No.140701

『偽・悲恋姫†異聞録』21

Nightさん

GW特別企画深夜便の投稿です

どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です

2010-05-04 01:43:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4528   閲覧ユーザー数:3927

「貴様も死兵か、死兵は大人しく地の底で眠れっ!」

 恐ろしいほどの正確さと、速さで

 唯一の弱点である足の甲を射抜かれた

 地に縫い付けて動きを止め、止めを刺しにくる

 

 流石は秋蘭さん、こんな状態でも冷静にこんな攻撃をしてくるなんて

 

 華琳さんが小さいころから離さないのも、良くわかりますわね

 

 しかし、麗の行動は秋蘭の予定を大きく覆す。

 そのまま、射抜かれ、地に縫い付けられたその足で地を蹴る。

 まるでそれすらも、自らを飾り付けるただの装飾でしかない

 そういわんばかりの微笑を、欠片も曇らせることなく・・・

 

 秋蘭さんは、全然わかってませんのね・・・私が死兵に見えるなど

 

 こんな所で死ぬつもりなんて、毛頭ありません

 

 それに・・・御主人様の命も無しに、私が死ねるはずがありません

 

 サイドステップで避け様に矢を放つ秋蘭

 麗の微笑みを湛えた深い緑の瞳が、すっとその動きに合わせて動き

 いっそう笑みを深める・

 

 だから・・・それが、舐め過ぎなんです秋蘭さん

 

 私を、何時の私と重ねているのかしらね、貴女は

 

 それを体で受けながら麗の方天画戟が繰り出した攻撃は

 石突き側の槍による突きではなく

 方天画戟の穂先による薙ぎ払いだった。

 

 今まで矢を叩き落すのも

 突進からの攻撃も

 全てが直線的な突き

 仕込みに仕込んだ、この一撃のために

 目を直線の動きに完全に慣らさせていたのだ・・・

 

 そう、自分の運を信じ、上空からの矢になど毛ほども注意を払わず、秋蘭を仕留める為に

 ・・・その一撃に渾身の力をこめて。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
52
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択