No.810770

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 Secret Mission

okakaさん

第六話です。
前回言ってた曲のことですが、やっぱり劇場版ドライブの主題歌re-rayがよく合う曲ですかねぇ。

2015-10-30 06:39:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:592   閲覧ユーザー数:462

番外編~Secret Mission~ TypeFuture 未来の力はどうやって手に入れるのか6

 

 

――――――――特訓開始から3日後、残り滞在可能時間6日――――――――

 

 

 

「どうしました!?避けてばかりじゃなくて攻撃して来なきゃ意味が無いですよ!」

 

「は、はい!おおおおおおっ!」

 

 

楽園、屋外トレーニングスペースにディアーリーズと武の声が響く、そこには二人の変身した仮面ライダー、【ウォーロック】と【ドライブ】が互いの得物をぶつけあっていた。

 

 

«ゲイザー・ナウ»

 

 

ウォーロックが鍔迫り合いのまま片手でゲイザーの魔法を発動、空中に出現した氷の矢がドライブを襲う、しかし、ドライブは逃げられない。すぐにウォーロックソードを握り直したウォーロックに押し込まれたまま動きを封じられてしまったのだ。

 

 

「ぐぅっ!」

 

 

襲い来る氷の矢をまともに受けてしまうその瞬間、一台の車が飛び込んできた。未来のドライブの愛車、【ネクストライドロン】だ。ネクストライドロンはそのままオートでレーザー機銃を展開、氷の矢を撃ち落とし、更にウォーロックに射撃を加えた。

 

 

「っ!なんの!」

 

«リキッド・ナウ»

 

 

着弾寸前でリキッドの魔法を発動したウォーロックが液体化し、射撃を回避、そのままドライブにまとわりつくと動きを封じ実体化、卍固めでドライブを締めあげた。

 

 

「ぐぉぉぉぉぉぉぉ・・・」

 

「ほらほら、この程度で音を上げるんですか!?」

 

「っ・・・あああああああああああっ!」

 

 

体格差もあったのだろう、完全に決まっていなかった卍固めの隙を突いてドライブが力任せにウォーロックを振りほどき、引き剥がした。

 

 

«SPE SPE SPECIAL!»

 

 

ドライブがシフトスペシャルを3回倒し、高速移動を繰り出しウォーロックに襲いかかる。

 

 

«アクセル・ナウ»

 

 

ウォーロックがアクセルの魔法でそれに応じ、超高速戦に突入した―――――

 

 

 

 

―――――「ふむ・・・だいぶドライブのシステムを使いこなすようになってきたじゃないか」

 

 

トレーニングスペースに設けられた観覧席に座るokakaは二人の模擬戦を見ながら片手に持った青いロストドライバーをいじりだした。

 

 

「これを晶葉が?」

 

「ええ、流石に驚いたわ。たった一日でガイアメモリとロックシードの基礎理論を覚えちゃったと思ったらこんな物まで作っちゃうんだもの、あの子本物の天才よ」

 

 

隣で同じように模擬戦を見学していたハルカがokakaの持つ青いロストドライバー、【ロストドライバーB】について説明を始めた。

 

 

「なんでもエネルギーラインにボトルネック構造を利用して従来型のドライバーより多くメモリのエネルギーを引き出すだけじゃくて、適合率を上げた状態を擬似的に作り出すらしいわ。それこそエターナルメモリのレッドフレアがブルーフレアになるくらいだから・・・擬似エクストリームと言っても過言ではないわね。末尾のBは【Blue】と【Burst】のダブルネーミングだそうよ」

 

 

「・・・あいつすげぇな・・・流石俺の娘・・・なのか?」

 

『一城、君はまだ疑ってるのかい?』

 

 

ロストドライバーBを手で遊びながらぼやくokakaに今度はPDが話しかけてきた。

 

 

「いやぁ・・・いきなり未来の子供って言われても普通は信用しねぇだろ。そりゃあ鷹の目もアナリティカルエンジンも確かに俺は持ってる」

 

『なら「でもな」』

 

「鷹の目は俺と同じアサシンの血族なら訓練次第で使えるようになるし、アナリティカルエンジンだって未来では市販されててもおかしくないんだ、決定的な証拠には成り得ない。桃花にやらせてるDNA鑑定もまだしばらく結果待ち、確定条件じゃない以上は用心に越したことはない」

 

「そうか?俺にはお前が怖がってるように見えるけどな」

 

 

そう言って現れたのはロキだ、この時間は拓海の訓練をしてるはずの彼がここに来たということは拓海は今日【も】30分経たずにやられたのだろう。

 

 

「・・・怖がってるってのは?」

 

 

okakaが聞き返すとその隣りに座ったロキが続きを話しだした。

 

 

「そのままの意味さ。お前、今まで【血縁】いなかったんだろ?」

 

「ああ、両親は俺がガキの時に管理局非正規部隊の自演テロで死んじまったし、親戚筋もそのテロで誰も寄ってこなくなってたらしいからな」

 

 

まるで他人事のように話すokakaに苦笑しながらロキは続ける。

 

 

「だからさ、家族の【距離】ってのがわかんねぇんじゃねぇかってな」

 

「・・・」

 

「俺は兄弟いるからなんとなく解るんだけどさ、今のお前、まるで【家族】ってのにビビってるようにしか見えないぜ。自分の本心をあまり見せないように顔色うかがってるようにしか見えねぇもん」

 

 

ロキはそう言いながら持ってきたコーラの缶を開け、一口飲む、家族が怖い、その言葉の意味が解らない。okakaは戸惑っていた。

 

 

「そろそろ終わりそうね」

 

 

ハルカの声に顔を上げるとウォーロックが自身のローブを伸ばし、ドライブを拘束したままフローズンスラッシュを発動、ドライブが変身を強制解除させられていた。

 

 

「今日はこの辺にしておきましょう、あまり無理をするのも良くないですから」

 

「・・・ありがとう、ございました」

 

 

変身を解除したディアが武にそう言うと武は立ち上がり丁寧な礼を返した。

 

 

「よし、飯にすっか!」

 

 

頭の中の疑問を振り払うように立ち上がったokakaの一言でその日の訓練は終了になった。

 

 

「お~い、終わった~?」

 

「・・・」

 

「ふむ・・・どうやら兄者もまだしばらく掛かりそうだな」

 

 

ちょうどそこにこなたと拓海と晶葉が現れた。今まで拓海の懸垂を監督してくれていたのだろうその少女は一目散にディアの元へと駆け寄った。

 

 

「ウルもお疲れ、ハイこれタオル」

 

「うん、ありがとうこなた」

 

 

甲斐甲斐しくタオルを渡すこなたにその手があったかと少し動揺を見せるハルカ、そんな二人を尻目に疲労困憊の拓海にokakaが声をかけた。

 

 

「おう、おつかれさん・・・あーまぁ、その、どんな感じだった?」

 

「・・・ある程度は見えるようになってきたけど、まだ突っ込み過ぎだって言われた。もう少ししっかりと警戒して相手を見ろってさ」

 

「そうか・・・お疲れさん」

 

「まぁ取り敢えずこれでも飲めよ」

 

「・・・どうも・・・」

 

 

何とか当り障りのない会話を行う二人を見ながらロキが拓海にもう一本取り出したコーラの缶を渡そうとした瞬間だった。

 

 

「「あっ」」

 

 

疲れから拓海が缶を受け取り損ない落としてしまった。それをロキが空中でキャッチしようとしてバランスを崩してしまったのだ。

 

 

(あ、これ後でボコられるパターンだ)

 

 

自身が飛び込んでいく先、拓海の豊満な胸元へ確信と共に飛び込んでいくその瞬間、ロキの体が真横に吹っ飛んだ。

 

 

「ふぉぐぉっ!?」

 

 

その場の全員が自身の飲んでいたコーラを撒き散らしながら吹っ飛ぶロキを、そしてその吹っ飛んだ原因――――――――足を振り上げていたokakaを驚きの表情で見ていた。

 

 

「・・・あっスマン、つい」

 

 

皆の視線に我に返ったokakaはロキに謝りながら助け起こした。

 

 

「・・・okakaさんがロキさんのラッキースケベをキャンセルした?」

 

「いつもはどうでも良さそうに見てるだけなのに・・・」

 

 

ディアとハルカの言葉にokakaは更に困惑した。

 

 

(なんでだ?今俺はなんでロキを蹴った?ロキのいつものラッキースケベじゃねぇか、その相手が拓海だっただけだぞ?・・・なのになんか知らねぇけど無性に苛ついて、気がついたら・・・拓海【だったから】?・・・なんでそんな・・・?)

 

 

解らない、自分が何故そうしてしまったのかが、その答えが見えない。思考がうまくまとまらず、okakaは混乱してしまった。

 

 

「それで良いんだよ」

 

 

答えは意外なところから帰ってきた。自身の助け起こしたロキが軽く笑いながらこちらを見ていた。

 

 

「多分本能的に【守ろうとした】んじゃねぇか?頭では解かんなくても、本能がもう解ってるんじゃねぇのか?お前らが【家族】だってよ」

 

「ロキ・・・」

 

「頭じゃまだ解かんなくてもよ、少しは自分の本能を信じても良いんじゃねぇか?」

 

 

その言葉にokakaの思考が完全に一つに繋がり、纏まった。とどのつまり、okakaは自分自身を信じきれていなかったのだ。突然の予測を遥かに超える事態、初めて見る【家族】、様々な出来事に思考が追いついていかなかっただけなのだ。

 

 

「・・・かもな」

 

 

本能、それもまた自身の一部であることを今、改めて認識したokakaはもう少しだけ、自分の本能を信じてみようと思った。

 

 

「よし、飯食ったら座学だ、今日から出来る限り俺が教えてやる」

 

 

今の自分にできる精一杯を子供達にしてやろう、okakaはそう心に決めた――――――――

 

 

 

 

 

――――――――楽園・クライシスの部屋――――――――

 

 

「そろそろ夕食ですねぇ」

 

 

オーナーが磨き上げたスプーンを丁寧にテーブルに並べる。

 

 

「今日から一城君が作ってくれるんでしたっけ?」

 

 

駅長が黄金のスプーンを磨きながら席につく。

 

 

「ああ、支配人はプレイヤーだからな、公正を期すためにもここは別の人物に頼むのが最良だろう」

 

クライシスが席に着くとスプーンの中央に蓮華を置き、傍らの旗を取った。

 

「では、支配人」

 

「「「君も席に着きたまえ」」」

 

 

(・・・okaka、この代償は高く付くぞ・・・)

 

 

支配人が胃を押さえながら席に着く。戦いはまだ、終わりそうにない――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

支配人、本当に申し訳ない・・・この代償がマッハドライバーになる予定です。

そして唐突に出てきたロストドライバーBは・・・欲しい人、いるんですかねぇ?(先着一名様)

 

 

 

 

 

 

 


 
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