No.808402

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 Secret Mission

okakaさん

第三話、会話回です

2015-10-16 21:18:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:471   閲覧ユーザー数:399

番外編~Secret Mission~ TypeFuture 未来の力はどうやって手に入れるのか3

 

 

 

 

 

 

「・・・これを未来の俺が?」

 

「はい、間違いなく父から渡すようにと言われました」

 

 

okakaは手にとったシフトスペシャルを左目で解析し始めた。視神経を通じ、解析されたデータが表示されていく。

 

 

「・・・特にこれといった仕掛けがあるわけでもない、データにも特別なファイルの様なものはない・・・強力ではあるけど至って普通のシフトカーだ・・・」

 

 

okakaには解らなかった。もう少し研究が進めば作れるであろうシフトスペシャルをわざわざ送ってきた未来の自分の真意が全く読めなかったのだ。

解らないのなら取り敢えず聞いてみるしか無い。okakaは武に聞いてみることにした。

 

 

「・・・なんで未来の俺は今の俺にこいつを渡したか、知ってるか?」

 

 

okakaの問いに武は首を横に振り、答えた。

 

 

「いえ、私にも解らないのです。とにかく【必要になるから持っていけ】の一点張りで・・・」

 

「そうか・・・」

 

 

情報が少なすぎて推論すら立てられない。仕方なくokakaは考えるのをやめた。

 

 

「・・・まぁいいや。確かに受け取らせてもらうぞ。それで?ここに来たのはこのお使いだけなのか?」

 

「いえ、それともう一つお願いがあるのです」

 

 

もう一つの【お願い】そこに真意があるのでは?そう思ったokakaはそのお願いについて聞いてみることにした。

 

 

「で?そのお願いってなんだ?」

 

「大変申し訳無いのですが・・・・・・」

 

「いいって、息子なんだろう?遠慮なんかすんなって」

 

 

okakaに促され、武は口を開いた。

 

 

「実は・・・私を鍛えてほしい、とのことでして・・・」

 

「・・・は?」

 

「なんでもいいのです、その・・・稽古を付けていただけないでしょうか?」

 

 

武の言葉にokakaは未来の自分の真意を悟った。とどのつまり未来の自分は息子を鍛える報酬としてシフトスペシャルを送ってきたのだ。そして確実に受け取らせるために、あえて別の用件として、先にシフトスペシャルを渡させたのだ。

そしてその思惑通り、報酬の前払いを受け取ってしまった。当然だろう。未来の自分はこの読みが確実に成功すると知っていたのだ。なにせ送るのは過去の自分、かつて自身に同じ記憶があるに違いないのだから。

だが、腑に落ちない。晶葉は今のokakaを見て【変わっていない】と評したのだ。ならば自分で鍛えてやれば良いだけの事、なのになぜわざわざ過去に送り込んできたのか。それが解らない。

 

 

「・・・・・・解った、団長に話を通してみる」

 

 

まだこの話には裏がある。そう判断したokakaはひとまずこの依頼を受けてみることにした。

 

 

「!ありがとうございます。父さん!」

 

 

okakaが頭を下げる武を見ながら通信端末でクライシスに連絡を取ろうとしたその時だった。唐突に拓海が口を開いた。

 

 

「・・・・・・アタシも」

 

「ん?」

 

「アタシも・・・やる」

 

 

自分も訓練を受ける、ということなのだろう。さっきまで反抗的に目を背けたままだったはずの拓海は、何かを決意したようにokakaを見据えていた。

 

 

「・・・さっき誤射しそうになって本当の意味で解った。【力があるだけじゃあ強いとは言えない】向こうで初めて親父に叩きのめされた時言われたんだ。だからアタシは強くならなきゃいけない。アタシ自身が強くなってこの力と、マッハやチェイサーと向き合っていかなかきゃいけねぇんだ!」

 

「・・・え?お前チェイサーも持ってんの?」

 

 

さらりととんでもないことを口にした拓海に聞いてみるも、聞いていないのかそれを流して更に続ける。

 

 

「だから頼む親父!アタシを鍛えてくれ!こんなんじゃあいつらにどんなツラで合えばいいのかわかんねぇ!」

 

「・・・あいつらって誰だ?」

 

 

okakaの疑問も聞いていないのか言い切った拓海は頭を下げたまま微動だにしない。困ったokakaは武に助けを求める用に視線を向けた。

 

 

「おそらく、量産型マッハ部隊の皆さんのことでしょう。以前、拓海さんが率いていたレディースを父さんが叩き潰した時にその全員をリクルートして編成していたはずです」

 

「拓海・・・ヤンチャしてたのか・・・」

 

 

okakaの視線に気付いた武が説明してくれた。凄くわかりやすい返答、流石俺の息子だ・・・多分。などと思いながらokakaは更に説明を求めた。

 

 

「チェイサーについては?」

 

「それについては私が説明しよう」

 

 

そう言って晶葉が立ち上がり、okakaのアナリティカルエンジンに拓海の昔の映像らしきものを送信してきた。

 

 

「拓海姉さんは昔・・・と言ってもこの時間よりは未来だがグレて親父殿のラボから研究用のライドチェイサーとブレイクガンナーを勝手に持ちだしてレディースを立ち上げて暴れていた事があってな。当時の親父殿に素手で叩きのめされた時にマッハのシステム一式を貰ったんだが、気に入ったらしくライドチェイサーを手放そうとしなかったのだ。そこで仕方なく親父殿がシグナルチェイサーを作り、使い分けられるようにしたのだ」

 

「・・・画像付きの詳細な説明ありがとう、晶葉」

 

「いやいやこれくらいはお安いものさ」

 

 

晶葉が再びソファに座り込んだので再び拓海を見てみると、どうやら恥ずかしかったらしい。顔を真っ赤にして震えている。当然だろうよりにもよって昔の父親にしかも兄妹によってスラング的な意味での黒歴史がご開帳されてしまったのだ。しかも画像付き。あ、ちょっと可愛いなどと思って見ていると、ついに拓海が爆発した。

 

 

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!もう!いいじゃねぇか!そういうわけだから!アタシを鍛えろって言ってんだよ!いいよな!いいだろ!これだけ突っ込んだ話ししてんだ!もう後には引かせねぇぞ!」

 

「おおおおぅ解った、解ったから!襟を掴むな!揺するな!」

 

「フーッ!フーッ!」

 

 

まだ息の荒い拓海をどうにかなだめたokakaは今度こそ通信端末を団長であるクライシスのオフィスに繋いだ。

 

 

「団長、今少しよろしいでしょうか?」

 

「ああ、ちょうどいい、okakaそちらの案件は把握している。君の好きにしたまえ」

 

「え?あっはい。了解です」

 

 

要件を言う前に了承が取れてしまった。なんともあっけなく解決してしまった事に肩透かしを食らった気分のokakaが通信端末を切ろうとした時だった。

 

 

「彼等の滞在時間は10日間、以降は元の時間に帰っていただくことになりますよ?いいですね?」

 

「それ以上は時の運行に支障をきたすかもしれません」

 

 

突然横から画面に写り込んできたそっくりな二人の人物、その顔にokakaは見覚えがあった。

 

 

「うぉっ!?・・・デンライナーのオーナー?」

 

「どうも~ご無沙汰していますね一城くん」

 

「駅長もいるんですか?なんでまたこんなところに・・・」

 

 

時の運行を守る二人の人物、キングライナーの駅長とデンライナーのオーナーの登場にokakaが驚いてしまった。

 

 

「あ、そういえばここに来る途中で彼等を連れていくことが条件だったのでキングライナーで二人を乗せて来ていたのを忘れていた」

 

 

晶葉が今思い出したと言わんばかりに説明をするのを見たokakaは、よく自分が仲間たちとやるやり取りに似ていると思ってしまった。

 

 

(所々俺に似てるのな・・・こりゃあ本当に俺の娘かもしれんな)

 

 

「と、いうわけだokaka、重要機密区画以外なら自由に歩き回ってもかまわん。逗留先は君が用意しろ。必要なら空いている人員を裂いてもかまわん。費用は君に持ってもらうがな。以上だ」

 

 

クライシスが畳み掛けるように詳細を告げると通信を切ってしまった。取り敢えずまずokakaがやるべきことは―――――――――――――

 

 

「マクロスクォーターに部屋用意するか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――ちょうどその頃クライシスの部屋―――――――――

 

 

「失礼します、団長、話というのは・・・」

 

「やぁアカツキ君」

 

「お久しぶりですねぇ」

 

「来たか支配人、では」

 

「「「君も席に付きたまえ」」」

 

支配人の目の前テーブルに付いた3人、そしてテーブルの上に広げられた多種多様なスプーン、そして何よりその中央には山盛りの炒飯、もう一つの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

おかしい、こっちばっかり出てくる

 

 


 
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