No.836296

機動戦士ガンダム THE RED WARRIOR #3

古淵工機さん

第2話:http://www.tinami.com/view/828851



今回はいよいよ母艦登場。

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2016-03-08 23:36:40 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:813   閲覧ユーザー数:808

≪U.C.0079 11.17. 南米 地球連邦軍本部ジャブロー≫

 

「アラン・バークス中尉、試作MSの護衛任務完了しました」

「同じくヤマト・ケンザキ少尉、試作MSの護衛任務完了しました」

ジャブローの一角にある司令室で、無事にレッドウォーリアの搬送が完了したことを報告するアランとヤマト。

目の前に立つ司令は、提出された報告書類を確認するやこう告げた。

 

「…そうか、やはりあの機体を狙ってくる連中がいたか」

「はい、せっかくの機体もここに持ってくる前に実戦ということになってしまい…少なからず傷をつけてしまいました。申し訳…」

「まぁ待て。あのくらいの損傷ならすぐにでも修理は可能だ。それに今は状況が状況だからな…むしろ我々にとってはいい実戦データが手に入ったというところだ」

「そ、そうでありますか…」

と、少し面食らうヤマトをよそに、司令は机に置いてあるコーヒーを一口煽ると、さらに告げる。

「さて、本来ならば君たちにねぎらいの言葉一つもかけてやりたいところだが…君たちには新たな任務に就いてもらいたいのだ」

「と、言いますと?」

「キューバのサンタクララは知っているかね?」

「ええ、確かジオン軍が南米攻略の拠点として補給基地を置いているっていう…」

「そうだアラン中尉、君たちにはそのサンタクララのジオン補給拠点を攻略してもらいたい」

「了解!」

 

「ああ、一つ付け加えておくが、この攻略作戦において君たちは新たに設置したMS部隊へ配属ということになる」

「…MS部隊?」

「そうだ。もっとも母艦はありあわせで作った急造艦くらいしか用意できなかったがね…」

 

そんな司令のぼやきに同調するかのように、アランとヤマトが応える。

「…いえ、足がないよりはあったほうがいいに決まってます。それに…」

「…住めば都って言いますし、慣れればいい職場になるはずですよ」

「フフ、何を言うかと思えば生意気なことを言いおって…、まぁそれだけの余裕があるのなら大丈夫だろう。しっかり頼むよ」

「「Sir,Yes sir!」」

機動戦士ガンダム THE RED WARRIOR

 

Episode.3 異形の母艦

ジャブロー・14番ドック

「…司令が言っていたのはここだな。この14番ドックに例の急造艦があるらしい…」

「アランさん、それって目の前にあるコイツのことじゃないすかね」

ヤマトが指さした先にあったもの。それは明らかに異質だった。

 

船体部分は戦艦マゼラン級のそれであったが、両舷にはペガサス級同様のカタパルトが設置され、

エンジンノズルは巡洋艦サラミス級のものを流用したような、まさしく寄せ集めの艦であった。

「うーむ…こりゃあキメラって言ったらいいのか…なんていうかごった煮状態だな…」

 

などとつぶやいていると、アラン達の前に一人の女性士官が現れた。

「…失礼、私の艦に何か御用でしょうか」

「え!?…あ、いやぁ、変わった艦だなと…」

「ふふ、いいんですよ。実際私もこんなキメラみたいな艦を預かるとは思わなかったし…あ、自己紹介を忘れていたわね。急造戦闘母艦『ヒッポグリフ』艦長のナディア・レキシントン大尉です」

「はっ!本日付でこの艦に配属となりましたアラン・バークス中尉であります」

 

「同じくヤマト・ケンザキ少尉であります!」

「ああ、ということはあなた達が例の紅いガンダム(レッドウォーリア)の」

「まぁ、こいつが成り行きで動かしちまったんですがね…」

すると、ナディアは突然ヤマトの顔を覗き込む。

「え、あ、あの。俺の顔になんかついてます?」

「ふふ、なんだか絵に描いたような熱血漢だなと思ってね。あまり無茶はしないように。ではまず艦内をひととおり案内しましょう」

「「Yes Ma'am!!」」

 

かくて新たな任務を受けたアラン・バークスとヤマト・ケンザキは特務戦闘隊『ヒッポグリフ隊』へ配属となった。

はたしてこの先彼らを待ち受けるものとは…そして、彼らは生き残ることができるのであろうか…?


 
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