No.842212

Triangle Goddess! 第6話「山の上の悪魔」

Nobuさん

Triangle Goddess!、最初のボス戦です。

2016-04-13 19:27:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:253   閲覧ユーザー数:253

 ジャンヌ、ゲール、バイオレット、エルダーは、迫り来る魔物を倒しつつ、

 ファルベベルク山の頂上に辿り着きました。

「ここが、ファルベベルク山の頂上ですか」

「ああ、そうだ」

「……しかし……」

「薬草は見つかったけど……」

 ゲールとバイオレットの言う通り、頂上には確かにファニア草が茂っていました。

 ですが、山の空気はどこか淀んでいて、植物も枯れているものがありました。

「山の元気がありませんねぇ……」

 ジャンヌは風の女神であるため、このような空気には敏感です。

「一体誰がこんな風にしたんだ……」

 エルダーがそう思っていると、

 

「キェーーーッキェッキェッキェッ!」

 突然、空から謎の魔物が現れました。

 その魔物は、ねじり曲がった角と蝙蝠の翼、そして獣のような頭を持っています。

「な、なんだこの魔物は……!」

「来ましたね、レッサーデーモン!」

 その魔物の名は、レッサーデーモン。

 魔界に住む悪魔であり、人間を上回る身体能力と魔力を持っています。

 下位なのでそれ程強くはありませんが、それでも人間にとっては脅威です。

「何っ! 悪魔だと……!?」

 エルダーも悪魔に立ち向かうべく、剣を抜きました。

「キェキェキェキェキェ! オレサマトタタカウノカ?」

「あなたが、この山の空気を乱しているのですね……!」

「キェーキェキェキェキェ! ソレガドウシタ?」

「山を元に戻すため、わたくし達はあなたを倒します!」

 ジャンヌは戦闘態勢を取りました。

「行きますよ、お姉様!」

「うん!」

 ゲール、バイオレットも、姉に合わせて戦闘態勢を取りました。

 

「キェーキェキェキェキェキェ! ニンゲンゴトキニオレサマヲタオセルトオモウナヨ!」

 レッサーデーモンと、見習い三女神、そしてエルダーの戦いが始まりました。

「キェーーーッキェッキェッキェッキェッ!」

「させませんよ? エアリアルブラスト!」

 レッサーデーモンがジャンヌを拳で殴ろうとしました。

 しかしそこは風の女神、軽々とかわして風の攻撃で反撃します。

「グキャアッ!」

「エルダー!」

「分かった、スラッシュ!」

 レッサーデーモンが怯んだ隙に、エルダーは剣でレッサーデーモンを斬りつけました。

「いい調子ですよ、エルダーさ……ってきゃあ!」

 しかしレッサーデーモンも負けてはいられません。

 ボーっとしていたゲールを、レッサーデーモンは爪で切り裂きました。

「キェキェキェキェキェキェキェ! オレサマヲノーキンダトオモッタラオオマチガイダゼ?」

「……そうだね。でも、これなら!」

 バイオレットはそう言うと暗闇を呼び出し、その中に隠れました。

「!? ド、ドコダッ!」

「ここだよ」

 バイオレットは暗闇の中から一撃を放ちました。

 その攻撃は異常に早く、避けるどころか知覚する事すら困難な一撃でした。

「グハァッ!」

「お姉ちゃんを傷つけたら容赦しないからね」

「コ、コノヤロォォォォォ!!」

「あたしは女だよ! よっと!」

 レッサーデーモンの攻撃を、バイオレットは受け流しました。

「ゆくぞ!」

 そしてエルダーが剣を持ち、レッサーデーモンに振りかざしました。

 レッサーデーモンはそれを拳で受け止めました。

「なっ!?」

「ムダダムダダァ! オレサマニニンゲンノコウゲキナドツウヨウセンゾ!」

 そう言うとレッサーデーモンは腕を振り、エルダーを吹っ飛ばしました。

「ぐあああっ!」

「危ない!」

 ジャンヌは風の力をクッションにして、エルダーが落とされる前に助けました。

「た、助かったぞ……。しかし、流石は悪魔といったところだ」

 ふらつきながらもエルダーは剣を構えます。

 しかし、体力はかなり減っているようです。

「今、私が癒します! ヒールライト!」

 ゲールは回復魔法でエルダーの傷を癒しました。

「ああ、助かる……」

「後はこの力を受け取ってください!」

 ジャンヌはそう言うと、風をエルダーに纏わせました。

「この力は……!?」

「わたくしの風の力をあなたに与えました。効果が続いているうちに、早く倒してください!」

「ああ! 分かったぞ!」

 そう言うとエルダーはレッサーデーモンに斬りかかりました。

「ムダダトイッタハズダ!」

 レッサーデーモンはそれも拳で受け止めようとしましたが、

「ナッ!?」

 その剣は、レッサーデーモンには見えませんでした。

 ジャンヌの風の力により、エルダーの素早さが驚異的に上がったのです。

「はあああああっ! 烈風剣!!」

「ギィヤアアアアアアアアアアアアアア!!」

 そしてエルダーの剣から真空の刃が放たれ、レッサーデーモンをずたずたに切り裂きました。

 

「コ、コレデカッタトオモウナヨッ!」

 そう言ってレッサーデーモンは、魔界に去ろうとしましたが、

「させません!」

「ガアアアアッ!」

 ゲールが杖から光を放った事により、レッサーデーモンは呆気なく倒されました。

 するとどうでしょう。

 淀んでいた空気が、見る見るうちに元に戻りました。

「やはり、あの悪魔が原因だったのですね」

「そうだな」

「……さてと、そろそろファニア草を回収しましょうね」

「ええ」

 

「……これでよし、と」

 そして、ジャンヌはファニア草を回収し、妹達と共にファルベベルク山を降りるのでした。


 
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