#41
そんなこんなで商売の為の旅を開始する。俺、月たん、詠たん、恋たん、ねねたんの総勢5人旅だ。
「ちょちょちょちょっと! なんでアタイだけハブられるんすか!?」
「あぁ、居たのか波才」
「酷っ!?」
久しぶりの続きなので、まずは軽いジャブを。
「波才さんは本当に一刀さんに愛されてるんですね」
「どこ見たらそんな言葉が出てくるのよ、月…」
「ん…一刀とはっちゃんは、仲良し……」
「恋殿まで…」
なんとなく、月たんの路線が見えた気がした。系統的には天和っぽい。
「ほ、ホントですか、社長…?」
「んな訳ねーだろ。調子に乗んな、ハゲ」
「ハゲてないっす!?」
そんな道中。
そんなこんなで(←2回目)西進する事しばし。
「本当に大丈夫なの?」
とある街に到着。詠たんが心配そうに問うてくる。
「大丈夫だ。恋たんも面識あるんだろ?」
「……?」
「あー…会った事あるんだろ?」
「……ん」
難しい言葉は分からないらしいので、簡単に言い直す。
「な? あの呂布がいるのに、少なくとも捕らえようなんてしない筈だ」
「それは分かるけど……だからって、2人で行く事はないじゃない」
「なんだなんだ、心配してくれるのか、詠たん。嬉しいなぁ」
「ばっ、そういう意味じゃ――」
「安心しろ。ちゃんと詠たんのもとに帰ってくるから」
「だから違うって言ってるでしょ! って、コラ! 撫でるな抱き締めるな頬擦りするなぁっ!」
「そうは言いながらも、本気で逃れようとはしないんだな」
「アンタが馬鹿力なだけでしょっ!」
詠たんもツンデレ風味。でも経緯があってか、デレの割合が大きい。
「どこかで見た事のある光景なのです」
「ていうか、ねねちゃんは当事者だったじゃないすか」
「あぅ…思い出させるななのです」
「照れちゃって可愛いなぁ」
視界の隅で、波才とねねたんが何やら話していた。
そんなこんなで(←3回目)街で一番大きな建物にやってきました。
「何者だ」
大きな門の前には、槍を構えた番兵×2。
「んと…恋は、呂布……馬超、いる?」
そんな物々しい雰囲気の門番たちを気にする事なく、恋たんは素直に自己紹介。ホンマえぇ子や…。
そして、呂布の名を聞いた門番は、槍を立てて背筋を伸ばす。
「り、呂布様でしたか! これは失礼を!」
「ご案内いたします!」
やっぱ恋たんは凄いなぁ。
「ん…ありがと……」
「お邪魔しまーす」
さて、ばっちょんはどんな娘さんなんだろうね。(←男の可能性を考慮していない)
そんなこんなで(←4回目)玉座。
「――――久しぶりだな、恋」
出迎えてくれたのは、茶髪ポニテの活発そうなお嬢ちゃん。ふむ、可愛いな。
「ん…久しぶり…たんぽぽも」
「ねねちゃんは一緒じゃないの?」
そして妹、あるいは親族の準ロリお嬢ちゃん。生足がいいね。そしてどっちも太眉。……いいねぇ。
「んと、お留守番……」
「へぇ、恋がねねと一緒じゃないって珍しいな。それで、そっちのアンタは?」
軽い会話をし、俺にその矛先が向けられる。
「あぁ、恋たんの旦那だ」
「「えぇぇぇえええええっ!!?」
「……?」
キョトンとする恋たんが可愛いですマル。
「冗談だ」
「……って冗談かよ、オイっ!」
「ビックリしたぁ! あの恋さんが結婚とか、予想外にも程があるよ!」
とりあえず、掴みはバッチリだな。という訳で、早速本題に。
「俺は北郷。訳あって恋たんと一緒に虎牢関で戦ったんだが、ちょいと、月の事で話があってな」
そんなこんなで(←5回目)自己紹介を終え、事情説明開始。
「ウマウマウマウマ」
「ウマウマウマウマという訳か――」
おぉぅ…まさか、これだけで通じるとは……。
「――って、分かる訳ないだろ! お前、絶対アタシの事を馬鹿にしてるなっ!?」
「馬家だけにね、お姉様」
「読み方が違ぇよっ!」
ふむ、ばっちょんは生真面目な天然ボケタイプらしい。で、岱ちんはなかなかに頭が切れるようだ。……ふむ。
「いやぁ、俺って元々長沙で店を開いていてな。そこの太守である孫策様にも気に入られてるんだよ。よく俺の店に来ては、ウマいウマいって酒を飲んでくのさ」
「へぇ?」
「……プクク(小声)」
やっぱり岱ちんは俺の意図を理解出来ているみたいだ。笑いを堪えている。そしてばっちょんは気づいていない。
「何度か来るうちにウマが合ってな。で、こないだの反董卓連合にもこっそり参加したんだよ」
「なんだ、来てたのか、お前?」
「ま、ウマい事こっそり動いてたからな」
「ふーん。それで、なんで恋と一緒に戦ったんだ?」
「プッ、プププ……」
こら、バレるだろ。堪えろよ、岱ちん。
「あぁ、ウマく連合の目を盗んで洛陽まで間諜を飛ばしたんだ。で、噂が嘘だと知った」
「そうか。アタシたちは洛陽に着いて、噂が嘘だと知ったんだがな。だが、なんでお前は月たちの方についた。戦力差は明らかだっただろ?」
「なに言ってんだ。戦に絶対はないんだぜ?」
「そりゃそうだけどさぁ……」
ま、基本的にこの世界はギャグと萌えで出来てるしな。
「そんで、霞たんにウマいこと取り入って、参陣させて貰ったんだよ」
「霞が? アイツの事だから、どうせ仕合でもしたんじゃないか?」
「よく分かったな。霞たんは、自分には敵ウマいと思ってたらしいが、引き分けに持ち込んだぜ?」
「あ、上手ぅ…」
岱ちんが感心してる。弟子入りするかい?
「はーい、したいしたい!」
「思考を読んじゃアカンですよ。まずは黙学だ」
「あいあいさー」
何故知っている。
「んで、恋たんにもウマい飯を出したら気に入ってくれてさ」
「ん…一刀のご飯は美味しい……」
恋たんは素直でいい子やなぁ。
「そんで、月たんとも無事合流し、あの娘たちの生きる術を得る為にここに来たのさ」
「そうだったのか」
「もちろん詠やねねも一緒だぜ? 皆が集ウマで、大変だったんだからな」
「お前、凄い奴なんだな」
まだ気づかないか。
「姉様、からかわれてるって気づいてないの?」
「へ?」
おっと、岱ちんがネタバラしをしちまった。ま、そろそろ頃合いだな。
「なぁ、ばっちょんよ」
「ん?」
「俺が何回『ウマ』って言ったと思う?」
「んぁ? ……」
虚空を見つめ、指を追っている。数えているようだ。
「7…8……きっ、9回も言いやがって!」
「最初の4回と最後の1回を忘れてるぜ?」
「ざけんなっ!?」
からかいがいのあるばっちょんでした。
あとがき
という訳で、#41でした。
前回の投稿から2ヶ月も空いてるけど、きっと気のせいなんだぜ。
とりあえず生存報告までに。
ではまた明日。
バイバイ。
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あー、おひさです。
そんなこんなで、#50まで1日1話をやる予定。
予定は未定。
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