No.798422

九番目の熾天使・外伝 ~vsショッカー残党編~

竜神丸さん

もう一人のドライブ・現る大君主

2015-08-25 22:50:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4923   閲覧ユーザー数:1280

「アナザードライブじゃと…?」

 

「知らない、そんな仮面ライダー…」

 

オルタナティブとサイガの前に現れた戦士、アナザードライブ。聞き覚えの無い名前の戦士が現れた事で二人は不思議そうに眺めている中、アナザードライブはその場で呑気に準備運動をしており、そんな彼の態度にショッカーライダー達は苛立ちを募らせていた。その内、最初にバイクから蹴り落とされたSR7号が怒鳴りながらアナザードライブに殴りかかる。

 

「貴様ァ……余裕ぶっこいてんじゃねぇぞぉっ!!」

 

「遅い」

 

≪アストレイ!≫

 

「!? 何…うごわぁっ!?」

 

「な、おい…ぬご!?」

 

SR7号のパンチが当たりそうな瞬間、アナザードライブは装着しているドライブドライバーのイグニッションキーを操作し、左腕に装備しているシフトブレスを一回倒す。その直後、アナザードライブは目に見えないスピードでパンチやキックなど、SR7号に容赦の無い連続攻撃を仕掛ける。あまりの速度にSR7号は上手く反応が出来ず、アナザードライブの跳び回し蹴りで薙ぎ払われ、近くにいたSR10号が巻き添えを喰らう。

 

「ッ…おい!!」

 

「あぁ!!」

 

「はいはい、無駄無駄」

 

それを見たSR8号、SR9号は同時にその場からバイクを発進させ、左右からアナザードライブを挟み撃ちにしようとする。それでもアナザードライブは慌てず指を鳴らし、何処からか飛来して来た二つの武器―――ドア銃とゼンリンシューターを両手に装備する。

 

「!? ドア銃に、ゼンリンシューター…!」

 

「ドライブだけでなく、マッハの武器も使えるようじゃの。となるとチェイサーの武器も…」

 

「よっと」

 

「グワッ!?」

 

「ギャアッ!?」

 

「ッ……おのれぇ!!」

 

サイガとオルタナティブが冷静に観察しているのを他所に、アナザードライブはドア銃とゼンリンシューターを左右に向け、SR8号とSR9号を同時に狙撃。二人がバイクから叩き落とされた直後、体勢を立て直したSR10号は両手を突き出してフィンガーミサイルを連射するが、斧と信号機が組み合わさったような武器―――シンゴウアックスがそれを防ぎ、アナザードライブはドア銃とゼンリンシューターを放り捨ててからシンゴウアックスを両手でキャッチ。ベルトのホルダーからマックスフレアの強化版―――アナザーフレアを抜き取る。

 

「行くぞ、フレア」

 

『OK、任せて七夏!』

 

≪ヒッサツ!≫

 

アナザーフレアから少年と思われる声が聞こえた後、アナザードライブは構えていたシンゴウアックスのスロット部分に、アナザーフレアを装填。そのまま柄部分に付いているボタンを押す。

 

≪マッテローヨ!≫

 

「あぁ君、ちょっとこれ持っといて」

 

「え、ちょ…!?」

 

シンゴウアックスの赤信号にランプが付く。するとアナザードライブは、近くにいたサイガに突然シンゴウアックスをパスし、そのままショッカーライダー達に挑みかかって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ターン!≫

 

「そらよっ!!」

 

「ヌガッ!?」

 

「ウゴォ!?」

 

「キ、貴様ァ…!!」

 

更に召喚した武器―――ハンドル剣を使い、高速回転しながらショッカーライダー達を斬り裂く。ショッカーライダー達は纏めて吹っ飛ばされ、彼等が乗っていたバイクも細切れにされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪マッテローヨ!≫

 

「まさか、急に頼まれるとはの」

 

「…赤信号、長い」

 

≪マッテローヨ!≫

 

シンゴウアックスは赤信号のまま。サイガは持たされたシンゴウアックスを退屈そうに地面に立てており、オルタナティブはシンゴウアックスに刻まれている『D』の頭文字を興味深そうに眺める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そぉい!!」

 

≪GUN≫

 

「「「「グガガガガァッ!?」」」」

 

バイクを破壊され、一斉にフィンガーミサイルを放とうとするショッカーライダー達。その一斉掃射も、アナザードライブが構えたブレイクガンナーの連射で呆気なく防がれ、逆に四人の方が攻撃を喰らう始末。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪イッテイーヨ!≫

 

「お、青信号じゃ」

 

「よし、私が―――」

 

「ほい、サンキューお嬢さん!」

 

「んな!?」

 

エネルギーのチャージが完了したのか、シンゴウアックスが青信号に変わる。それを見たサイガはシンゴウアックスを構えようとしたが、その途端にアナザードライブが彼女からシンゴウアックスを奪い取り、刃先が炎に包まれたシンゴウアックスを構えてショッカーライダー達に挑みかかる。

 

≪フルスロットル!≫

 

「どぉりゃあっ!!!」

 

「「「「ギャァァァァァァァァァァァァッ!!?」」」」

 

ショッカーライダー達を一人ずつ、すれ違うたびに順番に斬り裂いて行く。そして最後は四人が一ヵ所に集まったところをシンゴウアックスで纏めて斬り裂き、ショッカーライダー達は炎に燃えながら纏めて爆散し、全滅してしまった。それを見て、アナザードライブは満足そうにシンゴウアックスを放り捨てる。

 

「いやぁ~スッキリしたぜ、と……ん?」

 

するとアナザードライブの後方から、一台のビークルが走って来た。ダークシルバーの上に赤いラインの入ったサイバーチックなデザインの自動車型ビークル―――アナザートライドロンは、アナザードライブの隣まで来たところで停止する。

 

「何だ?」

 

≪七夏、街の方にも怪物達がいるみたい! 助けてあげて!≫

 

「何、それは本当かフレア? …うし、じゃあそっちに向かうとしようか。あぁそこの二人、後は任せたよ~」

 

呆然としているサイガとオルタナティブに一声かけた後、アナザードライブはそのままアナザートライドロンに乗車してからそのまま発進させ、あっという間に街の方へと走り去ってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これまた不思議な人物じゃったのぉ」

 

「…出番、取られた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グギャオォォォォォォォン!!!」

 

「キシシシシシシシ…!!」

 

「どわっ!?」

 

「うぉ危な!?」

 

「くそ、めんどくせぇドラゴンちゃんだな…!!」

 

ショッカーキャッスルの城壁から外に出た場所では、東洋の龍らしい姿をした巨大な魔化魍オロチが、ライダー達に向かって火炎弾を連射していた。対峙していたNew電王、ウィザード、クウガの三人はその大量の火炎弾に圧倒され、上手くオロチに反撃する事が出来ないでいた。

 

-プップー!!-

 

「ん……ぬぁっと!?」

 

「うぉ危な!?」

 

『ギュルルルルルルル…!!』

 

更には、バイラス・ドーパントに憑依された感染自動車が猛スピードで突撃して来た為、New電王とウィザードは慌てて左右に移動する事で感染自動車を回避。しかし感染自動車はすぐにUターンし、再び二人に向かって体当たりを仕掛けて来る。

 

「何だ、アレも怪人か…?」

 

「ていうかアレ、喰らったらヤバそうかもよ…!!」

 

「二人共、下がれ」

 

-ドガァンッ!!-

 

『ギュルゥ…!?』

 

ウィザードとクウガが後退した直後、真横から走って来たスカルギャリーが感染自動車を弾き飛ばし、転倒させて引っ繰り返す。そのスカルギャリーに乗っていたスカルは、すぐに起き上がった感染自動車をスカルマグナムで狙撃する。

 

「気を付けろ。アレに触れると、ウイルスに侵されて即死するぞ」

 

「物騒だなオイ!?」

 

「ふむ、ウイルスか……だったら俺に任せな。超変身!!」

 

クウガが一定の構えを取った瞬間、アークルの中央部分が黒色に変化。クウガは禍々しい漆黒の戦士――クウガ・アルティメットフォーム(以下、アルティメットクウガ)への変身を完了させる。そんなアルティメットクウガに対して、起き上がった感染自動車が再び突撃を仕掛ける。

 

「無駄だ……ハァッ!!」

 

『!? ギュルゥゥゥゥゥゥッ!?』

 

アルティメットクウガが右手を翳した瞬間、感染自動車は一瞬にして燃え上がり大爆発。その影響で感染自動車に憑依していたバイラス・ドーパントは全身が燃えている状態で飛び出して来た。

 

「よし、本体が出て来た!!」

 

「俺達も助太刀しちゃうよっと!!」

 

≪チョーイイネ・シューティングストライク! サイコー!≫

 

「ギュルルッ!?」

 

New電王はマチェーテディから、ウィザードはウィザーソードガンから銃弾を放ち、バイラス・ドーパントを足止めする。そこへアルティメットクウガが勢い良く跳躍し、炎に燃える右手で拳を握り締める。

 

「おりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ギュルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!?」

 

バイラス・ドーパントが触手を突き出すも、アルティメットクウガはその触手を焼き尽くしながらバイラス・ドーパントの顔面にパンチを炸裂させる。高熱に弱いバイラス・ドーパントはアッサリ爆散し、アルティメットクウガはスカルギャリーに着地した後、すぐにマイティフォームに戻ってしまった。スカルは呆れた様子でクウガの肩を叩く。

 

「ウイルスの塊に正面から挑むとは、無茶をしたものだ…」

 

「問題ない、この程度なら慣れっこさ…っと!!」

 

直後、オロチが放った火炎弾をかわすべく、スカルとクウガを乗せたスカルギャリーは猛スピードで発進。オロチも同じ速度でスカルギャリーを追いかけ回そうとするが、スカルギャリーはオロチが吐き出す火炎弾を巧みな動きで何度も回避し、今度はスカルギャリーの方からオロチに体当たりを炸裂させる。

 

「無駄にタフなドラゴンだな…!!」

 

「だが、そろそろケリはつけられそうだ」

 

「ん?」

 

≪スキャニング・チャージ!≫

 

「セイヤー!」

 

「セイヤー!」

 

「セイヤー!」

 

「「「「「セイヤー!!」」」」」

 

「ギャォォォォォォォォォォォォンッ!?」

 

スカルギャリーを焼き尽くそうとしたオロチに向かって、オーズ・ガタキリバコンボの分身逹は一斉にガタキリバキックを発動。オロチの頭部から胴体、尻尾にまでキックが炸裂し、オロチを大きく怯ませる事に成功する。

 

「うにゅ! 私に任せてー!」

 

すると五十体いるガタキリバの内、八人の分身逹がそれぞれコアメダルを三枚ずつ用意。そのコアメダルをオーズドライバーに装填した後、八人は同時にオースキャナーをスキャンさせた。

 

 

 

 

 

 

≪クワガタ! カマキリ! バッタ! ガータガタガタキリッバ・ガタキリバ!≫

 

緑の昆虫系コンボ、ガタキリバコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪ライオン! トラ! チーター! ラタ・ラタ・ラトラーター!≫

 

黄色の猫系コンボ、ラトラーターコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪サイ! ゴリラ! ゾウ! サゴーゾ・サゴーゾッ!≫

 

白の重量系コンボ、サゴーゾコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪シャチ! ウナギ! タコ! シャシャシャウタ・シャシャシャウタッ!≫

 

青の水棲系コンボ、シャウタコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪タカ! クジャク! コンドル! タージャードルー!≫

 

赤の鳥系コンボ、タジャドルコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪プテラ! トリケラ! ティラノ! プットッティラーノザウルース!≫

 

紫の恐竜系コンボ、プトティラコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪コブラ! カメ! ワニ! ブラカーワニッ!≫

 

橙色の爬虫類系コンボ、ブラカワニコンボ…

 

 

 

 

 

 

≪タカ! トラ! バッタ! タットッバ・タトバ・タットッバ!≫

 

そして赤、黄色、緑の三色によるタトバコンボ…

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「やー!!」」」」」」」」

 

八種類のコンボ形態を同時に発動したオーズは、一斉に必殺技を発動する。

 

≪スキャニング・チャージ!≫

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♪」

 

「ガゥッ!」

 

サゴーゾは両手でドラミングしながら衝撃波を放ち、オロチの動きが一時的に制止。そこにプトティラが冷気を繰り出し、オロチの尻尾と手足を凍らせて動けなくさせる。

 

「ハァー!」

 

「トリャー!」

 

「グゥ!?」

 

動けなくなったオロチの胴体に、ブラカワニのスライディングキックが炸裂。ラトラーターにはその鋭い爪で顔面を斬りつけられ、怒り狂ったオロチはそこら中に火炎弾を乱射するだけでなく、長い尻尾を振り回してあちこちの木々を薙ぎ倒し始める。

 

「その無駄に長い尻尾、斬り落とさせて貰う!!」

 

≪Full Charge≫

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ギャオォンッ!?」

 

そんなオロチの尻尾を、New電王がフリーエネルギーの充填されたマチェーテディで真っ二つに切断。オロチは激痛のあまり更に高く吼え上がる。

 

「おっと、俺達を忘れて貰っちゃ困るぜ…!!」

 

≪チョーイイネ・スペシャル! サイコー!≫

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「とぉっ!!!」

 

ウィザード・フレイムドラゴンも加勢し、胸部のドラゴスカルから火炎放射を繰り出しオロチの胴体を全体に渡って焼き焦がす。更にはスカルギャリーから跳躍したクウガとスカルも、ダブルキックを発動してオロチの胴体を貫いていく。

 

「セイヤー!」

 

「セイヤー!」

 

「セイヤー!」

 

「セイヤァーーーーーーーーッ!!」

 

「ギャォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!??」

 

タジャドルのプロミネンスドロップ、シャウタのオクトバニッシュ、ガタキリバのガタキリバキック、そしてタトバのタトバキック。ラストはこの四大コンボのライダーキックが炸裂し、耐え切れなかったオロチは大爆発を引き起こし、跡形も無く消滅してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪EVOLUTION KING≫

 

≪EVOLUTION≫

 

「ウェイ!!」

 

「ウォォォォォォォォォォォッ!!」

 

城壁の内部、毒沼エリア。ブレイドは再びキングフォームに、カリスは再びワイルドカリスに強化変身し、周囲にいるダークローチ軍団を相手取っていた。しかしダークローチは一体一体がそこまで強い訳ではなく、ましてや最強形態となった二人を前に、ダークローチの集団如きが勝てる道理など無い。二人は向かって来るダークローチをそれぞれの武器で片っ端から薙ぎ倒していく。

 

「剣崎、お前はウル達の所に向かえ!!」

 

「始!! でも…」

 

「俺は一人で大丈夫だ……お前は自分がやるべき事をやれ!!」

 

「…あぁ、分かったよ始!!」

 

ワイルドカリスに後押しされ、ブレイドは飛びかかって来たダークローチを殴り倒した後、ジャガーマッハの能力でオーライナー方面へと走り出す。一人残ったワイルドカリスは、向かって来るダークローチをカリスアローでひたすら斬り裂いていくが、そんな彼の背後から一体のサメヤミーが襲い掛かる。

 

≪ピーチエナジー!≫

 

「ギャァァァァァァァァッ!?」

 

「…!」

 

そのサメヤミーも、一本の矢が容赦なく撃ち貫いた。ワイルドカリスの傍には、サメヤミーを狙撃した張本人であるマリカが大きく跳躍してから着地し、更に複数の黒影トルーパーが援護しに駆けつける。

 

「サポート致します、始様」

 

「…剣崎には一人で大丈夫だと言ったばかりだが、まぁ良い。一気に潰すぞ」

 

「了解。トルーパー部隊、一斉掃射」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

マリカの指示と共に、黒影トルーパー逹は一斉に銃器を乱射。周囲のダークローチを殲滅しにかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪アタックライド・ソードブリンガー!≫

 

≪一・十・百・千・万……オレンジチャージ!≫

 

「「ゼァアッ!!!」」

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」」」」

 

ダークディケイドは召喚したソードブリンガーという長剣を、鎧武・闇は無双セイバーを同時に振るって巨大な斬撃を放ち、他のダークライダーと戦闘中だったライダー達を纏めて吹き飛ばした。メイジやヒート、ウォーロックなどが地面を転がる中、王騎は前転してすぐに体勢を立て直す。

 

「くそ、やっぱりあの二人が一番面倒だな…」

 

その時…

 

『待たせたな、皆の者……フッ!』

 

「え……のわっ!?」

 

≪Wing Form≫

 

『レイ!?』

 

突如、真後ろから光球の状態で飛来してきたジークが王騎に憑依。キャバリーフォームのオーラアーマーが一瞬の内に消滅し、王騎のボディには新たに白いオーラアーマーと、白鳥の翼を模した電仮面が装着され、王騎・ウイングフォーム(以下、王騎WF)へのフォームチェンジが完了される。スヴォルの形態から元の姿に戻ったジンバは思わず唖然としてしまう。

 

「降臨、満を持して…」

 

≪な、俺がウイングフォームに…!?≫

 

『おい、何をするジーク!? レイから離れろ!!』

 

「む、何を言うか! 今のこの状況こそ、私が一番に活躍する時であろう! 混沌故に、私にはあまり似つかわしくない戦いになりそうだがな」

 

≪じゃあ出て来んなよ!? お前いつもそうだな!!≫

 

「まぁとにかく、ここは私に任せたまえ……さぁ家臣共。遠慮なく戦うのだ!」

 

『誰が家臣だ!!』

 

ジンバがそんな突っ込みを入れる中、ネガ電王が王騎WFに向かってネガデンガッシャーを振り下ろす。しかし王騎WFは右斜めに身を反らすだけでそれをかわし、逆にネガ電王の顔面に裏拳を炸裂させ、瞬時に連結したナイトガッシャー・ハンドアックス&ブーメランモードの二刀流で斬りつける。

 

「グハァ!?」

 

「ほら、私の言った通りであろう?」

 

『何がその通りなんだ!?』

 

≪本当だよ全く…≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪Clock Up≫

 

「な、消えた……うわ!?」

 

「キャアッ!?」

 

「く、だったらこっちも…!!」

 

一方で、ダークカブトはクロックアップを発動し、冠、メイジ、ウォーロックの四人を目に見えない速度で圧倒。ウォーロックも高速移動を発動しようとしたが、その必要は無かった。

 

「…クロックアップ」

 

≪Clock Up≫

 

近くでダークキバを蹴り倒していたキックホッパーが、同じようにクロックアップを発動。クロックアップの時間内で、ダークカブトと交戦し始めたからだ。数秒間に渡って二人の打撃がぶつかり、あちこちの地面や城壁が破壊され瓦礫や土煙が宙を舞う。

 

≪Clock Over≫

 

「グゥ…!?」

 

結果、打ち勝ったのはキックホッパーだった。地面を転がったダークカブトが立ち上がり、再びクロックアップを発動するべくベルトに触れようとしたが、そうはいかなかった。

 

「させない…!!」

 

≪シルバースカッシュ!≫

 

「な……ヌ、グゥゥゥゥゥ…!!」

 

戦極ドライバーのカッティングブレードを一回倒し、冠は蒼銀杖から青い球体を生成。それが放たれると同時に青い球体はどんどん大きくなり、ダークカブトを包み込んで拘束するぐらいにまで肥大化した。

 

「ウル、今だ!!」

 

「ありがとうラピス!! えっと……矢車さん、でしたっけ? 一緒に行きましょう!!」

 

≪イエス・スペシャル! アンダースタン?≫

 

「眩しいな、お前……ライダージャンプ」

 

≪Rider Jump≫

 

ウォーロックが翼を生やして飛翔するのを見て、キックホッパーは項垂れつつもホッパーゼクターを操作。タキオン粒子が両足に集中し、キックホッパーはその場から大きく跳躍する。

 

「ライダーキック…!!」

 

≪Rider Kick≫

 

「ぜりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

≪ドリル・ナウ≫

 

「グ、ウワァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

青い球体に拘束されたまま動けないダークカブト。そこにウォーロックがドリルのように回転しながら体当たりを炸裂させ、それに続く形でキックホッパーの左足を使ったライダーキックが炸裂。所詮は魔力が集まって出来た傀儡でしかないダークカブトはあえなく爆散、粒子化して消滅するのだった。

 

「やった、これでまず一人を撃破…!!」

 

「フンッ!!」

 

「な…がぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ウル!!」

 

翼の消えたウォーロックが着地するのを見計らい、ダークキバは巨大な紋章結界を放ち、ウォーロックをその中に拘束。とてつもない電流がウォーロックを襲ったが…

 

-ズドォンッ!!-

 

「グ…!?」

 

「私達の事を忘れないで貰いたいですね」

 

「本当、忘れないで貰いたい」

 

高台に登っていた刃が、ハーディスを使ってダークキバを狙撃。ウォーロックを拘束していた紋章結界が消えたのを確認し、刃はロストドライバー……否、メモリスロットが二つ取りつけられた“ダブルドライバー”を装着。すると刃の右隣に立っていた恋の腰にも、同じダブルドライバーが出現する。そこから刃は『J』と描かれた黒いジョーカーメモリを右手に、恋は『C』と描かれた緑のサイクロンメモリを左手に持つ。

 

「行きますよ、恋」

 

「うん……にぃにと一緒、ゾクゾクする」

 

≪サイクロン!≫

 

≪ジョーカー!≫

 

「「―――変身!!」」

 

恋はサイクロンメモリを、自分が装着しているダブルドライバーの右スロットに装填。するとサイクロンメモリは刃が装着しているダブルドライバーの右スロットに転送され、恋は目を閉じたままその場に倒れ伏す。

 

「彼女の身柄は、私にお任せを」

 

倒れた恋の身体は、一人の黒影トルーパーが抱えて行く。その間に刃は、転送されたサイクロンメモリを右スロットに深く挿し込んだ後、自分が持っていたジョーカーメモリを左スロットに装填。そのまま両方のスロットを同時に倒す。

 

≪サイクロン! ジョーカー!≫

 

すると刃の周囲を風が吹き荒れ、彼を仮面ライダーの姿へと変える。

 

緑色の右半身に、黒の左半身。

 

二つの赤い複眼に、『W』の文字を模した額のアンテナ。

 

右半身のうなじ部分から伸び、風に靡くマフラー。

 

『「―――さぁ、お前の罪を数えろ」』

 

疾風の切り札―――仮面ライダーダブル・サイクロンジョーカーは、ダークライダー逹を左手で指差しながらそう言い放ち、高台から飛び降りてダークキバを連続で蹴りつけ、回し蹴りを炸裂させて壁に叩きつける。

 

「アンタ逹、ダブルにも変身出来たのね」

 

「えぇ。しかしヒートメモリを持ち合わせていないので、予備を貸してくれるとありがたいです、ハルカさん」

 

「…まぁ良いわ。あなたにロストドライバーを貸して貰ってる訳だしね」

 

「ありがとうございます」

 

『にぃに、他の女と話さないで』

 

「え、こんな些細な頼み事も駄目なんですか?」

 

≪ヒート!≫

 

≪メタル!≫

 

ヒートから予備のヒートメモリを貸して貰うダブル。彼(と彼女)はダブルドライバーに装填していたメモリを二本同時に抜き取り、借りたヒートメモリと『M』と描かれた銀色のメタルメモリを装填する。

 

≪ヒート! メタル!≫

 

「さぁ、一気に叩きましょう」

 

「その方が、私にとっても良いわね」

 

「さぁ、次はお前だ!!」

 

「フン…!!」

 

熱き闘士―――ヒートメタルとなったダブルは、左右にそれぞれ並び立っているウォーロック達と共に、ザンバットソードを構えたダークキバへと挑みかかっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、追い詰められかけている人物も約一名…

 

 

 

 

 

 

≪レモンエナジー!≫

 

「デヤァ!!」

 

「ぐ……くそっ!!」

 

≪GUARD VENT≫

 

「フ…!!」

 

ダークディケイド、リュウガ、鎧武・闇の連携攻撃を前に、少しずつ追い詰められ始めていたバロン。鎧武・闇が放つソニックボレーを何とか回避し、同じようにソニックボレーを放つバロンだったが、放った一撃はリュウガの構えたドラグシールドで防がれてしまう。

 

(くそ、まだかPD!? 流石にもうバロンだけじゃ限界だぞ…!!)

 

攻撃を捌き続けていた事で疲労が溜まってきていた為か、バロンは自分でも気付かない内に動きが段々鈍くなっていっていた。その所為で、ダークディケイドが放とうとしていた一撃に対し、反応が遅れてしまった。

 

≪ファイナルアタックライド…≫

 

「!? しま…」

 

「ハァッ!!」

 

≪ディディディディケイド!≫

 

「く…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

ダークディケイドが繰り出したディメンションスラッシュの一撃で、バロンの仮面の左半分が破損。そのままダークディケイドは二回、三回とバロンの装甲を斬りつけ、ダメージが溜まり過ぎたバロンは変身が解けてokakaの姿に戻り、地面を大きく転がされる。最初の一撃目を受けた所為か、okakaの左目に出来た一本傷からは血が流れていた。

 

「ぐ、ぅ……ちょっと、マズいかもな…!」

 

「ハァァァァァァァ…」

 

左目を押さえながら立ち上がろうとするokakaに、ドラグセイバーを構えたリュウガが歩み寄っていく。そしてokakaの首を刎ねるべく、ドラグセイバーを振り上げたその時…

 

 

 

 

 

 

-キィィィィィィィィン…-

 

 

 

 

 

 

「…?」

 

聞こえていた音に、リュウガは思わず空を見上げる。次の瞬間…

 

「ッ……ガァア!?」

 

「「!?」」

 

「…!」

 

遥か上空から、黄金に輝く巨大なエネルギーが落下。それはリュウガを大きく突き飛ばし、okakaの目の前に降り立ったまま制止する。その黄金の輝きに、okakaは心当たりがあった。

 

「…お前がここに来るとはな」

 

okakaがニヤリと笑みを浮かべる中、黄金の輝きは少しずつ消えて行き、その中からある一人の“存在”が姿を現した。その存在とは、銀色の鎧に白いマントを纏った、金髪の若い青年だった。

 

「…久しぶりだな、一城」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――お前もな、紘汰!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現れた存在―――“葛葉紘汰”は笑みを浮かべ、マントを靡かせながら宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここからは、俺のステージだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…

 


 
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