No.398735

高みを目指して 第11話

ユキアンさん

作られし命
何を目的に、なんてことはどうでもいい。
ただ、この娘にも幸せになる権利はある。
by零樹

2012-03-27 16:51:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2304   閲覧ユーザー数:2214

姉妹?、義娘、模擬戦

 

side 零樹

 

 

「大丈夫か」

 

鎖を引きちぎり軽く治癒魔法を少女にかける。

ケースの中からヤバそうな雰囲気が伝わってくるが今は無視する。

 

「…………誰?」

 

「オレは、零樹。君は?」

 

「……ヴィヴィオ」

 

「ヴィヴィオか、良い名前だな。それで、なんで一人でこんな場所にいるんだい?」

 

「ママがいないの」

 

「そうか、なら一緒に探そう」

 

「いいの?」

 

「ああ」

 

「ありがとう」

 

抱きついてきたヴィヴィオをそのまま背負い、ヴィヴィオが繋がれていたケースを開ける。

 

「こいつは、なんともまあヤバい物を」

 

ケースの中には赤い宝石が入っていたのだが、内蔵している力の総量がすごい。これが在れば千の雷を100回とは言わないが80回位は発動させれそうだ。しかも、刻印が数字であることから複数在ることが分かる。

とりあえず封印した上で影の倉庫に放り込む。

 

「さて、それじゃあ。ヴィヴィオ、始めに聞いておくけどアレが何か知っているかい?」

 

「ううん」

 

「そうか、なら敵と判断するか。汝は炎、空を舞いし気高き魂」

 

符を取り出して先程と同様の機械に対して攻撃を仕掛ける。投げた符が炎の鳥となって自由に飛び回り、8機の編隊を壊滅させる。

 

「しっかり掴まってるんだぞ」

 

「うん」

 

ヴィヴィオに負荷がかからない様に優しく早く走る。次々と現れる機械に対し最初に放った符だけでは足りず投影で作ったナイフを射出したりして破壊していく。

 

「ヴィヴィオ、怖くはないか」

 

「大丈夫。我慢出来るよ」

 

「我慢する必要は無い。怖いなら怖いと言えば良い。これ位なら余裕だからな」

 

下水から飛び出してきた機械を蹴り跳ばして反対側に移る。時折飛んでくるレーザーは魔術処理を施したマントで弾く。

それにしても小さいグループが多いな。纏めてきてくれた方が楽なんだが。

それから10分程走っているがまだ出口になりそうな物が見当たらない。

天井をぶち抜くか?駄目だ、真上に気配がある。そこそこデカイ街の様だな。

仕方ない、地道に出口を探そう。

そう思っていたらまた音が聞こえてきた。今度はローラー音だがタイヤの数と音の大きさが合っていない。

ローラースケートにブースターでも付けているのか?

とりあえず音がする方に向かってみることにする。

 

「!!管理局です。動かないで下さい」

 

「っ、至近距離で叫ぶな。聞こえてるから」

 

角を曲がった所で目的の音を発していた人物と接触した途端目の前で叫ばれた。

 

「ヴィヴィオ、大丈夫だったか。それとこの人がママか?」

 

「ママ!?」

 

「ううん、違う」

 

「そうか、じゃあ次の人を捜すか」

 

できればこのままスルーしたい。戦闘音を聞いた市民が通報してやってきたと考えればたぶん警察とか軍みたいな組織なんだろう。そんなものには出来れば関わりたくない。まだ戸籍とかが無いからな。混乱している今の内に

 

「ちょ、止まって下さい」

 

その言葉と同時に魔力らしき物で出来た輪っかに拘束される。もちろんヴィヴィオに引っかからない様に少しだけ持ち上げる。

 

「……これは敵対行為と見ても良いのか?」

 

「ああああ、すみません。ちょっと気が動揺しちゃって、すぐに解きます」

 

殺気を放つ前に拘束魔法が解除される。これでは正当防衛にできんな。仕方ない、話術で切り抜けるか。

 

「オレはヴィヴィオの母親を捜しにいきたいんだが管理局とやらは何の用が在るんだ?」

 

「管理局をご存じないのですか?」

 

ここは一応素直に答えておこう。

 

「ああ、気付いたらここにいてな。変な機械に襲われているうちにヴィヴィオを見つけてな。とりあえず保護してここまで来たんだが」

 

「次元漂流者の方でしたか」

 

次元漂流者?読んで字のごとくなら昔の父さんみたいなものか。

 

「たぶん、それなんじゃないか。旅をしていたらいきなりこんな場所にいたからな」

 

「そうでしたか。あっ、申し遅れました。私は時空管理局・陸士108部隊所属のギンガ・ナカジマ陸曹です」

 

「アリアドネー教授兼アリアドネー特務隊隊長、零樹・マクダウェル・天流だ。背中にいるのがヴィヴィオ」

 

「はじめまして」

 

この肩書きはもう無いがそれでも牽制位にはなるだろう。

 

「アリアドネー?それが貴方の世界の名前なんですか」

 

「いや。そもそも世界の名前とはなんだ。星の名前なのか?それとも“世界”の真名のことか?」

 

「後半の方はよく分かりませんけど、私達の言う世界の名前とは基本的には星の名前です」

 

「それなら地球だ」

 

「そうなんですか。それなら」

 

そこに先程の機械が近づいてくる。今度は50機程の群れを成して攻めてきた。

 

「ガジェットがこんなに!?」

 

「ふ~ん、ガジェットというのか」

 

「逃げますよ零樹さん」

 

「アレ位なら問題ない。ヴィヴィオを頼むぞ」

 

ギンガにヴィヴィオを預けてガジェットに向かって走る。両腕に断罪の剣を展開し、すれ違い様に切り裂いていく。ヴィヴィオがいない分楽に破壊することができた。振り返るとギンガが唖然としていたが、もしかしたらやりすぎたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、ヘリで安全な場所に連れて行かれている。

バインドで拘束された状態で。

 

「八神二佐、なぜオレは拘束されているんだ」

 

「率直に言えば、もし貴方に襲われた場合私達では対処出来ひんからです」

 

「だからそっちが……まあいい。これでそっちが安心出来るならこのままで良い。それよりヴィヴィオは問題ないんだな」

 

「疲れが溜っていたみたいですね。それ以外は特に異常は見当たりませんでした。今はぐっすり眠ってます。一応検査の為に病院に搬送する予定です」

 

「それはよかった。ヴァイス陸曹だったか?目的地までの快適なフライトを頼むよ」

 

「任せときな。それより、そんな状況でよく平然としてられますね」

 

「慣れてるからな」

 

「そんなことより聞きたいんやけどホンマに地球出身なん?」

 

「少なくともオレたちは地球と呼んでいたが。詳しく言うなら生まれは太陽系第3番惑星地球日本国京都府出身、西暦1992年9月12日生まれだが」

 

「ウチより年下!?」

 

「八神二佐は500歳クラスなのか」

 

「「「ええ!?」」」

 

「え?」

 

「何言うてはるんですか、今は西暦2010年やで」

 

「オレが生きている時代は地球世紀73年、西暦に直せば2528年だ。まあ、実際の所オレの年齢は1980歳位だったはずだが」

 

「んな阿呆な。人間がそこまで生きれる分けないやろうが」

 

「人間じゃねえからな」

 

「「「はぁ!?」」」

 

「オレは竜じ、ヴァイス機首を下げろ。狙われているぞ」

 

俺の突然の声にも反応してヴァイスがヘリの機首を下げる。

ちっ、間に合わんな。

バインドを力づくで破りドアを開けて空に飛び出す。敵は既に射撃体勢を整えていた。

ならばこいつだ。

敵の銃口が光ると同時にとある宝具を投影する。

 

「アンサラー、フラガラック」

 

後出しからの先制攻撃。

時間をさかのぼる攻撃、それがこの宝具の特性だ。

タイミングを合わせるのが難しいが、格下相手なら余裕だ。

こちらを狙っていた銃口にフラガラックが突き刺さり誘爆する。敵は10代後半位の女ってあれ?もしかしてディエチじゃねえのか。大した怪我を負っていないがどうするか。

考えるのは後にしてここは退くか。当初の目的であるヘリの防衛は出来ているんだ。このまま直援に回れば良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴィヴィオがいなくなっただと!?」

 

色々と検査をする為にヴィヴィオが搬送された病院に一緒に連れて行かれ様々な検査やこちらの世界での戸籍を得る為の書類(文字は速攻で覚えた)を作成しているとギンガがヴィヴィオがいなくなったことを伝えてきた。

 

「少し待て」

 

すぐに感知領域を広げてヴィヴィオの気配を探す。どうやら中庭辺りにいるようだ。

 

「見つけた」

 

二人でその場に行くと草むらに隠れる様にしてヴィヴィオが泣いていた。

 

「ヴィヴィオ、探したぞ」

 

「ママもパパもどこにもいないの」

 

検査の結果からヴィヴィオは神話時代に出てくる聖王と呼ばれる者のクローンであることが判明している。つまり、ヴィヴィオに両親は存在しない。それを聞かされた時点でオレの心は決まっている。

 

「ヴィヴィオのママとパパはいないんだ。ヴィヴィオは普通の産まれ方をしていないから」

 

「ちょっと、零k「だから、オレの娘にならないか」

 

「……零樹パパ?」

 

「なんだい」

 

「……ふぇ、ふえええええええええええええん」

 

大泣きしているヴィヴィオを優しく抱きしめて背中を摩ってやる。そのまま泣き止むまで続けていると泣き疲れたのか静かに寝息を立て始める。風邪を引かない様に投影でマントを作り羽織らせて病室に連れ帰る。その後ろをギンガが付いてきているがどんな顔をしているかは分からない。ただ、なんとなく好意を持たれた気がするのは気のせいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、気分が悪いから帰っていいか?」

 

「だめです」

 

ヴィヴィオを正式に引き取ることを決め、とりあえず管理局から離れ様としたのだがヘリの防衛の際に使用したフラガラックが、この世界の法において禁止されている質量兵器なのかどうかの審議が取られている為に機動六課にその身柄を預けなければならなくなった。で、身柄を預けたら働かざるもの食うべからずとか八神二佐がほざいたので機動六課の敷地内の空いている所にテントを張って、中の空間を弄って広げて内装やらを整えて自宅兼工房を作り上げ、食料やライフラインをダイオラマ魔法球から供給してヴィヴィオと暮らそうとしたらギンガがやってきたのでとりあえずお茶を出して三人で団欒していたら高町なのは一等空尉とか言うのがやってきて無理矢理連行された。

 

「とりあえず新聞社に投稿しとこう。管理局員が理由も何も話さずにいきなり人の住居に不法侵入して、市民を拉致したと」

 

「あれ?はやてちゃん、八神二佐から話が通っているはずなんだけど」

 

「働かざるもの食うべからずとかほざいたから自給自足しているから働く気はないぞ」

 

「自給自足って、何も持って無かったじゃないですか」

 

「デバイスの格納領域みたいな物を使っているだけだ。畑とか牧場とか丸ごと放り込める位デカイがな。住居もな」

 

ちなみに姉さん達も同じ物を持っている。

 

「実際私も見てきましたけど凄かったですよ。見た目は普通のテントだったんですけど中に入ったら一軒家位の大きさがありましたし」

 

「母さんのだと城が丸ごと入ってたりするからな。あと、働きたくない理由は3つある。1つ、そもそも魔法の技術体系が違いすぎる。非殺傷なんて出来ん。2つ、ヴィヴィオと一緒にいる時間を出来るだけ取りたい。3つ、そこの赤髪の少年を見ていると……殺したくなる」

 

「「「「「「「えええええええ!?」」」」」」」

 

「ぶっちゃけるとオレの妻を殺した男に似すぎているんだよ。見てるだけで殺したくなるから近づくな」

 

赤い髪とか、礼儀正しい所とか、身長とか、電気を扱う所とか、これで眼鏡をかけていたら既にこの世から消しているぞ。

 

「それで、オレに何をやらせようとしてたんだ。場合によっては少し位手伝ってもいいけど」

 

どうしても赤髪の少年が視界に入るので影の中にある適当な布で目隠しをしておく。

……これ、『殺人貴』が使ってた魔眼殺しの布じゃねえかよ。まあいいか。

それにこの考えは正しかった。赤い髪を見なくてすむ為一気に気分が落ち着いた。

 

「はやてちゃんが言うには戦闘に慣れているって言ってたから戦闘教官を手伝ってもらおうと思ってたんだけど、その格好じゃあ無理そうだね」

 

「問題ないな。なんならこの状態でここにいる全員を圧倒してやろう。ただし赤髪の少年は気をつけろ。もしかしたら身体が勝手に反応して致命傷を与えるかもしれん」

 

挑発と受け取ったのか何人かの怒気を感じるが全く怖くない。

今この場にいるのは高町一尉、ギンガ、赤髪の少年、赤髪の少女、金髪の女性、ギンガに似ている少女、ツインテールの少女、桃色の髪の少女、それからヴィヴィオだ。全く負ける気がせんな。

 

「こいつが合図だ」

 

セルメダルを取り出し上空に弾く。戸惑っているみたいだが高町一尉がバリアジャケットに切り替え空に上がると同時に他の奴らも散開を始める。

まずは赤髪の少年から潰しておこう。

個々の魔力と気配と臭いは覚えているからそれを頼りに一直線にタックルを仕掛ける。無論道中に存在する木々をへし折りながら。少年はこれに対して真っ向から何かを構えて突っ込んで来るようだ。

まだまだ青いな。

何かと肩が接触する寸前で身体を開いて何かを躱して掴む。

この感じはランスだな。普通のランスよりは軽いが、変な所に重心が存在している。おそらくブースターが付いてるんだろうな。

ランスを掴んだ状態から素早く投げ技に繋げて両肩の関節を外しておく。援護と思われるツインテールの少女が放った魔力弾をバク転で回避し木に隠れる。すると魔力弾は木を迂回する様に飛んでくる。

誘導弾か、ならこうすれば良い。

地面に潜り込み地中を移動する。次に狙うのは桃色の髪の少女だ。見た目からして後衛、しかも回復か補助を担当していると思われるのを放置する程愚かなことはしない。真下まで移動し、足首を掴み地中に引きずり込む。もちろん呼吸出来ないと困るので首から上だけは残しておく。このまま地中に引きずり込むだけの簡単なお仕事をしても良いのだがそれでは面白くないので地中から飛び出す。次に狙うのは赤髪の少女だ。一気に上空2000mまで駆け上がり、反転。なけなしの精霊をかき集めて右足に集中。

 

「スーパー、稲妻キィィィィィィック」

 

急降下しながら座標を修正する。向こうは障壁で受け止めようとしているみたいだが甘い。

障壁と右足が接触した途端、拡散している電撃が同じ方向に集中、プラズマと化して莫大な熱量が発生する。

この技は簡単に言えば『千の雷』を超局所的に発生させる技だと思えば良い。結構操作が難しいがこの魔力量でこの破壊力ならおつりが来る位だ。

プラズマは一瞬にして障壁を貫通してしまったので急いで魔法を中断する。そしてそのままキックが命中し地面に叩き付ける。もちろん死んだりしない様に色々と防護魔法を赤髪の少女にかけた上でだが。おそらく気絶したであろう少女から離れようとした時、上空から桃色の魔力の固まりが降ってくる。

なるほど、非殺傷を利用した仲間ごと敵を倒す戦法か。そう言えば、アレに闇の魔法は有効なのか?

気になったので魔力糸で陣を形成、そして右手を差し出す。

 

術式固定(スタグネット)掌握(コンプレクシオー)

 

「ふぇ?嘘っ!?」

 

吸収に成功。どうやら純粋な魔力の固まり、というより無属性か。単純に魔力の回復にしか使えないな。とりあえずこれはお返しするとしよう。

 

解放(エーミッタム)

 

右手からある程度減衰した魔力の固まりが放出される。

そのまま飲み込まれるかと思っていたら金髪の女性が高町一尉を魔力砲から救い出していた。他のメンバーから考えるとかなり早い方なのだがオレから見ると遅すぎるとしか言えない。

瞬動と虚空瞬動、それから七夜一族の空中歩法を使って追い抜き、父さんの特技である盗賊技術でデバイスを奪い取る。杖と、おそらく斧と思われるそれらをすかさず明後日の方向に投擲する。これでこの二人も無力化出来た。

むっ、なんだこれは?魔力反応が増えた?ということは分身の術かそれに似た様な魔法だろうな。

ならこちらも数を増やすだけだ。

瞬動、投影、強化魔法の次に使う機会の多い影分身を増えた魔法反応の分だけ出して向かわせる。だが、どの反応にも手応えが得られなかった。

ただの幻影か。それでも幾つかに誘導弾が仕込まれている。なるほど、油断した所に一発入れるには十分すぎる魔法だな。だが、本体の隠密術が酷すぎる。操作するのに集中する為に物陰には隠れているのだろうが、気配が全く消せていない。殺気も在るし、幻影とのパスまで普通に分かってしまう。逆に言えばこれが通用する位感知系の魔法が存在しない。または戦闘で使われないのだろう。さて、デバイスの形状が分からないがとりあえず接近戦を仕掛けるとしよう。

木刀を投影、強化を施し本体目指して突っ込む。それを守る様にギンガとギンガに似た少女がオレに突っ込んで来る。ギンガのデバイスは右手のガントレットとローラーシューズだというのは実際に見ているので分かる。そしてギンガに似た少女からも似た様な音が聞こえることから利き手にガントレット、そしてローラーシューズだろう。しかも牽制魔法もなく突っ込んでくることからどちらも射撃は苦手、もしくは使えないのだろう。

まあギンガにはヴィヴィオの後見人にもなってもらったり色々と世話になっているからな。少し位合わせて戦っても良いだろう。

もう一本木刀を用意し迎え撃つ構えを取ってみせる。これを見て二人は更に加速して突っ込んで来る。同時に繰り出される拳を真っ向から受け止め、押し返す。驚いているようだがギンガは押し返されながらも蹴りを放ってくるのでスウェーで躱す。そこからは二人掛かりでの連打、それに加えツインテールの少女の援護射撃が飛んでくるがそれらを全て切り払う。しばらくの間遊んで分かったことはローラーシューズの為踏ん張りが利かずに、一度距離を離してから加速を付け再度攻撃という効率の悪い武術のようだ。その分、突撃力には優れているようだが。

 

「そろそろ遊びを終わらせよう」

 

二人を押し返し木刀の一本を破棄、気を木刀に通し電気に変換する。

 

「神鳴流奥義、雷鳴剣」

 

出来るだけ威力を下げて数分の間痺れが取れない様にした雷鳴剣を放ち二人を行動不能にする。最後に残ったツインテールの少女には必死に直射、誘導、果てには収束砲を用いて攻撃してきたが、全てマントで防ぎ首元に木刀を突きつける。

 

「はい、オレの勝ち」

 

「パパすご〜い」

 

サーチャーでこちらを見ているであろう八神二佐達に軽く礼をしてみせてからサーチャーを破壊して、ヴィヴィオを抱き上げテントに戻る。

オレを駒に出来ると思ったら大間違いだぞ。貴様が狸ならオレは九尾の狐だ。格を思い知れ。

訓練所を離れた時には既にオレの頭の中は3時のおやつに何を用意するか考えるだけになっていた。

 

 

side out


 
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