No.969474

リハビリ短編 ダブルギア

竜神丸さん

久々の更新。でも内容は薄っぺらいという悲しさ(ズーン

それではどうぞ。

2018-10-06 21:05:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:9632   閲覧ユーザー数:3486

「では、準備はよろしいですね?」

 

「えぇ。いつでも行けますよ」

 

某次元世界、とある戦場。銃弾が飛び交い、戦車の砲撃による爆発があちこちで発生している中、この戦場に密かに介入しようとしている者達がいた。

 

1人は旅団ナンバーズの竜神丸。

 

もう1人はイェーガーズのラン。

 

双眼鏡で見据えた先に存在する大きな廃墟。その内部に潜伏し、現在引き起こされている戦争を更に激化させようと暗躍している者達に狙いを定めた2人。まずは竜神丸が手元に転移させたFIM-92スティンガーを構え、廃墟に向かって躊躇なくミサイルを発射した。

 

チュドォォォォォォォォン!!!

 

「な、何だ!?」

 

「敵襲だ!!」

 

廃墟に潜伏していた者達は慌てて廃墟の外に飛び出して行く。そこをランが右手で構えた紫色の拳銃型デバイスで1人ずつ狙い撃ちにし、背中に展開した帝具マスティマから無数の羽根を放射。それらが逃げようとした者の足元に突き刺さり、彼等の逃げ道を封じてみせた。

 

「な、貴様等は……!!」

 

「どうも~、『SMILE』の皆さん♪ わざわざこんな所までご苦労様ですねぇ~」

 

「兵器密売組織『SMILE』……あなた達がここに潜んでいる事は既にお見通しです。大人しく排除されて貰いますよ」

 

「くそ、OTAKU旅団の連中か……!!」

 

「まだだ、こんな所で終わってたまるか……やれ、ガーディアンズ!!」

 

竜神丸とランが発見した兵器密売組織―――『SMILE』の構成員が指を鳴らした途端、それを合図に工作員達の周囲に何体もの機械兵士が出現。精密な機械で構成されたボディの上に軍服を纏ったその兵士達―――ガーディアン達はその手に持った銃剣型の武器『セーフガードライフル』を一斉に構え、2人に向かって乱射し始めた。

 

「おっと、やっぱりガーディアンも引き連れてましたか」

 

「では、予定通りという事で良いんですね?」

 

「もちろんです。ではランさん、始めましょうか」

 

竜神丸の張った障壁でガーディアン達の銃弾が防がれる中、ランは右手に構えていた紫色の拳銃型デバイス―――ネビュラスチームガンのスロット部分に、青い歯車の付いたアイテム―――ギアエンジンを左手で装填する。

 

≪ギアエンジン! ファンキー!≫

 

音声と共にエンジン音が激しく鳴り響く中、ランはネビュラスチームガンを真上に向けてトリガーを引き、銃口から黒い煙を噴き出した。その後はギアエンジンの引き抜かれたネビュラスチームガンを竜神丸に手渡し、竜神丸は左手で構えたネビュラスチームガンのスロット部分に赤い歯車の付いたアイテム―――ギアリモコンを右手で挿し込んだ。

 

≪ギアリモコン! ファンキー!≫

 

音声と共にリモコンのボタンを押したような音が鳴り響き、竜神丸は正面に向けて構えたネビュラスチームガンのトリガーを引いて黒い煙を噴き出す。そして2人は同時にある一定の掛け声を発した。

 

「「潤動」」

 

黒い煙に身を包まれ、竜神丸とランの姿が変化していく。それぞれ赤い歯車、青い歯車のパーツが纏われ、黒い煙が晴れたそこには……未知の戦士が立ち尽くしていた。

 

≪ENGINE RUNNING GEAR≫

 

1人は、青い歯車のパーツを纏った戦士―――コバルトギア。

 

≪REMOTE CONTROL GEAR≫

 

もう1人は、赤い歯車のパーツを纏った戦士―――クリムゾンギア。

 

かつて、とある狂気の科学者が開発したとされるカイザーシステムの機械戦士―――“ダブルギア”が今、この戦場に参上する事となった。

 

「な、何だその姿は……!?」

 

「何か、と言われますと……私が変身しているこれはクリムゾンギア」

 

「……僕が変身しているのがコバルトギア」

 

「2人合わせて、ダブルギアと言ったところです……さて。あなた達はどちらの相手をしたいですか?」

 

「ふ、ふざけるな!! そんな見かけ倒し如きにぃ!!」

 

「そうですか……2人纏めて、ですか!!」

 

「ぎゃっ!?」

 

竜神丸が変身したクリムゾンギアがネビュラスチームガンを構え、『SMILE』構成員の額を正確に撃ち抜いた。それを合図に戦闘が始まり、ガーディアン達が一斉にダブルギアに向かって襲い掛かる。しかし……

 

「弱いですね……」

 

ランが変身したコバルトギアは1体のガーディアンを殴り倒した後、バルブが付いた短剣型の武器―――スチームブレードを逆手で構え、向かって来るガーディアンを擦れ違い様に次々と斬りつけて破壊していく。そこから少し離れた位置では、クリムゾンギアがネビュラスチームガンでガーディアン達を一方的に狙い撃ちにしながら、彼等が戦っている隙に逃げようとしている『SMILE』の構成員達を狙い撃つ。

 

「おっと、逃げないで下さいよ」

 

「ぐわっ!?」

 

「ぎゃあっ!?」

 

「ッ……くそ、死んでたまるかぁ!!!」

 

1人の構成員が手榴弾のピンを外し、クリムゾンギアに向かって投げつける。それがクリムゾンギアの頭部にコンと当たった瞬間、手榴弾が爆発して土煙が舞い上がり、クリムゾンギアの姿が見えなくなる。

 

「は、ははは!! ざまぁ見ろってんだ―――」

 

しかし、それは無駄な抵抗だった。

 

≪アイススチーム!≫

 

「え……あばばばばばばばばば!?」

 

土煙で何も見えない中、突然放射されて来た白い冷気が構成員に命中し、全身が凍りついた構成員は数秒間ほど動けないまま、最後は粉々に砕け散った。その後、土煙の中から出て来たクリムゾンギアは「やれやれ」といった様子で他の構成員を片手で叩き伏せてからスチームブレードを放り投げる。

 

「全く、面倒ったらありゃしませんね……ランさん、これを」

 

「! どうも」

 

≪ライフルモード!≫

 

投げられてきたスチームブレードをキャッチしたコバルトギアは、2つに分離したスチームブレードをネビュラスチームガンの銃口と後部に接続。ネビュラスチームライフルとなったそれをガーディアン達に向ける。

 

「さて、喰らって貰いましょうか……!」

 

≪ギアエンジン!≫

 

≪エレキスチーム!≫

 

コバルトギアはネビュラスチームライフルのスロット部分にギアエンジンを装填し、ブレード部分のロックパーツを順番に外してからバルブを回転させ、銃口に電気エネルギーを充填させる。その間、ガーディアン達がセーフバードライフルを剣のように構えて一斉に襲い掛かろうとした瞬間……

 

≪ファンキーショット! ギアエンジン!≫

 

「ハァッ!!!」

 

発射されたエネルギー弾は電流を纏い、前方にいるガーディアン達を纏めて粉砕してみせた。破壊されたガーディアンの部品が周囲に散らばる中、コバルトギアはネビュラスチームライフルを降ろして首をコキコキ鳴らす。

 

「ふぅ……竜神丸さん、そちらはどうですか?」

 

「えぇ、無事に殲滅完了です」

 

コバルトギアが振り向いた先では、クリムゾンギアによって『SMILE』の構成員達が1人を除いて全員殺害された後だった。唯一まだ生きている構成員達は青ざめた表情でクリムゾンギアに胸倉を掴まれている。

 

「く、くそ、何だよ……何なんだよお前等……!!」

 

「言ったでしょう、ダブルギアって。そんな事より、まずはあなたの知ってる情報を頂戴させて貰いますよ」

 

「だ、誰が話すかよ……ぐぇ!?」

 

「話さなくて結構ですよ? どうせ勝手に覗かせて貰うだけですから」

 

構成員の頭を右手で掴み、クリムゾンギアは過去視(サイコメトリー)を発動。構成員が知っている全ての情報を覗いた後、クリムゾンギアは満足した様子で右手を離した後、コバルトギアに構成員に身柄を渡す。

 

「OK、知りたい情報は手に入りました。よって、あなたはもう用済みです。ランさん、後はお好きにどうぞ」

 

「ありがとうございます、竜神丸さん」

 

「ひぃ!? ま、待ってく―――」

 

「待ちません☆」

 

ズギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!!

 

「あががががががががががががががが!!?」

 

コバルトギアの右腕に付いている歯車が高速回転し、そのまま構成員の首元に押し当てられる。押し当てられた首元から血飛沫が激しく舞う中、コバルトギアが少し力を込めて右腕を押し込んだ瞬間、構成員の首が綺麗に刎ね飛ばされる事となり、その刎ねられた首がクリムゾンギアの足元に落下する。

 

「おやまぁ。ランさんも随分とエグい事をやりますねぇ」

 

「あなたほどではありませんよ、竜神丸さん……ククク、クハハハハハハハハハハハ♪」

 

返り血を浴びた事で、青いボディがクリムゾンギアのように赤く染まったコバルトギア。彼は楽しそうに笑いながら足元で倒れている構成員達の死体を踏みつけ、次の獲物を求めて別のエリアへ移動を開始する。

 

「ランさんもまた、ロストフルボトルの影響を受け始めていますねぇ……いやはや、これは本当に実験の甲斐がありましたよ♪」

 

ランが自ら望んだ事とはいえ、もし自分の部下がまた竜神丸の実験台にされていると知ったら、恐らくカンナの竜神丸に対する怒りは更に増す事だろう。しかし今回はランが自ら志願した事である為、彼女から文句を言われる筋合いはない。

 

次はどんな実験で彼を弄ってやろうかと、クリムゾンギアは内心ワクワクしながらも仮面の内部に取りつけられている通信システムを作動させ、別のエリアで活動しているであろうokakaに連絡を入れる。

 

「あ、もしもしokakaさん? 欲しい情報が手に入りましたよ」

 

今回、自分達が一番欲していた情報……『SMILE』のリーダーの潜伏場所は無事に突き止めた。後はokakaにその情報を伝達し、彼に『SMILE』のリーダーを始末して貰えれば今回の任務は完了だ。後はダブルギアの実戦データを得る為、他のエリアの兵士達も何人か相手取る事にしよう。そう考えながら、クリムゾンギアは通信先のokakaと会話を続ける。

 

「はい、では後の事はお願いします……あぁそれから。ダブルギアの調整は無事に上手く行きました。一応、念には念を入れたいので、また今後もそちらの世話になると思います……え、頼むから厄介事だけは持ち込むなって? いやだなぁokakaさん。年から年中厄介事だらけなのに今更ですよ~アハハハハハハハ♪」

 

破壊されたガーディアンの残骸、殺された『SMILE』構成員達の死体があちこちに転がっている中、クリムゾンギアはこの場に合わない楽しそうなノリで語りながら、コバルトギアの後に続くように別のエリアへと移動していくのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To continued……?

 


 
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