No.500139

真説・恋姫†演技 異史・北朝伝 第十三話「虎牢関の戦い、その前日」

狭乃 狼さん

異史の北朝伝、いよいよ虎牢関の戦いの始まりです。

虎牢関付近に集結した、反董卓、および、反北郷を謳う、
袁紹率いる反董北連合。

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2012-10-25 13:10:30 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:7182   閲覧ユーザー数:5564

 虎牢関。

 現在でいう河南省鄭州市の西北あたりに置かれた関所の一つで、春秋戦国時代、秦によってこの地に要塞が置かれたのが、その始まりであるとされる。またこの地は地理的にも険しく防衛に適していたため、秦代以降の歴代王朝もこの地に防衛施設を建設して来た。もっとも、そしてそれがために、古来より数々の戦いの舞台ともなった場所であり、そのもっとも有名な例が、『三国志演義』における、反董卓連合と董卓軍の間で行なわれた戦いであろう。

 ちなみに、関という字こそ使われてはいるものの、後漢代におけるそれは関所というより要塞というべき様相のものであり、関、つまり関所という意味での記述は、後世、唐代に記された『新唐書』にはじめて出てくるものである事、一応注釈しておく。

 なお、虎牢という名は、周の五代王である穆王がこの地で虎を飼っていたこと、それに由来している。

 さらにもう一つ注釈しておくと、演義においてこの地には汜水関という名の関(もしくは要塞)が登場するが、正史では汜水関と虎牢関は同一のものであり、この外史においてもそれは同様のものである事、ご承知いただきたい。

 

 「……アホがようも集まっとるもんや」

 「そうだな。……諸侯がこれほど、目先の利かぬ連中ばかりとは……」

 

 その虎牢関の城壁の上から、東の方をじっとみやる人間が居た。張遼と徐晃である。張遼は董卓が相国に就任して以降、徐晃は一刀が大将軍に招聘されて以降、禁軍の再編成に伴い、それぞれに禁軍将軍として任命され、この組み合わせで行動することが多くなっていた。

 

 「霞!蒔どの!ここに居られましたか!」

 「おう、ねね。呂布ちんも一緒か」

 「……ん」

 

 そんな二人の下に歩み寄って来る二人の少女がいた。真紅ともとれるほどに見事な赤い髪をした、体のそこかしこに刺青のような紋様を記している少女、姓を呂、名を布、字を奉先。その真名を恋という、前漢の頃匈奴に恐れられた李広、その彼になぞらえて、天下無双の飛将軍と世に謳われる豪傑である。

 一方、その呂布の前を歩く小柄な少女は、姓を陳、名を宮、字を公台。その真名を音々音といい、出会いの時の恩義から呂布の事を第一にと慕う、自称、呂布専属軍師である。

 なお、公的な将軍位でいうと、張遼が鎮東将軍、徐晃が前将軍、呂布が後将軍、そして陳宮が参軍というのがそれぞれの公の立場であり、この場での最高の指揮官は張遼ということになっている。 

 

 「ほいで?月っちや一刀はなんて言うてた?」

 「陛下と協議して後、月どのと北郷、揃ってここに出陣してくるそうなのです。ただし」

 「……本当に戦うのは、話の通じない時の、最後の手段って、一刀、そう言っていた」

 「そうだな。戦など、避けられるのであればそれが一番だしな」

 

 各地の諸侯が袁紹の発した檄文に応じ、虎牢関の東の盆地に集結しつつあるという報告が都にもたらされた時、皇帝劉弁は思わず天を仰ぎ見、嘆いたという。とはいえそれは、件の激を飛ばした袁紹やそれに応えた諸侯に対してではなく、自らの考えの甘さに対してのものであり、皇帝という立場で上から諸侯を見ていたという、傲慢さが出たが故のこの結果だったのだろう、と。

 

 「ところで二人とも。華雄の奴は来てへんの?あれのこっちゃからこういう時にはすぐにでも乗り込んで来る思うてたけど」

 「華雄なら確かに、諸侯の集結の話を聞いた途端に都を飛び出しそうになったのですが、北郷に止められて今は月どのの警護に就いているのです」

 「ほうか。ならこれで一つ、厄介ごとが起きずに済んだな。……あれが居ったら篭城なんぞ出来へんからな」

 「……そこまで猪突猛進なのか、華雄将軍は?」

 

 呂布と張遼、そして華雄という三枚看板が、董卓配下の主な将軍であるのだが、その中でただ一人、思慮に欠けるというか、後先を考えずに行動するタイプなのが、華雄という名の人物である。確かに華雄はその武の力量に関しては呂布の次にその名を挙げられるだけの者であり、まさに剛胆を絵に描いたような猛将と言っていいだろう。

 しかし、その反面少々頭に血が上りやすい性質をしているため、時折後方の命に逆らって単独行動に走り、その結果味方を窮地に追いやったということが、これまでにも往々にしてあった。それがために、敵味方双方問わず、華雄は突進だけしか能の無いイノシシと、そう揶揄されているのである。

 

 「あれの突撃癖はもう、死んでも治らんやろな。今回みたいな守りの戦は絶対、アイツにはさせられへん。止めてくれた一刀に感謝せな」

 「っ!……霞」

 「どした、恋?」

 「……連中、動き始めた」

 「チッ、意外に行動早いやんけ。ええかお前ら!ウチらは暫く虎牢関で引き篭もってるで!月っちと一刀が禁軍連れて出張ってくるまでな!」

 

 東の大地に昇り始めた土煙、それはまさに、反董卓および反北郷を謳った連合の先陣が、虎牢関を目指して動き始めた証左であった。周囲の兵たちに力強く檄を飛ばした張遼の声で、兵士達は気勢を大きく上げて防衛の為の配置に次々と着いていく。

 

 「……さて、と。見せてもらおうとするかね。連合軍の大義とやら、そんなでっち上げに乗った連中の想いと覚悟のほどを、ね」

 

 背に背負ったハルバードをその手に抜き放ち、徐晃は静かにそう呟いた。胸中に湧き上がるその怒りを、心の奥深くにて沸々と煮えたぎらせながら。

 

 

 

 所変わり、こちらは洛陽、その謁見の間。

 

 「……」

 「……」

 「あ、あの、えと、何がどうしたんでしょうか?」

 

 謁見の間に集うのは玉座の皇帝劉弁と、その傍らに立つ相国董卓。下座には賈駆と華雄という董卓軍の二人と、一刀に徐庶、姜維が居り、そして劉三姉妹が劉弁への初の目通りということでその場に跪いている。そしてその劉三姉妹、というより、劉備その人に対して、その場の一同のすべての視線が、現在驚愕によって見開かれた目とともに向けられていた。

 謁見の間に先に入っていたのは当然のように劉備たちのほうであり、跪くと同時にその頭を下げ、きちんと礼をとって皇帝の入室を彼女たちは待っていた。そして劉弁が静かに謁見の間に入室して玉座にその腰を下ろし、劉備たちに顔を上げるよう伝え、それに応えた劉備ら姉妹がおそるおそるその顔を正面に向けたとき、上がったのは劉弁と董卓の驚愕に満ちた声であった。

 

 「……す、すまぬ。……あまりなことに、少々動転してしもうた。劉玄徳、と申したの。朕が漢の十三代、劉弁だ。以後、宜しくな。……しかし、似ておる……」

 「へう。本当に、生き写しとはこの事です……」

 「?白亜、月?劉備さんが生き写し……って、誰に?」

 「……それに答える前に、一つよいか、玄徳」

 「あ、はい」

 「……そなたの母御、じゃが。もしや、幽州涿郡の亭長、劉弘では」

 「は、はい。……とはいえ、亭長とは名ばかりの、自らムシロ売りをしなければ生計の立てることも出来ない位の貧乏役人ですけど」

 

 亭長、というのは、当時で言うところの地方の警察署長、といったあたりの役職である。劉備の母劉弘は、幽州涿郡涿県の亭長に若くして就任した、清廉潔白で侠気に溢れ、人望高い俊英と呼ばれた人物である。しかし、劉備が生まれた頃には世の乱れが酷くなっており、それに伴い涿郡の税収も激減していたため、亭長である劉弘の所にまで回ってくる収入はスズメの涙ほどのものでしか無くなっていた。そのため、劉弘は一家の生計を立てるために已む無く、慣れない草履やムシロを織ることで日々の銭を稼がざるを得なくなった。

 劉備自身も、幼い頃より母の手伝いをしてムシロ織りをし、成人してからはそれを売り歩く日々を過ごしてきた。その幽州各地を売り歩く日々が、彼女にとっての鍛錬の日々ともなり、今の一端の武将と言える実力を身に着けさせることになったのが、皮肉といえば皮肉であろうが。ちなみに、劉備が洛陽の私塾に通い、現在の幽州の牧である公孫賛や、いまだ剣客として旅をしていた徐庶と知り合うことになったのは、彼女がムシロ売りの最中に出会ったとある一人の商人との出会い、それが切欠となったのであるが、それについてはまた別の機会に語らせていただく。

 

 閑話休題。

 

 「そうか、やはり涼香(すずか)殿の……」

 「っ!は、母の真名を……っ!?」

 「……そしてやはり聞かされておらぬか。玄徳よ、そちの母劉弘はな、我が父、先帝である霊帝劉宏の、実の妹なのだ」

 「……へ?」

 「え……?」

 「なんと……っ」

 「うにゃ?」

 「……劉備さんが、え?霊帝陛下の、え?だから……姪……っ子?……うっそお」

 

 先年に崩御した、漢の十二代皇帝であった霊帝こと劉宏。実はその彼には妹が居り、その妹こそが劉備の母であるところの劉弘、その人である、と。劉弁の口から告げられたその事実は、まさに当の劉備は勿論のこと、そこにいる他の者たちの度肝を抜くに十分なものであった。

 特に、一刀からすればこれはもう、とんでもない事実だった。

 

 (……劉備が皇帝の、漢の正真正銘の一族だってのはともかく、まさか白亜と、劉弁と従兄妹だなんて……今更だけど、どこまで史実と違ってるんだ、この世界……)

 

 史実における劉備は、前漢の中山靖王の末孫であると称してこそいたものの、その実、それを証明などする証拠は実際のところ何一つ無かった。中山靖王劉勝には120人以上の子供が居たため、その系譜をはっきりと調べるなどほぼ不可能。それゆえ、劉氏を名乗る者はいくらでも系譜を捏造できただろう。

 だが、この外史における劉備の素性、それはこれで完全に、漢の一族どころか現在の皇帝の縁戚とはっきり、当の皇帝自身の口から認定されたのであった。

 

 「私が……陛下の従兄妹……お母さんが、先帝陛下の妹……あ、あはは……も、なにがなんだか」

 「……まあ当惑するのも無理も無い。それについては、此度の事が落ち着いた後、改めて、故郷の母御に聞けばよかろう。……母御が何ゆえ、都を離れて幽州の片田舎に単身、その身を潜めたのかも、な」

 「……はい」

 

 と、劉弁のその一言で場が一旦落ち着こうとしたその時、今度はまた先ほどまでとは別の、いや、劉備がらみには違いが無いのだが、そこを驚愕の坩堝に叩き落す元凶が現れた。

 

 「……“あねぎみ”しゃま~」

 「っ!?ゆ、夢?!」

 「へう?!きょ、協殿下!」

 『え』

 

 ふわりとした艶やかな黒髪を揺らしながら、後宮に繋がっている奥の間の方から、一人の少女が無邪気な笑顔を見せつつ、玉座に座る劉弁の傍へと駆け寄り、その膝の上にちょこんと飛び乗った。

 

 「あねぎみしゃま~。ゆめとあそぶの~。うきゅきゅ~」

 「こ、これ夢。朕は今公務中、仕事中だぞ?それに、朕は姉ではなく、兄だと、そう言って」

 「協、殿下?って、白亜の」

 「ふきゅ?」

 

 くるりと。自分の耳に聞こえた一刀の声に、その少女、劉弁の異母妹にして、史実では後に漢の十四代皇帝となった、陳留王こと劉協、字を伯和が、きょとんとしたその表情を、一刀らその場の一同に向ける。

 

 「……りゅ」 

 「……え」

 「ふにゅ?」

 

 そして一拍置いた後、その場にこだましたのは。

 

 「わ、私っ?!」

 『劉備さん(桃香)(義姉上)(お義姉ちゃん)がもう一人~っ?!』

 

 合わせ鏡のごとき、瓜二つな顔の、劉協と劉備の視線が交わる中での、劉弁と董卓を除いた面々の上げた、この日一番の驚愕の声であった。

 

 「うきゅう~?」

 

 

 「……っとに、麗羽のやつ、一体どうしちまったってんだか」

 

 虎牢関より少し東に位置する盆地、反董北連合が陣を張るその一角。『公孫』の旗の揚げられた天幕の中に、その四人は居た。赤い髪の少女をその中心とし、青色の髪の少々大胆な意匠の服を着る少女と、ゆったりとした衣装に金色の髪、その頭に何かしら人形のような物を乗せて飴をほお張ったままで居る少女、そして、凛とした顔立ちのその顔に眼鏡をかけた短髪の黒髪の少女。 

 そんな集まりの彼女らは、今、この連合の盟主となった、事の発起人でもある袁紹から言い渡された指示についての話し合いを行っていた。

 

 「そういえば、袁紹殿と我が君は同門のご学友との事でしたね。……あの方は昔から“ああ”で?」

 「まあ否定はしないけどな。確かに麗羽の奴は、事あるごとに名門袁家の名を持ち出す、鼻持ちならない奴ではあったが、あの頃はまだ理屈が通じる奴だったよ」

 「では~。袁紹さんがああなったのは、南皮に赴任された~、その後からでしょうか~」

 「多分、な」

 「南皮に居た官吏たち辺りが、袁紹殿の性格を上手く使い、持ち上げ続けた結果ああなった。……そんなところですかな?」

 

 赤い髪の少女、幽州の牧である姓を公孫、名を賛、字を伯珪が、青い髪の少女、公孫賛軍唯一の武人である姓を趙、名を雲、字を子竜のその発言に苦笑いを浮かべる。その二人のやり取りを見ていた残りの二人、公孫賛の軍師である、眼鏡に短髪黒髪の方の少女、姓を郭、名を嘉、字を奉考と、その友人であり、こちらは今現在はまだ、あくまで客将という立場で居る、姓を程、名を立、字を仲徳が、やれやれといった感じで肩をすくめていた。

 

 「……それで稟。細策の連中から、もう報告の方は」

 「いえ、まだ来ておりません。日にち的にはもう戻ってきても良さそうなものなのですが」

 「……捕まってしまいましたかな?」

 「可能性は高いかとー。あーでも」

 「何、風?」

 「洛陽の状況が、風たちの思っている通りであるなら、たとえ捕まったとしても、多分、すぐに放されてくるでしょうねー」

 「……何かしら、繋ぎを取ってくるかも……か?」

 「ですー」

 

 実は公孫賛たち、袁紹の檄文がその下に届いたとき、それへの参加をその場で決定すると同時に、幾人かの細策、つまり密偵を、都である洛陽へと放っていたのである。董卓に関しては全くその知識なく、一刀に関しても、かつて隣の州の刺史を務めていた事ぐらいしか、彼女らの耳には入ってきて居なかった。そのため、袁紹の檄の真実、それを確かめる意味でも董卓や一刀の情報を少しでも多く集めようという、当時軍師として仕官したばかりの郭嘉の進言を受けてのものだった。

 その細策を放ち、彼女らが袁紹ら諸侯と合流して、まもなく十日ほどが経過しようとしている。時間的にも、そろそろ戻ってくる頃合だと、郭嘉はそう読んでいたのであるが、彼女の予想に反して、細策たちはいまだに戻って来ては居なかった。

 

 「……とはいえ、これ以上こっちも時間の稼ぎようがないし、あんまりモタモタしていると、また麗羽の奴が何を言い出すか分かったものじゃあないしな。麗羽の指示通り、明日の朝、夜明けとともにまずは私たちが先鋒として関を攻めかかり、出来るだけ時間を稼ぐよりないだろう」

 「……そうですね」

 「……いや、そうでもないようですぞ、我が君」

 「星?」

 

 これ以上待ち続けるのも無理だと判断した公孫賛が、三人にそう言ったその時、趙雲が天幕の外の方へとその意識を転じる。そこに。

 

 「申し上げます!洛陽より細策の者、ただいま戻って参りました!」

 「そうか、来たか!よし、すぐにここに通してくれ!」

 「はっ!」

 

 天幕の外から聞こえた兵士の声に、公孫賛が思わず声を大きくして、その細策にすぐこの場に来るよう指示を出す。そしてそこに現れたのは、漆黒の衣装に身を包んだ一人の人物。

 

 「ご苦労だった。疲れているところ悪いが、早速都の話を聞かせてくれ」

 「はっ」

 「……待たれよ、我が君。……お主、何者だ」

 「せ、星?」

 「お下がりを、白蓮どの。……この者、我が軍の細策ではありませぬ。気質が全く違うゆえ」

 「なんだと?!」

 「……あちゃあ。ウチの気質をこうも簡単に見破るんか。……カズといい、恋や霞といい、ほんま、一流を超えた将ってのには敵わんなあ。……修行が足りんな、ウチも」

 

 その漆黒の人物が自軍の細策ではないと、そうすぐさま気づいた趙雲が、公孫賛の正面に立ってその殺気の篭った槍をその人物に向ける。すると、その人物はやれやれといった感じで小さくため息を吐くと、その場にすっと立ち上がり、顔を隠していた黒い布をおもむろに外して見せた。

 その下から出てきた顔は、まだあどけなさのどこか残る顔立ちをした、少年と見紛う容姿の少女、姜維その人のものであった。

 

 「幽州牧、公孫伯珪どのですね?お初にお目にかかります。私は司隷の牧にして漢大将軍、北郷一刀さま配下にあります、姜維、字を伯約と申します。突然の訪問にて恐縮にございますが、我が主より、伯珪様に文を預かってまいりました。陛下の印もあります。どうぞ、ご確認のほど」

 「なんだと?……なっ!?」

 「我が君?」

 「白蓮殿?」

 「……おやおやー。これはこれは、面白くなってきましたねー、ね、宝慧?」

 『そうだな。こりゃあ面白い茶番劇が見られそうだぜ』

 「ですねー……ぐう」

 

 翌朝。

 連合軍の本陣を離れ、虎牢関へとその歩を進める公孫賛の軍勢を、総大将である袁紹は機嫌よく高笑いとともに見送っていた。その彼女の後ろに控える、同じく連合参加諸侯の曹操、孫堅、そして袁術が、冷ややかな目を向けていることなど一切気に留めることもなく。

 そんな袁紹の笑いを背に受け、公孫賛たちは虎牢関へと迫って行く。その先に待つのは、紫と白、その二色に染められた旗を掲げ、関の前面にて悠々と彼女らを待ち構える、漢相国董卓と、漢大将軍北郷一刀率いる、総勢十万の禁軍の姿であった……。

 

 ~続く~

 


 
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