No.957485

真・恋姫vivid&strike第零話

アサシンさん

幼子を護りし白隼

2018-06-23 06:53:48 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1276   閲覧ユーザー数:1196

 

 

 

 

始まりは白だった、曇り空、鉛色や曇天とも表現される空から降って来た白。それが自分が見た最初の色

自分はこの外史を知っている、そしてかつての外史を覚えている。グノーシスを用いてデミウルゴスへと至らんとする強大なる蛇に影から操られていた狂信者共に薬漬けにされた影響かこの外史の先を識った、彼の駄神は執筆していないが原書ではそれは巫女ちゃんの専売特許なんだがなぁと幼子と成った自分は白が降り積もる中、産声を上げた、駄神と自分が望むただの我儘でエゴで自己満足な思いを込めて・・・アレ?自分のコレ微妙に巫女ちゃんと被っている?

そんな邪推?雑念?が浮かぶ中。自分の声を聞きつけた誰かに抱きかかえられ、この世界基準では信じられない位ボロボロではあるが温かな場所へ連れて行ってくれた

 

 

 

あれから六年、年齢一桁なのに一年ほど前から労働者に成ったヴェルであります。自営業的な方々からデバイスの部品から木屑鉄屑子供の玩具を回収し資源へ変換するリサイクル業をやっている小さな取集処理所で働かせてもらっている、いやね?木造隙間風雨漏り歓迎な孤児院を修理したり冬に凍死しない様に薪ストーブの燃料や他にも暖を取る為とか色々と要り様なんですよ、自分以外にもチビッ子や新入りが増えているから金銭も必要なのだ

なら管理局辺りで嘱託魔導師にでもなればいい?あんな組織に所属するとか死んでも御免だ。ハッキリ言おう、管理局等自分は徹頭徹尾信用出来ない組織に関わりたくない、ウチの孤児院に来ている子供達の殆どが思っている事でもある、故に聖王教会が関わってる此処に来ているのだ

 

 

ヴェル「おっ、今日は当たりが多いな」

ヴァール『ふむ・・・悪くない』

 

 

その聖王教会経由で写本ではあるが無限書庫の書物を賜り、デバイスマイスターを筆頭に幾つかの資格を得て。一年ほど前から始めたこの仕事と自分のスキルを合わせデバイスを自作した。名はヴァール、待機状態はゴツイ金属製のチョーカーを想像してくれ

最近は回収物の分類と分布、自分が欲するモノを即座に見つけてく格納してくれる

 

 

ヴェル「コレでやっと作り始められる」

ヴァール『院長たちが喜ぶだろう』

ヴェル「だと良いな」

 

 

お目当ての金属類に比較的状態がいい木材が多く手に入った、特に木材は加工する際木屑が出ても集めて固めて炭にしたり出来るから冬への備蓄が増えて嬉しい。勿論この事は雇い主に話して許可をいただいているので違法でも契約違反でも無いので大丈夫なのだ、大丈夫なのだ。大事な事なので二回言った

目当ての資源以外にもガラスを筆頭に色々と手に入ってホクホクな自分はヴァールと今後の予定と貯蓄している資源について話ながら職場へと分別したノルマ分の回収物を収めて院に帰る途中

 

 

ヴァール『・・・・・厄介事だ、二人が囲まれている』

ヴェル「場所は」

ヴァール『身体強化状態で直進三十五秒、左折十五秒で金網が張られている行き止まりに連れ込まれている、人数は主犯が三、取り巻きが十』

ヴェル「四十秒で強襲する、『壊せ』」

ヴァール『身体強化魔法、血壊。使用時間四十秒、緊急発動!(レーゼン!)』

 

 

瞬時に普通の身体能力では不可能な加速で駆けだした、幸いにもこの辺には人はあまり居ないので人目を気にせず魔法で擬似的に限界を突破しかなりの距離を一瞬で駆け抜け直進三十秒、近くのコンクリートの柱を蹴り飛ばしてこの速度で直角に曲がる事を可能にし蹴り飛ばした反動と速度を利用し着地の硬直を消し瞬時にトップスピードで十秒後

 

 

二人が泣いていた、優しいあの子の綺麗な髪が、最近やっと買えたあの子が喜んでくれた服が。汚されている、強いあの子も歯が欠けている、靴も服もボロボロにされて・・・・・・誰が二人を泣かせた?

 

 

ヴェル「ヴァール!」

ヴァール『限界は六十秒です、御武運を』

ヴェル「応っ!」

 

自分は・・・俺は妹達に手を出した賊に強襲した

何故この事態に気付けたか?最近自分の目が届かない所で二人が目を付けられた事を知り御守を持たせていたからだ、それと残念ながら資材不足でヴァールは本体が出来上がっていない上にバリアジャケットも展開できない、そのかわりインテリジェンスデバイスと同等以上のAIと一部の魔法を使うことのみに特化させた、蛇足だが子供の喧嘩等で魔法を使えばこちらを罰せられるのだ、例え護衛対象数名に囲んで拳を振るって来る敵が大勢居ようともだ、だがそれが如何した?そんな事。俺の家族に手を出した賊に手心を加える理由に等成らねぇ!

 

 

ヴェル「ふっ!しっ!はぁ!」

 

不良「あ?なん・・・・ゴフッ!?」

不良「ひっひっひっ・・・♪ブフッ!?」

少年「兄さん!?どうs、うわぁあああああああ!!?」

 

 

残念ながらヴァールには待機状態しかない、俺も今の状態では自身で魔法を発動させる事は出来ない・・・が、ウチの、俺の可愛いくて優しくて強い熾天使二人に手を出したこのクソ野郎共相手なら拳で殴る足で蹴る!

 

ヴァール『残り五十五秒』

 

主犯の三人が呼んで来たであろうまさに見たまんまな不良。それも金銭には困って無いらしいのが仲間と自分達を呼んだ一人がやられた所でさすがに俺に気が付いたようだな、まぁその隙にもう二人程鳩尾に掌底を撃ち込めるが

 

ヴァール『残り四十秒』

 

残った六人の不良がデバイスを展開した・・・こいつ等まさか格闘技系の競技選手か?身体から聞こえてくる音を無視してまずは二人を抱え行き止まりの奥、すぐ後ろに水が流れている金網の所に降ろし襲って来る、襲われる範囲を限定する

 

ヴァール「残り二十五秒」

 

俺を呼んだボロボロに成ってもう一人を護って戦った妹に守られた妹が泣きながら倒れた妹の体をゆすりながら声を掛け続ける中、不作法にも主犯の残り二人のクソガキが喚き散らして不良、否、格闘技の選手であろう六人に俺を叩き潰すように言っている。俺達と自分達の状況に何かがおかしいと何人か迷いが見えていたが誰かの弟で知り合いであるヤツ等は戦力外の二人を無視して俺に殴り掛かって来た

 

ヴェル「瞬間加速用意!」

ヴァール『一秒を七回までだ』

ヴェル「三秒を最低五回!」

ヴァール『無茶だ!残り二十秒』

 

蹴られ殴られる瞬間に更に一瞬だけ加速し相手の領域を侵略、即ち相手の間合いに跳び込み回避不可のゼロ距離で衝撃を胴体に撃ち込む、たった一回で撃ち込んだ腕から血が爆ぜた

 

ヴェル「残り五人と二人!やれぇ!」

ヴァール「了解、残り十秒」

 

三秒だけ魔法アリとは言え限界を突破し、危機感を抱いた五人が同時に侵略して来るが団体戦など無い個人の競技の選手たち故に連携等皆無、体格とリーチの優位性を全く生かせてない、故に同士討ちを誘発させ纏めて撃ち抜き蹴り飛ばした・・・四連続加速に耐えられず体中の毛細血管が破裂した。見える景色が赤い

 

ヴァール「残り三秒」

ヴェル「最終加速!持ってけ!!!」

 

 

逃げようとする主犯各の残り二人のクソガキを空中に打ち上げキッチリ三秒落ちない様、骨が折れたり血が流れたりしない様に頑張って力加減しつつボコッた

 

 

ヴェル「カハッ!ぜぇ・・・ぜぇ・・・さすがに二重はキツイ」

ヴァール『自業自得だ・・・・・だがその選択は今回に限り間違ってない』

ヴェル「デバイス持ちで格闘技とかマジ笑えない」

ヴァール『リンカーコア持ちと気付かなかった私のミスでもある』

ヴェル「反省会は後で、とりあえず証拠?」

ヴァール『タップリと、私をハッキング又は破壊しようものなら即ネットに拡散だ』

ヴェル「ヴァール・・・完璧だな」

ヴァール『お前は先ず自分を治療しろ。血まみれだぞ?』

ヴェル「妹達に泣かれない様に早急に取り掛かろう」

 

 

二人に泣かれたらガチで凹む、ので自分の固有スキルで治癒術式を組んで・・・「あにきっ!」「おにいちゃん」?!

今の自分を見て泣かれ無い様に背を向けたまま治療を始めようとした所で後ろからボロボロの妹が自分を呼んだ、振り向いて見れば棒、と言うよりは細長い歪な板と言える物を振りかぶっている最初にブッ飛ばした主犯格の一人が醜い笑顔で俺を見下ろしている・・・ああチクショウ、完全に忘れていた。金網の向こう側は不法投棄場だった、十中八九手加減して吹っ飛ばしたらソッチに墜ちたのだろう、デバイス持ち達はって?バリアジャケット貫通させましたが何か?いや、そんな事より

 

 

ヴェル「次からは子供だろうが関節外して気絶させよう」

 

 

血壊を一分と四十秒も発動して、トドメに瞬間加速を連射、後半は三秒を五回も使えば幾ら若い、若すぎる身体は・・・・・動かない、血もそこそこ流れて頭も回らず周辺警戒を怠った。ヴァールも血壊や瞬間加速に特化しているとはいえ同時長時間使用は今回初めてで機能が低下していた。つまり

 

 

避けられない

 

 

鋭利にとがっている部分が顔面目掛け振り降ろされ。ヴァールと妹達、フーカとリンネが俺を呼ぶ声を最後に目の前が文字通り昏くなった

 

 

 

 

 

 

 

 

孤児院に拾われて七年目、つまり自分の愛しい熾天使二人を囲んで泣かした野郎共をぶちのめすも最後の最後でミスを犯して一年後。左目を失明している

あの日、頭部と言うか顔面に思いっきり振り降ろされたが持ち上げるのがやっとだったらしく。クソガキの力は一切入っていない物の自重だけで振ったでは無く降ろした、落としたが正しいかもしれないがその事は置いて置こう。自重だけとは言えそこそこの重さに鋭利な部分が直撃して額の真ん中あたりから左目を通って頬顎の所までかなりゴツイ傷痕が残ってしまった、幸いなのは脳にまで至らなかった事だな。さすがに脳をやられたら洒落に成らなかった

 

あの後の事だが、クソガキと取り巻きの野郎共含めて管理世界中に拡散してやったぜ♪

管理局に務めているクソガキ共の親族、特に重役らしき御老体たちが以前二人を虐めた三人がやった事を揉み消されたと後に成って院長から聞いた自分は二度とそんな事が出来ない様に交渉を持ちかけて来た老害共が聖王教会系列の病室に自分と老害共だけに成ると共にヴァールがやってくれた、懇切丁寧な説明と時系列。写真に映像を添えた無加工の純正品を♪

末端とは言え聖王教会の孤児院の子供達に手を出したのでさすがの管理局も本気で対応して関わっている連中を一人残さず逮捕した、司法取引?そんな事させると思った?自分と彼の聖王教会が、絶対に逃がさず社会的に抹殺してやった

病院やその他諸々と今回の件で御世話に成った自分はと言うと

 

 

金髪ロングシスター「ん~ヤッパリ紅茶にはスコーンが合うわね」

ヴェル「働け騎士カリム」

 

 

色々と恩が積もり積もった聖王教会で働いていた・・・のだが今回の自分のやらかした事を視た彼女、カリム・グラシアに捕まり彼女の側に置かれる事に成ってしまった・・・はぁ

 

 

カリム「大丈夫よ。必要な書類は全て終えているわ」

ヴェル「ならいい」

 

 

この人、御目付け役のシスターシャッハの目を盗んで良く脱け出したりティータイムに突入するのだ・・・仕事中に騎士なのに。しかも彼女は自分と同じレアスキル持ちなのだ。視たと言うのも彼女のスキルが発動した様で聖王教会はとっくの昔に自分がやらかした時の準備を整えていた様なのだ

御蔭で更に頭が上がらなくなった・・・まぁその代り管理局の老害共とその親族を豚箱にぶち込めたがな、あの老害共難しい言葉を並べ立てていたが要するに、流石にコッチにも非があったから金を出すから黙ってて?と言って来たのでNOと言ってやった、自分の首元にヴァールが居なかったからって本音で色々喋ってくれたからそれも込みで生きている内に外に出る事は無いだろう。この話しはこの辺にして

 

 

ヴェル「ところで今日は自分に何か話しがあるとシスターシャッハから聞いたのですが?」

カリム「ええ、貴男の愛機。ヴァールさんに使われているコアについてです」

ヴェル「コア?ああ、アレですか」

カリム「アレです、貴男と交流があった教会の方につい最近聞いたのですが。製作に必要な物はガラスで、最初は七色の輝きを内包していて後に貴男の魔力光の色に変わったと」

ヴェル「先生の御喋りさんめ、今度地獄の灼熱激辛麻婆作ってやる」

カリム「彼は騎士では無く神父なのでむしろ喜ぶのでは?」

ヴェル「そうだったってそれがどうかしました?」

カリム「ファーゼさん、聖王陛下の魔力光はどんな色かご存じですか?」

ヴェル「聖王オリヴィエの?確か虹色でしたっけ。あと自分が作ったコアの主な材料はガラスではありますが他にも幾つか配合してますし。何より殆ど自分の固有スキルでおまけに七色ではありますが虹色ではありませんよ?」

カリム「最後の所はちょっと残念ですが、たしか茶・赤・青・緑・黒・銀・金でしたか」

ヴェル「そこまで喋ったのかあの外道・・・!」

カリム「それでそのコアなのですが此処に卸してくださいませんか?たとえば剣十字の形にして」

ヴェル「商魂逞しいなオイ、まぁ色は兎も角形はほぼ好きに作れますけど。一人じゃ限界がありますしその七つの色以外の魔力光に成るかも解かりませんよ?」

カリム「構いません、先にまだデバイスを持ってない若い騎士達に検証して貰います。材料・製作費用共にこちらで持ちます。上手く言ってもファーゼさんが無理しない程度に作っていただければ」

ヴェル「自分の情報が洩れなければいいですよ、ぼちぼち色々と作って見ます」

カリム「良かった♪ではこちらの契約書にサインと血印を」

ヴェル「・・・・・用意が良すぎませんか?それに内容が」

カリム「何か不満な点でも?」

ヴェル「むしろ高待遇だから逆に妖しい」

カリム「ファーゼさんを手放したくないからよ♪」

ヴェル「そんな本音聞きたくなかった・・・・!」

 

 

三回は読み直したが契約内容に問題は無く、自分の負担もそれほどでは無いのでサラサラっと用意された羽ペンと針でサインと血印を押した

後日、形状も大きさもバラバラのサンプルを持って行ったところ、形状大きさで性能の違いは無くいがコアの質は良く。それぞれの騎士用に後はコアを入れるだけの状態になっている簡易アームドデバイスに接続し使かって貰った結果だった。使い始めてすぐに使用者の魔力に馴染んだコアはその人の魔力光と全く同じ色に変わったとの事でそのコアは本人が望めばそのままテストの報酬として渡した、耐久性等も問題無いとの事でその後が少し大変だった。聖王教会のお偉いさん達とかなり精密な設計図と見本のサンプル等々(基本的に剣十字)の資料を基にサンプルを作って欲しいと頼まれたり、納品したコアに満足していただいて契約書通り、作れるだけ作って欲しい、ウチで全部買い取ります!管理局に君の情報は一切渡さねぇ!っと言ってくださって聖王教会との仲はとても良好である。稼いだ大金は殆どを宝石や貴金属に変えて保管したり孤児院へ仕送り・・・は感づかれる危険があるので衣服や工具、木材に食糧等々必要な物を購入して匿名で送りつけている、委員長にちび達、リンネとフーカは元気にしてるかな

 

 

一年前大怪我を負って、孤児院の皆に泣かれたり怒られたり。騎士カリムの元でシスターシャッハと共に溜息吐いたり怒ったり仕事したり。自分に懐いてくれた二人の妹(熾天使)は元気かと思い過ごす事更に一年後

 

 

 

 

 

次元世界規模の大事件に巻き込まれた

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
5
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択