No.84770

真・恋姫無双~薫る空~7話(黄巾編)

カヲルソラ7話です。
ん~~~っと悩みながら執筆してこの長さです。

ようやくこの先の展開が見えてきて少しスッキリしています。

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2009-07-16 16:34:43 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:6860   閲覧ユーザー数:5882

 

 

 

 

 

 

 

今のところ全てが自分の思い描いたとおりに事が運ぶ。

 

それは向こうがただの賊であり、訓練など無ければ指揮官すらもいないということだからだろう。

 

桂花に知略勝負で負けたのは悔しいが、ここで挽回してやろう。

 

そう考えていた。

 

馬に乗り、第2陣。つまり賊に止めを刺す最後の伏兵を構え、その場へ向かう。

 

賊が逃げたのは東南の方角。予想より少し方角がずれてしまったが、問題ない。

 

十分対応できる範疇である。

 

賊が通過するであろう場所を確認できる位置まで来た。

 

【薫】「ふぅ………。……よし」

 

それほど遠くないところから地鳴りが聞こえてきた。

 

小さいものだが、相手が歩兵であることを考えればそれはむしろ、相手の数の多さを現していた。

 

心臓の鼓動が早くなる。

 

初めての出撃に、初めての指揮。それらの緊張が仕上げに入ると同時に一気に膨れ上がった。

 

【薫】「大丈夫………大丈夫……大丈夫……」

 

自分に言い聞かせる。

 

たかが賊の鎮圧くらいで、何を昂ぶっているのか。

 

【薫】「さて………。来たよ。追撃の部隊に合わせて左右から挟撃する。合図と同時に2陣は突撃をかけて。」

 

伝令にそれを伝え、兵は立ち去る。

 

それにあわせるように、賊の軍がやってくる。

 

【薫】「旗を振って!!一気に攻め立てるよ!」

 

旗を振り、伏兵に合図を送る。

 

それと同時に、隠れていた兵達の声が聞こえる。

 

後方と左右から挟撃され、賊の部隊が散り散りに乱れ始める。

 

【薫】「………これで…上手くできたかな…」

 

目の前では明らかに自分達が圧倒的に勝利している。

 

だけど、その光景を見てもどこかすっきりとしない。

 

【薫】「気持ち悪い……」

 

なんだろう…。これは。

 

胸が締め付けられ、不快感に満ちている。

 

今にも嘔吐しそうな気分に、疑問を覚える。

 

勝ったのに…。上手くできたのに…。

 

視界がぼやけそうになるところを兵の「司馬懿様」という声で目を覚ます。

 

【薫】「どうしたの?」

 

【兵】「いえ、ご気分が優れないのでしたら、この近くに川がありますのでそこで休まれてはいかがかと。」

 

それほど顔に出ていたのだろうか。兵に注意されるなんて、やっぱり新米の証…だね。

 

【薫】「ありがと。じゃあ、少し休んでいくよ。……あぁ、皆は先に引き上げておいて。砦までもどれば春蘭もいると思うから」

 

そういって、あたしはその川へ向かう。兵の「しかし…」という声にも「大丈夫だから」とだけ言い残して歩を進めた。

 

 

 

 

 

川というからには、やはりその周りには森ができていた。

 

森といってもそれほど深いものではないから、道に迷うなんて事はなかった。

 

水の音が聞こえ、馬から下りて、音のほうへ歩いていく。

 

馬は近くの木につないでおけば大丈夫だろう。

 

少し歩いて行くと、木々が開き、川が見えた。

 

水の流れる音が一段と大きくなり、心に落ち着きを与えてくれる。

 

【薫】「ふぅ……」

 

靴を脱いで、足を水につける。

 

それだけなのに、さっきまでの不快感は一気に吹き飛び、足の間を流れる水が心地よかった。

 

【薫】「あんまりのんびりもしてられないけど、もうちょっとならいいよね」

 

自分に言い聞かせるように、呟く。

 

思えば、少し前までは普通に勉強してただけの子供だったのに、いつの間にか軍を動かすなんて事をしている。

 

一刀がはじめての戦で気を失ったって聞いたけど、気持ちが分かる気がした。

 

人の死を初めて現実として直面して、その生々しさに眩暈がするほどだった。

 

気を失わなかったのは、一刀がそうなったと聞いたから。というのもあるだろう。

 

同じようになるのは…死んでも嫌だ。

 

足を遊ばせながら、ここまでのことを振り返る。

 

結構……あたしの人生って希少価値高いんじゃないだろうか。

 

そんな結論に至った。

 

 

………………。

 

 

――ガサガサッ

 

【薫】「ひゃ!?な、なに!?」

 

思考に浸っている最中に後ろからの突然の物音。

 

動物だろうか。小さいものならいいが、熊とか虎だったらどうしよう…。

 

【???】「いったぁ~~~……」

 

【薫】「………………」

 

どうやらその心配はなさそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【???】「あ~、腰打っちゃったじゃない…」

 

【薫】「え…えと…」

 

【???】「ん?………誰?」

 

急に訝しげな顔で聞いてきた。

 

いや、こちらのセリフなんだけど…。

 

どうやら、女の人のようだ。

 

桃色の髪に、赤いふk……服……にしては隠すところしか隠していないような服…のようなものを着ている。

 

見た目は…すんごい美人だ。体型なんてまさに華琳とは正反対みたいな。

 

【???】「あなた、誰?こんなところで何しているの?」

 

【薫】「えと、あたしは司馬懿っていいます…。ちょっと疲れたから休んでるだけ。」

 

【???】「ふぅ~ん。司馬懿ちゃんか~」

 

人の名前を口にすると、こんどはじろじろとこちらを眺めてくる。

 

【薫】「ちょ、ちょっと…そっちこそ誰?」

 

【???】「へ?私のこと知らないの?」

 

【薫】「う、うん…」

 

なんだろ、前に会ってるのかな?…あれ、それならあたしのこと聞いてくるのもおかしいよね。

 

【???】「呉で私の事知らないなんて、ある意味すっごいことだけど、まぁいいわ。私の名は孫伯符よ」

 

【薫】「………は?」

 

【孫策】「聞こえなかったの?孫策っていうのよ。しらない?」

 

【薫】「い、いえ…知ってます」

 

あ、あれ?孫策ってたしか今の呉の……あれ?

 

【薫】「ちょ、ちょっと待って。今、呉でって言った?もしかしてここって…」

 

【孫策】「ん?ここは呉の国境付近よ?もうちょっと向こうへ行っちゃえば、曹操の領地に入っちゃうから気をつけなさい」

 

【薫】「………………嘘…」

 

あの兵卒~~~~~っ!!!!

 

【???】「策殿~~~」

 

【孫策】「あら、祭~~。こっちよ~~」

 

突然大きな声が聞こえたと思ったら、今度はさらにすごいおっぱい…もとい、女の人が来た。

 

 

【???】「探しましたぞ、策殿。……ん??この者は?」

 

【孫策】「司馬懿ちゃんって言ってね。ここで休んでたんだって」

 

【???】「は、はぁ…」

 

こ、これはどうするべきなんだろう……。

 

今目の前にいるのが孫策って事は、おそらく後から来たこの人もおそらく呉の人だろう。

 

【???】「とにかく、この付近で賊が逃げ込んだとの知らせがあったのでな。策殿もお戻りくだされ。」

 

【孫策】「えぇ~~」

 

【薫】「あ、あの、あたしもそろそろ戻りますね。」

 

とりあえず一刻もはやくここから抜け出さねば。幸いあたしが華琳側の人間とは気づかれていないみたいだし。

 

【孫策】「あ、そうなの?じゃあ、しょうがないわね。またね、司馬懿ちゃん」

 

【???】「ふむ……。」

 

【薫】「あ、はい~。また」

 

愛想笑いを浮かべつつ、少しずつ離れて、歩き始める。もう少しここにいたかったけどこんな状況じゃもう無理だ。

 

近くにおいてあった馬の場所まで向かう。

 

だが…

 

【兵】「司馬懿様!!ここは呉の領地ですのでお早くお戻りください!!!」

 

【薫】「馬鹿………」

 

【兵】「……あ、あれ?」

 

【孫策&???】「司馬懿“様”?」

 

終った…。

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

さて…無事忙しい期間を乗り越えましたよ(`・ω・´)

 

というわけで、以前のように……と言いたいんですが、さすがに1日1投稿なんてできるかはものすごく不安です。

 

ただ、週2,3くらいはいきたいとは考えてますのでヨロシクお願いします(、、

 

それから、同時投稿していたI'M...なんですが、今度のストーリーで少し考えたいところがありますので、もう少し待っていただけますでしょうか(´・ω・`)

 

あ、完結までは必ずもって行くつもりですのでそこは大丈夫です。

 

ではでは(、、

 

 


 
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