No.919036

恋姫†夢想×三極姫 ~選ばれし英雄達~

アインさん

参考文献として、三極姫2と4を購入及び攻略中。

2017-08-18 23:23:07 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1154   閲覧ユーザー数:1122

反董卓連合編 三話 『選ばされる道』

銀河と別れた一刀、暁人は荊州に到着した。

しかし、到着したからといってもまだ目的の諸葛亮がいる家を見つけていないので、これから情報収取をしなければいけない。

 

「それじゃ、一刀は町中で俺は郊外付近で」

 

暁人の提案で二手に分かれて情報を求めて動く。

 

「諸葛亮? ああ、それならのあの山に住んでいる方ですね」

 

一刀は手始めとして選んだ自身と同じくらいの年頃の少女に、訪ねて道を聞く。

幸いすぐ居場所は判明し、後は暁人と合流するだけとなる。

 

「ありがとうございます。それじゃ・・・」

 

一刀はお礼を言い、その場を去ろうとしたが。

 

「ちょっと、待って下さい」

 

その少女に呼び止められる。

 

「何?」

 

「あの・・・諸葛亮さんに会ってどうすんですか?」

 

この質問の意味は知り合いでなければ出てこない。

 

「知り合い?」

 

「はい、私は朱里って言います。その諸葛亮様のお世話をしているものです」

 

「・・・え」

 

一刀は当たりにもほどがあるだろうと驚愕した。

 

「それで、どんな御用なんですか?」

 

朱里と名乗る少女に一刀は少し悩んだが、ここで理由を言わなければ始まらないと判断し自己紹介から言う。

 

「俺は北郷一刀。諸葛亮さんに会いたいのは教えて欲しいことがあって来たんだ」

 

「教えて欲しいこと?」

 

「天下をとりたい」

 

「!!」

 

一刀のそのワードに朱里は驚愕する。

 

「・・・ちょっと、こっちに来てください!!」

 

すると、朱里にそのまま街外れまで連れていかれた。

 

「何を街中で堂々と話しているんですか?」

 

「あーそんなに?」

 

「そうですよ、こういうのは人目の忍んで話すことです」

 

出会ってそうそうだというのに、朱里にすごく怒られてしまう一刀。だが、とりあえず彼女がここまで連れてきてくれた場所なら好きに会話の続きができるはず。

 

「と、とにかくこれから諸葛亮さんに会いたいんだけど・・・いいかな?」

 

「・・・えーと」

 

朱里はなぜか気難しいそうな表情をし、こう言った。

 

「ダメです」

 

「・・・え」

 

「ダメなものはダメです。だから、もうかかわらないで下さい!!」

 

即答であり、拒否の返答。

一刀はなぜ、と質問したかったのだが、朱里はそのまま走り去ってしまう。

残された一刀は。

 

「・・・うーん」

 

悩まざるえない状況になってしまった。

一方の暁人は。

 

「・・・貴方は」

 

暁人が出会った者は知り合いだった。

その者は、見た目は自身と変わらないほどの若々しい姿だが、実は暁人よりも何倍も長生きしている女性。

そして、少年時代に一緒に勉学や鍛錬などを教えてくれた彼の師匠でもあった。

 

「少し見ない間に、随分と色々と成長したのね暁人」

 

「はい、これも師匠のおかげです」

 

「そう・・」

 

彼女は己の弟子の成長に喜びに笑みほほほ笑み、そして懐に差してあった剣を暁人に向けた。

 

「っ! 師匠!?」

 

突然の行動に暁人は驚く。

しかし、師匠の目は真剣そのものでいつ切り殺そうと動いてもおかしくない。

 

「選びなさい暁人。今ここで私と敵対してでも一刀と共に歩むのか、それともこのまま孫堅の陣営に行くのかを」

 

ちなみにここでなぜ師匠が自分達の行動や詳細な関係を知っているのか突っ込んではいけない。暁人曰く彼女が自身の師匠なら『何でも知っている』からである。

だから、彼の求める答えはその選択の意味だ。

 

「そんな・・・俺が師匠を切れるわけないじゃないか」

 

「なら、このまま孫堅の陣営に行きなさい」

 

「・・・しかし」

 

一刀をこのままほっといていいわけがない、そう言いかけたが彼女は剣を暁人の首筋に突き付けた。

 

「・・・わかりました」

 

暁人は納得出来ない状況の中、承諾する。

 

「そう、なら江東についたら諸葛瑾という少女に会いなさい」

 

彼女は剣を鞘に戻し、今度は懐から巻物と金銭を暁人に渡した。

金銭は恐らく江東までの旅費だろう。

 

「その子を通して、貴方は江東の人間として働き生きていきなさい」

 

「・・・師匠」

 

不安そうな和人に、彼女はもう一度優しくほほ笑んだ。

 

「大丈夫。貴方の連れはちゃんと諸葛亮に保護されるし、銀河の方も曹操の陣営に仕官したからしばらくは大丈夫よ」

 

「・・・えっ、それって」

 

その言葉に暁人がすぐに思い描いたのが三国志の物語。

曹操、劉備、孫権が激突する歴史だ。

 

「・・・」

 

彼女はそれ以上何も言わないず、ただ早く行けという眼差しのみ。

 

「わかりました・・・」

 

暁人はそれ以上のことは何も言わずに、そのまま江東へと足を向けた。

 

そして、去っていくのを確認した彼女はゆっくりと呟く。

 

「そうなるかどうかはお前達次第だ、人形共よ」

 

彼女は風のように消えた。


 
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