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No.556682
【獣機特警K-9ⅡG】三人娘は今【交流】
古淵工機さん 2013-03-18 23:47:08 投稿 / 全7ページ 総閲覧数:1403 閲覧ユーザー数:1370 |
かつてここに3人の少女がいた。
彼女たちはカレッジのクラスメート同士で、とにかく仲良しで、いつも3人で行動していた。
…九段下久遠、ジャネット・エマソン、デイジー・ハインツ。
人は彼女たちをこう呼んでいた…『仲良し三人娘』と。
…そんな仲良し三人娘も、やがて進級を重ね、カレッジを卒業。
それぞれの進路へ羽ばたいていった…。
あれから数年。
クオンは警官としての道を歩み、ジャネットはシンガーソングライターへと転身、デイジーは雑貨店を開業し、
そして、それぞれが家庭を持つようになり、それぞれの幸せをはぐくんでいた……。
…それでも彼女たちは時折、顔を合わせては他愛のない話に花を咲かせる…。
…ラミナ市内某所・喫茶店『カフェ・ラ・ヴォルペ』。
カウンター席では九段下久遠…改め、久遠・ココノエがメニューを眺めている。
両隣には彼女の娘ロボットであるマリン・ココノエとカリン・ココノエの姿もあった。
カリンはどこかうっとりした様子で、店内に流れるBGMに聴き入っていた。
「カリンってさ…ホントこの曲好きなんだな」
と、マリンがニヤニヤしながらカリンに話しかける。
「うん。Janeさんの新曲でね『恋するウサギの物語』。歌詞がとっても可愛いの」
「うーん、ロマンチックだなぁ…オイラもそんな恋とかしたりするのかな…?」
と、楽しそうにおしゃべりを繰り広げる娘二人に、クオンはただ笑顔を浮かべていた。
ふと、ベルの音とともに扉が開き、二人の女性が入ってきた。
「いらっしゃいませ!」
看板娘であるモニカ・マルティーニと、その手伝いをしている煌月 空の元気な声が響く。
「よっ、モニカちゃんにソラちゃん!やってるねぇ?いやぁ大きくなったもんだ二人ともwww」
一人はどこかおちゃらけた様子の、まるでリスのような耳と尻尾を持ったハーフファンガー。
「こらこら、あんまりからかうなってばさ…あ、クオン来てたのね。どうも」
もう一人は黒い肌に黒い髪を持ったテラナー。そんな彼女たちを、クオンが知らないはずはなかった。
「あぁ、ジャネットにデイジー!ちょうどお昼にしようと思ってたトコなんだ。一緒にどう?」
「そうね、じゃあせっかくだから相席させてもらおうかな」
「あ、私も私も!」
と、ジャネットとデイジーがカウンター席に腰掛けようとしたそのとき、カリンがもじもじした様子でジャネットに近づいてくる。
「おや?どうしたのかなお嬢ちゃん?」
「あ、あの…Janeさんですよね?」
「…ええ、そうだけど何か?」
すると、カリンは一枚のノートを取り出してジャネットのほうに差し出す。
「……サ、サイン…くださいっ(*><*)」
「え…?」
「いやー、アンタも売れっ子になったもんだー、このこのっww」
「ちょ、ちょっとデイジー、からかわないでったら…あぁ、サインね。ちょっと待っててねw」
数分後。
カリンが差し出したノートの表紙にジャネットがサインをしているのを見たマリンが、クオンに尋ねた。
「…なあ、母ちゃん」
「ん?どったのマリン?」
「あの人ってJaneさんだよね?それに隣にいる人も『ウォールナット』のデイジーさんだよね?何でここにいるの?」
するとクオンはやさしく微笑むと、こう答えた。
「そりゃぁ…ママのお友達だからだよw」
「えぇ!?あの二人が母ちゃんの友達なのか!?すっげー!!」
サインをもらって頬を赤く染めたカリンまでもがクオンに尋ねてくる。
「ママ、それってホントなの?」
「ホントだよ。何しろママたち三人は同じ学校に通ってて、一緒のクラスだったんだから!」
「そうそう。何かあるたびに
「そうだよね、デイジーはいつも私に支払い押し付けてたよねw」
「ぐっ…反論できない…」
そこにいたのは、まるであの頃と同じように、他愛もない話に花を咲かせる三人の女性。
ただ、6年という歳月は確かに彼女たちを、夢多き少女から輝ける大人の女性へと変えていた。
「それにしてもこの子達すっごいかわいい!」
「えへへへ、僕の自慢の双子娘なんだ。可愛いでしょ」
「私も娘がいるんだけどねえ。マリンちゃんとカリンちゃんにも見せてあげようかな」
「え?いいんですかJaneさん!?」
「いいのいいの。家は結構近いトコにあるし。遊びにおいでよ」
「やったぁ!ねぇマリンちゃん。こんど一緒にJaneさんのお家に行ってみようよ」
「そうだなぁ、じゃぁ…よろしくお願いしますJaneさん!」
と、頭を下げるカリンとマリンを見ながら苦笑いを浮かべるクオン。
「ははは、あんまり困らせちゃダメだよ。ねぇ『Janeさん』?」
「クオン、あんたがそれを言うかいwまったく、人気者ってつらいよww」
笑い合う彼女たちをよそ目に、デイジーが店のテーブルにおいてある棚から何かを取り出した。
「ねぇクオン、ジャネット…これ何かな…」
「「……!?」」
デイジーが取り出した薄い本を見るや、クオンとジャネットの表情が凍りついた。
「ねぇママ。その本なに?表紙に私たちが描いてあるんだけど」
「オイラにも見せて見せてー!」
「だあああ!子供が見ちゃいけませんったら…ちょっと文句言ってくる」
そう言ってクオンは立ち上がりカウンターの奥へ向かう。
…その、カウンターの奥では…。
「ちょっとルチアさん!何考えてるんですか!!」
「いや、あんまり可愛かったもんでw」
「そーゆー問題じゃありませ…」
と、ソラがルチアに怒鳴っていると、そこにクオンが現れた。
「あら、クオンちゃんいらっしゃ…」
と、言いかけたルチアに、クオンは顔を引きつらせながらこう言ったのだった。
「…ルチアさん。あんまりヒドいと署でお話を伺うことになるんですけど…?」
「いや、その…ごめんなさい…」
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とりあえず、三人娘がそろってるので小話を投下。
■出演
クオン:http://www.tinami.com/view/551025
マリン:http://www.tinami.com/view/553167
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