No.761487

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第二十五話

ZSANさん

襄陽攻略戦②

2015-03-01 14:55:38 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2946   閲覧ユーザー数:2556

~桃香視点~

「報告します

 呉が荊州に侵攻を始めました

 既に江夏と長沙が落とされ、敵は襄陽に向かっているようです」

その報告を聞いて、傍にいる朱里ちゃんに訪ねる

「朱里ちゃん

 愛紗ちゃんと雛里ちゃん、大丈夫かな?」

「籠城に徹すれば大丈夫だと思います

 今回の益州攻略の間に、呉が侵攻してくる可能性は充分に有りました

 しかし江夏、長沙の2つに十分な兵力を配置する余裕は益州攻略中の我等には有りません

 それならば堅城であり、重要拠点である襄陽に兵力を集中させるべきです

 そうでなければ各個撃破されるだけです

 籠城に徹しなければならないのは、他に手だてが有りません

 補給線を断とうとしても、江夏側と長沙側の補給線が有った場合には我等が単に戦力を分散しただけになります

 同時に複数の拠点からの補給線を断ち続けるのは、実質不可能です

 益州からの援軍を出すにも、いつ攻めて来るか分からない以上無理です

 益州攻略を断念すれば可能ですが、それなら始めからしない方が確実です

 しかし呉も5万の兵が籠城した襄陽を落せる程の戦力は有していないはずです

 実際、今から襄陽に向かっても到着する頃には大勢は決しているでしょう

 呉が撤退を考えるか、襄陽が落とされているか・・・

 って、益州攻略を始める前に桃香様に説明した筈ですが?」

「ごめんなさい」

「兎に角、今は愛紗さん達を信じて、益州のまだ落としていない城、特に成都の攻略を急ぎましょう

 そうすれば、長沙と江夏を同時に守り切る兵力を得る事が出来ます」

「うん、急いで攻略しよう」

愛紗ちゃんと雛里ちゃんに荊州の全てを託して、益州を一刻も早く攻略する

これが、私の出来る最善だから

~一刀視点~

「出て来たな あの見え透いた挑発が効いたのかな?

 だとしたら既視感を覚えるな

 味方に居たからな あんな感じの人物が

 故人を悪く言っちゃいけないか」

(私は、傍から見るとあんな感じだったのか)

ん?誰か何か言ったか?

 

「む、何だと どういう事だ?」

関羽が驚いている

彼方は伏兵で此方の軍が混乱したと思っていたのだろうが実際は違う

慌ただしく陣形を変えただけだ

挑発で冷静な判断が鈍っていた、伏兵の攻撃で混乱したと思い込んでいた

だから、此方が陣形を変えたのを混乱したと勘違いした

この「鶴翼の陣」に

 

後方では敵の伏兵部隊が此方の”後方警戒”を厳命した部隊に受け止められていた

更に敵の後方から、此方の別働隊が伏兵として攻撃を始めた

敵の伏兵にして見れば、話しが違うと言いたいだろう

我等を後方から攻撃して混乱させるはずが、警戒していた部隊に受け止められ、後方から攻撃される

たまった物では無い

 

「鶴翼の陣」の中央は粋怜さんとその後方に孫権

本来数に勝る陣営が行う陣だが、今回はほぼ同数

しかし相手の心理状態などを考えれば、包囲殲滅も可能と軍師2人が判断した

 

「くそっ、城に撤退しろ!」

関羽が此方が整然と待ち受けていたのを見て、撤退を指示する

判断は早いが、既に手遅れだ

 

~静里視点~

「はわわ、何で城門を閉じるんですか?

 誰がそんな命令を出したんですか?」

とか雛里は言ってるでしょうね

既に城門は閉じ始めて、敵は戻れなくなっている

襄陽の正面門は手動の開閉装置で、吊り橋(?)を門としている

その開閉装置を、昨夜のうちに城内に潜入していた明命さん率いる少数の隠密部隊が制圧して門を閉じた

これで城外に出て来た部隊は城内に逃げられない

雛里、貴女は呉軍の隠密部隊の事を知らなかったの?

それとも、過小評価していたの?

~鞘華視点~

私は敵の伏兵を後方から攻撃する伏兵の部隊を指揮していた

軍議では

「新参者の私でいいの?」

と言ったが

「一刀(さん)が最も信頼する人物なら問題無い(です)

 それに真名も預けただろう(ました)」

と言われた

真名の重要性を忘れていたのも問題だが、一君の信頼度も忘れていた

信頼されたら、応えないとね

 

敵の部隊は混乱していた

此方を混乱させるはずが、自分達が混乱してどうするのよ

”後方警戒”部隊と私の指揮する伏兵部隊の総数は5千

敵の伏兵と同数だ

だが、彼方は混乱の極みで陣形どころか戦意さえも喪失しかけている

まともに戦えば兵の質に大差は無いのに

 

「ええい、落ち着け

 落ち着いて対処すれば問題無い」

下手な檄を飛ばしている人物を発見

彼がこの部隊の指揮官かな

「私の名は北郷鞘華

 貴男がこの部隊の指揮官?」

「何?貴様が『天の御遣い』か

 我が名は麋竺 貴様を倒してこの戦況を覆して見せる」

向かって来た麋竺の剣を避ける

心意気は立派だが・・・

隙を見せた麋竺の首を斬り、討ち取った

指揮官を失った敵の部隊は総崩れとなった

 

「逃げる者は深追いするな

 直ぐに我等は前衛の援護に向かうぞ」

戦はまだ続いている

急いで援護に行かないと

~あとがき~

 

最初の朱里の説明は前話のコメントで指摘された回答です

前話で書いておくべきことでした

自分の頭の中で整合できたので、説明を書き忘れるという馬鹿な事をしました

申し訳ありません

後、愛紗は理を解けば受け入れる度量はある筈との指摘もありましたが、一刀の話限定では?

蜀ルートで桃香が「ご主人様の指示”だけ”は素直に聞く」と言ってた気がします

ついでに、蜀陣営で戦を止めたがるのは桃香で、周りは好戦的ですよね

 

一刀が聞いた”私は、傍から見ると・・・”の謎の声(?)ですが、これは何の伏線でもありません

単に書いただけで、本編には何も影響は有りません

 

襄陽攻略戦の決着は次回に持ち越しです

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  


 
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