No.814024

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 Secret Mission

okakaさん

第8話です

2015-11-16 18:16:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:476   閲覧ユーザー数:407

番外編~Secret Mission~ TypeFuture 未来の力はどうやって手に入れるのか8

 

 

 

――――――――特訓開始から5日後、残り滞在可能時間4日――――――――

 

 

「武も拓海も大分いい感じになってきたなぁ・・・始めの頃と比べると思考に柔軟さと正確さが出てきてる。なんとなくだけど自覚はあるんじゃないか?」

 

「・・・ええ、なんとなくですが」

 

「ん?ふぉうか?」

 

「拓海姉さん、口に食べ物を入れたまま喋るのは良くない」

 

 

今日の訓練も終わり、クォーターの食堂で夕食を取りながら進捗や今後について話し合うokaka達親子、当然―――――――

 

 

「まさか自分でバジンを止めに行って俺をネクストライドロンで轢きに来るとは思わんかった・・・お、この炒飯うめぇ!」

 

「こっちもなかなか凄かったよ~まさか完全に死角だったのに避けられちゃうとはねぇ・・・ホントだ!なにこれ!卵からもしっかり海鮮スープの味がする!」

 

「干貝柱を戻したスープが卵に混ぜ込んであるのね、恐らくお米を炊くときにも加えてあるわ」

 

「こっちの岩石酢豚・・・でしたっけ?これもなかなか・・・烏梅(梅の燻製)を漬け込んだ黒酢とビターチョコのほのかな苦味が全体を引き締める感じが・・・」

 

 

家庭教師の面々も同席しての夕食だ。okakaが黒鯛の老酒蒸しを取り分けながら口を開く。

 

 

「そろそろ最終試験的なものを用意してもいいかもな」

 

「お?何かやんのか?」

 

 

取り分けられた黒鯛を受け取ったロキが興味津々といった顔で覗きこんでくる。自分にも一枚噛ませろといった顔だ。任せてみるのもありかもしれない、そう考えたokakaは一応訪ねてみることにした。

 

 

「そうだなぁ・・・お前ならどんなのやる?」

 

「あー・・・仕事手伝わせてみたらどうだ?たしかケースオフィサーからの情報が入ってたろ?財団X・・・だっけ?その小規模施設の調査と対処とか」

 

 

ロキの答えにokakaが少し考えこむ、当然だろう。何が起こるかわからない現場に投入するのは流石に不安が残る。まして自身の子供を放り込むのには些か抵抗がある。そう思ったokakaが却下しようと思った時だった。

 

 

「大丈夫でしょう、実戦なら何度か経験があります」

 

「ああ、船団内の怪人犯罪の解決がアタシ等のライダーとしての仕事だったしな」

 

「私も実地調査の経験はある、それで構わないと思うぞ?」

 

 

以外にも乗り気な子供達にokakaは軽く驚いた。そして自身の過保護さに少し呆れながらそれを了承することにした。

 

 

「OK、じゃあ明日出発だ、準備しておけ」

 

「「「はい(おう!)(うむ)」」」

 

「僕も行きますよ」

 

 

人選を決定したその時、突然ディアが立候補してきた。

 

 

「財団Xなら僕としても見過ごせません」

 

「私も当然行くわよ?私と財団Xとの因縁は忘れてないでしょう?」

 

「あ、じゃあ私も行こうかな」

 

「あー・・・解った、ナンバーズが複数動く事になるからな、団長に確認取ってみる」

 

 

ディアだけでなくハルカとこなたも立候補してきた。たしかに彼等と財団Xの因縁は深い、連れて行くのは妥当だろう。そう判断したokakaは団長に確認の通信を入れた。

 

 

「団長、食事時にすみません、財団Xの小規模施設の件でディア達を借りたいのですが・・・」

 

『構わん、人選は任せる。ロキも連れて行って構わんぞ。ただし、条件付きだ』

 

「条件?」

 

「私の同行ですよ」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

 

突然その場に現れた声の主に一同が驚き、okakaが苦い顔を向けた。

 

 

「てめぇか・・・竜神丸」

 

「ええ、私ですよ?」

 

 

そう言いながらいつの間にか現れていた人物、竜神丸はテーブルの上の小籠包を口に放り込んだ。

 

 

「財団Xにネオバイラルコアが渡っている、という情報がありましてねぇ。団長にお願いして実地調査を兼ねた回収をすることになったんですよ・・・熱っ!okakaさんこれ中身が熱いですよ!」

 

「小籠包はそういうもんだ、それに勝手に食ったお前が悪い」

 

 

勝手に食べて文句を垂れる竜神丸に呆れながらokakaは子供達を守るように子供達と竜神丸の間に割って入った。竜神丸の危険性と異常性は教育上非常によろしくない、少しでも遠ざけておきたい人物ツートップの片割れの突然の登場にokakaは一瞬で自身を戦闘モードに切り替えた。

 

 

「そんな怖い顔しないでくださいよokakaさん、取って喰ったりはしませんから・・・そこの晶葉さんは別ですけど・・・おお怖い、okakaさんの殺気でまるで針の筵ですよ」

 

 

晶葉の名前が出た瞬間、okakaの殺気が膨れ上がった。しかしその殺気にも飄々とした態度を崩さず竜神丸は今度は海老焼売を口に運ぶ。

 

 

「単刀直入に言いましょう・・・晶葉さん、私の下で働く気はありませんか?私は貴方の頭脳を高く評価しています。私の下へ来るのなら最高の実験施設と誰にも邪魔されない研究三昧の日々を約束しましょう」

 

 

okakaを無視して直接晶葉に語りかける竜神丸の言葉に晶葉は軽く鼻で笑って返した。

 

 

「ふん、アルファ・リバインズ殿、貴公の事は未来で親父殿から聞いている。研究内容もその姿勢も私とは到底相容れない人物だともな・・・答えはNO、私には私の夢があり目標があるのでな、そのために未来に帰らねばならん」

 

 

「夢・・・ですか?くだらない、そんなもの見たって時間の無駄ですよ」

 

 

晶葉の返答に少し機嫌を悪くしたのか竜神丸は声のトーンを落とし晶葉の言葉を真っ向から否定した。その言葉に晶葉は立ち上がりokakaの隣に立つと竜神丸を正面から見据えた。

 

 

「科学者が夢を否定するとは・・・お笑い種だな。科学者とは本来ロマンチストな生き物だ。自身の夢見たもの、目標とするものを現実にするために動く生き物だ。明確に定めた目標があるからこそ研究し、現実にしようと試行錯誤する。今の貴公の口ぶりから実験内容が何となく解った、先を見据えない行き当たりばったりなデータ収集のための実験などつまらん。私はお断りだ」

 

「・・・ほう・・・では仕方ないですね・・・現実を教えるためにも・・・無理矢理でも付いて来てもらいましょうか?」

 

 

そう言った竜神丸の手が晶葉に伸びた瞬間だった。

 

 

「そこまでだ竜神丸」

 

「これ以上は見過ごせません」

 

「アタシの妹に手ぇ出すんじゃねぇ!」

 

「私の教え子を持っていかれるのは癪に障るわね」

 

 

okakaが両手のアサシンブレードを喉元と心臓に突き付け、武がドア銃を、拓海がブレイクガンナーをハルカがどこからか取り出したナイフを一斉に竜神丸に向けたのだ。

 

 

「・・・そんなに殺気立たなくてもいいじゃないですか、冗談ですよ冗談・・・惜しいのは事実ですけど」

 

 

その状態にも関わらず飄々と両手を上げ、ブラブラと振った竜神丸に一同は警戒はそのままに武器を下ろした。そんな竜神丸に今度は晶葉が懐から取り出したものを突きつけた。

 

 

「おや、それは」

 

「拓海姉さんのブレイクガンナーをコピーしたもう一つの人間用のブレイクガンナー、威力は存じているだろう?」

 

 

緊迫した空気が続く中、晶葉がそれを竜神丸に放り投げた。

 

 

「それをくれてやろう、その代わり、今後二度と私と私の家族にちょっかいを出すのは止めていただきたい」

 

「・・・まぁ、良いでしょう。それに貴方とokakaさん以外には大して興味ありませんから。貴方のお姉さんみたいな単細胞の相手をしてる暇も無いので、そろそろ失礼しますね」

 

「ンだとコラァ!」

 

 

ブレイクガンナーを懐にしまった竜神丸の去り際に放った余計な一言に怒った拓海が立ち上がり拳を振り上げた。

 

 

「待て拓海、あいつの言うこと一々真に受けるな」

 

 

その手をokakaが掴んで止めると拓海は納得がいかない、といった表情を浮かべながらも手を下ろした。

 

 

「親父殿の言う通りだ、炎上屋だと思っておくのがいい。気にするだけバカバカしいというものだ」

 

「・・・だな、そんなこと気にしてたら一々アイドルなんてやってられねぇもんな」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・え?」」」」」

 

 

晶葉の言葉に溜飲を下げた拓海の一言にokaka、ロキ、ディア、こなた、ハルカの五人が一斉に信じられないと言った顔で拓海を見た。その光景を見た武がそういえば言ってませんでした、と思い出したように補足してくれた。

 

 

「我が家の女性陣は一応皆アイドルとしてデビューしています、母親はその後、女優や社長業などに転身していますが、妹達は現役のアイドルです」

 

「つまり私もアイドルだ!」

 

 

武の説明と胸を張った晶葉の一言にokakaが現代組全員に向かって両手を上げサンハイ、と音頭を取った。

 

 

「「「「「ええええええええええええっ!?」」」」」

 

 

先程までの剣呑な空気を吹き飛ばした衝撃の事実に驚きながら、一同の夕食は続いた――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――楽園、クライシスの部屋――――――――

 

 

「まったく、竜神丸にも困ったものだ」

 

 

そう言いながらクライシスはokakaの作った海鮮炒飯をスプーンで掬い取り、口に運ぶ。

 

 

「しかし、気付いていたんですかねぇ?彼女が【特異点】であると」

 

 

そう言いながらオーナーが二本のスプーンを器用に使い炒飯を掬い取った。

 

 

「時間の干渉を受けない彼女だけなら滞在時間は無制限ですからねぇ」

 

 

駅長が黄金のスプーンを使い具材の貝柱とともに一気に炒飯を掬いながら言葉を繋いだ。

 

 

(okakaの娘に特異点?・・・オーナー達は一体何を考えているんだ?)

 

 

疑問を抱えながら支配人がティースプーンで少量の炒飯を掬い取った瞬間だった。

 

 

「あ」

 

 

具材に入っていた大きな海老が炒飯の山から零れ落ち、山が崩壊してしまったのだ。

 

 

「「「!!!!!!!!」」」

 

(あいつが炒飯作るときに食べ応えを出すために具材を大きめに切るのを忘れていた・・・・)

 

 

三人の非難の視線に耐えながら支配人は天を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

やっと物語が動き出す準備ができました・・・前置きなげぇよ!ほんとにすいません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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