであれば、南征が失敗した時点で自分の命はないし、城も陥落しているかもしれない。

 

しかし、今回はその両方とも違う。

 

ただ力が削がれたに過ぎない。

 

曹操は、これらのことから、力を持ち過ぎ、統一を急いでしまった報いであり、時機を見誤った結果であるという論を展開した。

 

 

 

郭嘉「失敗・・・やはりそうでしたか・・・」

 

 

 

そして、曹操の失敗という言葉から、郭嘉は想像していた最悪の結果、つまり、曹操軍が孫劉同盟に短期間で敗れたのだと認識した。

 

 

 

荀彧「こちらは総勢20万強の兵のうち、途中離反した元袁紹軍の兵も含めると約7割を失ったわ。主だった将では秋蘭がやられたわ。

 

本人は大丈夫と言っているけれど、誰が見ても重症よ」

 

 

 

郭嘉の表情を見て、荀彧は南征での自軍の被害状況を説明した。

 

約7割の兵を失った。

 

つまり残ったのは約3割ということである。

 

瓦解と言って過言ではない事態に郭嘉は息を飲んだ。

 

いったいどういう事態が起これば、戦上手の曹操はもとより、

 

荀彧、程昱という曹操軍を代表する軍師がいながら、それほどまでに兵が失われるのだろうか。

 

郭嘉には到底理解の及ばないことであった。

 

 

 

郭嘉「そうですか、秋蘭様の姿が見えないと思えば・・・しかしあの秋蘭様が・・・」

 

 

 

確かに、主だった将の中で夏侯淵の姿だけがこの場にはないようであった。

 

夏侯淵の話題が出た刹那、夏候惇はギリリと歯を噛み締める音がはっきり聞こえるほどに、

 

鬼の形相で歯を噛み締め、ミシミシと両の拳を握りしめた。

 

 

 

荀彧「まったく、今思い出しても腹が立つわ。そもそも、あの烏芻とかいう胡散臭いヤツの唱えた連環の計のせいで―――」

 

曹操「桂花、ヤツの話を私の前でしないでちょうだい」

 

荀彧「も、申し訳ありません!」

 

 

 

さらに、荀彧が南征の話を続けるが、「烏芻」なる人物の連環の計にハメられた、というくだりの話をしようとしたその刹那、

 

曹操の様子が先ほどまでと一変し、眉間に深い筋を作り、睨みだけで人を殺せそうな鋭く冷たく、

 

そして本能的恐怖を与えるような形相で荀彧を睨み付けながら、その話はするなと命令したため、荀彧は慌てて話を終わらせ謝罪した。

 

再び、玉座の空気がひどく重苦しく、そして緊張した状態に戻る。

 

 

 

程昱「ふむ、しかし、解せませんねー。北郷軍らはここまで攻めておきながら、最後まで攻め切らずに撤退をしている。しかも突破した

 

函谷関などの要所も制圧することなくそのまま放置して。これはどういうことでしょうー?」

 

 

 

そのような空気を見かねたのか、程昱は自然と話題を変えた。

 

 

 

郭嘉「それは私も気になりました。確か御遣いが脱走してすぐに火薬玉のようなものが打ち上げられました。満寵や北の防衛に当たって

 

いた兵たちも見たと言っておりますし、その直後北郷軍らは撤退を開始しました。恐らく、その火薬玉が撤退の合図だったのでしょう。

 

つまり、ヤツらは御遣いの奪取のみに重きを置き、我が軍を攻めるのは二の次とした、ということでしょうが、南征軍からの増援を危惧

 

しての事だとしても、本拠に到達するまでの過程で制圧した拠点すら放棄するというのはやはり腑に落ちません。まして洛陽にすら手を

 

出さないとは・・・」

 

 

 

程昱の疑問は、言われてみれば誰もが思うことであった。

 

北郷軍は撤退を開始したかと思えば、落とした手近な曹操領に戻るわけでもなく、

 

そのまま涼州連合の領地である長安まで引き返したのだという。

 

しかも、虎牢関や函谷関といった関所も無断で通りはするものの、制圧して自領に加えるといったことはしなかった。

 

さらに大陸の中枢たる洛陽すら放置したままなのである。

 

これは戦乱たる今の世では考えられないことであった。

 

この戦乱の世での最大の目的は天下平定、つまり大陸の統一である。

 

それを成すには敵軍の領地を奪い、力をそぐことが絶対必要なのにもかかわらず、北郷軍や涼州軍はそれをせずに撤退したのである。

 

仮に許城を攻め切らず撤退したのが曹操軍本隊との交戦を避けるためだとしても、それ以後の行動の意図が読めなかった。

 

 

 

曹操「とにかく、もはや北郷軍は孫劉同盟と同様、最も警戒すべき勢力になっていると結論付けて間違いないわ。事実、涼州軍と同盟を

 

組んでいる今、孫劉同盟に次ぐ第三勢力として並び立つに十分な脅威となっている。我が軍が赤壁で兵力の大半を失った今、今後はこの

 

三つの勢力が覇権を争うことになるでしょう。北郷軍も、今回我が軍の領地を見逃したのも、いきなり国を大きくしたところで治めきれ

 

ないと判断したのかもしれないわね。少なくとも、御遣いは呂布に天下を取らせると発言しているのだから、天下統一にまったく興味が

 

ない訳でもないようだしね」

 

 

 

実際、今回の曹操軍の大敗北によって、現状大陸は大きく分けて曹操軍、孫劉同盟、そして北涼同盟の三勢力に分類できるまでに、

 

勢力の力関係は拮抗しつつあり、いずれはこの三勢力で天下統一を競うのはある程度予測ができた。

 

 

 

程昱「ですが、現時点では北郷軍と孫劉同盟は手を結んでいるはず。今思えば、この同盟は御遣いの仇討のためではなく、御遣い奪還の

 

ための強行軍から目をそらさせるための仮初めのものなのでしょうが、当分はどちらの勢力にも対応する必要がありそうです~」

 

 

 

一方、程昱の指摘するように、現状の構図は北郷軍と孫劉同盟が手を結んでいるため、二勢力が覇権を争っている構図になっていた。

 

その構図がたとえ仮初のものだとしても、仮初が解消されるまではその構図が維持されるわけで、

 

曹操軍にとっては厳しい情勢であることに変わりはなかった。

 

 

 

荀彧「あとは御遣いが生きているという事実をどう説明するかですね。すでに我らが領内では御遣いは処刑されたことになっていますし、

 

噂はある程度周辺諸国にも広まっているはずです。情報操作を慎重に行う必要がありますね」

 

 

 

曹操「ええ、だから早急にすべきこととして、まずは怪我人の手当て、そして偽天処刑と御遣い生存との整合性に対する情報操作、後は

 

領内の被害状況の確認と予算の再編といったところかしら。よって当分の我が軍の方針としては、目立った行動は起こさず、国を休ませ、

 

力を蓄えることにするわ。北郷軍と孫劉同盟もいくら我が軍を共通敵として利害を一致させようとも、いつまでも同盟関係を築けるとは

 

到底思えないし、再び三つ巴の構図になるまで時を稼ぐ。天が統一の時は今ではないと言ったのよ。なら、その時になるまで私は待つ」

 

 

一同「御意!」

 

 

 

曹操の号令により、俯き加減でどんよりとした雰囲気だった周囲の者たちが、一様に気を引き締め、はっきりと応じるのであった。

 

一度潰されたくらいでは折れない。

 

大陸随一の勢力を誇る曹操軍の再スタートの時であった。

 

 

 

 

 

 

【司隷、長安】

 

 

北郷たちが長安に到着した時には、すでに陳宮、張遼、公孫賛ら許城北門を攻めていた部隊が戻っていた。

 

北郷の姿を見た瞬間、真っ先に飛び込んできたのは陳宮であった。

 

小柄な少女の弾丸タックルに、北郷はそのまま馬から吹き飛ばされてしまう。

 

 

 

陳宮「わぁぁぁぁんかじゅとどのぉぉ!!ひっぐ、ご無事で、ご無事で何よりですぅぅぅぅぅ!!」

 

 

 

陳宮は人目もはばからず顔をぐしゃぐしゃにしながら北郷の胸に顔をうずめ泣き崩れていた。

 

 

 

北郷「ははは、ごめんなねね、心配かけたね」

 

 

 

北郷は背中からまともに落馬するものの、そこは男の意地か、

 

うめき声を一切あげることなく陳宮を受け止め、しっかりと抱きしめ、頭を優しく撫でながら謝罪した。

 

 

 

張遼「一刀・・・」

 

 

 

するとそこへ、張遼がうずうずとした様子で北郷と陳宮の様子を眺めているのが北郷の目に入ってきた。

 

 

 

北郷「霞・・・」

 

 

 

そのような張遼の姿を確認すると、北郷はフッと息を吐き、スッと体を起こし、さぁ遠慮せず来いと言わんばかりに片腕を広げた。

 

 

 

張遼「・・・アホ・・・なんやそれ・・・自分自惚れとんちゃうぞ・・・」

 

 

 

そのような北郷の場の空気を読んでいるようで全然読んでいない様子に張遼は俯きながらわなわなと震えていたが、

 

 

 

張遼「アホ!・・・アホアホアホアホアホアホッ!!ホンマアホちゃう自分!!こんなに心配かけよってからに!!」

 

 

 

嵐の前の静けさはすぐに過ぎ去り、張遼は俯いた低い体勢からそのまま北郷目掛けてダッシュし、

 

殺人タックルを繰り出し北郷に抱き付いた。

 

北郷は張遼を受け止めきれず、しかし陳宮の事はしっかりと抱きよせたまま、ザザァーと背中で数メートルほど滑っていく。

 

 

 

北郷「ッ・・・ははは、本当に心配かけてごめ―――」

 

張遼「謝んなや!生きててくれたんや、ここで言うんは一つやろ・・・」

 

 

 

落馬によるダメージに加え、背中と地面の摩擦によるダメージが加わり、さすがに声を漏らしてしまった北郷は、

 

力なく笑うと、張遼をしっかりと抱きしめ、謝罪しようと口を開くが、張遼はそれを拒否した。

 

今にも泣きだしてしまいそうなのを必死に堪え、瞳に涙をいっぱい浮かべながら北郷の顔を見上げてくる。

 

張遼にとって、今北郷に言ってほしい言葉は謝罪の言葉ではないようであった。

 

 

 

北郷「あぁ、そうだな。ただいま、霞」

 

 

 

張遼の拒否に、すぐさま北郷は張遼の求めていることを察し、笑顔で帰来の報を告げる。

 

 

 

張遼「・・・ぐすっ、おかえり、一刀」

 

 

 

北郷の言葉に、張遼はニッと笑う。

 

その瞳から一筋の涙が伝った。

 

 

 

 

 

 

魏続、宋憲、侯成は、呂布軍の前で正座をしていた。

 

三人の顔にはくっきりと足形が残っている。

 

北郷とのドタバタが終わり次第、陳宮に見つかり、速攻でちんきゅーキックを顔面に喰らったのである。

 

 

 

魏続「ハァ、言い訳はしません。私たちは決して許されない大罪を犯してしまったのです。いかなる処罰をも受ける所存です」

 

宋憲「はっ!情けはいらねぇ。ひと思いにやってくれ!呂布にやられるんなら、悔いはねぇ!」

 

侯成「皆の前に出てきた時点で覚悟はもうできてるッス!」

 

 

 

三人は正座をしたまま、しかし俯くといったことはせず、まっすぐ前を見据え、覚悟を決めあらゆる処罰を受け入れる姿勢を見せた。

 

裏切り者の末路などロクなものではないことは癪も承知。

 

そのうえで罪滅ぼしのために北郷の脱出に協力し、呂布の前に潔く出てきているのである。

 

 

 

張遼「アンタら・・・」

 

高順「・・・・・・・・・」

 

陳宮「恋殿・・・」

 

 

 

そのような裏切り三人衆の様子を張遼たちは黙って見つめ、自然と呂布の方に視線を送る。

 

誰が何と言おうと、最終処分を降すのは呂布である。

 

そして、呂布は普段通りの静かで落ち着いた表情で三人を見つめている。

 

 

 

呂布「・・・・・・お前たちが、裏切ったのは、恋が、不甲斐なかったせい・・・もし、お前たちが、また一緒に、戦ってくれるなら・・・

 

恋の元に、戻ってきてほしい」

 

 

 

やがて、ゆっくりと呂布の口から紡ぎ出されたのは、再度共に戦ってほしい、

 

つまり、裏切りに対する報いとして死を与えるということはしないという決断であった。

 

 

 

魏続「な、なんと・・・!?」

 

宋憲「そ、それでいいのかよ!?」

 

侯成「あんなにひどいことをしたのに・・・!?」

 

 

 

あまりの予想外の展開に、三人は一様に驚き、本当にそれで良いのかと、

 

死を免れたにもかかわらず、思わず呂布の言葉が信じられず再度確認を取ってしまう。

 

死を覚悟したのに拍子抜けとまでは言わないが、それほどに、三人にとって呂布の判断は理解のできないことであった。

 

 

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

 

 

それでも、呂布はいつも通り静かに一度うなずき、肯定の意を示すだけであった。

 

それ以上、呂布の口から何かしらの意図や思いが出てくることはなかった。

 

 

 

陳宮「恋殿が良いと仰っているのです!よかったですな!せいぜい、汗水たらして一からやり直すがいいです!」

 

 

 

呂布が決断すれば、もはや文句はない。

 

実質的に一番彼らから被害を受けたであろう陳宮ですら、特段驚いた様子もなく、

 

腰に手を当て胸を張り、三人を指さしながら有無を言わず一からやり直せと偉そうに宣告した。

 

 

 

臧覇「よかったじゃねぇか。お前ら」

 

魏続「臧覇殿、もしやこうなることを知っていて・・・?」

 

 

 

すると、臧覇が可愛らしい顔をニヒルに歪めながら声をかけてきたものだから、

 

魏続は全て臧覇の思惑通りだったのではと勘繰り疑問を投げかけた。

 

 

 

臧覇「さぁな。まぁ、少なくもお前らより俺は奉先様のことを知っているつもりだぜ」

 

 

 

対して、臧覇何ということはないと肩をすくめながら、白を切るが、実質認めたも同じであった。

 

 

 

臧覇「奉先様は異常なくらい優しすぎるんだぜ。そして、絶対に仲間に手をかけないお方だぜ。それはたとえ裏切られてもだぜ。侯成が

 

奉先様に斬られているにもかかわらず生きているのがいい例だぜ。普通なら首と胴がサヨナラしてるぜ」

 

 

 

確かに、普通であれば、呂布に殺意を向けられ斬りつけられたのであれば死んでいるはずなのであるが、侯成は生き残っている。

 

この時点で、呂布は本気で侯成を殺すつもりはないと、呂布のことを良く分かっていたら気づくはずというのが臧覇の言い分であった。

 

臧覇が侯成を見ながら自身の首元を手刀で斬るそぶりをし、物騒な発言も相まって、侯成は首元を抑えながら顔を青ざめさせていた。

 

 

 

宋憲「なら、なんで言ってくれなかったんだよ!」

 

侯成「オレら死ぬつもりで出てきたっていうのにッス!」

 

臧覇「死ぬ覚悟くらいしねぇとあの死地は切り抜けられねぇぜ。まぁ、それくらいの覚悟でこれから奉先様のために尽くすんだぜ」

 

 

 

つまり、結局のところ臧覇は呂布が魏続たちのことを許すだろうと知っていたのである。

 

ただ、魏続たちに死ぬ気で動いてもらうためと臧覇は説明するが、他にも灸をすえるという意味合いがあったのかもしれないが、

 

宋憲たちはそれでも言ってくれよと言わずにはいられなかった。

 

それほど、本気で死を覚悟していたのである。

 

 

 

陳宮「しかし、本当に久しぶりなのです。下邳以来、まったく音沙汰がなかったですし、まぁどこかで生きているとは思っていましたが、

 

まさか曹操軍にいたとは。あなたが一刀殿の脱出の手引きをしてくれたのですか?」

 

 

臧覇「公台殿、お久しぶりですぜ。俺も奉先様が成都で再起したと聞いてずっと帰参の機会をうかがってたんですが、たまたま、その時

 

御遣いが捕まったんで、運が良かったんですぜ」

 

 

 

久しぶりの仲間との再会に、陳宮は驚きと喜びを合わせたような顔で声をかけてきたため、臧覇は深々と頭を下げた。

 

臧覇は呂布とその両腕たる陳宮と高順に対してだけは、礼を尽くして対応するのであった。

 

 

 

張遼「ホンマ、無事なんやったら文くらい書かんかいな!水臭いやっちゃ!」

 

臧覇「そう言うなぜ文遠、俺にもいろいろ事情があったんだぜ。また、おいおい酒の席で話してやるぜ。許の酒の話も含めてな」

 

 

 

対して、張遼とは八健将第一位と第二位という間柄ということもあり、

 

呂布や陳宮、高順とはまた違った、気を遣う必要のない仲間という関係であった。

 

張遼がバシバシと臧覇の背中をたたいて喜びをあらわにすると、臧覇は可愛らしくニヤリと笑い、

 

張遼相手では鉄板である酒の話題を引き合いに出しながらフランクに対応するのであった。

 

 

 

 

 

 

暫くすると、許城の東部を攻めていた馬超ら涼州軍や公孫賛ら白馬義従が長安に戻って来た。

 

 

 

馬超「あ・・・」

 

馬岱「あ!御遣い様だ!おーい♪♪」

 

鳳徳「無事っ!」

 

 

 

帰ってくるなりすぐさま北郷の姿を確認すると、馬超は顔を紅潮させながら絶句し、

 

馬岱は元気に腕をぶんぶん振りながら笑顔で呼びかけ、鳳徳は無表情のまま両手を上げて短く喜びをあらわにした。

 

 

 

北郷「馬超!馬岱、鳳徳も!みんなも来てくれていたのか!」

 

 

 

北郷も涼州で宴に招かれて以来の再会に、また、自分を助けるために協力してくれたのかと思うと嬉しく、大きく腕を振って出迎えた。

 

 

 

馬岱「ほら、お姉さま!何ボーっとしてるの!御遣い様だよ!」

 

馬超「い、いつ私が御遣いさんのことを好きなんて言ったんだよ適当なこと言うんじゃないぞ!」

 

馬岱「えええっ!?いや、適当言ってるのお姉様じゃん。たんぽぽそんなこと一言も言ってないし」

 

鳳徳「自爆っ!」

 

馬超「★■※@▼●∀っ!?」

 

 

 

北郷との再会に、しかし馬超はボーっとした様子で特段感情をあらわにしないものだから、

 

馬岱はバシッと背中をたたいて我に返らせようとするが、我に返ったはいいものの、

 

何の脈絡もない自爆的発言をしてしまい、馬岱と鳳徳にあきれ顔のジト目でツッコミを入れられ、

 

馬超は言葉にならないうめき声をあげるのであった。

 

 

 

馬岱「ねぇねぇ御遣い様!私たち御遣い様を助けるためにすごく頑張ったんだよ♪これはもう、据え膳喰わぬは男の恥ってことで、三人

 

まとめて美味しくいただ―――痛ったぁぁぁぁい!?」

 

 

馬超「たんぽぽお前は一度黙っとけ!!」

 

 

 

そのような馬超のいつも通りの様子に馬岱はニヤニヤと悪戯っぽく笑うと、

 

さらに可愛い義姉をイジろうという思いと、冗談半分本気半分の交錯したきわどい発言で北郷を誘惑しようとするが、

 

最後まで言い切ることなく馬超のグーパンを脳天にくらい、大きなコブを作っていた。

 

 

 

鳳徳「照照っ!」

 

馬超「玲衣お前なんか無理やりだぞなんだよテレテレって珍しく顔なんか赤らめて満更じゃないのかよ可愛いじゃないかもう!」

 

 

 

一方の鳳徳は、馬岱の発言に対して無表情のまま顔を朱に染め、いつものように二文字で短く発言するものの、

 

恥ずかしくて良く分からない状態になっているのか、意味不明な強引な発言になっており、

 

また普段は見られないような鳳徳の珍しく様子に、馬超はツッコミが追いつかず、

 

また自身でも言葉に出すつもりもない余計なことまで思わず口走ってしまっており、総じて混沌とした雰囲気が涼州軍を支配していた。

 

 

 

北郷「ははは、相変わら――――――」

 

 

 

そのような、馬超が何だかんだでイジられるという、涼州軍にとっての通常運転に、

 

自分の事がネタにされていることもあり、北郷は相変わらずだなと照れ隠しに笑おうとするが、

 

 

 

呂布「・・・・・・仲良し」

 

張遼「アカン・・・こら完全に三人ともおちとるやんか・・・」

 

陳宮「もはや避けられないことと半ばあきらめていたとはいえ・・・ぐぬぬ、これはまた争いが激化しそうなのです・・・」

 

北郷「――――――ハハハ、アイカワラズデスネ・・・」

 

 

 

呂布たちが各々戦闘時とは一味も二味も違うギラついた視線を北郷に向けながら呪いの言葉をブツブツつぶやいているものだから、

 

北郷は一瞬で肝を冷やし、内臓を締め付けられる思いで言葉を失った後、苦し紛れに片言になりつつ何とか力なく笑ってみせた。

 

 

 

高順「そういえば、一刀様と一緒に助け出したこの娘、どこかで見たかと思えば、昔荊州で会った、確か徐庶ではありませんか。一刀様、

 

まさかもう・・・」

 

 

北郷「もうって何!?なんかすごい誤解してるみたいだけど何もしてないしするつもりもないからな!?お持ち帰りもしないしちゃんと

 

劉備軍に帰してあげるからな!?」

 

徐庶「わわわ~」

 

北郷「君も顔を赤らめてややこしい顔をしないでくれよ!」

 

一同「・・・・・・はぁ」

 

 

 

さらに高順が徐庶の事を引き合いに出して追い打ちをかけてきたものだから、さすがの北郷も笑ってスルーするわけにはいかず、

 

声も裏返り気味に反論するが、当事者たる徐庶が元々赤面症ということも相まってなのか、

 

或は満更でもないのかは定かではないが、どちらにしても北郷にとって逃げ場をなくすようなややこしい反応を示したため、

 

追い詰められた北郷はとりあえず徐庶に向かって反論するが、最後に残ったのは、

 

今更だけど、という意味を込めた、呂布たちによる深々とした溜息なのであった。

 

 

 

北郷「と、ところで見慣れない人がいるんだけど君は!?」

 

 

 

周り全員を敵に回してしまったような錯覚に陥っている北郷は、とっさに目に入った、

 

見慣れぬ赤髪の女性のことに話題に出し、強引に自身への非難の矛先を捻じ曲げにかかった。

 

 

 

公孫賛「も、申し遅れました。我が名は公孫賛、字は伯珪。この度は御遣い様が窮地と聞き、兵を引き連れ馳せ参じた次第です」

 

 

 

これまで涼州軍の一連のやりとりから、北郷軍の一連のくだりまでを、ほのぼのとした温かい目で見ていた公孫賛は、

 

突如自身に話題を振られ慌てるも、すぐさま自軍の根本的なの目的を思い出し、一歩北郷の前に進み出ると、跪き、名乗りを上げた。

 

 

 

北郷「公孫賛っていえば確か幽州の・・・それは遠路はるばる、ありがとうございます」

 

公孫賛「いえ、元々御遣い様には以前からお会いしたいと思っていました。今回は不幸中の幸い、良い機会でした」

 

北郷「オレに会いたかった?」

 

公孫賛「はい、御遣い様、どうか我ら白馬義従二千余名を御遣い様の軍の末端に加えて頂きたいのです」

 

北郷「ええっ!?」

 

 

 

なんとか話題を真面目な方向に修正でき、ほっと一安心して公孫賛と話をする北郷であったが、

 

思いがけない公孫賛の申し出に、北郷は驚きの声を漏らした。

 

 

 

陳宮「一刀殿、公孫賛殿は一刀殿の偽物が処刑され、偽物と知らず絶望に打ちひしがれ、我を忘れかけていたねねとななを救ってくれた

 

命の恩人。今回も函谷関の突破も含め、大いにお世話になったのです」

 

 

高順「志も高く、我らと共に太平の世を築く事を望んでおられます。幽州の白馬義従が仲間となってくれるとなれば国にとっても非常に

 

有益となるはず。是非とも、仕官のお許しを」

 

 

 

公孫賛の話題になりすっかり嫉妬モードから通常モードに戻っていた陳宮と高順も、それぞれ公孫賛を推挙した。

 

 

 

北郷「そうだったんだ。ありがとう、もちろん、オレ達の仲間になってくれるのなら大歓迎だよ。まだまだ乱世を終わらせるには時間が

 

かかるけど、一緒に頑張っていこう、公孫賛さん!」

 

 

 

北郷にとっては仲間になってくれるのであれば大歓迎であり、まして、

 

自分を助けるために協力してくれたのであり、さらに陳宮や高順のお墨付きとあれば文句の言いようがない。

 

北郷は公孫賛の元に歩み寄ると、にっこりと微笑みながら手を差し出した。

 

 

 

公孫賛「ありがとうございます!私のことは、どうぞ白蓮と、真名でお呼びください、御遣い様」

 

 

 

北郷に快く仲間になることを認められ、公孫賛もニコリと微笑みながら北郷の手を取り起ち上がると、自身の真名を預けた。

 

 

 

北郷「成都領主の北郷一刀です。できれば、御遣い様っていうのは止めてもらえるとありがたいかな。オレって別にそんな大層な奴じゃ

 

ないしさ」

 

 

公孫賛「そうなのですか、それでは、主殿、と呼ばせてもらっても良いですか?」

 

北郷「ああ、まぁ欲を言えば敬語なんてのも恭しくて苦手なんだけど、それはまたおいおい」

 

 

 

北郷の注文を受け、呼び方を改めた公孫賛は、その手をしっかりと握り直すのであった。

 

 

 

 

 

 

【益州、成都城】

 

 

馬超たちに改めて北郷救出に協力してくれたことの礼を述べ、近いうちに馬騰にも礼を述べに涼州を訪れる旨を伝え、

 

固い握手の後、長安で別れた北郷たちは、そのまま益州に帰還し、成都に戻って来た。

 

 

 

北郷「帰って来れたな・・・」

 

 

 

そして、北郷が益州城下に入ろうとしたその時、

 

前方からドドドドドドドドドドッという轟音と共に土煙を巻き上げながら何かがものすごい勢いで北郷目掛けて接近してきた。

 

 

 

北郷「あの土煙は見覚えが―――」

 

魏延「ぉゃかたぁあああああああああっっっ!!!」

 

 

 

そして、その正体が犬に追いかけられている時の魏延そのものであると北郷が思った瞬間、

 

魏延が北郷のことを叫びながら暴走列車の如く止まることなく、北郷目掛けて一直線に超ロングタックルを繰り出し、

 

見事に北郷を馬上からさらい、地べたに突き落とし、そのままマウントポジションで抑え込みに入る。

 

 

 

魏延「お館ぁ!!おやかたぁ!!幽霊じゃないよなおやかたぁ!!よく無事で・・・心配したじゃないかおやかたぁ・・・!!」

 

北郷「・・・・・・今までで一番激しい再会だったよ焔耶・・・・・・心配かけたな・・・」

 

 

 

陳宮や張遼など比べ物にならないほどの一撃に、しかし北郷はうめき声一つ上げず、それでもあまりの衝撃で声が出ないのか、

 

一瞬間の開いた後、軽口すら叩けるほどの余裕を見せながら、最後にはしっかりと魏延を抱きしめ、

 

自身の胸の中で泣き崩れる魏延の頭を優しく撫でながら謝罪の言葉を投げかけた。

 

 

 

鳳統「ご主人様ぁーーー!」

 

 

 

さらに、魏延と同じ方向から、かなり遅れる形で黒のとんがり帽子をかぶった小柄な少女が、

 

北郷の事を呼びながらてててと走ってくる姿が見えた。

 

 

 

北郷「雛里!」

 

 

 

北郷は鳳統が駆け寄ってくると分かると活動限界を迎えている肢体を何とか起こし、

 

魏延を抱えたまま鳳統を出迎える姿勢に入ろうとするが、

 

 

 

鳳徳「ごしゅじ―――へぶっ」

 

 

 

ちょうど北郷の目の前で自分の足につまずき、受け身もとらず盛大に顔から転んでしまった。

 

 

 

北郷「だ、大丈夫か!?」

 

 

 

慌てて北郷は魏延に抱き付かれたままの状態を維持しながら鳳統の元に駆け寄った。

 

 

 

鳳統「あわわ・・・ご主人しゃま、ご無事で・・・ご無事で何よりでしゅ!」

 

 

 

鳳統はすぐに起き上がると、すでに涙腺が決壊してぐしゃぐしゃになっている顔を、

 

無駄と分かりながらもごしごしと拭き、ヒシッと北郷に抱き付いた。

 

 

 

北郷「本当に心配かけたね、雛里」

 

 

 

そのような鳳統を、北郷は力強く、そして優しく抱きしめた。

 

その瞬間、鳳統からの抱きしめる力も強まり、北郷の胸の中から嗚咽交じりに鼻を啜る音だけが聞こえてきた。

 

そして、最後に巨大な胸を揺らした妙齢の女性がゆっくりと北郷の元に歩み寄って来た。

 

頭の上にはなぜかセキトが乗っている。

 

 

 

北郷「桔梗・・・」

 

厳顔「言いたいことは山ほどありますが、とりあえずは、おかえりなさいませ、だな、お館様よ」

 

セキト「わんわんっ!」

 

北郷「あぁ、ただいま」

 

 

 

更に厳顔の後ろには法正や張任、黄権の姿も見える。

 

そして徐々に人は増え、人が人を呼び、城下の前には大勢の成都の民たちが集まってきていた。

 

 

 

男性「みんな!!領主様がお戻りになられただ!!」

 

兵士「お館様、よくぞご無事で!」

 

老人「おぉ・・・これも天のお導きじゃ・・・お館様が無事帰還成された・・・ありがたやありがたや」

 

女性A「きゃぁ、さすがは御遣い様、素敵だわぁ♪」

 

女性B「アンタ変な気起こしてんじゃないでしょうね小娘」

 

女性C「まぁまぁ法さんも孟さんも落ち着きなさって、素直に御遣い様のご帰還を喜びませんこと?」

 

女性D「張さんの言う通りですよ、私達みんなにとって、かけがえのない大切なお方なのですから」

 

子供A「ほら、バクちゃんの言った通りだったでしょ!御遣いのにぃさまは絶対に帰ってきてくれるって!」

 

子供B「へっ、俺だって御遣いの兄ちゃんなら絶対無事だってわかってたぜ!」

 

子供C「御遣いくおりてぃだなー」

 

子供D「みつかいのおにーちゃんすごいもんねー♪」

 

店主「御遣いの旦那ァ!また店に寄ってくだせィ!さあびすしやすぜッてェもんよッ!」

 

 

 

村人の男性が、城に残っていた兵士が、村の長老が、奥様方が、その子供たちが、食事処の店主が、

 

大人から子供まで、老若男女多くの人々が北郷の無事の帰還を出迎え、そして喜び合った。

 

皆一様に泣いたり笑ったりと大騒ぎである。

 

 

 

北郷(あぁ・・・本当に帰って来れたんだな・・・)

 

 

 

自分の変えるべき場所。

 

もちろん、本来北郷はこの世界の人間ではない。

 

それでも、北郷にとって、すでにここ成都は自分の帰るべき、第二の故郷とでもいうべき大切な場所となっていたのであった。

 

 

 

【第九十九回 第五章B:御遣い奪還編⑮・エピローグ 終】

 

 

 

あとがき

 

 

第九十九回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

さて、第七十二回から長きにわたりだらだら続いていた第五章がようやく幕を閉じました。

 

投稿し始めが去年の8月30日。一年以上も続けてしまったわけですが、

 

途中蒸発などもあり本当にぐだぐだで申し訳ありませんでした 汗

 

本当にアンタ地図を見たことがあるのかい?とツッコまれそうなほどのご都合主義で強引な強行軍となってしまいましたが、

 

そこはある程度創作物であるということを加味していただきたく、寛大なお心でご容赦願いたいところです。

 

さて、この第五章というのは、次から投稿予定の「赤壁決戦編」と併せて、大陸での情勢が固まるターニングポイントとなる章で、

 

事実上この御遣い伝説というお話の前半のクライマックスという位置づけで、第六章から後半戦といった感じです。

 

つまりは曹操軍の弱体化、結果、孫劉同盟、そして北涼同盟という3つの勢力が均衡するという形に今後なっていくのです。

 

 

と堅いことは置いといて、ウェルカム白蓮さん!!この時をどれほど待ち望んだことか!正直初登場シーンがピークだったかもと、

 

もうちょっと輝かせてあげたかったのですがこれでも十分輝いていると思うので私は満足です!(あとは拠点に期待です!)

 

 

それでは遅れながら新規のオリキャラ紹介です。第五章ではお一人だけでしたね。

 

満寵:マンチョウ、字:伯寧。真名:??。曹操軍配下の少女軍師。眉上で綺麗に切りそろえられた黒のベリーショートヘアに黒のウサミミバンド、グルグルの真ん丸眼鏡をかけ、ネコ科を彷彿させるω型の口をもにゅもにゅさせている。身長2メートルに達しようかというほどの長身にもかかわらず白を基調にした軍師装束はだぼだぼで、上着のように羽織っている。口調は間延びした疑問調。曹操軍が誇る天才発明家李典の弟子であり、常に研究室に籠っては新兵器の開発に没頭している。最近の研究テーマは兵器の無人化。その兵器の実力は本物で、合肥において張遼が暴れて以後孫策軍を一切寄せ付けていない。今回確認できた新兵器は無人投石機・無人連弩砲・回転式連弩砲・移動型回転式連弩砲など。他にもまだある模様。興奮するとなぜかウサミミがクルクル回転する。長身に比例してお胸も大きい。

 

 

まぁこの娘もツッコミどころ満載なわけですが、そもそも満寵という人物は張遼と併せて好きな人物でして、

 

そのせいで色々盛ってしまったような気もしてます。今後も曹操軍とぶつかればたぶん出てくるかなと思ってます。

 

 

それでは、次回からは記念すべき第百回投稿の特別編を経た後、「赤壁決戦編」へと入っていきたいと思います。

 

今回のエピローグで孫劉同盟サイドの描写がなかったのは、こっちで描写する予定だからです。

 

もう結果は見えてしまっているのですが、その結果に至るまでの過程は少し違ってきますのでよければお読みいただければと思います。

 

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

 

この後一刀君と夜を共にした恋姫は果たして何人いることやら、、、笑

 

 


 
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