No.961659

真・恋姫無双 ~降りし御使い伝~ 第9話 改訂版

rin1031さん

1年ぶりの投稿です。
モンハンに嵌まってまして・・・。
とりあえず、12話まで書いてあるので、折を見て投稿します。

2018-07-28 18:21:56 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2773   閲覧ユーザー数:2291

 

第9話 鈴の音

 

 

秋蘭side

 

「行ってしまったか」

「よし!一刀と次に会う時までに強くならないとな!」

 

そう言って姉者はどこかへと行ってしまった。

おそらく練兵場に行ったのだろう。

 

「……」

「華琳様?」

「……」

「…一刀行ってしまいましたね」

「ええ、そうね」

 

全く、お前はなんて罪づくりな男なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀が陳留を起ってから数時間後のこと。

後ろから砂煙を巻き上げながら近づく者がいた。

一刀は立ち止まり、警戒をしている。

 

「一刀さまぁぁぁぁぁ!!」

「げぶふぉっ!」

 

常人とは考えられぬような速さで一刀へと駆け寄り、一刀の腹にダイビングを決めた彼女は、本編では語られていないが、第7話にて、一刀が秋蘭との警邏の最中に酒場で揉め事が起き、その時に助けたのが彼女であった。彼女は一刀と同じ文官試験に挑んでおり、結果から言えば彼女はトップの成績で合格だった。

しかし、昼餉に出た街で暴漢に絡まれていたところを一刀に助けられ、一刀に一目惚れ。

本来は曹操に仕えようと考えていたが将来の主は一刀だとこの時電撃が走り、一刀を探していた。そして曹操に直に会った時に一刀はもういないと言われ、一刀の後を追うことにしたのだ。その際、夏候姉妹から一刀のことを頼むと言われ、一刀と夏候姉妹の間柄を察したが、夏候姉妹から頼むと言われたことは手を出してもいいことだと都合のいい解釈をした。

 

「君は、あの時の……?」

「はい。私は司馬懿と言います」

 

一刀は司馬懿と名乗った彼女には驚いた。

司馬懿と言えば司馬八達として有名な司馬一族であり、あの諸葛亮と幾度も知を競っていた。そして晋を起こした人物のはずだ。

 

「君がどうしてここに?」

「私は先日一刀様にお助けいただきました。その時に私がお仕えするのはあなた様しかいないと、そう心に決めました!」

「おれに仕えるって……おれにはそこまでの器量も何にもないと思うけどな……」

「いいえ。私には一刀様に曹操様以上の武・知・器量を見ました。自慢じゃありませんが、私の人を見る目は一流だと自負しておりますので間違いはありません」

「そこまで言ってもらえるのは嬉しいけど……」

「私は一刀様が今後どなたにお仕えしようと構いません。しかし、私がお仕えするのはあくまでも一刀様のみ。どこまでも一刀様についていきます。お仕えさせてくださいませ」

「う~ん……」

 

一刀は春蘭と秋蘭と別れて早々に別の女性を身近に置くことへの遠慮があった。

 

「実は夏候惇様、夏侯淵様のお二人から言伝を頂戴しております」

「2人から?」

「はい。…『一刀、われらに遠慮することはない。英雄色を好むと言うではないか。私も姉者も構わないと言ったではないか。それにそやつは優秀だ。今後一刀の力に、支えになってくれるはずだ。それじゃ頑張れ。……それから姉者は口では納得していると言っていたが内心まだ納得できていないところがある。だから次会ったら虎になっているが、受け止めてやれ』…ということです」

「分かった。分かったんだが……」

「どうかなさいましたか?」

「春蘭が虎化するってことはおれの寿命が縮むってことだ」

「はぁ?」

 

 

 

それからおれと零は旅を共にすることとなる。

あぁ、零は司馬懿の真名だ。

あの後零にもらってほしいと言われたからもらったんだ。

それから旅を続けると、とある森にやってきた。

 

「今日はここで野営をしよう」

「では、私は夕餉の支度をしてまいりますね」

「おれは薪を拾ってくるよ。下ごしらえが終わるまでには戻るから」

「はい」

 

結果かえら言えば、零の作った夕餉は美味しかった。

いい嫁になると言ったら真っ赤になっておれにくっついてきた。

……そういえばそうだったな。墓穴を掘ったな……。

そして森が不気味に静かになる頃、おれと零は寝るためにお互いくっついていたが、そこへある気配がした。

その気配はおれたちの横の木の上にいるようだ。

 

チリーン チリーン

 

鈴の音……

 

「お前は何者だ?」

 

 

Side ???

 

今日は黄巾党と言われる賊が現れたらしく、思春と明命と軍を率いてきた帰りだ。

だが、思ったよりも数が多く手こずってしまった。

姉様なら……。

ふぅ…こんなことじゃ、また思春に怒られてしまうわ。

…今日はこの辺で野営かしらね。

 

Side out

 

Side ???

 

「今日はここで野営をすることにするわ。そうみんなに伝えて」

「はっ」

 

言われた兵は駆けていく。

 

「思春」

「はっ」

「あそこの警戒をお願い」

「はっ」

 

私は甘寧。

蓮華様、孫権様の直属の部下で護衛だ。

私は本当は許されないことをしたが、蓮華様はそんな私を許してくれた。

そんな彼女の心に惹かれたのだ。

誰だ?今百合と言ったのは?

私に見合う男がいないだけのこと。

変なことばかり言っていると、今日夜に鈴の音が聞こえるぞ?

……とにかく、私は蓮華様の為なら何でもする。

今は野営するために前方に見える林を調査してこなくてはいけない。

盗賊がいないとも限らないのだから。

 

「明命」

「おや?思春様、どうしましたか?」

 

彼女は周泰。真名が明命だ。

私と同じく蓮華様の護衛についている。

 

「私はこれから周りを見てくる。その間の蓮華様の警護は頼んだぞ」

「はい!お任せください!」

 

それから私は林の中へと部下数人を引き連れてやってきた。

林へと入ると各自分かれて行動している。

すると前方で気配を感じた。

そこへと行くと、男と女が抱き合って横になっていた。

ふんっ。いい気なものだ。

こんな場所で寝ているとはな。

いつ襲われてもおかしくないというのに。

そして、私が木から降りて2人の近くに降りた瞬間だった。

 

「お前は何者だ?」

 

いつの間にか寝ていたはずの男が私の後ろに周り、私の鈴音をとり、私の首に当てていた。

周囲に異変を察知した部下がいたはずだが、部下たちも動けずにいた。

見ると一緒にいた女が部下たちに対し、手を向けていた。

何をしているのだろうか?

その時、月明かりにキラッとしたものが見えたが、それが何か分からなかった。

 

「おれは誰だと聞いている」

「っ!」

 

殺気が叩きつけられる。

これは雪蓮様以上だ。

こんな殺気は今まで感じたことがない。

このままでは…。

 

「わ、私は甘寧という。ここには修行で来ていたのだが、気配を感じて来てみたのだ」

「そうか。それは周囲で動けずにいる奴らも一緒にか?」

「そ、そうだ」

「なるほど」

 

そう言って男は私の首から鈴音を離した。

その隙に私は男から鈴音を取り返そうとした。

しかし、それは叶わなかった。

なぜなら、私は地に顔を付けていたからだ。

 

「ぐっ!」

「君は嘘を付くのが下手なんだね?」

「う、嘘などでは……」

「それじゃあ、森の外にいる大群はなんだい?」

 

しまった。そう思った。

私は蓮華様を守るためについた嘘を見破られたことと同時に、この男の底知れぬ力に震えが止まらなかった。

 

「そ、その大群とは関係ありませぬ」

「そう。じゃあ、今から全員消してきてもいいんだよね?」

「!!」

「その反応が無くても分かっていたけど、外にいる大群は孫権の軍だね?」

「それは……」

「……零、解放してもいいよ」

「よろしいのですか?」

「あぁ、この人たちは呉の人たちだ。ここには危険が無いか偵察に来ていただけだろう」

 

そこまで理解していたとは……。

この男は将来我らが悲願の邪魔になってしまうかもしれない。

だが、私にはどうすることも出来ない。

 

「大丈夫だよ。甘寧さん。おれたちは君たちの邪魔はしない」

 

この男は一体、どこまで知っているというのだ!!

 

Side out

 

 

蓮華side

 

「遅いわね」

「確かに遅いです。何かあったんでしょうか?」

 

思春はこの森を部下と一緒に見に行った。

思春が私のことを思って念入りに調べているとしても遅すぎる。

 

「明命、いくらなんでも遅すぎるわ。だからこれから見て来てもらえるかしら」

「はいです!」

 

そう言って明命が森に入っていこうとしたが

 

「あれ?思春様お帰りです」

 

思春が戻ってきた。

 

「思春。中で何かあったの?」

「それは……」

 

思春が口をつぐむ。

何かあったのかしら。

 

「それはおれから説明するよ」

 

男の声が聞こえてきた。

 

Side out

 

今、甘寧さんを孫権さんの元まで送り届けている。

まぁ、下手なことをしないように付いて行ってると言った方が正しいだろうがね。

 

甘寧さんを先行させて孫権さんたちと合流させ、成り行きを影から見ていると、孫権さんに事情を聴かれているようだ。

おれが悪いということはないが、長くなるとめんどくさいし、上手くいったら近くの村、あるいは孫権さんたちがいる村まで案内してもらうのもいいかもしれない。

そうと決まれば善は急げだ。

 

「思春、中で何があったの?」

「それは……」

「それはおれが説明するよ」

 

そう言って木の影から出る。

 

「なっ、何奴だ!」

「おれは旅をしている者だ」

「そういうことを聞いているのではない!」

「だがそれが真実だ!」

「お下がりください!蓮華様!」

 

そう言って、忍者みたいな恰好をした娘が孫権であろう少女の前に立ちふさがる。

と同時に後ろに控えていた兵も戦闘態勢を取っている。

しかし

 

「思春!どうしたというのだ!」

 

甘寧だけはおれの目の前から動こうとしない。

 

「蓮華様……」

「思春?」

 

するとどうだろう?

甘寧は土下座をしたのだ。

 

「どうか!どうか、この者の話を聞いてやってください!」

「なっ!?」

 

孫権を初めとしたその場にいたおれと甘寧を除く全員が驚きを現し、一瞬身体が硬直していた。

 

「貴様っ!思春に何をした!!」

 

孫権が怒りを込めてこっちを睨みつけてくる。

それは周りの兵も同じであった。

おれは素直に両手をあげ、何もしていないことをアピールしたのだが、その行為が更に火に油を注ぐこととなったようだ。

 

「おのれぇぇぇ!」

 

そう言っておれに向かってくる孫権。

仕方ないと思うが

 

「おやめ下さい!」

 

甘寧が盾となり、孫権を止めた。

 

「どけ!思春!」

「どきません!これは蓮華様の為でもございます!」

「だから、貴女はさっきから何がしたいの!」

 

そう言われ、甘寧は全員に矛を収めるよう伝え、その場は静寂が支配した。

 

 

「……そう。ごめんなさい思春」

「いえ」

 

甘寧が説明したようだ。

おれに手を出したらここにいる全員が無事では済まない。

奥では部下が人質にとられている。

これらを震えながら語る甘寧。

そして本当にすまなそうにしながらも、おれを親の仇を取るような目で見てくる孫権と部下たち。

ここまで甘寧が話していても、おれが何もしないのは、おれが話すよりは甘寧から説明した方がいいと思ったからだ。

だからおれは何もしないし、何も言わない。

 

「それで貴様はこの後どうしたいのだ?」

「そうだなぁ……お前たちのいる村まで案内してもらおうか」

『なっ!?』

 

全員が驚いた。

 

「なぜ貴様と同行しなくてはならないのだ!」

「そうです!それに、いつ裏切られるかも分かりません!」

「それこそ信じてもらうしかないが……なんなら、武器を預けてもいい。それから…零!」

「…はい」

 

どこからともなく現れる零。

その後ろからは甘寧の部下が現れる。

 

「武器を預けろ」

「はい」

「本当にいいのか?」

 

甘寧に預けようとしていたが、甘寧が訝しんで聞いてくる。

 

「信じてもらえないならこうするしかないだろう?」

「それに、賊に襲われても負けるような弱卒じゃないんだろ?」

 

まるで挑発するかのような物言いに孫権は

 

「いいだろう!私たちに付いてくることを許す!賊が出ても貴様たちの出番はないし、一太刀とて与えない。弱卒だと言ったことを後悔させてやろう!」

 

孫権がそう言うと、ニヤリと笑う。してやったり。

甘寧はどうやら気づいているようだ。だがもう遅い。

 

「それでは行きましょうか、孫権様?」

 

 

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