No.756343

真・恋姫†無双 あなたと共に 13(後編)

highstaさん

改めまして、長い間、ご心配・ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
また、ぼちぼち更新したいと思いますので、どうかよろしくお願いしますm(__)m

2015-02-05 23:36:30 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:8961   閲覧ユーザー数:6468

 

 

 

 

あの娘が好きだから・・・

 

 

あの娘のために何かしてあげたくて・・・

 

 

あの娘のためなら何だって出来る気がして・・・

 

 

 

 

 

皆が好きだから・・・

 

 

皆のために何かしてあげたくて・・・

 

 

皆のために自分の”存在”を掛けて・・・

 

 

 

 

 

そんな自分に酔ってしまって・・・

 

 

誇らしくて、カッコいいなんて思っていて・・・

 

 

後悔したから・・・

 

 

 

 

 

今度は・・・

 

 

惨めで、情けないかもしれないけど・・・

 

 

誓わせてほしい・・・

 

 

俺は・・・

 

 

 

 

 

 

~洛陽・城下町~

 

 

「なぁ、華琳」

 

「何、一刀?」

 

本日、何件目か分からぬ服屋から出てきて、一刀は華琳に問いかけた

 

「・・・買い過ぎじゃね?」

 

「・・・そ、そうかしら?」

 

一刀の両手には、三年間鍛えぬいたはずの一刀の腕がプルプルと震えるほどの荷物が・・・

 

「・・・こんなにいつ着るんだよ」

 

「お、女には色々と必要なのよ」

 

華琳にしては珍しく要領を得ない答えだ

 

 

 

華琳自身も気付いていた

 

今日の自分が異常だということに・・・

 

 

 

服屋を見かける度に中に入り、試着をする

 

そして、一刀に感想を求め、褒められてしまうと・・・

 

いつのまにか荷物が増えていた

 

 

「色々って・・・とりあえず腕がやばいんだけど・・・」

 

「落としたら罰よ」

 

「鬼かッ!?」

 

小気味の良い答えに笑みがこぼれてしまう・・・

 

「ふふっ、冗談よ・・・どこかで休みましょうか?」

 

「あぁ、助かるよ・・・っと」

 

右手で持っていた荷物を華琳に取り上げられてしまう

 

「お、おい、華琳」

 

「何よ」

 

何事もなかったように華琳が答える

 

「重いだろ?別に大丈夫だから・・・ほら、貸せって」

 

「いいわよ、このぐらい」

 

「良くないだろ。今日は俺が誘って、荷物持ちもするって言ったんだから」

 

「いいってば」

 

「いや、でm『だからッ!』はいッ!!」

 

ついつい大きな声を出してしまう華琳・・・

 

周りの人たちも何事だと振り返る

 

「ッ//////」

 

その視線に気付いてか、華琳が赤くなってしまい、少し俯き

 

 

クイッ

 

 

「へっ?」

 

 

一刀の上着の裾を少しだけ引っ張った

 

「・・・」

 

しかし・・・

 

華琳は何も言わない

 

 

クイッ

 

 

今度は少し強めに引かれる

 

「・・・えっと・・・」

 

とりあえず・・・

 

 

ギュッ

 

 

「ッ・・・」

 

 

握ってみた・・・

 

 

 

 

「・・・バカ」

 

とても小さな声・・・

 

「えっと・・・ごめn・・・あっ」

 

ようやく分かった・・・

 

「・・・ごめんな、華琳」

 

お詫びに繋いでいた手をしっかりと繋ぎ直す

 

「・・・っ」

 

・・・何も言わずに握り返してくれる

 

 

「ありがとな、華琳」

 

その想いが嬉しくて・・・

 

握った手に力がこもる

 

「いいわよ、別に・・・」

 

まだ少し照れくさそうに・・・

 

でも・・・

 

体を寄せて・・・

 

幸せそうな声で・・・

 

 

「・・・甘いものでも食べようか?」

 

「・・・そうね」

 

 

二人とも・・・

 

顔を赤くしたまま・・・

 

デートを再開することにした

 

 

 

 

~町外れ・森~

 

『あなたに見てもらいたいものがあるの』

 

甘味どころで休憩をして、もう日も落ちようかという時間になり

 

突然、華琳に町外れの森に連れて行かれた

 

「どこに行くんだよ、華琳」

 

「すぐそこよ」

 

町を出て少し歩くと、広い場所に出た

 

「あれ?」

 

一刀の記憶とは違う

 

少なくとも三年前は、まだここは木が生い茂っており、森だったはずだ

 

「・・・ここは?」

 

「一刀」

 

足を止めた華琳は一刀の疑問には答えず、広場の中央・・・

 

明かりに照らされた何か大きい岩を指差す

 

「・・・何だ・・・これ」

 

近づいてみる・・・

 

何か文字が・・・

 

「ッ!!」

 

「・・・分かる?一刀・・・」

 

分かった・・・

 

これが何なのか・・・

 

何故、華琳が連れてきたのか・・・

 

「・・・”慰霊碑”・・・か」

 

「・・・・・・えぇ」

 

 

 

先の戦争で命を捧げた者たちのための・・・

 

“慰霊碑”に触れる・・・

 

冷たい石の感触しかない・・・

 

でも・・・

 

何か特別な気がして・・・

 

「・・・・・・みんな」

 

気付けば声を発していて・・・

 

「・・・ただいま・・・・・・遅くなって・・・・・・ごめんな」

 

『・・・』

 

応えるわけないのに・・・

 

「皆のおかげで・・・俺・・・帰ってこれたよ」

 

やめることができなくて・・・

 

「皆が守ってくれたこの場所に・・・」

 

『・・・』

 

「俺が・・・皆が大好きだった・・・あの娘たちの所に」

 

あれだけ泣いたのに・・・

 

自然と・・・

 

頬を涙が伝う・・・

 

「だから・・・まずは・・・」

 

『・・・』

 

「・・・謝らせてほしい」

 

「・・・」

 

華琳も黙って見守っている・・・

 

彼”ら”の”再会”を・・・

 

 

「皆が大好きだったあの娘たちを・・・いっぱい泣かせてしまったことを・・・」

 

皆が愛した笑顔を・・・

 

「皆が守った国の人たちを・・・いっぱい不安にさせてしまったことを・・・」

 

 

『・・・』

 

皆が愛した魏を・・・

 

「・・・あやまり・・・たい・・・ん・・・だ」

 

一度は諦めてしまったことを・・・

 

「・・・ごめん・・・ごめ・・・ん・・・」

 

『・・・』

 

“皆”に頭をつけて・・・

 

「くっ・・・う・・・」

 

握った拳には力が込められる・・・

 

 

「でも・・・」

 

 

------顔を上げなきゃ・・・------

 

 

「二度と諦めたりしないって・・・」

 

 

------だって、そうじゃないと・・・------

 

 

「誓うよ・・・」

 

 

------涙が止まらないから・・・------

 

 

「あの娘たちにも誓ったんだ・・・」

 

 

------皆に安心してもらえないから・・・------

 

 

「だから・・・さ・・・」

 

 

------皆に胸を張れないから・・・------

 

 

「見守ってほしい」

 

『・・・』

 

 

「これからの俺を・・・俺たちを・・・」

 

「・・・一刀」

 

一刀の隣へと歩みを進める・・・

 

「・・・華琳」

 

 

ギュッ

 

 

それは・・・

 

先程とは違う・・・

 

誓いの証・・・

 

 

 

そして・・・

 

 

「・・・っ」

 

 

繋がれた手を・・・

 

 

優しい風が吹き抜ける・・・

 

 

“皆”を照らす明かりの火が揺れる・・・

 

 

「・・・一刀」

 

隣で華琳が微笑む

 

「・・・行きましょうか」

 

「・・・あぁ」

 

“皆”に背を向け歩き出す・・・

 

と・・・

 

「おっ・・・と」

 

「・・・んっ」

 

背中を押す、先程よりも強い風が吹く・・・

 

「「・・・」」

 

二人は目を合わせて・・・

 

「・・・ははっ」

 

「ふふっ」

 

笑ってしまった・・・

 

 

きっと・・・

 

同じことを考えてしまったのだろう・・・

 

あまりにも都合が良すぎることを・・・

 

 

先程の風が・・・・

 

”頑張れ!!”と言っているような気がしたことを・・・

 

 

だから・・・

 

都合よく考えさせてもらおう・・・

 

 

「・・・皆」

 

『・・・』

 

 

        

 

 

 

 

------------ 「俺、頑張るから!!」 ------------

 

 

 

 

 

あの娘が好きだから・・・

 

 

あの娘のために何かしてあげたくて・・・

 

 

あの娘のためなら何だって出来る気がして・・・

 

 

 

 

 

皆が好きだから・・・

 

 

皆のために何かしてあげたくて・・・

 

 

皆のために自分の”存在”を掛けて・・・

 

 

 

 

 

そんな自分に酔ってしまって・・・

 

 

誇らしくて、カッコいいなんて思っていて・・・

 

 

後悔したから・・・

 

 

 

 

 

今度は・・・

 

 

惨めで、情けないかもしれないけど・・・

 

 

誓わせてほしい・・・

 

 

俺は・・・

 

 

------------皆が守ったこの場所で、あの娘たちと生きるよ------------

 

 

 

 

 
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