No.572837

司馬日記外伝 事後シリーズ3

hujisaiさん

『その後』の、猪々子さんと一刀さんです。超短編です。
次は誰にしましょうか…

所で、碌にお礼も出来ておりませんがいつもコメント有難う御座います。これが励みで未だに駄文を続けており、本当はとっくの昔に辞めているところでした。
今後ともお気に召す限りは御笑覧頂けますようお願い致します。

2013-05-04 14:41:07 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12896   閲覧ユーザー数:8439

「水…飲む?」

「飲む」

水差しを渡すと彼女は湯呑みに注がずにそのまま呷り、ぷはーと一息ついて俺の腕を枕に寝転がる。

直後の息は荒い。俺も、彼女も。

 

しばしの無言の後彼女が体の向きを変え、そのくりくりした瞳を向けて

「あのさぁ。アニキ、足りた?」

と言った。足りたって、何が。

「いやほら、あたい一人だけでって初めてじゃん?種馬のアニキ的には三倍はしないと足りないんじゃないかって」

「いや、そんな事ないよ」

「そうなのか?もう一、二回なら今すぐでも平気だけど。うりうり」

「危ないから膝はやめなさい膝は」

腰を引きながら答えるとそっか、と言って大人しくなった。

 

暫く枕になっている腕を曲げて彼女の少し癖のある髪の感触を楽しんでいると、再びあのさぁ、と彼女は言った。

「あたいとこういうことして楽しいか?」

「しれっと傷つく言葉を…今日誘ってくれたの猪々子じゃんかよ」

泣くぞ、と付け加えるとまあそうなんだけどさ、そうじゃなくてと彼女は続けた。

「だってさぁ、斗詩と麗羽様は分かるよ?おっぱい大きいしアニキにメロメロだしそれになんつーか…エロいし」

そこは分かるので頷く。

「でもあたいはさあ?おっぱいは…まあアニキはそこは余り気にしないってのは分かるけど、エロくないって言うか…キャー一刀様好き好きーって感じでもないじゃん?なんつーか、可愛げ的な意味で」

 

どっかで聞いたような話だ。

「猪々子は可愛いよ」

「それも誰にでも言ってんじゃんかー」

そうでもないんだけどな、と言っても聞く耳を持ってくれない。

「だからさぁ、あたいは別にいいんだよしなくったって?アニキに嫌われちゃいないのは分かってるし遊んでるだけだって楽しいからさ。それよか斗詩と麗羽様としてやってくれよ、あああとあの影の薄い奴…誰だっけ…白蓮そうだ白蓮、最近白蓮ともよく遊んでるんだけどさ、あいつもアニキの事結構好きみたいだから呼んでやったら喜ぶぜ、それt」

 

ああうるさい。

あんまりうるさいので抱きしめて唇を塞いでやった、反省はしていない。ゆっくりと唇を離して半眼で睨む。

「うるさい黙れ貧乳美少女」

「あー!言ってはならない事を言ったなー!」

後半はスルーか。

「男と寝ていてしてはいけない事そのいーち!他の女の話をする事」

実際には結構されてるけど。俺からはしないようにしてるしあと人によって話を振られても絶対に出してはいけない名前も大体覚えてきた。

 

「二、三人はべらしてヤるのはいいのかよ…」

「げふんげふん、それは俺から見たら猪々子が俺と斗詩をはべらしてるとも言えるじゃないか」

「いや最近あたいはそうじゃないし」

「んー、まあそうなんだけど…要はさ、俺は猪々子としたくてしてるんだけど。それを猪々子が嫌でやめたいってのならしょうがないから止めるよ」

「いや、あたいは…別にこういう事するのが嫌って訳じゃないんだよ」

 

めんどい。

意外と猪々子もそんなめんどい事を考えてたんだな。これはあれか、よっぽど端的に言わないと通じない奴か。恥ずかしい事を端的に言えと。つまり胸元に彼女の頭を抱き寄せて耳元でこう言えと。

「あのさぁ。俺、どうしようもなく猪々子が好きで好きで可愛くてエロくて、こういう事もやりたくてたまんねーからこうしてるんだよ。普段も猪々子のミニスカすげぇ捲って見たくてしょうがないもん。その尻も揉みたいしおっぱいも揉みたい。もう暇さえあればどっか空き部屋に連れ込んで二人でこそこそエロく触り合いたい。キス顔が普段とのギャップで可愛すぎて猪々子が窒息するまでチューチューしてたい。髪とかいじりたい、超いじりたい。ヘアバンドも可愛いけどリボンとかつけて超萌え死にたい。ただ猪々子が嫌がることしたくないし社会的なアレもあるからやんないけど、そんぐらい猪々子にめろめろ。だから今猪々子とこうしてるんだけど?」

 

「すげえ、アニキ変態だよ!アニキは変態だよ!」

「言われるとは思ってたけど二回言うなよ傷つくから!」

「変態だよアニキ!」

「逆さにしても同じだから!あと連呼しないでくれそろそろ本気で泣くぞ!」

「欲情してたのかよ、あたいに。しかも可愛いとか言うし」

「一応念を押しておくと欲情だけじゃないけど、そういうこと。ていうかしてなきゃ出来ないだろ」

「いや、大陸の種馬のアニキならそこらへん自由自在で老若男女もお構いなしなのかと」

「…そこまでは化物じゃないよ俺。あと男はない」

「老と若は認めるのかよ」

「えっと…いや訂正する、老じゃ無いし若も無い。無いから難しいところ突っ込まないでくれ、そのへんデリケートな問題なんだ」

「でもどうしよう」

何が、と答えると彼女は俺の右手を取って熱い潤いに触れさせ、ん、と色っぽく体を震わせた後、その大きな瞳で顔を覗き込まれた。

 

「あたいもアニキがそんな変態で、ちょっと嬉しい変態かもしれない」

「そっか、そうだと俺も嬉しいかもしれない」

そう答えて抱きしめると、彼女は笑って唇を合わせて来た。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
59
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択