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「改訂版」真・恋姫無双 ~新外史伝~ 第33話

紫苑と孫呉の交渉とかありますが…最後の方、ある人物が登場して話が脱線しています

それでも良ければ読んで下さい。

では第33話どうぞ

2018-03-16 00:00:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5061   閲覧ユーザー数:4284

紫苑が呉に向けて出発してしばらくして孫呉においてある書状を巡って議論されていた。

 

「最早我慢ならぬ!!大殿は既に呉郡の太守でこれは朝廷も認めておる!!だが袁術は今だ我らを配下と思い勘違いしておる!!このような事認められん、大殿!!兵を上げて袁術を討ちましょうぞ!!」

 

「まあ待て、祭。お主の言い分は分かるが…袁術と事構うのは、今は得策ではない。時期を待つのじゃ」

 

「時期じゃと!?雷火。弱腰じゃのう、そのような軟弱な者がこの孫呉に居るとは…」

 

「ふん…お主みたいな猪な将に言われても何も感じぬわ」

 

「何だと!?」

 

祭と呼ばれる女性は名は黄蓋、字は公覆と言い孫呉における筆頭武官の存在で、孫堅の片腕とも言われていた。そして雷火と呼ばれる女性は名は張昭、字は子布と言い孫呉における筆頭文官と言われる存在で内政面では卓越した手腕を持っていた。

 

この両名が口論している理由とは袁術から送られた書状に原因があった。

 

以前孫堅が荊州刺史の王叡を殺害したことを述べたが、それからしばらくは袁術の庇護下に居た。その間袁術の配下として馬車馬の様にこき使われ屈辱を味わってきた。そして黄巾党討伐の時の手柄により漸く呉郡の太守として諸侯の一員として返り咲いたが、袁術側はまだ孫堅を配下として見なしており未だ命令できるものだと思い、何進の書状を孫堅に押し付けて来た。

 

何進の書状は新皇帝である劉弁の即位のため、兵を引き連れ上洛せよという内容であったがこれを見て袁術は

 

「名門袁家のわらわが何故あのような肉屋の言う事を聞かなければならないのじゃ。そうじゃ孫堅にわらわの代わりに洛陽に行かせればよいのじゃ!」

 

この一言で袁術の側近である張勲は孫堅に袁術の代わりに洛陽に行くよう命令して来た。

 

袁術はまだ孫堅を配下と思っているが、孫堅はもう袁術の配下では無いと思っている。ただ孫堅は呉郡太守なって以降、袁術に対して正式に手切れを宣言した訳では無かったため、今回袁術からこのような書状が来たことで今後の袁術との関係を完全に断ち切り戦も辞さぬ黄蓋と時期尚早だと反論する張昭の口論に発展していたのである。

 

「お互いの言い分は間違ってはいないけどさ。ちょっと二人とも頭冷やしなよ」

 

お互いの言い分が分かる粋怜が仲裁に入る。

 

「……それで大殿。どうされます?」

 

このままでは埒が明かないと感じ炎蓮に決断を出すよう告げる。

 

「皆、ただいま――――!!」

 

「えっ!?シャオ様?」

 

何と涼州にいるはずのシャオがこの場に現れて皆、びっくりする。

 

「どうして、シャオがここに居るのよ?」

 

人を驚かす事が好きな雪蓮も突然のシャオに登場に驚く。

 

当のシャオは平然な表情をしており

 

「えっ!?私が紫苑と渚を案内してきたからだよ」

 

紫苑は孫呉に向かうに先立って案内人という形でシャオを同行させたのであった。

 

シャオが紫苑の事を告げると紫苑と渚が静かに登場して一礼する。

 

炎蓮は紫苑の姿を見て

 

「おう久しぶりだな、奥方殿。で…突然の訪問、何の要件だ?」

 

炎蓮は口では紫苑歓迎の言葉を出すが紫苑の突然の訪問に当然疑問が湧く。

 

「……我が主北郷一刀の今後について」

 

この一言で炎蓮は興味が湧いたのか、微笑を浮かべ

 

「それは聞かなればならない話だな。おい祭、雷火取りあえず一旦休憩だ。先の話はこれを聞いてからだ」

 

「それと雪蓮、冥琳、粋怜…蓮華お前も付いて来い」

 

「私も…ですか?」

 

「ああ蓮華、お前もだ」

 

蓮華と呼ばれた女性は孫堅の次女の名は孫権、字は仲謀。どうしても長女である雪蓮が武の面で目立っているので現状では存在感があまりないが、何故か母親である炎蓮は蓮華も同行するように告げる。

 

そして別室で入り、炎蓮が

 

「さて…奥方殿。使者の言葉、聞かせて貰おうか」

 

「……我が主北郷一刀は、何れ時期が来た時、漢に反旗を翻し再び兵を上げ、新しい王朝を建てる覚悟です。そして孫呉の今後の意向を聞きたいと」

 

それを聞いた孫呉の五人は衝撃を受ける。

 

「それは聞き捨てならぬ言葉ですな、北郷紫苑殿。ああ…申し忘れました。我が名周瑜、字が公瑾、ここでは軍師という立場でいます。北郷紫苑殿は大殿に漢に謀反を勧めに来たのですかな。もしそうであれば捕らえて洛陽に送らなければなりませんから」

 

「ほう……同盟を結んでいる者に対し、いきなり問答無用で捕縛とはそれが孫呉のやり方ですか…態々捕縛される気はないがな」

 

護衛に付いている渚が周瑜の言葉を聞くと、殺気を隠そうともせず紫苑を守ろうと横に立ちいつでも剣を抜ける様に体勢を取る。

 

「待ちな、冥琳。そっちの者も引きな。そんな事は私がさせはしないよ」

 

渚は炎蓮と対峙する形となるが、炎蓮の表情を見て嘘はなさそうだと判断して

 

「……失礼しました」

 

再び紫苑の後ろに下がり

 

「冥琳…お前の気持ちは分かるが今更試す様な事するな」

 

「……失礼した、北郷紫苑殿。貴女を試すような真似をして」

 

周瑜が紫苑を試すような事をしたことについて炎蓮が気に喰わないことを示したので、周瑜は紫苑に謝罪してこの場は収まった。

 

「それで…何故再び兵を上げようするんだ?」

 

「……亡き陛下の遺命が書かれた書状、我らが持っています。それに従っての事ですわ」

 

「何!?」

 

紫苑の言葉を聞いて蓮華以外の四人が驚いた。

 

元々諜報力が高い孫呉は、実は劉宏の遺命に関する書状について実は知っていた。その事は呉の重臣中の重臣しか知らず蓮華やシャオも知らない話だ。そしてその書状の在り処を探していたが現在のところまで発見には至ってなかったので、本当にその書状があったのか疑問に思っていた。

 

「だけど何故貴女たちがその書状持っているのよ?」

 

雪蓮が疑問の声を上げる。それは当然の事だ、完全に秘中の秘と言える物が何故漢に反旗を翻した一刀たちの元にあるのか。

 

「……劉協様が嫁いだ際に既に預けていたみたいですが、それ以上の事は分かりませんわ」

 

「劉協様に預けていたって……それって私たちが涼州に行った時くらいの話じゃないの?」

 

粋怜の言葉には重要な事が含まれていた事に炎蓮は気付いた。劉協が嫁いだ時に預けていたということはこの時点で劉宏は既に現皇帝である劉弁を見限っていることと漢王朝の継続を放棄しているのではないかということに。

 

劉宏の意志は今更聞くことが出来ないのでどうすることは出来ないが、まず炎蓮は紫苑も確認する。

 

「奥方殿。一つ聞くが劉宏様が亡くなる際の事は聞いているか?」

 

「……いいえ。私たちはただ亡くなったとしか聞いていませんわ」

 

「そうか……こっちで掴んだ情報では劉宏様が亡くなる間際に『朕の遺命を記した書状を持った者が現れたら帝位をその者に譲位。若しくはその者の好きにさせよ』と言ったみたいだ。だけど、その遺命は何進や宦官どもが握り潰し、その事に対して箝口令を引いて劉弁様を即位させたという訳だ」

 

「そうですか…」

 

紫苑が死ぬ間際の劉宏の遺命を孫呉がどうやって知り得たのか、敢えてそれには触れず、炎蓮の言った内容と書状の内容との整合性は取れたことに紫苑はここに来た甲斐があったと思っていた。

 

そして紫苑は先の話を踏まえ、このままでは何れ一刀と白湯が討伐されるかもしれないことを説明し挙兵に至る理由を述べた。

 

それを聞いて炎蓮は難しい表情を浮かべる。

 

紫苑の話を聞いて、先の袁術との手切れの時期を考えなければならないからだ。

 

「それで奥方殿、まだ挙兵する時期は決まっていないということだな」

 

「はい。洛陽のゴタゴタを見てから動かないと先走って兵を挙げてしまいますと何進派、宦官派が手を結んでしまいますから…」

 

「ふむ……ならば我々も動くのを待つとしようか」

 

「動くとは?」

 

「ああ…そうか説明していなかったな。実は…」

 

炎蓮は何進の書状の件並びに袁術との確執を説明する。

 

「分かりました……それで孫呉は今後我らとの同盟どうするつもりですか?」

 

紫苑は孫呉の決意を確認する。

 

「見損なわないで欲しいものだな。血盟を組もうとしている者と手を切るのは孫呉の流儀は反する」

 

「ありがとうございます。孫呉の決意に我が主に代わりお礼を申し上げます」

 

炎蓮は強い言葉で一刀の同盟を引き続き継続する事を告げると紫苑は炎蓮に一礼する。

 

「それで一つお願いがあるのですが…」

 

「もし孫呉が動くのであれば、洛陽の動きを教えて欲しいのですが…我々のところ当然の事ですが何進からの書状は来ていませんので、洛陽における情報入手がなかなか難しい状況です。ですが孫呉であれば今の所堂々と洛陽に行けます。それで情報入手が私たちより楽に入手できるので、その情報を我々に教えて欲しいですわ…勿論ただとは言いませんが」

 

「……報酬があるのは助かる。何せ呉郡の開発や軍備増強でそちらの商いの儲けの殆ど使っているからな」

 

「では…」

 

「ああ、引き受けよう。おい粋怜、祭と雷火に伝えろ。先の話は待ちだと、それと祭には理由を説明しておけ」

 

「あの頑固者を説明するの疲れるんですけどね」

 

「それがお前の仕事だろうが」

 

「はいはい。分かりました」

 

粋怜は軽い愚痴を言って退出する。

 

「それでだ奥方殿。今度はこちらの頼みなのだが、そこに居る俺の次女である孫権を約束通り涼州に連れて行って貰いたい」

 

紫苑がシャオを連れて帰ってきたので炎蓮はいい機会だったので涼州に行く役目を孫権に交代させようと考えていた。

 

「わ、私も涼州に行くのですか?」

 

「当たり前じゃ。蓮華もしかしてお前…涼州に行くのを否なのか?」

 

「そうではありません……お母様確認したい事があるのですが」

 

「何だい?」

 

「これは私たち三姉妹で平等で選ばれる話なのですよね」

 

「ああ雪蓮、蓮華、シャオの三人から一人の中から選ぶことになっているが、もし蓮華が一刀と会って気に入らなければ断ってもいいぞ」

 

孫権は自分の夫は母の孫堅か姉の孫策が指図して決めるものだと思っていたが、向こうにも選択権があるとは言え、こちらも選ぶ権利があるというこの時代としては異例なケースだ。

 

孫権は一刀の情報を自分なりに仕入れていたが、それより何れ孫呉は姉の雪蓮が継ぐこととなり自分がこのまま孫呉に居て役に立つのかどうか疑問に思っていた。

 

だが孫権にとってはこの涼州行きは好機と捉えていた。今までの自分を変える事ができるではないかと。

 

「そうですか…ではもし向こうで私が北郷紫苑様の許可を得て情を受けることが出来たら孫家から嫁ぐのは私で決定ということでよろしいでしょうか」

「ちょっと蓮華!それどういう意味よ!!」

 

「えっ…お姉様、言葉の通りですが何か不都合でも?」

 

「大有りよ!一刀のところへ私が行くつもりよ!」

 

「でもお姉様が行くと決まった訳ではありませんよね…もしかすると向こうが私を選ぶかも…それにお姉様が後継者ですからそう簡単に嫁ぐという訳には…」

 

「冗談じゃないわよ!だったら私が一刀に嫁いで、貴女が後継者になればいいじゃない!!」

 

蓮華に言われて女として負けられない意地が出たのか雪蓮が飛んでもない発言して返す。

 

「……二人ともいい加減にしろ!!」

 

ゴツ!ゴツ!

 

二人の娘の見苦しい口論に炎蓮が怒り、二人の頭に鉄拳制裁を加えたことにより漸くこの場が収まったのであった。

 

そして紫苑は、今度は涼州に蓮華を連れて行くこととなったのである。

 

一方紫苑が呉に出発して三日後に璃々が一刀の元に戻って来た。

 

形式上璃々の下に居た姜維はそのまま付いて来たが、陳登にあっては徐州に戻るため開拓村で既に別れていたが、それとは別に璃々はある人物を一人連れてきていた。

 

「璃々、一緒に連れて来た人は誰?」

 

「ご主人様、私たち開墾村で病人を診てくれていた華佗さんだよ。ご主人様が村に来た時は別の村で往診していたから会うことが出来なかったから、今日連れて来たよ」

 

「北郷一刀です。民のため色々ありがとうございます。華佗先生」

 

「先生とは恥ずかしい…華佗と呼んでくれ。一刀の事は璃々から色々聞いているし、また璃々から天の世界における怪我や病気の治療法や防止法とか聞いて、難民たちの治療に役立った」

 

璃々は現代における病気の治療や予防方法を華佗に教示していたのであった。

 

「それでしばらくここに世話になるつもりだが…璃々から聞いて特製の酒を送らせてもらおう」

 

「特製?」

 

「ああ夜の生活が色々あるらしいと聞いたから、マムシやスッポン、にんにく、鹿葺(鹿の角)、冬虫夏草などあらゆる元気になる物を加えた特製酒だ!」

 

「ブッ!!璃々!!」

 

「えっ!?ご主人様、私が居ない間に鶸ちゃんや蒼ちゃんって増えたでしょう。これから、まだ(嫁が)増えると思うから華佗さんに頼んだけど要らない?もし要らなければ私が貰うけど?」

 

一刀が受け取り拒否すれば璃々の手元に行くことを想像する……

 

明日、朝日が拝めない!という風景が一刀の脳裏をよぎった。

 

「……ありがたく受け取らせて貰うよ(小声で華佗に話しかける)」

 

(「華佗…悪いがこの酒何本か譲ってくれないか」)

 

(「それは構わないがどうしてだ?」)

 

(「今ここに居ないが正妻がいるのだが、それが夜強くてな…」)

 

(「大変だな…それより璃々がうずうずしているみたいだな。後で俺が鍼打ってやる」)

 

(「すまん…助かる」)

 

この夜は華佗の鍼と特製酒を飲んだ一刀は日照り状態だった璃々を失神するまで頑張った。

 

そして気持ち良さそうな寝顔している璃々を見て一刀は満足な気分になるが…

 

「しかし困ったな…華佗の鍼と酒が効きすぎて俺の方はまだ治まらなさそうだぞ………」

 

一刀は璃々対策のために万全を期したのは良かったが、何度も絶頂を迎えたにも関わらず“アレ”が治まらず元気なままであった。

 

「……治める者、ここにいるぞ―――!!」

 

「蒼も混ぜて混ぜて!!」

 

何と一刀と璃々の様子をずっと見ていた蒲公英と蒼の二人が乱入してきたのであった。

 

収まりつかなかった一刀は当然この二人の相手をしたが見事にこの二人を満足させたのであった。

 

そして翌朝、なかなか起きてこない一刀を起こしにきた翠は部屋の様子を見て

 

「★■※@▼●∀っ!?」

 

驚いたことは言うまでも無く、そしてその日の晩は翠と鶸の二人を相手をしたが見事に二人を満足させたことは言うまでも無かった…

 

 

 

 

 

 

 


 
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