No.758253

艦隊 真・恋姫無双 32話目

いたさん

次回……頑張ります。 2/14 イチイチゴーニイ おまけの話を追加しました。

2015-02-14 00:39:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1586   閲覧ユーザー数:1411

【 罰の後 の件 】

 

〖 益州 漢中鎮守府 にて 〗

 

あれから……5時間以上経って……ようやく解放される。

 

『……………………………』

 

于吉の罰を受けて、互いに辛苦を味わった結果、この絆が生まれたのか? 

 

それとも、再度……于吉の刑罰を受けたく無い為か?

 

……4人は涙を流しながら……『私達は仲良し!!』と握手を交えていた。 

 

その後、于吉は些か残念そうな顔で4人を眺め、貂蝉は笑いながら食事を持って現れる。 その調理は、貂蝉自ら腕を振るった物であり、味は保証付き。

 

少々辛みが強い四川料理を……所狭しとテーブルに並べていく。 

 

左慈は『丁度……座布団が目に入った。 必要なら使え!』と椅子に置く。

 

卑弥呼も『船渠に入る必要があれば……何時でも云うがいい! だぁりんと妖精達が気が合うので、多少の無理が利くのだ! ふ、ふんッ! べ、別に……寂しくなど……無いからな!』と、気を利かせる。

 

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

ちなみに……貂蝉の服装は元通り。 

 

島風が嫌がった事もあるが……この物語を、島風の衣装と云うか艤装を付けて、貂蝉が快進撃すると云う無双物語にするつもりは無い。 

 

ただ……島風を……こよなく愛する提督諸氏に、申し訳が立たないからでもある。 しかし……もしかすると……他の艦娘を愛する提督を、敵に回す事態は……あるかも知れないが。

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

 

貂蝉「五人共ぉお疲れ様ぁああん? 食事の準備は出来てるわよぉん? それともぉ~お風呂ぉ? もしかしてぇ~わた『絶対にありませんッ!!!』もぉう~冗談よぉ! 冷める前にぃ~早くぅ食べて、食べてぇ~!」

 

貂蝉は、于吉を含む五人を誘い……飲み物を用意する。 

 

貂蝉「椰子の実を手に入れたから……あらぁ~? 上部が切るのを忘れていたわぁん!? もう~私ったらぁ、エヘッ!」

 

テーブルへ……貂蝉の拳大(赤ちゃんの頭程)の『椰子の実』を五つ置く。

 

本当は、椰子の実の先端を切り、ストローで呑むやり方があるのだが、貂蝉が慌てて切り落としたらしい。

 

貂蝉「私ぃたら慌てん坊だからぁ! 仕方ないわねぇ……こんな事に使う物じゃないけど……。 でもぉ、平和的でいいかもぉ。 外史超人プロレス技………!」

 

貂蝉の目が光り、手刀が赤く輝き………目標に向かい動いた!

 

貂蝉『ベルリンの赤い雨ぇえええ───ッ!!!』

 

そして……テーブルに並べ立てた固い椰子の実、五つの先端部分を……纏めて手刀で吹き飛ばす! 

 

────────ッ!

 

『…………………!?!?』

 

貂蝉「はぁあい! どうぞ~ぉ!?」

 

唖然として見つめる艦娘を尻目に……ストローを差し込んで手渡した。 

 

ーーー

 

卑弥呼「………貂蝉? うぬは幾つ技を使えるのだ?」

 

貂蝉「外史暗殺拳奥義『水影心』……私ぃと戦った相手の技を、分身として使えるのよぉん。 色々と便利なをだからぁあ?」

 

ーーー

 

管理者達は……貂蝉なら当然か……と言わんばかりに、淡々と己の役割に戻るが、艦娘達は……震えが止まらなかったと云う。

 

そんな、とんでもない1日だった。

 

 

◆◇◆

 

【 米艦娘の悩み の件 】

 

〖 益州 漢中鎮守府 にて 〗

 

 

あれから……3日後。

 

加賀「あっ! 赤城さんッ! 少し尋ねたいのですが!?」

 

赤城「良いですよ? 私で分かる事なら!」

 

加賀「───エンタープライズを……見かけませんでしたか?」

 

赤城「今日は……見てないですね~?」

 

加賀「くうぅ! ……エンタープライズは、何処に行ったのでしょう!? 幾ら新参者と云えども、武勲艦として一目置かれていた艦! そのような栄えある者にサボられるのは、鎮守府の油断を敵に悟られる要因となります!!」

 

赤城「確かに! 全くその通りですねッ! ───サボるのなら、私に一声かけてくれても………」

 

加賀「………一声かける……とは? 赤城さんも……付いて行くとでも?」

 

赤城「ち、ちちち、違いますよッ! 私が一航戦の誇りに懸けて、怠けないように言い聞かせるつもりだったんですッ!! わ、私が怠けていたら……示しが付かないじゃないですか?」

 

加賀「………それなら結構。 それと、赤城さんは気付いていますか?」

 

赤城「……気付くって?」

 

加賀「エンタープライズは……一刀提督に不振を抱いています。 私達が、あまりに盲目的に従うのを、疑問を持っているようなんです。 だから……提督と私達は……男女関係があるのでは? 提督は、無類の女誑しでないかと?」

 

赤城「────!? それが事実なら、私達も凄く嬉しいけど……あの鈍感で奥手の提督が……そんな事できるわけ無いじゃありませんかッ!!」

 

加賀「そうですッ! そのため……私が小一時間きっちりと、提督の人柄の良さ、素晴らしさを教え、誤解を解こうとしたのですが……!! 時間を作ったのに……残念ですッ!!!」

 

赤城「加賀さんの説教は……いえ! 何でもありませんッ!! でも、こうなったら……仕方がありません! 数日前から相談した事………実行させましょう!! そうすれば、誤解も解けるんじゃないんですかね!?」

 

加賀「嫌な予感がしますが……本人の希望次第ですよ」

 

 

★☆☆

 

 

エンタープライズは、漢中鎮守府の少し離れた空き地で、腰を落として足を投げ出し、日向ぼっこを楽しんでいた。

 

エンタープライズ「はぁ~! 疲れたぁ~! ………武勲艦のアタシに、書類処理を任せられるなんて……考えもしなかったわよ……」

 

エンタープライズは、嘆息を漏らしつつ……自分の膝に頭を乗せて眠る女性を、優しく見守る。 そこには、アリゾナが頭を預け、静かな寝息を立てながら、気持ち良さげに寝ている。

 

ーーーーー

 

ちなみに、この異国の艦娘、四人中……一番年上はアリゾナ(進水 1915年)であり……スチュワート(1920年)、サラ(1925年)、エンタープライズ(1936年)と続く事になる───のだが。

 

妹分にあたる艦の方が……しっかりしている。 いや、寧ろ正しいのか? 

 

他の艦を見れば……天龍型、暁型、阿賀野型と枚挙に遑がない。(いとまがない) ………どうした事なのだろうか?

 

ーーーーー

 

アリゾナ「…………ムニャ~、ムニャムニャ~~~」

 

エンタープライズ「でも……アリゾナが……幸せそうで良かったわ……」

 

エンタープライズは、ユックリとアリゾナの頭を撫でて、周りを確認する。

 

ーーーーー

 

今まで、青い雄大な大海しか見たこと無かったのに、高い山々に囲まれ地形。

 

浜辺で良く見た植物とは、全く違う植物の群生。 

 

艦の時は、普通に見聞していた英語での会話、色々なワッペン等を付けた軍服、あの陽気で明るい人々も……此処には居ない。

 

変わりに無口で静かだが、働き者で……此方に笑顔で応えてくれる現地の民達が、今日もせっせと畑仕事に従事する姿が───遠くから見える。

 

『───!?』

 

ふと気付くと……暖かい風が……エンタープライズの頬を一撫でながら、通り抜けた。 自分が空気と一緒に味わった、よく知る潮風の香りは……一切何もしなかった。

 

この世界は、自分の体験した事が無い世界だと……否応なしに頭へ理解させるのだった。

 

ーーーーー

 

エンタープライズ「てっきり、アイツ等とやり合う事になるかと、覚悟していたのに。 空母『加賀』『赤城』……あの戦で……無敵を誇った島国の怪物達。 先人達の掛け替えの無い犠牲で、やっと打ち勝つ事が出来た相手……」

 

アリゾナの頭を、再度……優しく撫でる。

 

エンタープライズ「それが……こんな変な世界で、仲間となり武器を並べるなんて、タチの悪いジョークよ! しかも、アリゾナ、サラ、スチュワートまで参加するなんて! メチャクチャもいいところ───ッ!!」

 

そう叫んだ後、自分の下にアリゾナが寝ている事を思い出し、慌てて膝を覗き込めば……ニコニコ笑いながら……寝ていた。

 

エンタープライズ「ふぅ……良かったぁ。 ……でも、心の片隅で『もし一緒戦えれば……』と思っていたのも事実。 そんな凄い仲間と一緒に、腕を振るえるのは武勲艦の誉れ! アッチに帰れたら……皆に自慢ができるわね!」 

 

エンタープライズは、目を輝かせて呟いた後、少し感情が落ち込み、一番の懸念材料を吐露しつつ考えた。

 

エンタープライズ「後、問題は……この艦隊を率いる提督! あの武人肌の加賀、頼りになる赤城や他の艦娘達の多くが慕う『北郷一刀』提督が、どのような指揮官なのかしら!?」 

 

如何に優れた艦隊が居ても、それを指揮する指揮官が、しっかりした人物ではなければ……轟沈の可能性がある。 例えば、優れた材料が揃っても、比叡にカレーを調理させる物。 一説には、金剛の英国料理も………と?

 

エンタープライズ「───果たして、私達……異国の艦娘を受け入れる度量があるのか? 提督としての手腕、才覚は? ………確かめないと……!!」

 

そう云って……空を見上げる!

 

エンタープライズ「………願うんなら……『トミザイ』のような男だったら……いいんだけど……!」

 

 

──タッタッタッタッ! 

 

 

『おぉ───い! ビッグ E!』

 

 

そんな考え事をしている時に……耳に入る自分を呼ぶ声! 

 

慌てて我に返り、その方向を見れば……一人の少女が駆け寄ってきた!

 

スチュワート「あぁ───いたいたぁ!! 『ビッグ E』──ウグゥ!?」 

 

熟睡している少女を起こしては可哀想だと……慌てて口を塞ぐエンタープライズ(『ビッグ E』は、エンタープライズの愛称 以後『ビッグ E』で表記)、そして、急に口を塞がれ驚くスチュワート!

 

ビッグ E「少し……声を控えて下さい! アリゾナが昼寝してるのですから。 ───で、どうしたんです? そんなに慌てて、アタシを探していたみたいだけど……何かありました……?」

 

スチュワート「──あ、赤城と加賀がね? ビッグ Eが雲隠れしちゃたみたいだから、探して欲しいて頼まれてたの! 何か重要な要件があったみたいで、困っていたみたい。 かなり………お冠だったんだよ?」

 

ビッグ E「……アリゾナが、昨日から眠れないって云うから、傍に居たんです。 ……多分……大丈夫、そう重要な要件じゃない筈『充分重要ですよ? ビッグE』 ───サラッ!?」

 

修道女の姿をしたサラトガ(愛称 シスターサラ)が、微笑みながら歩み寄る。

 

サラ「────加賀さん達に事情を説明してきました。 アリゾナが、夜中に魘されて(うなされて)いるのを聞いて、多分こうなるのではと。 二人とも渋々ですが、納得してくれたので良かったです!」

 

ビッグ E「───だけどね、二人とも分かっているの? 加賀達は、アタシ達を会った事も無い提督へ、全指揮を任せるなんて言い出すですよ!? 心の通じない提督なんかに、任したくないじゃないですかッ!?」

 

スチュワート「………わ、私は、日本に居たの……結構長かったから、大丈夫。 無茶な指揮官も多かったから……!」

 

サラ「主の命により授かりし奇縁。 それに『日ノ本の騎士 龍驤様』が加わりし艦隊ですもの。 私は最後まで信じ……この艦隊を、艦隊を率いる提督の為、身を戦場に投じましょう!! それが、私に示される道ならば……!!」

 

ビッグ E「──じゃあ! 不満なのは、アタシとアリゾナだけぇ? 『まだ、不満とは言ってないよ~?』………えっ? 起きてたんですかッ!?」

 

『よいしょっと!!』と元気いっぱいに飛び起きるアリゾナ。 

 

駆逐艦並みの小さな女の子なのだが……これでも四隻の中では最年長。 でも、やる事なす事が子供っぽい。 今回も、皆の視線が集中する中、にへら~っと笑いつつ、ビッグ Eの膝に座り直して……二人の方角へ向いた。

 

アリゾナ「………昨日の夜にね? 寝ぼけて部屋へ帰る道を間違えたのぉ! そうしたらね、この基地に居ない提督の話を……龍驤達に説明する声が聞こえたんだ? かなり……立派な提督みたいだったよ!」

 

スチュワートも首を傾げ、右人差し指を頬に添え応える。

 

スチュワート「うん……此処に来た理由も、敵対勢力に本拠地を襲われたからだって………。 その時に……一人だけ囮で基地に残り、壮絶に戦い抜いた……って聞いたよ?」

 

ビッグ E「じゃあ! 既に死んで『───生きてるよ! 危ない所を、あの変態達に助けられ、別行動してるって……他の艦娘が言っていたんだからッ!』……そうなんですか……?」

 

アリゾナ「そうそう! それからね……多分……今日あたりかな? この近辺を通って、洛陽と云う場所に向かう話があるんだよ~? その提督さん……」

 

サラ「加賀さんの話は、その事から起こっています。 『ビッグ Eの提督に対する不満はありありと分かる。 それなら、直に接して……提督自身と言葉を交えてみればいいのでは?』……って」

 

ビッグ E「アタシに……その提督の下へ行けってことで?」

 

アリゾナ「───そうじゃなくて、私達も一緒に付いて行きなさいって!」

 

ビッグ E「───!?」

 

スチュワート「私達も……?」

 

サラ「はい、北郷一刀提督の事を知らない私達は……当分の間、提督の傍に居て……お人柄を見極めて来なさい──との命令でした。 赤城さん、加賀さんからの直命でしたので、間違い無いかと思います!」

 

アリゾナ「私も昨日ね、そんな話を聞いちゃたから知ってる! ──心配しなくても大丈夫! こういう場合『I will take the chances』(当たって砕けろ)しかないんだよ? ウジウジ悩んでいるビッグEなんて、ビッグEじゃないもん!!」

 

ビッグ E「アタシを、何だと言うんです!」

 

アリゾナ「…………私の可愛い妹分!」ニコッ!

 

ビッグ E「────────////////!」

 

ーーー  ーーーー

 

サラ「───スチュワート! ビッグ Eが納得しましたから、加賀さん達に報告して来ましょう! 北郷一刀提督の下に暫し参りましょう……!」

 

スチュワート「行こう! 相変わらずビッグ Eはアリゾナに甘いな? アリゾナも犬みたいに慕うビッグ Eを好んでるし……。 さっさっと邪魔者は退散しますか!」

 

ーーーー  ーーーー

 

こうして、異国の艦娘達は、一刀の元へ訪れる事になる。

 

 

 

 

ーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

今回は……何故か文が浮かびません。

 

スランプ? 疲れか? よく分かりませんが。

 

それでも、来週から仕事が忙しくなりそうですので、一応出来た物を投稿します。 また、次回から頑張りたいと思います。

 

義輝記も、2月中には出したいな! と考えております。

 

 

追加 

 

今回、少し話が短い為、バレンタインのネタも付けます。 何故、貂蝉が来たかは、次回の話にて。

 

ーーーーーー

 

 

【 バレンタインネタ の件 】

 

〖 益州 漢中 近隣にて 〗

 

 

金剛「HEY、提督ぅー! How are you!?(元気ですか!?)」

 

一刀「朝から元気だな……。 今、何時……午前5時だ!? 少し早すぎる気が──『No! 民の皆サン、元気に働いていマース!』………ホントだ………」

 

金剛「オネエサン(貂蝉)が、料理で余ったパイ生地を持って来てくれたんデス! 提督ぅ~? 今日が何の日か知ってマスカ? chocolateを女の子が送る日だヨ!?」

 

一刀「あれは、日本限定の行事であって……ここでは……」

 

金剛「提督ぅ~! そんな考えだからRead the atmosphere(空気を読めない)ネ! この日はぁ、純な乙女の恋心を、一大決心して愛しい彼氏に伝える大事な日デース!」

 

一刀「………そうだね、俺の考え不足だったよ。 流石……帰国子女だけあって視野も大きいな。 俺も枠に捕らわれないよう、気を付けなくては!」

 

金剛「素直で大変ヨロシイ! そんな素直に提督ぅに、私からPresent(贈り物)デース! chocolateが手に入らなかったから……受け取ってネ?」

 

一刀「そ、そうか!? 物凄く嬉しいな!」

 

金剛「Happy Valentine's Day! My heart is always with you!(ハッピーバレンタインデー! 私の心はいつもあなたと一緒です!)」

 

一刀「……………これは?」

 

金剛「オネエサンより分けて貰ったパイ生地で、英国料理《Stargazy pie(星を眺めるパイ)》を作ったヨ! 久々だから……結構大変だったネ!?」

 

一刀「さ、魚の頭が、雨後の竹の子のように、パイから出ているんだけど………」

 

金剛「だから、Stargazy pieネ!」

 

一刀「───────!」

 

…………その後、一刀が朝食代わりに美味しく頂いたそうだ。

 

 

 


 
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