No.110008

真恋姫無双~覇道を支える者~魏√最終章

karasuさん

投稿です
急ですが最終章です。楽しんでいただけたら幸いです
過度な期待はせずに生暖かい目で見ましょう

<●><●>

2009-12-01 22:51:03 投稿 / 全16ページ    総閲覧数:32147   閲覧ユーザー数:20850

この作品はキャラ設定が崩壊しています。原作重視の方はご注意下さい

時代背景がめちゃくちゃです

一刀くんがチートです

それでもいいかたはどうぞ

 

華琳たちは河北一帯を統治した後、次に馬騰軍が統治している涼州に軍を向けた

華琳は馬騰との一戦を楽しみにしていたが、すでに馬騰は病に犯されており華琳たちが城に到着した時には既に毒を飲み死んでいた

華琳たちは進軍途中に翠、蒲公英の率いる涼州騎馬隊の攻撃を受けるも、それをなんなく撃退。翠たちは桃香たちへと去っていった

こうして華琳たちは大陸の約半分をその手中に治めた

そんな華琳たちが次に狙ったのは小覇王率いる『呉』であった

 

この日、華琳たち魏は呉に攻め入っていた。すでに呉の城内には魏軍が侵入しており、この戦は魏の勝利で終わろうとしていた

凪「伏兵の存在に気をつけろ! 周辺に警戒しつつ、城内の制圧に急げ!」

真桜「一刀~。ひととおり見てきたけど、罠らしき仕掛けはなかったで。ただの空城や」

一刀「そっか。空城の計ではなかったか……」

真桜「多分な。あとで細かいところもちっと見とくけど……大丈夫やと思うわ」

一刀「分かった。ありがと」

華琳「どう? この城は使えそう?」

一刀「問題ないみたいだぞ」

華琳「そう。なら、ここは前線基地として使わせてもらいましょう。輜重隊は荷を解くように指示を出しておきなさい」

真桜「御意。沙和に言うて、救護と食事の準備もさせときますわ」

そう言って真桜はその場をあとにする

一刀「時間稼ぎと俺たちの動きをある程度監視しやすくするためってところか……?」

そう呟いたのは一刀

華琳「でしょうね。この後あの孫策と彼女に仕える周公謹がどんな策を見せてくれるのか……ワクワクするわね♪」

一刀「面倒なのだけは勘弁して欲しいけどな……」

華琳「それは呉の面々に言いなさい」

一刀「出来たら言ってるさ」

そこまで言って二人は小さく笑った

 

 

それから少し日を経て

この日城内は少し騒がしかった

一刀「どうしたんだ? 何かあったのか?」

そう呟いた一刀の後ろから

凪「一刀様! 侵入者です!」

一刀「侵入者!? 命知らずな奴も居るもんだな~」

凪「それが、門番もあっさり突破した所を見ると……かなりの手練れかと」

一刀「手練れかぁ……」

凪「一刀様……?」

凪は手練れと聞いた一刀の目が輝いているのに気がついた

一刀「この間の戦はつまらなかったし……楽しませてもらえるかな~? 恋くらい強いといいんだけどね」

そう言いながら一刀は騒ぎ声のする方へと信じられないような速さで駆けていった

凪「あっ! まってください一刀様!」

凪もそれに続いて走り出した

 

 

霞「はぁ……はぁ……はぁ……。何やコイツ!」

そういう霞の目の前には一人の女性、そして少し離れた所に少女がいた

祭「なんだなんだ。その偃月刀は飾りか?」

霞「ンなわけあるか! 神速とうたわれたウチの一撃……もう一度、受けてみいっ!」

そう叫び霞は『飛龍偃月刀』を振るうが

祭「これが神速……なぁ」

霞「……なっ!?」

軽く祭に避けられ

祭「……筋は悪くないが、少々我慢が足りんな。出直してこい」

霞「がはっ!」

腹部に一撃もらってしまう

一刀「お~。強い強い」

そういいながら一刀は祭と霞の間に割ってはいる

霞「一刀! 邪魔すんな!」

一刀「邪魔なのは霞のほうだよ。少し落ち着いたらどうだ?」

そう言って一刀は霞の手を取ると

一刀「秋蘭! しっかり受け取れよ~!!」

秋蘭「……なっ!」

秋蘭の方へ向かって投げ飛ばした。秋蘭はそれをしっかりキャッチした

霞「何すんのや一刀! まだウチは負けとらん!!」

一刀「いいからそこで見てろ」

それだけ言って一刀は祭のほうに向き直る

祭「ふっふっふ。久しぶりだな小僧」

一刀「あれ? どこかで会ったっけ?」

祭「……前に戦場で二回ほど会ってるはずだが?」

一刀「でも覚えてないってことは……そうとう弱いのかな? 俺は基本的に雑魚は覚えないからさ」

祭「……何だと……」

一刀「少しでも自分の武に自身があるならかかってきなよ。瞬殺してあげるから」

祭「はっ! 言ってくれる。あまり舐めた……」

一刀「いいから来いよ……霞を馬鹿にしてタダですむと思ってんじゃねぇぞ……」

そういう一刀の身体から黒い氣があふれ出す

祭「……これは……少々つらいかもしれないのう」

そう言いながら祭は集中を高めていくが

一刀「遅すぎるな……霞が本調子ならあんたなんかの速さに追いつけないわけが無いな……」

すでに一刀の『風牙』が腹にめり込んでいた

祭「かはぁっ!?」

そのまま祭は糸の切れた操り人形のようにだらりと一刀にもたれかかった

一刀「っで、こいつはどうすればいい?」

すでに黒い氣と殺気を引っ込めた一刀が秋蘭に聞く

秋蘭「ああ、それなら……」

華琳「話を聞きたいからこっちに連れてきなさい」

秋蘭「華琳さま!」

華琳「それに……」

一刀「どうして呉の宿将が尋ねてきたのか気になるか?」

華琳「あら、しっかり覚えているようね」

一刀「当たり前だ……」

華琳「それじゃあ、一刀は黄蓋を起こして、こっちに連れてきて頂戴」

雛里「はい」

一刀「黄蓋、起きろ」

一刀は黄蓋の背中を思いっきり叩く、すると祭が目を覚ます

祭「うう……もう少し優しく出来んのか」

一刀「無理だ……我らが主が話がしたいそうだ。こっちに来てくれ」

祭「うむ」

こうして魏の面々と祭は仮設された玉座の間に集まった

 

 

春蘭「我が軍に降りたいだと……?」

祭「左様。既に我が盟友、孫堅の夢見た呉はあそこに無い。ならば、奴の意志を継いだ儂の手で引導を渡してやるのが、せめてもの孫堅への弔いであろう」

秋蘭「周瑜との間に諍いがあったと聞いたが……原因はそれか?」

祭「やれやれ、もう伝わっておるのか。……その噂、どこから聞いた?」

秋蘭「どこでも良かろう。それが事実であったかどうかだけ聞いているのだ」

祭「……事実だ。それを証拠に、ほれ……」

そういうと祭は急に胸元の服を退かした

一刀は黙ったまま背を向ける

少しして祭が服を着なおすと

凪「一刀様、もう平気ですよ」

一刀「ありがとう、凪」

華琳「先ほどの傷が、周瑜に打たれたという痕?」

祭「赤子のころはよくめんどうを見てやったといううのに……。我らの孫呉を好き勝手かき回した挙句、あろうことかこの仕打ちだ」

春蘭「なんだ。ただの私怨ではないか」

祭「まあ、そう思われても仕方ないじゃろうの。しかし、夏侯惇よ」

春蘭「なんだ?」

祭「お主らも考えてみよ。もし志半ばで曹操が倒れたとき、後を継いだ者たちが……無能で、今までの方針を変え、曹操の志を踏みにじるような真似をしでかしたとしたら……一体どう感じるか?」

春蘭「殺す!」

祭「そういう想いをしておるのじゃよ。今のわしは」

春蘭「むぅ……」

祭「このような時代だ。戦に負け、滅ぼされるのは詮無きこと。袁術の元に居た頃も屈辱ではあったが、それを雪ぐ日を夢見て、恥を忍んで生きておった。じゃが、その雪辱を果たした先にあったものはどうだ。わしは……あのようなヒヨッコを好き勝手させるために孫呉を再興させたのではない!」

桂花「華琳さま……」

華琳「黄蓋。ならば、我が軍に降る条件は?」

祭「孫呉を討つ事。そして……全てが終わった後、このわしを討ち果たす事」

春蘭「……なんと」

秋蘭「貴公……」

祭「孫呉が滅びたなら、このわしに生きている意味などありはせん。ならばせめて、あの世で我が友に詫びの一つも入れさせて欲しい」

華琳「江東を治める気はない? あなたほどの人物なら、この一帯を任せても構わなくてよ?」

祭「わしは孫家に仕える身。それを飛び越えて江東を治めようなどとは思わん」

華琳「……ならば、自ら死兵になると?」

祭「それがわしなりの堅殿への忠義の示し方だ」

華琳「……分かったわ、黄蓋。あなたにわたしの真名を呼ぶ事を許しましょう」

祭「……すまんが、それは断らせてもらおう」

桂花「何ですってー!」

春蘭「貴様! せっかく華琳さまが……!」

祭「わしは孫呉に身命を捧げた身。貴公らの下に降るのはあくまでも真の孫呉を守るため。余計な馴れ合いは遠慮願いたい」

秋蘭「貴様……! ならば、われら曹魏を私怨のために利用するというのか!」

祭「その通り。故に、真名を呼び合うような馴れ合いは不要。戦が終われば、わしは真の呉の将として戦いを挑ませてもらう」

春蘭「たった一人でか? 我が軍の兵は一人たりとも貴様に付き従いはせんぞ?」

祭「戦で散る事こそ我が本望。むしろ望むところ!」

春蘭「な……」

華琳「……あなたの負けよ、春蘭」

春蘭「……は。ならば黄蓋。全てが終わったら、お主の首級、この夏侯元譲が貰い承けよう」

祭「ふむ……同じ弓使いとして、どちらかといえば夏侯淵のほうが気になるがのぉ」

秋蘭「……分かった。全てが終わったら、私がお相手いたそう」

祭「じゃが、易々とくれてやりはせんぞ?」

秋蘭「無論だ」

霞「二人ともズルいで! ウチも混ぜてぇな!」

春蘭「貴様はさっき負けただろう」

霞「あんなんな本気わけあるかい! ウチが本気出せばアンタなんぞ……」

祭「良い良い。何なら二人でかかってきても構わん」

華琳「いいわ、孫呉の討伐に、あなたを加える事を許しましょう」

桂花「華琳さま!」

 

 

華琳「何か不満でもある? 桂花」

桂花「無論です。黄蓋は呉の宿将。これが演技という可能性も……」

華琳「そうでしょうね。別に私とて、彼女を信用しているわけではないわよ」

祭「……ほぅ」

華琳「けれど、黄蓋ほどの将がここまでしているのだもの。もし計略というのならば、それを見届けた上で使いこなして見せるのも、覇王の器というものでしょう」

祭「なるほど、裏切ると分かっていてなお、受け入れるか」

華琳「当然よ。裏切りたければ……いえ、あなたは真の呉の将なのだから裏切りとは言わないわね。我が魏に徒成す行為に働いたと見れば、こちらも容赦なく討たせてもらうわ」

祭「そうか……。ならば、こちらも王者に対して非礼を働いてはなるまいな。華琳殿」

華琳「真名は」

祭「祭」

華琳「その名、しばし預かっておきましょう。……では黄蓋よ。すぐに軍議を開く。あなたも参加し、呉と戦う上での意見を述べなさい。いいわね?」

祭「御意」

一刀「華琳、少し話がある」

華琳「いまここではダメなのかしら?」

一刀「二人っきりでだ」

華琳「そう……」

 

 

 

『小休憩』

 

秋蘭「そういえば一刀、この間の定軍山では助かった。あらためて礼を言う」

一刀「構わないさ」

秋蘭「しかし、よく蜀があそこで奇襲をかけてくるとわかったな」

一刀「いや、わかったというか……知ってたというか……」

秋蘭「どういうことだ?」

一刀「俺のいた世界の歴史の書ではあの定軍山で秋蘭、夏侯淵は黄忠に討たれてるんだよ」

秋蘭「歴史書か……ということはこの後起こる出来事もなんとなくは知っているのか?」

一刀「ああ、でも華琳は知りたがらないだろうと思ってるから。教える気はないよ」

秋蘭「そうだな。華琳さまはきっと自らの足で覇道を歩みたがるだろうからな」

一刀「だろうな」

秋蘭「そういえば一刀、お礼もかねて私の部屋で飯を食っていかないか?」

一刀「いいのか?」

秋蘭「かまわんさ」

一刀「じゃあ、遠慮なく」

 

 

それからしばらくして、魏と呉蜀同盟は大戦を繰り広げていた

 

 

 

赤壁には東南の風が吹いており、祭は計画どうり火計を行おうとしたが、華琳たちにことごとく潰され

華琳たち本隊に包囲されてしまっていた

祭「兵をまとめろ! これより我らは、曹操に最後の一撃を叩き込む!」

兵士「……はっ!」

祭「曹孟徳、聞こえるか! 我が計略、ここまで完璧に破られるとは思わなかったぞ! 見事じゃ!」

華琳「敵軍の将のままでありながら、私の眼前にまで現れたことは褒めてあげるわ。それに、あれほどの大胆無比な作戦もね。けれど……その呉の宿将も、私の手のひらの上で踊るだけだったということよ」

祭「敵将の前にむざむざ顔を見せるか、曹孟徳。その余裕も……」

華琳「なら、あなたの得意な合戦で決着をつけてあげましょう。名将黄蓋の最後の誇りを踏みにじって……あなたに参ったと言わせてあげる」

祭「言うではないか……ならば、いざ尋常に!」

華琳「総員!戦闘準備! 曹魏の武、見せ付けようぞ!」

祭「皆のもの! 行くぞ!」

華琳&祭「総員! 突撃!」

こうして両者はぶつかり合うが、やはり、華琳たちが有利にことを運び、祭を追い詰めていく

 

 

兵士「黄蓋さま……ぐはっ!」

祭「くっ……! もはや、これまでか……!」

華琳「……大人しく降参なさい。あなたほどの名将、ここで散らせるのは惜しいわ」

祭「ぬかせ! 我が身命の全てはこの江東、この孫呉、そして孫家の娘たちのためにある! 貴様らになど、我が髪の毛一房たりとも遺しはするものか!」

春蘭「黄蓋!」

祭「夏侯惇か……。貴様もわしに命乞いをしろとでも言いに来たか?」

春蘭「…………」

祭「貴様も曹魏の忠臣ならば、分からんか? 国を犯し、主を侵す侵略者どもに命乞いをし、その後なお主の愛した魏に足を踏み入れられるか?」

春蘭「………っ!」

秋蘭「黄蓋……」

春蘭「華琳さま……」

華琳「いいでしょう。ならば……」

祭「……応! 来るがいい!」

そう言い放った祭に春蘭たちが襲い掛かろうとするが

華琳「孫策たちが来たか……」

雪蓮「祭!」

冥琳「黄蓋殿!」

祭「おお、冥琳か! 策殿も!」

冥琳「祭殿……ご無事か……!」

祭「ははは、無事なものか。お主とない知恵を絞って考えた苦肉の計も、曹操に面白いように見抜かれておったわ」

冥琳「しかし……ご無事で何よりです! 早くお戻り下さい!」

祭「……ふむ。それはちと、難しいのぉ」

祭がそういった瞬間に船の柱が火柱をなって華琳たちと祭の間に落ちる

祭「くっ!」

蓮華&小蓮「祭!」

雪蓮「祭! 今よ! こっちに来て」

祭「ふはは、まだまだわしも死ねない――」

一刀「だめだよ、華琳も言ってたろ? 曹魏に徒成したら躊躇い無く討ち取るって」

『カチャリ』

そう言いながら一刀は祭の背後から『計都』をつきつけていた

祭「北郷か……よく来れたな……」

一刀「いや、少しまわりに気を配っていれば気がつくさ……それより、なにか言い残す事は?」

祭「そうじゃなぁ……」

雪蓮「くっ! 皆、祭を助けるわよ! 総員……」

祭「来るな!」

雪蓮「祭!」

祭「聞けぃ! 愛しき孫呉の若者たちよ! 聞け! そしてその目にしかと焼きつけよ! 我が身、我が血、我が魂魄! その全てを我が愛する孫呉のために捧げよう! その老躯、孫呉の礎となろう! 我が人生に、何の後悔があろうか!」

蓮華「祭!」

祭「呉を背負う若者たちよ! 孫文台の建てた時代の呉は、わしの死で終わる! じゃが、これからはお主らの望む呉を築いていくのだ! 思うがままに、皆の力で! しかしけっして忘れるな! お主らの足元には、呉の礎となった無数の英霊達が眠っていることを! そしてお主らを常に見守っていることを! 我も今より、その英霊の末席を穢すことになる!」

明命「祭さま!」

思春「公覆どの!」

祭「何を泣いているのだ馬鹿者め! 早よう撤退の用意をせんか!」

亜莎「そんな……祭さまを置いて……!」

祭「炎の勢いはまだ残っておる。早く逃げねば、雪蓮様達もあぶないじゃろうが!」

雪蓮「………祭!」

祭「策殿。最後に一目会えて、ようございました。これからの呉、よろしくお頼み申します」

冥琳「……祭殿」

祭「冥琳……。その様子なら、心配ないな」

冥琳「当たり前でしょう……あなたがいた時より、良い国にしてみせましょう……!」

祭「ならば思い残すことはなにもない……」

一刀「もういいのか……?」

祭「あぁ……頼む」

『ドン!』

 

低い爆発音と共に祭の胸から血しぶきが舞う

祭「皆……さらばじゃ」

そして祭の身体は河の中へと沈んでいった

雪蓮「祭ぃぃぃぃぃっ!」

思春「貴様ぁぁ……っ! 北郷!」

一刀「一人の武人としての行動をとったまでだ」

蓮華「貴様! 言うにことかいて……」

小蓮「皆! 祭の死を無駄にはしないわよ!」

明命「はっ! 総員突撃用意! 祭さまの仇討ちだ!」

冥琳「公覆殿の死に様に倣え! 我らが身、我らが血、我らが魂魄! 孫呉の誇りの全てを賭けて、魏の兵どもをこの江東から叩き出してやれ!」

愛紗「くっ……! 遅かったか!」

雪蓮「関羽! 我らに力を! 祭の弔い合戦だ!」

雛里「そんな……! 黄蓋さんが……!」

翠「桃香さま!」

桃香「ええ。皆、攻撃の準備を!」

華琳「一刀……」

一刀「なんか用か……」

華琳「行ってきなさい。あなたの手でこの乱世、終わらせてたいのでしょう?」

一刀「いいのか? 正直、華琳の覇道からは大きく逸れたやり方だぞ?」

華琳「私の覇道は私が決めるの、他人がどう思おうと私が覇道を歩んでいると思い続ける限り変わらないわ」

一刀「そうか……なら行って来る」

華琳「あんまり遅いと終わらせちゃうかもしれないわよ?」

一刀「ふん……負けるなよ」

華琳「当然……」

 

その後、、祭の弔い合戦と意気込む呉蜀同盟だが、曹魏の兵力の前に敗退

全軍、一時撤退していたが、その進路に一人の男が立っていた

 

 

雪蓮「北郷……一刀……!!」

冥琳「貴様!」

一刀「やっと来たか……悪いが呉も蜀もここで終わってもらう」

そう言いながら一刀は『風牙』と『雷牙』を抜く

思春「貴様ぁぁ!」

蓮華「この数を相手にたった一人で勝つだと!」

明命「舐めるのもいい加減にして下さい!」

雪蓮「劉備!!」

桃香「わかってます。あの人さえなんとかすればまだ私たちにも勝機は見えてきますから」

星「それでは、参りますか」

愛紗「一刀殿! 殺す気で参ります!」

一刀「将だけでいいのか? なら今日一日で終わらせてやるよ」

冥琳「一番隊と二番隊は弓構え!」

穏「三番隊は突撃準備!」

雛里「五番隊は一番隊の人たちとすぐに代われるようにしてください!」

朱里「孫策さん、桃香さま。指示を!」

桃香&雪蓮「「全軍! かかれーーー!!」」

兵士「「「おおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

一刀「これが最後の大戦! 存分に楽しむぜぇ!!!」

 

 

まずは一刀に向けて一番隊、二番隊が矢を放つ、続いて五番隊も即座に入れ替わり矢を放つ

その本数、合計して約五万近くになろうかという本数を一刀は

一刀「効くかよ!」

二振りの刀から作り出した衝撃波で弾き飛ばす。それでも半分くらいは一刀に向かってくる

それを一刀はまるで踊るかのように避け、弾き続ける、服にすらかすらすことなく的確に捌いていく

思春「はぁぁぁ!」

明命「でぇぇぇぇい!」

翠「うりゃああ!」

蒲公英「えい!」

まずは思春、明命、翠、蒲公英の四人が一刀に立ち向かうが

一刀「遅い遅い!」

思春の振り下ろしを弾きながら、もう片方の刀で思春の腹に一撃入れ、翠の突きだした槍に足を絡ませ身体を宙に浮かせると

翠「なっ!」

両側から迫ってきた明命と蒲公英に『計都』と『羅睺』を乱射する

明命「ぐわっ!」

蒲公英「きゃあ!」

防ぐ事もできずに二人は氣弾の乱射をまともに喰らい吹き飛ばされる

一刀「んっ!!」

一刀は槍に絡めた足に力を入れ、そのまま身体をそらしてバク転するように身体を一回転させる

翠「うわわわ!」

途中まで身体を持ち上げられて翠は慌てて『銀閃』から手を離すが、その身体はすでに宙に上がっており

翠「かはっ!」

一刀の突き上げた拳が腹に深く入る

鈴々「うりゃりゃりゃりゃー!」

紫苑「せい!」

桔梗「ふん!」

焔耶「でやあああ!!」

蓮華「えーーい!」

小蓮「それ!」

亜莎「はい!」

次に七人もの武将が一刀に挑むが――

一刀「はぁぁぁぁぁ!!」

その誰もが刹那のうちに地に伏していた。そんな武将達には目もくれず一刀は進み続ける

愛紗「やはり、一刀殿は強い」

星「しかし、勝たねばなるまい」

恋「………(コクコク)」

雪蓮「…………」

華雄「では、行くぞ!!」

華雄の掛け声と共に愛紗、星、恋、華雄、雪蓮の五人が動き出す

まず最初に一刀に切りかかったのは雪蓮、一刀は雪蓮の攻撃を避けずに真っ向から受け止める

雪蓮「貴様が祭を!」

一刀「戦で死人がでるのは当然の事だろう」

雪蓮「黙れ!」

一刀「少し落ち着いたらどうだ? まるで子供が駄々をこねているような剣の使いかただ」

そう言いながら一刀は『計都』にマガジンを装填すると雪蓮の斬撃をよけ零距離まで近づいて、その腹目掛けて拡散弾を放つ

雪蓮「………!!!」

雪蓮は言葉も言えぬまま蹲る

星「はいーーー!!」

華雄「ふん!」

恋「………んっ!」

愛紗「でぇぇぇぇぇい!!!」

続いて残りの四人も――

一刀「まだ遠いかな………」

愛紗を除いた三人はたった一撃で意識を失う

一刀「……!! 避けられたか……」

愛紗「私も日々、一刀殿を目指して鍛錬に励んでいましたから」

一刀「そっか……それじゃあその成果を、見せてみなよ」

そう言って一刀は深く腰を落とし『風牙』と『雷牙』を構える。愛紗は一度大きく深呼吸をした後

愛紗「はぁぁぁぁ!!」

自身の持てる最高の一撃を放つ

一刀「せりゃああああ!!!」

一刀もそれに答えるように今までにないほどの氣を纏い愛紗を迎え撃つ

『ガキン!!』

両者のすれ違いざまに、鉄どうしが激しくぶつかる音がし、宙を『風牙』と『雷牙』が舞う

一刀の頬は軽く切れ、血が流れ落ちていた

一刀「強くなったね、愛紗」

振り向きながら愛紗に話しかける一刀

愛紗「はい、少しは近づけましたか?」

愛紗も振り返りながら一刀に訊ねるが

一刀「今度会ったときはもっと強くなってろよ」

愛紗「はい……一刀……殿……」

そう答えると同時に意識を手放した

一刀「……さてと」

そう呟きながら一刀は二刀を拾い上げ、自分を包囲している兵士たちを見る

一刀「ざっと残り十万くらいか? これくらいなら、華琳たちが着く前に終わりそうだな」

そう言いながら服についた汚れをパンパンと叩き落し

一刀「今の俺は機嫌がいいんだ。すぐ楽にしてやるよ!!」

大軍の中に迷うことなく突っ込んでいった

 

 

華琳「これは……」

秋蘭「これを一刀一人でやったのか……?」

桂花「信じらんない……」

一刀と呉蜀同盟が争っていた場所に到着した華琳たちの目の前には大量の呉蜀の兵士たちが倒れていた

しかし、そのうちの殆どの者が死んでおらず、ただ気を失っているだけであった

凪「一刀様は……一刀様は何処に!?」

真桜「あっ! 凪!!」

霞「ちょっと待ちいや!」

一人で駆け出した凪の後を追うように霞と真桜も駆け出す

祭「少しよろしいかな? 華琳殿」

華琳「あら、黄蓋。やっぱり生きていたのね」

祭「ふむ。もう少し驚いてはくれんのですかな?」

華琳「なんとなく分かっていたもの。それで一刀は?」

祭「北郷ならここにはもう居りませぬ」

祭の一言に華琳の表情が僅かに歪む

華琳「どういうことかしら?」

祭「伝言がある。おっほん――」

 

一刀「これを聞いてるって事は無事に黄蓋と合流できたってことか? ちなみに他の武将達も皆生きてるからちゃんと保護しろよ。俺はしばらく旅に出る。元々あまりこの大陸について知らないことだらけだからな、この機会にちょっと見てくる。いつ帰るかはわからんがいつか帰る……たぶん。それともう一つ、華琳、この大陸に真の平和を取り戻したかったら『大陸』とういう概念を捨てて『世界』を見ろ、そうすれば自然と華琳ならいい案が思いつくはずだ。最後に、俺が帰った時にふざけた情勢になってたら本気で殺すからな。じゃあな」

 

祭「――とのことじゃ」

華琳「随分と身勝手ね」

秋蘭「全くですね」

沙和「でも一刀さんらしいのー!」

華琳「そうね……」

そう言いながら華琳は空を見上げる

華琳「帰ってきたら絶対に私の前に跪かせてやるわ……一刀」

稟「そのためには今からでも動き出さなければなりませんね」

風「お兄さんは求める事が大きいですからね~」

桂花「我ら魏だけでは不可能でしょう」

春蘭「ならば呉と蜀に手伝ってもらうのか?」

華琳「そういうことよ。お願いできるかしら、黄蓋?」

祭「主の驚く顔を堪能した後でよろしければ」

華琳「蜀は……まあ、起きてから話しましょうか。劉備なら反対はしないでしょうしね」

秋蘭「これから忙しくなりますね」

華琳「ふふふ、そうね。でも……」

華琳はゆっくりと衛生兵に運ばれている将兵たちを見回しながら

華琳「これだけ頼もしい者たちが居るのだから問題ないわ」

そう笑顔で言い放った

秋蘭「そうですね……私もそう思います」

二人の顔には自然な笑顔が浮かんでいた

 

 

それから数年後――

華琳「今日も街は平和ね」

桃香「そうですね。笑顔が溢れて」

雪蓮「お酒もおいしいわね♪」

華琳「雪蓮、また呑んでるの……この間、冥琳に怒られたばかりでしょうに」

雪蓮「だって~。こんなにいい肴が目の前にあって酒を飲むなって方が無理でしょう」

華琳「はぁ~……」

桃香「まぁまぁ華琳さん。これも雪蓮さんらしさってことで……」

そんな事を話しながら歩いている三人のところにはわわ軍師が駆けてくる

はわわ軍師「はわわ……はぁ、はぁ、た、大変です!」

桃香「どうしたの朱里ちゃん?」

朱里「五胡の軍勢が侵略を開始しました!」

雪蓮「ついに来たか! 他の皆は?」

朱里「既に大玉座に集まってます。あとは私たちだけです!」

華琳「なら、行きましょうか。さっさと退治しないと一刀が帰ってきた時に殺されるかもしれないものね」

雪蓮「あら、今の私たちなら北郷だって敵わないわよ~」

華琳「どうかしらね?」

桃香「それよりも行きましょう。皆待ってるらしいから!」

華琳「ええ」

そう答えて走り出す華琳の耳に

???「後で追いつくから……先に行っとけ……」

そんなささやき声が聞こえた気がした

華琳は振り返ってその声の人物を探すが何処にも居なかったが

華琳「じゃあ、先に行ってるわよ。すぐに来なさい……」

桃香「おーい! 華琳さーん!」

華琳「今行くわ!」

一言残すと桃香たちの後を追って行った

 

 

 

どうもkarasuです

いかがだったでしょうか?魏√突然の最終章でしたが楽しんでいただけたでしょうか?

私もまだまだ続くかなと思っていたんですが書いているうちに「あれ? これで終わっちゃうんじゃねww」っというふうになってきまして、終わりました。はい。

皆さんの中には不満を持つ方や、こんなの魏√じゃない!など思う方もいると思いますがご容赦ください。

さて、これにて私の作品も残すところ二作品となりましたが……ふっふっふ

 

ところで皆さんはお気付きでしょうか?もうすぐ私の投稿作品が五十になります、(この作品はたぶん四十四作品目)いや~意外と結構な数投稿してると思いませんか?正直私はここまで長く続けると思いませんでした

これも皆様からの応援のおかげだと思います。よろしければこれからも応援お願いします。

出来れば五十作品目はなにかやらかしたいと思っていますので宜しくです!!

 

さて、次のページはいままで何回行ったのかわからないアンケートとなっておりますので興味のある方だけどうぞ

 

 

ここまで読んでくださりまことにありがとうございます。これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います

 

さて、ここまで読んでくれているちょっぴり私の作品にハマっている大佐がた……すみません調子に乗りました

改めまして、どうもkarasuです

今回はこの真恋姫、恋姫、のssで北郷一刀以外のオリジナル主人公がOKか否かです

次にやるなら主人公オリキャラにしてみようかな、とか考えている私でして。まぁいままでも一刀くんも充分オリキャラ的存在でしたが……

できれば教えて欲しいです。お願いします。

 

他にもきっと訊きたいことは山のようにあると思うのですが今は思いつかないのでこの辺にしときます

 

 

ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。これからも読み続けてくだされば幸いです

 

以上karasuでした。ではまた次回の作品にて。

 

 

???「血飛沫に嗤ろさせてもらいます」


 
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