No.761098

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第二十三話

ZSANさん

荊州攻略戦が始まる

2015-02-27 20:09:36 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2758   閲覧ユーザー数:2421

 

~一刀視点~

建業を出立してから、特に問題なく進軍していた

時折、明命の隠密部隊から情報が届けられるが特に何も無い

「こうなると、本当に長沙攻略は直ぐに終わらせそうだな」

「劉備も重要視してないんでしょう?

 益州を平定してから取り返せばいい みたいに」

「確かに襄陽を落とさなければ、益州に我等が侵攻する事は出来ません

 無理にすれば、襄陽の戦力で兵站を断たれてお終いです」

俺が鞘姉や静里と意見交換しているが、明命が何も言わない

俺は気になって

「明命はどう思う?」

と話を振ってみる

「いえ、私は智に自信が有りませんので

 一刀さん達の意見に従います」

気持ち良いほど、はきはきと答える 更に続けて

「私が良い意見など出せる訳が有りません

 だから、私の意思など無視して下さって構いません」

この言葉に俺は、黙っていられなくなった

「それは違うよ、明命

 どんな智が有っても見落とす可能性はある

 指示や命令に忠実なのは将兵としては美徳だが、考える事を放棄しては駄目だ

 明命の意見が俺達の見落としを補佐してくれるかもしれない

 だから、意見が有ったら遠慮なく言ってくれ」

語気を荒げずに、諭すように告げる

「そんな風に言われたのは始めてです

 ただ命令をこなす事だけを考えていたので・・・」

「無理する必要は無いよ

 少なくとも此処では、いくらでも意見を言ってくれ」

「はい!」

明命は嬉しそうに答えた

 

「明命も落ちたかな」

「多分、落ちましたね」

「意識しないで、素であれだから性質が悪いわよね」

「無意識に口説いてるような物ですからね」

鞘姉と静里が何か言ってるが、よく聞こえないので無視しよう

その方が良いような予感がするし

~鞘華視点~

長沙に到着すると、その日のうちに入城できた

いや、その日のうちに、どころか来て直ぐに だった

残っていた人から聞くと、無血開城するようにと指示が来ていたらしい

本当に長沙を守る気は無かったのね

まあ、戦力的に苦しいから、無理に民を戦火に晒さない と云うのであれば正解かな

関羽がどう思っているかは分からないけど

長沙に入城して、3日過ぎた

総大将が蓮華なので私達は指示を待っていた

江夏から伝令がやって来て、5日後に江夏と長沙の中間点で合流するようにとの命令だった

 

翌々日、私達は最低限の守備兵を残して、長沙を出立した

伝令が来てから5日後、蓮華の第一軍と合流した

「其方の報告を聞こう」

蓮華の言葉は形式的な物だ

実際は長沙を無血開城で落とした事は伝令で報告してある

兵糧、兵数等も出立した時には既に伝令を送ってあるので、報告する事など無いに等しい

しかし、形式が必要なような様なので、一君が報告をする

「ご苦労だった 今日は此処で野営する」

 

夜、陣の中をうろついていると蓮華が居た

何かをじっと見ている

その視線の先は・・・一君だった

一君は粋怜さんや氷雨と話をしていた

「第一軍の人達と軍議について、話してくるよ」

襄陽は無策で落とせないから、一度本格的な軍議は必要だ

その事を粋怜さん達から蓮華に進言してもらうつもり そう言っていた

ついでに

「俺は孫権に信頼されていない様だから、俺が言う訳にもいかないしね」

そうも言っていた

一君がそう言った時の表情が少し寂しそうな感じだったので、私は意を決した

「蓮華、話しが有るんだけど」

「さっ、鞘華か」

突然声を掛けられた所為か、蓮華はかなり驚いていた

「此処じゃなんだから、少し場所を移そう

 思春も一緒に来ていいよ」

思春が居ると思われる方に声を掛けた

 

陣の外れの辺りに来てから

「訊きたい事は、一君に対しての事

 蓮華は何故、一君を認めて無いの?

 武では雪蓮や粋怜さん達と互角以上

 智でも冥琳達も驚くほどの知識を持っている

 まあ、私達が元居たの世界の応用なんだけどね

 人柄もいろんな人に好かれるように、悪くない

 でも、蓮華は認めていない 一体何故?」

私の問いに、蓮華は気まずそうな表情をしていた

「本音を言うと、とっくに認めている

 しかし、どうしても割り切れない事が有るんだ

 それは姉様の発案した”『天の御遣い』の血を孫呉に入れる”ことだ」

? どうも理解できない

「それはつまり、私とも子を造ると云う事だ

 だが、それは他の家臣とも・・と云う事だ

 それがどうしても割り切れないんだ」

あ~、そういう事

一言で言うなら、単なる嫉妬ね

自分と肌を重ねた男が他の女とも・・そう考えるとどうしても我慢できないのね

まあ、私も似たような者だけどね

「分かったわ

 でも、これだけはお願い 一君へきつく当たらないで

 一君は結構、気にしてるのよ 貴女に信頼されていないって」

「一刀がそんな風に・・・」

「うん、それと貴女が割り切るなら早い方が良いわよ

 一君を狙ってる女は多いからね」

その筆頭は私なんだけどね

「何故、そんな助言を私にする?

 私が一刀に接近したら、鞘華は面白くないだろう」

「確かに恋敵を焚き付けるのは何だけど

 でも、恋の相手や、仲間が悩んでるのを見たくないからね」

 

次の日から蓮華の一君に対する態度が少し柔らかくなった様な気がする

まだ、ぎこちないけど

 

3日後、私達は襄陽が見える位置に来た

~あとがき~

 

前回のあとがきで本格的な戦闘が始まるみたいな事を書いていながら全然書いていません

長沙は無血開城ですし

明命や蓮華の心情を書いていたら長々となってしまいました

予定では、襄陽攻略戦の前半を書けるかな~と思っていたので

申し訳ありませんでした

 

次回、襄陽攻略戦が始まります

これは、違えません

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 


 
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