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SAO~帰還者の回想録~ 第5想 友との軌跡 前編

本郷 刃さん

それはかけがえのない友との出会い
和人の持つ強い資質は同質の者達を引き寄せた

2017-05-09 14:49:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4929   閲覧ユーザー数:4565

 

 

 

 

 

 

 

 

SAO~帰還者の回想録~ 第5想 友との軌跡 前編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

過去の幼い俺が奈良へ古流武術『神霆流』の稽古に行き、その稽古が終わった帰り際にまさか当時の明日奈と出会っていたとはな。

 

〈偶然という運命の悪戯とでも考えれば、ロマンチックでいいな〉

 

思わず言葉にしてしまうくらいに劇的なことだった。

どうして忘れてしまったんだろうと思う一方、今後にそれだけ怒涛の日々や衝撃の事実に襲われることになるんだよな。

それを考えたら忘れてしまうのも仕方がないことなのかもしれない。

 

あぁ、また風景が歪んでから霞み、次の景色が構成されて流れてきたな。

 

 

 

小学二年生の夏休み、お盆前までの神霆流の稽古を終えて自宅に帰り着き、

家族や友達と共にお盆と残る夏休み後半を過ごすことになる。

両親と祖母はどんな生活だったのか、どんな稽古を受けてきたのか積極的に聞いてきて、

祖父と直葉が聞きに徹しているのは仕方のないことだがそれでも剣道にも関係することなので積極的な聞きの姿勢なのは分かる。

 

そして後日、遊ぶ約束をしていた小学三年生の志郎が訪れた。

 

「なぁなぁ、和人。小母さんからずっと奈良県に行ってたって聞いたけどさ、なんでだ?」

「なんでって、剣の稽古だけど?」

「剣道のか? そういえばお前メッチャ強くなったもんな! なるほどな~!」

 

俺が二年生に進級した時、三年生に進級した志郎も剣道を始めた。

遊ぶ回数が減り始めていたが、志郎自身の興味と彼の両親の意向から始めた結果、思いのほか本人がハマったということだ。

剣の稽古と答えられて剣道の稽古と考えてしまうのは仕方ないな。

 

「あれ? でも和人はお爺ちゃんに教えてもらってるんじゃなかったっけ?」

「……ううん、いまは師匠(せんせい)に教えてもらってる。こっちに来た時に会ってみる?」

「え、いいのか? おう、会ってみたい!」

 

間が空いたのはやはり祖父との関係が気まずいからだろうな。

それにしても、当時は子供だからそこまで考えないで話したが、俺が喋ったせいで志郎は師匠に興味が湧いたんだよな。

きっかけは100%俺じゃないか。

 

過去の自分の生活を見ていき、夏休み終了間際になって師匠が我が家に訪れた。

俺と直葉は席を外すように言われ、両親と祖父母と話しをしたようだ。

話した内容を俺は知らないが多分この時に俺がどうして完全に『神霆流』という古流武術を選んだのかを話したんだろうな。

これ以降、祖父から反対される声を聞かなかった気がするから。

 

そして話しが終わったのか、剣道場で稽古をしていた当時の俺と志郎の許に師匠がやってきた。

 

「師匠、こんにちは!」

「はい、こんにちは。和人、そちらの彼が?」

「そうです。志郎、自己紹介」

「は、初めまして。十六夜志郎、小学三年生です。よろしくお願いします」

「初めまして、時井八雲といいます。よろしくお願いしますね」

 

事前にこちらへ来る師匠に連絡はしていたから余計な混乱は起こさないくらいに相談の大切さは知っていたんだな、俺。

志郎の家もそれなりに大きな家だから年上に対しての礼儀はこの時から確り出来ていると思う。

今は完全に俺と同じで使い分けるタイプだが…。

 

「十六夜君でしたね、少し失礼に思うかもしれませんがジッとしてもらえますか?」

「分かりました」

 

幼い俺も志郎も良く分かっていないながらその様子を保つ中、

この時の師匠の行動は疑問に思っていたがこうしてみると志郎の資質を見定めていたんだな。

 

「これはまた、和人と同じくといいますか、かなりの資質ですね……和人には僅かに及びませんが…」

「「そうなんですか?」」

 

師匠の言葉に揃って首を傾げる当時の俺と志郎。

最後の言葉は聞こえていないようだが、師匠はこんなことを呟いていたのか?

やはり俺に覚えがない事柄も何かしらの方法で補足されているようだな。

 

「和人、十六夜君は貴方が神霆流をやっていることは?」

「知らないです。師匠に剣道を教えてもらってることだけです」

「そうですか……下手な興味と関心を持たれるよりも、正しい理解を得てもらった方がいいですし、話してもいいですね?」

「はい。俺よりも師匠の方がちゃんと話せると思いますから」

 

間違ったことを覚えられてはいけないからと師匠は正しい経緯を理解させると判断する。

ま、子供の俺が話したところで大人ですら理解が得られるのは難しいのに、同じ子供に理解して納得しろというのは無理がある。

それなら、大人が子供にも分かり易いように確りと説明するのが一番だ。

 

「十六夜君。いまから和人がどうして私から教えを受けているのかを説明しますね」

「は、はい」

 

ただの興味で首を突っ込むのは良いことではない。それならば正しい情報を教えて選択肢を増やし、相談して決めるのが良い。

 

師匠は志郎に俺の事情と経緯を話す。

俺が剣道のことで悩んでいたこと、師匠との出会い、剣道の教えを受けて実力を伸ばしたこと、

五月に祖父と試合をして仲に溝があること、七月からお盆前まで奈良に行き古流武術『神霆流』を学び始めたこと、

そしてその時からの俺の思いを、途中で幼少の俺も補足しつつ、それなりの時間を掛けて話し終わった。

 

小学生の志郎にも可能な限り分かるように師匠は話し、

彼も自分で考えられる意思を持っているからか全ては無理でも十分に理解できるところは出来たのが分かる。

 

「あのさ、和人。俺、全部は分からないし、なんて言ったらいいのかも分からないんだ。

 でも、和人がたくさん考えて、たくさん悩んで、それで決めたなら、俺は良いと思う。なんか力になれたら良かったけど…」

「うん、凄く悩んで考えたりしたから、言えなくてごめん。あと、そう言ってくれて嬉しい、ありがとな」

 

個人の全てを理解するなんて不可能とも言えることだ。

それを無意識にでも理解していた志郎の考えはご両親の教育の賜物だと思う。

 

「十六夜君の思いは分かりました。それに和人についての話も最後まで聞いてくれてありがとうございます。

 それで、この話を聞いて今の段階で貴方がどうしたいと思ったか、よければ聞かせてください」

 

師匠がそう言うと志郎は姿勢を正し、幼い俺も聞く姿勢を正している。

 

「時井さん、さっき俺にもなんかししつっていうのがあるって、言いましたよね?」

「ええ。和人同様にかなりのモノが備わっていますね」

「じゃあ、俺も和人みたいに自分の力を確り使えるようになった方がいいかもって、思いました。

 最初は面白そうとか、興味っていうのだったけど……俺も勢いで誰かのことを傷つけちゃうかもしれないんだって、考えました」

「そうですね。勿論、精神修行を熟すだけでも別ではありますが、力を正確に使いたいのであれば確りと剣道を学ぶのは良いことです」

 

必ずしも武道などを学ぶことはなく、精神修行を剣道と並行してやればいい。

ただ志郎が言いたいのはそういうことじゃないのは今の俺は解るし、師匠も敢えて違うことを言っているな。

そこは志郎自身に言わせないといけないことだから。

 

「えっと、そうじゃなくて……違う、そうじゃないんです。俺も、俺にも和人と同じ武術を教えてください!」

「ほぉ、どういう意思でそれだと決めたのか、聞いても?」

「うっ……あ、はぃ…」

 

過去のことで今更とはいえ師匠、小学三年生相手に唐突に威圧感をぶつけるのはやめてあげてください。

いや、まぁ手加減しているし? 戦意は込めてないし? 単純に威圧感だけとはいえ、大人でも怯むようなものだからなぁ…。

初めての体験に志郎はかなり怯むもなんとか声を絞り出している。

一方、この前の稽古で幾度か慣れのために受けていた幼い俺も怯んではいるが志郎ほどじゃなく、

聞きの姿勢を崩さないでいるか。

 

「と、友達を……俺が、友達を助けたいって思うのは、いけないんですか…!」

「……そうですか。いえ、十分な決め手といえますね」

〈……ったく、お前は…〉

 

志郎の言葉に不覚にも胸の奥にグッときた。

この当時の俺は彼の言った友達というのが俺だとは考え付かなかったが、今なら解ってしまえる。

まだ小学三年生のたった一つ年上でしかなかった志郎はそれでも同級の友より、俺の身を案じてくれていたんだな。

 

「解りました。友達を助けたい、その助けになりたいという十六夜君の言葉を信じます。

 私は貴方に神霆流を教えることに否はありません」

「あ、ありがとうございます!」

「俺と一緒だな!」

 

師匠の言葉に喜びを見せる志郎。こういうところは俺も覚えている、身近で同門が増えた時のことだからな。

 

「ただし! 私がご家族に説明しますので、ご両親が許可を出したらですよ?」

「うっ……はい、分かりました…」

 

あぁ、こういうところも俺と同じだったか。

ま、強力な技術を手にするのならばまずは親の許可が必要だよな。

それを考えれば俺はかなり無理をして押し通したのか、要反省だ…。

 

なにはともあれ、このあと師匠は志郎と共に十六夜家に赴き、志郎は見事ご両親から許可を得ることができたということか。

 

 

 

以降、幼少の俺の修行風景には徐々に体を馴らしていく志郎が加わっていた。

共に研鑚を積み重ね、時折師匠の指導を受け、冬休みには志郎が加わり再び奈良へ赴き、

年を越して学校生活も過ぎ行き、当時の俺達は進級を果たした。

当時の俺は小学三年生となり、志郎は四年生になったわけだな。

そしてこの年もまた、新たな出会いがあった。

 

 

 

 

進級し、クラス替えが行われて席に座っている当時の俺とクラスメイト達。

だが、一つの席が空いていて、それは俺の後ろという位置。

担任の女性教師と共に一人の少年が入ってきた。

いまは見覚えのある赤茶色の髪は当時の俺からすれば、

やはりクォーターである刻同様に目立った髪色ということもあり印象に残ったんだろう。

 

「今日からこの学校に転校してきた男の子です。自己紹介をしてね」

「はい。国本景一です。両親の仕事の都合で引っ越してきました。

 こっちのこととか全然知らないから、色々と教えてくれると嬉しいです。よろしく!」

「皆、仲良くするようにね」

「「「「「「「「「「は~い!」」」」」」」」」」

 

揃って子供らしい声を上げる幼き級友達に僅かに心が和むが、例の如く当時の俺はというと力を抜いてあまり声を出さずに追随している。

背伸びをした年頃が俺にもあったのかと思ったが、直後に欠伸をして眠たそうな様子を見せた……朝稽古のせいか…。

そして先生に俺の後ろの席を示されてそこに座る景一、それに気付いて後ろを振り向く俺。

 

「俺、桐ヶ谷和人。よろしく」

「おう、よろしくな」

 

これが俺と闇を知ってしまう前の景一との出会いだったな。

 

 

 

景一はすぐにクラスに馴染んだ。

というのも、元々クラス替えの後ということもあって、それぞれが新しくクラス内の環境を整えていく時期だ。

あとは景一の性格にもよるが、特に当時の彼は面倒見がよく明るい方で一人称もまだ年相応の“俺”だった。

俺とも席が前後ということでよく話している。当時の景一をこうして見るのは今を思うと新鮮に思うな…。

 

明くる日、クラスの話しあいが少し長引いたことで他のクラスよりも終わるのが遅くなる景色が流れた。

中学や高校でいうHR(ホームルーム)が終わった後、各々が帰り帰ろうとしている中、声を掛けられる。

 

「和人、終わったか?」

「志郎か、いま終わったよ。急がないと師匠との稽古時間が短くなるな」

「だな。このまま和人ん家の道場でいいんだっけ?」

「うん。よし、準備できた。帰ろう」

「あ、ちょっと待って!」

 

ランドセルを背負って教室から出ようとした時、当時の俺と志郎は呼び止められた。相手は景一だ。

 

「今さ、道場って言ったよな? もしかして剣道か柔道、空手とか?」

「景一。うん、俺の家に剣道場があって、俺達剣をやってるんだ」

「俺も剣道やってるんだけどスポーツじゃなくてさ。練習できる場所とか探してたんだけど、俺も一緒にいいかな?」

「そういうことなら親に聞いてみるよ。一緒に行こうぜ!」

「ありがとう!」

 

景一の話を聞き、スポーツじゃないというところで小学生の俺は何かを感じて返答したんだろう。

俺自身はもう理由を知っているけどな、随分微笑ましい理由だ。

 

「俺は十六夜志郎だ! 一つ上で四年生だけど志郎って呼び捨てでいいぜ!」

「国本景一だ。俺も景一でいいよ」

 

帰り際に自己紹介などをしながらそれぞれの家に向かう幼少時の三人。

その後ろを歩きながら懐かしい姿や話しに嬉しくなる。

ま、いまでも似たようなもので人数が増えたり、話しの内容の幅が広がったりしているだけなんだがな(笑)

 

「へぇ~、景一の両親って警察官なんだ。それで転校してきたのか?」

「そうそう。なんか配置換えってやつとか、昇進とかそんな感じだったと思うけど」

「じゃあ剣道を始めたのも関係してる? 確か祖父ちゃんが言ってたけど、警察官になるには武道をしないといけないんだろ?」

「ん~、警察官になるって決めてないけど、父さんと母さんの影響はあるかな。

 せめて自分と大切な人は守れるようにしたらいいって言ってた」

〈はい、その大切な人=現在の恋人=詩乃ですね(笑)〉

 

少しは大人になった第三者として、その“大切な人”という言葉のところで景一の表情が楽しいものから優しいものに変化したことで気付けた。

これはからかう良いネタになるかもしれないが、いや詩乃はともかく景一は開き直るか。

 

「そっか、道場使うだけなら親と祖父ちゃんに聞けばいいけど、そういうことなら師匠にも話した方がいいな」

 

改めて過去のことだからもう仕方の無いことだが、とにかく師匠に相談というのは不味いな。

悪い意味じゃなく、俺含めそれなりに人間やめているくらいになってしまったし。

これまた要反省事項…。

 

景一の家に着いてから既に帰宅していた彼のお母さんに内容を話せば、

そういうことなら挨拶に行くということで小母さんも付いてくることになった。

志郎に付いて一度彼の家に行き、道具を持つと今度は俺の家に向かっていく。

 

俺の家に到着し、仕事でいない両親に代わり祖父さんと祖母さんが話しをし、その間に剣道着に着替えた幼い俺は師匠に連絡を入れている。

今回は仕事で少しだけ関東を訪れ、その合間に稽古を付けてもらえる時だったな。

俺の祖父母が景一の剣道の稽古を受け入れ、小母さんが師匠とも話しておきたいということになり、到着した師匠とも話し始めた。

 

「初めまして、時井八雲と申します」

「当代の『剣神』と名高い方にお会いできて光栄です。お噂は上司や主人からも聞き及んでいます」

「実戦的剣術で指南を務めた程度ですよ。奥様も武道を嗜んでおられるようですね?」

「合気道を主体に銃剣道を少しばかりですが」

 

普段会うことはあっても中々その腕前を拝見したことはないが、女性警察官ということを抜きにしても小母さんはかなりの腕前だったはずだ。

今でこそ景一の方がご両親より上だが、一般人枠に考えたら全国区の実力だからなぁ。

ちなみに景一のお父さんは柔道を主体に剣道も会得していたはずだ。

 

そこで幼少の俺と志郎は景一を交えて剣道の練習を始めた。

剣術だけでなく、剣道自体も続けているわけだし、全員がスポーツとしての剣道ではないから気が合ったんだな。

だが、剣道の練習を終わらせると二人は神霆流の稽古を始める。

 

(すご)…」

 

俺達の真剣な稽古の姿と内容に景一は呆然とし、小母さんは師匠と話し始めた。

 

「時井さん、あの子達は…!」

「ええ、二人とも私の門下生です。どちらもかなりの素質でして」

「……あの、まさか、息子も…?」

「正直、和人が引き寄せているのではないかと思いますね。息子さんも本人次第ですが相当な資質があります」

「そう、ですか…」

〈あ、すいません、確かに俺のせいですね〉

 

思わず答えてしまったのは不覚にも図星を突かれた様になったからだと言い訳しよう。

志郎といい、景一といい、この後の三人といい、どう考えても俺のせいだよなぁ。

稽古を一区切りしたところで景一が俺や志郎の許へ行き、興奮気味に話しかけている。

そんな三人を師匠が呼び寄せ、景一に視線を向ける。

 

「二人の稽古はどうでしたか?」

「えっと、とにかく凄かったです…。あれって、剣道じゃないですよね?」

「ええ。私が教えている古流武術『神霆流』のものです」

「古流武術、神霆流…」

 

鸚鵡返し(おうむがえし)のように呟く景一の瞳には強い意思が宿っている、決意をした顔だ。

 

「か、母さん、俺…!」

「景一、貴方が決めたのならお母さんは反対しないわ。

 でもね、それは人を傷つけるかもしれない、その可能性が特に高い力よ。

 お母さん達だって、危ない犯罪者と対峙したらそうしないといけかもしれないけど、貴方はそれでも求めるの?

 あの()を守るのは、何も景一だけでしないといけないことじゃないのよ?」

「傍で守るって、決めたんだ。

 何時か父さんと母さんみたいに守り合えるようになるって、俺は決めたから……詩乃と約束したんだ!」

「そう、ふふ……確りと男の子してるじゃない」

 

何か真剣な話をしていたのは覚えていたが、こんな内容だったんだな。

俺達よりも全然カッコイイじゃないか。

 

「よろしければ、時井さんの眼で判断していただければ。私はもう、息子の思いを理解しましたので」

「承りました。国本君、こちらへ」

「は、はい!」

 

小母さんの許可がおり、残すは師匠が景一の意思を確認するだけか。

当時の俺と志郎が威圧感の防御態勢に入ったな。

師匠もその身から威圧感を醸し出し、景一は体を竦ませる。

 

「貴方は何故、力を求めますか?」

「ほ、他の人には、言いませんか? 和人も、志郎も…」

「他言無用を約束します。和人も志郎も良いですね?」

「「はい!」」

「そ、それじゃあ…///」

 

体を竦ませながらも意思を伝えようとし、その内容からか羞恥を見せる景一。

 

「す、好きな人を守りたいからです//////! 子供の言う事だって思うかもしれないけど、結婚の約束もしました//////!

 その子のことも、その子が大切なものも、全部一緒に守っていきたいんです//////!」

「……これはまた、熱烈な想いを持っているんですね。いやはや、愛ですね~」

「これが愛なのか……なんかカッコイイなぁ」

「そっか~、愛なんだな~、凄ぇなぁ~」

「我が息子ながらやるわね~」

〈いや、マジでカッコいいんですけど〉

 

景一の詩乃への熱烈な愛の告白、内容を全部覚えていたわけじゃないがそれでも凄かった。

よし、これを全部覚えておけば景一も詩乃もからかえる…!

それにしても小学生の時でこれなんだもんなぁ、いまのアイツの詩乃への想いは……あ、察せられるくらいに俺も同じだった。

ま、今はあのクールっぷりで覆えている分マシというところか。

 

「十分です。それだけ大切な人への愛があるのなら、その人を悲しませないためにも正しく力を得るのは吝かではないですね。

 いいでしょう、和人達と共に体を鍛えてください。

 基本は偶にこっちに来る時に教えられますが、夏休み等の長期休みの時に稽古をみっちりと行いますからね」

「あ、ありがとうございます! 俺、頑張ります!」

 

師匠の言葉に俄然やる気を見せる景一。当時の俺と志郎もさらに仲間が増えることに喜んでいる。

 

「これからよろしくな、景一!」

「みんなで頑張ろうぜ!」

「うん! 和人、志郎!」

 

三人で勇んだ様子を見せる。これで景一も神霆流の門下生になったんだったな。

その後、俺と志郎も自分達が神霆流を学び始めた理由を話し、交流を深めていった。

 

ただ、これは当時の俺が小学三年生に上がったばかりの話。

まだこの年には二人の加入があり、来年には一人が加わり、さらにもう一人が真剣に学び始めることになる。

 

和人Side Out

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

あとがき

 

一日投稿が遅れてしまいました、色々と煮詰まった結果です。

あと本当は烈弥と刻、公輝と九葉のことも含めて書く予定でしたが思ったより長くなりそうだったので前後編に別けました。

後編は次週に投稿しますね。

 

というわけで今回は志郎と景一の神霆流加入となりました、あくまで和人視点なのでこんな感じです。

 

あとは視点を交互にして投稿しようとしてましたが、もう時系列順にしようと思っています。

次週の後編が終わったらそうしようと思います。

 

ではまた~・・・。

 

 

 

 


 
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