No.908412

真・恋姫無双 ~降りし御使い伝~ 第8話 改訂版

rin1031さん

3年ぶりの投稿です。
恋姫の新作が出るという話があったので、再びモチベーションが上がりました。
一応何話かストックがありますが、直しを加えながら書いていきます。
夏侯姉妹愛は変わらずです。

2017-06-02 23:20:35 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2909   閲覧ユーザー数:2483

第8話 別れと決意

 

 

コンコン

 

「…春蘭」

「……」

 

部屋に気配は感じる。

だからいることは分かっている。

 

「あの時はすまなかったと思ってるよ。春蘭に内緒で秋蘭と2人で…。でも秋蘭の後は春蘭と2人で過ごすつもりだったんだ。だからもう出てきてくれないか?」

 

あの日、秋蘭の部屋で抱き合って寝ているおれたちを見つけた春蘭。

いつものように斬りつけてくると思っていた。

秋蘭もそう思っていたようだ。

しかし、この日ばかりは違った。

春蘭は固まったまま、泣いていた。

恐らく春蘭自身でもよく分からないうちに泣いたのだろう。

それ以来部屋から出てきてくれない。

秋蘭はもちろん、華琳でさえも部屋に入れさせてもらえてない。

重症だな。

自分のせいでこうなったとはいえ、辛い。

 

「……また来るよ」

「……」

 

今日もまた会えなかったか……。

明日ここを旅立つつもりだったんだけどな……。

どうしようか。

 

 

side秋蘭

 

 

「姉者、入るぞ」

「……」

 

ようやく入れたか。

今まで入れてもらえることさえ出来なかったから一歩前進と言えるだろう。

さてと、この獅子をどう起こすか……。

 

「姉者、一刀も会いたがってるぞ」

「……」

 

ふふふっ。黙っていようとしても無駄だぞ。

身体は正直だな。

今一刀の名前を出したら一瞬震えたぞ?

 

「私も姉者に悪いと思っているんだよ。あの日一刀は姉者も一緒にと言っていたんだ。だが、私が2人がいいと強引に2人っきりにしてもらったのだ」

「……」

 

反応はなし……か。

 

「ではな、姉者。また来るよ」

「……」

「あぁ、そういえば…一刀は明日ここを起つそうだ。最後ぐらい一刀に会ってやったらどうだ?」

「……」

「いらぬお節介だったな」

 

そして私は姉者の部屋から出た。

これは重症だな。

 

 

sideout

 

 

「本当は明日ここを出ていくつもりだったが、もう少し置かせてくれ」

「それは無理ね」

「な!?」

「もう準備も出来ているのでしょう?ならば予定通り明日ここを起ちなさい」

「……分かったよ」

「でも最後ぐらいは無理矢理でも春蘭に会ってからいきなさい。いつまでもあんな調子ではいざって時に困るわ」

「原因はおれだから。それにおれだってこのままここを起つつもりはなかったよ」

「そう。それならいいのよ」

 

 

 

「春蘭、おれだ。入れてくれないか?」

「……」

「やっぱり入れてくれないか。でもな、今回ばかりはそうはいかないんだ。おれは明日ここを出る。だから今日は強行突破させてもらう」

 

扉を蹴破り、春蘭の部屋の中に入っていく。

春蘭は猫のように布団に包まり出てこようとしない。

そんなことをしていてもただ可愛いだけなんだけどな。

 

「春蘭、出てきてくれないかな?ちゃんと春蘭と相対して謝りたいんだ」

「……」

「春蘭」

「…私は入っていいとは一言もいってないぞ」

「おれが勝手に入ってきたからね」

 

やっと春蘭が喋ってくれた。

 

「早く出ていかないと斬るぞ」

「それで春蘭の気が済むなら」

 

それから春蘭が再び黙ってしまった。

しかし、少しすると春蘭が布団から出てきた。

出てきた春蘭を見ると目が腫れて涙のあとがはっきりと分かる。

おれがしたことは秋蘭には良くても春蘭には最低のことだった。

春蘭を裏切ったからだ。

それを再確認した。

 

「斬ったら…」

「ん?」

「斬ったら秋蘭が悲しむだろうが!」

「秋蘭だけ?」

「私も悲しむ……」

「春蘭、ごめんね。あの時春蘭も一緒にって言ったんだけど、秋蘭が2人がいいって言ったんだ。おれも秋蘭と2人が良かった。でもその後で春蘭とも2人でいようと思ってたんだ。ごめんね。勘違いさせて」

「今は……一緒にいてくれ」

「今日はずっと一緒にいるよ」

 

そして2人は朝まで過ごした。

 

 

「今まで世話になった」

「私としては2人の責任をとってもらってずっといてもらいたいのだけれど」

「おれもそうしたいが、もう少し旅をしてみたいんだ。もちろん、2人のことは将来平和になれば嫁としてもらいたい」

 

一刀の言葉に真っ赤になって俯く春蘭。

さすがにこれぐらいは理解できたか。

顔は赤いが満足そうに笑みを浮かべる秋蘭。

 

「一刀。私たちから言いたいことがある」

「本当は腹立たしいことなのだが……」

「我らの他にも一刀は女を作ることを許すということだ」

「え?」

「本当は作ってほしくないが、一刀は旅の先々で女たちと出会うだろう。そしてむこうは必ず一刀に惚れる。我らがここまで惚れこんでいるのだ。間違いようがないよ。それに華琳様命だった姉者がここまで男に入れ込むのは初めてだ。無論、私もだがな。もし作っても、隠さずに次会った時に教えてくれ。一刀が将来どうするか分からないが、後宮を作ることも別に気にしていない。こういう時代なのだからな」

「……」

 

一刀は黙って聞いている。

柱花は一刀を睨み付けている。どうやら汚らわしいとでも思っているのだろう。

華琳は面白いものを見つけたというように見ている。

今更だろう?

 

「本当はそんな男になりたくないけど、まぁ、おれは優柔不断な男だからな。まぁ、そうならないことに越したことはないけど、なったら受け入れて、また会った時に教えるよ」

「それで構わない。ほら、姉者もそれでいいだろ?」

「うぅ~…いい」

「春蘭」

「なんだ?」

 

本当は自分と秋蘭だけを愛してほしいと思っているのか、納得がいってなさそうな春蘭。

そんな春蘭を抱き締めながら話しかける。

春蘭は胸に顔を埋めながらこっちを見ようとしないが、反応はしてくれた。

 

「おれは春蘭と秋蘭に会う前に助けた村でもう1人の女性と関係を持ってるのは知ってるよね?」

「……あぁ」

「だから最初は春蘭と秋蘭のことも断ろうとしてたんだ」

 

そういうと春蘭の身体がビクッと反応する。

振られると思ったのだろう。

 

「でもね、春蘭と秋蘭と一緒に過ごして、2人のことを心から愛していたんだ。そんな時に2人から自分たちの他に関係を持った女性がいても構わないし、これからそういう関係になる人がいても構わないって言ってくれた時に、2人を愛してよかったって思ったんだ。情けないけどね。これから関係を持った女性がいても、おれは2人のことは忘れない。忘れられないよ。春蘭と秋蘭みたいな女性はいないんだから。……だから、この世から争いがなくなって平和になったら……」

 

そこまで言うと、秋蘭と春蘭の2人を前に立たせ、その前で片膝をつく。

 

「迎えにくるから。結婚してくれませんか?」

「……」

「……」

「……やるじゃない」

「……全身発情期男」

「聞こえてるぞ柱花」

「ちっ…」

「それで、お返事をお聞かせ願えますか?」

 

まだ固まっている春蘭と秋蘭に話しかけて再起動させる。

すると、春蘭は涙を流しながら震えていた。

次の瞬間には

 

「いいに決まってるではないかぁぁぁぁ!!」

「突然のことで驚いたが、私も姉者と同じだ」

 

春蘭はおれに飛び掛かってきながら泣いて、秋蘭は後ろからその様子を眺めながら頬を朱に染めながらもちろんだと答えてくれた。

 

「ほら、春蘭」

「うむ。かたじけない……」

 

春蘭の鼻をかむ為にティッシュを出して鼻をズビビビビとさせる。

 

「ちょっと一刀」

「なんだ?」

「あなた、それは何?」

「え?」

「今春蘭が鼻をかんだ物よ!」

「これはティッシュって言って、鼻をかんだり、用を足した時に使う紙だな」

「それが紙ですって!?」

「あぁ…。この時代ってまだ竹簡だし、紙なんて大量生産出来てないし、出来てもここまでの紙なんてないんだよな」

「えぇ、だからあなたその紙を私によこしなさい」

「え?別にまだあるからいいけど……そうだ」

「?」

「春蘭、秋蘭」

「どうした一刀?」

「どうぢだがずど?」

 

まだ泣いてる春蘭と秋蘭が聞いてきた。

 

「おれのいた天の世界はこことは違って一夫多妻制ではなく、一夫一妻制だったんだ。これはもう、ここで生きていくから受け入れていく。でも、おれの世界の風習にある、あることだけはやっておきたい。春蘭、秋蘭。おれはこれから旅に出る。でもおれは2人のことは忘れないし、変わらず愛している。そして必ず迎えに来る。その約束として、これを2人に証拠として渡しておきたい」

 

「ごれば?」

「なんだ?」

 

春蘭には小刀を。

秋蘭には替えのTシャツを。

そしてついでにポケットティッシュを2人に渡す。

 

「春蘭のそれはおれの小刀だ。秋蘭のはおれの服だ。好きに使ってくれて構わない。それから、そのティッシュも使ってくれていい。替えはまだまだあるから。本当は天の世界では指輪を渡すんだけど、持ってないからね。次会うまでには作っておくよ。それじゃ、おれはそろそろ行く。次会うときまで壮健でな」

「一刀も!愛してるぞ!」

「またな。私ももちろん、愛しておるよ」

「もう近寄るな」

「次会うときは恐らく戦場でしょうね」

「違うといいがな」

「それは無理よ」

「それでも違うといいたいのさ」

「もし、次戦場で相見えるときは全力を持ってあなたを手に入れに行くわ。この子たちの為にもね」

「次会う時までに強くなっておくからな!」

「私たちを置いて旅に出たことを後悔させてやろう」

「はははっ…怖いよ」

 

こうして一刀は旅立った。

まだ見ぬ恋姫と会うために、自分が飛ばされてきたこの世界のことを知る為、自分がいるここは夢の世界なのか確かめるために……。

 

 

 

 

コメントが今でも来ることに驚いています。

まだこのような小説を好きで読んでくれている人がいると、とてもうれしく思いました。

ありがとうございました。

今後も頑張っていきますのでよろしくお願いします。

次話は3年後の投稿ではないのでご安心ください(笑)

 

 

 


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