No.737722

寂しがりやな覇王と御使いの兄13話

あなたまさん

桃香編でーす

こんな展開なしだろ!って突っ込みは・・・こらえてください
誤字指摘がありましたので直しましたー

2014-11-17 04:55:21 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10957   閲覧ユーザー数:8110

街の宿屋で一夜を明かし、悲しみを吐露した愛紗も翌朝には落ち着きを取り戻していた。

ようやく落ち着いて話せるコンディションになったので、旅を再開する前に自己紹介などの話しを始める

 

 

一刀「それじゃあ改めて自己紹介させてもらうよ。姓を呂、名を珂、字は玲綺 真名は一刀だよ。訳があって恋に名前をつけてもらったのと、この面子以外の人といるときは真名で呼ばないで玲綺と呼んで欲しい」

 

愛紗「私は姓を関、名を羽、字を雲長 真名は愛紗です。一刀様の旅の一員に加えさせていただきました」

 

恋「恋は....呂布奉先」

 

風「風は程昱 字は仲徳というのですよー」

 

一刀「あれ、もう改名してるの?」

 

風が程立から改名するのって華琳に仕えてからだったよね?

もう程昱に改名しちゃってるんだと一刀が思っていると、風は何言ってるんだこのニブチンは……と呆れ顔だった

 

風「お兄さんに記憶力はないのですか~?いまの風にとっての日輪はお兄さんだけ!と言ったではないですか」

 

一刀「あーそういえばそうだったね」

 

風「お兄さんにとって風はその程度の愛情しかないのですね~」

 

風の中では改名は重要事項だっただけに、そんな事と言われ忘れられていた事に憤慨して不貞腐れている。

そんな不貞腐れている風も久々に見るし、可愛いな~と全く反省してない様子。

 

風「お兄さん~可愛いなんて言っても許してあげませんよ?」

 

あれ、今可愛いって口に出したっけ?と不審がる一刀だが、愛紗と恋も何の話をしてるの?と不思議そうにしているの見ているので、口に出してないと理解すると同時に……心境を読んだとのかと一瞬思うが、まさかなと……と考え直したが……

 

風「お兄さんは口に出して言ってないですよ?それと勿論そんな事出来るハズが無いのですよ」

 

一刀「いやいや?思いっきりしてるよね?やっぱ読んでるよね?」

 

風「お兄さん限定でしかできませんよ~愛情のなせる技ですからー」

 

一刀「もーこの子は可愛いな!うりうり!」

 

風「お兄さん、くすぐったいですー」

 

本当に今まで離れ離れで過ごしていたのか……問いたくなるほど息の合った夫婦漫才を繰り広げる2人。

緊張無く、暇さえあれば夫婦漫才を繰り広げそうな2人を見て頭が痛くなる愛紗だった……

 

愛紗「あの~いちゃいちゃもいいですが、話を進めませんか?」

 

風「おや、愛紗ちゃん嫉妬ですか~?ニヤニヤ」

 

愛紗「しししし、嫉妬だなんて、そんなことありません!」

 

風「そうですか~?昨日結局お兄さんと一緒に寝たみたいですし・・・二人でなにやってたんでしょうかね~?」

 

風恒例のイジリが早速始まる。普段はその対象となる桂花や稟が居ない為、この面子で一番いちじりがいがありすな愛紗が風の標的として目を付けられた。

もちろん愛紗だけじゃなく、一刀の事も同時でイジル事を忘れることはなかった

 

一刀「風さん?言っておくけど”まだ”なにもやってないからな!?」

 

風「まだってことは……やっぱりいつか手出すんですね~?魏の種馬と呼ばれたお兄さんが手を出さないハズがないですもんね~?」

 

一刀「君は揚げ足とらないの!」

 

恋「にぃに・・・けだもの?」

 

一刀「恋!?恋にも言われると・・・・立ち直れない……」

 

恋に獣と言われ、ショックの大きさから崩れ落ちる。

話しを理解している訳じゃないが、話しのニュアンスで一刀はけだものと言う答えにたどり着いたのだ

 

愛紗「一刀様、元気を出してください!私は一刀様の味方ですから!」

 

一刀「愛紗~なんていい子なんだ!」

 

愛紗「きゃ!もう急に抱きついてこないでください……恥ずかしいじゃないですか……」

 

 

傷心中の一刀は、愛紗の味方と言う言葉にコロっと態度を変えて元気を取り戻す、しかもいきなり抱きつくと言う種馬っぷり。愛紗も満更では無い為、これを狙っていたのかと深読みしたくなる程、傷心の一刀に付け入る事に成功した

 

風「言ってるそばからこれですか……これはお仕置きを追加も検討しないとです」

 

恋「にぃに落ち着く」

 

このままじゃ埒が明かない為、風は恋に一刀を元に戻すように頼み込む。

恋はどうすればいいかを風に尋ね、風は殴れば治ると助言する。それを忠実に実行し、手加減無しの拳骨を一刀を襲う

 

 

一刀「いて……なんか物凄い衝撃に襲われたような気がしたんだけど」

 

風「気のせいなのですよ。そんな事よりもこれからどこに向かいますか?」

 

この時代最強の少女が放った手加減無しの拳骨を受けてなんとも無い一刀も一刀だが、喰らわせておいてそんな事と流す風もなかなかのドSっぷりだった

 

一刀「とりあえず、このまま琢郡に行ってみようと思ってる。昨日の店主から聞いたんだが、琢郡の治安がかなりいいみたいだから見に行こうと思ってね」

 

風「琢郡というと・・・劉備さんですか~?」

 

一刀「多分ね、彼女が統治してるのかわからないけど……仮に彼女が統治してなかったとしても、琢郡の治安が評判になるぐらいだから、確認に行くだけでも損は無いだろ?」

 

風「そうですねぇ、風達も学ぶ事もあるかもしれないのです。それではお兄さんの希望通り、琢郡に向かいましょう」

 

一刀「恋と愛紗もそれでいいかな?」

 

愛紗「私は構いませんよ」

 

恋「....Zzzzz」

 

この幽州でも指折りの治安の良さと評判になっている琢郡に向かう事が決まる。、

愛紗は一刀の決定に口を挟む気は無かったのであっさり承諾し、恋は話しが長い為にいつのまにか寝てしまっていた

 

一刀「恋、起きなさい!」

 

恋「.....寝てない」

 

風「むぅ……恋ちゃんそれは風の芸です」

 

恋「真似してない……プイ」

 

 

 

風の十八番である寝たふりを取られたと!と恋に詰め寄るが、恋はそんな事してないと知らん振り状態である。一晩同じ部屋で意気投合したのか、風と恋もちょくちょくじゃれ合いが始まる

 

 

一刀「ほらほら、いつまでもじゃれ合ってると置いていくよ?」

 

風「置いていったら、お兄さんに弄ばれた挙句、捨てられたとこの街に言いふらすのです」

 

一刀「それはマジで辞めてください!」

 

 

 

 

 

 

代郡を出発して歩くこと数日、一刀達は琢郡に到着する。

琢郡に入った時から一刀達は驚かされた……旅で立ち寄った小さい村々の住人からは活気が感じられず、この時勢に絶望したと感情すら読み取れた。

しかしこの琢郡はまるで別世界のように、そんな負の感情は一切漂っていなかった

 

愛紗「ここが琢郡ですか……私の出身地と同じ幽州とは思えないほど民が穏やかに暮らしてます」

 

恋「みんな笑顔で楽しそう」

 

 

愛紗と恋は若者は精を出して働き、老人は安らかに過ごしている街並みを見て、荒れた時勢でもこんな場所もあるんだなと、興味深そうに周りをキョロキョロ見渡している

 

 

一方の一刀と風はと言うと……この琢郡を護る城の造りに驚きを隠せない様子だ

 

一刀「風……この琢郡の城をどう見る」

 

風「誰がこのような造りにさせたか解りませんが、城壁が一般の城と比べてかなり高いですね。このそり立つ城壁を造る為に、かなり試行錯誤したのが見て取れます。この城壁は雲梯などの攻城兵器を大量に揃えないと突破は難しそうです。仮に城壁が突破されても、この街そのものが敵を迎え撃つ為の防御施設に造られてるようです」

 

一刀「風もそう思うか?これは正門以外にも何かしらの仕掛けを造ってると見て良さそうだな

 

風「そうですねぇ……このそり立つ城壁を突破出来ても、こんな防御施設を見せ付けられたら兵士の士気が下がりまくりなのです。これ全部劉備さんが作ったのか気になりますね

 

一刀「そうだな、情報収集してみようか」

 

 

 

 

 

 

 

一刀「おばちゃん、小籠包4つください」

 

おばちゃん「あいよ~お兄さんたち見ない顔だね?どこから来たんだい?」

 

一刀「俺達は旅で代郡から来たんだよ」

 

おばちゃん「代郡から・・・最近黒山賊に攻められたと聞いたけど、あんたら大丈夫だったかい?」

 

一刀「襲われそうになりましたが、危ない所を仮面の男に助けていただきました」

 

おばちゃん「あの噂の仮面の男かい?それはそうと災難だったねえ~ほら少しやすくしてあげるから元気だしなよ」

 

一刀「ありがとおばちゃん。それにしてもこの街は笑顔が溢れていますね。驚きました」

 

おばちゃん「他所からきた人はみんな驚いているよ。この街は前の県令が逃げ出してね……劉備玄徳様が県令になってからこの街がここまで発展したのさ。ほんと劉備様には感謝してもしきれないよ」

 

(やはりこの地の責任者は劉備玄徳か。劉備の人徳はこの外史でも健在か……もう少し劉備について聞いてみるか)

 

一刀「とても立派な方なのですね。劉備様はどのようなお方なのですか?」

 

 

おばちゃん「そうだねぇ~私はこの荒れ始めている琢郡の民が平和に、しかもこの地に住まう民みんなが笑顔で過ごせる街を作るので協力して下さいって、小さい子と一緒に頭下げにきたよ。こんな小娘になにができるのかと私たちは鼻で笑っていたけれど、県令に就任すると匈奴の連中と話合い、漢の地に手出しさせないことを約束させたのさ。それに半端する者がつい最近侵略して来たみたいだけどね。」

 

おばちゃん「それと県令が部下と逃げ出して人手不足・財政不足なのに、私腹をこらしてた悪官を一斉摘発して更迭、今までの高かった税収を元に戻し、農地開発・街の整備などを自ら率先して行ってきた結果この琢郡の街があるのさ。それに収穫が悪く餓えに苦しんでいる時には、城の備蓄米を無償で私たちに配ってくださった」

 

一刀「城の備蓄米をですか……それだと有事の際対応出来なくなるのではないですか?」

 

おばちゃん「それは私達も心配になって、劉備様に聞いてみたんだけどね。民の元気が無い国に未来は無い、備蓄が減っても民が元気に過ごせるならそれで構わないって聞かなくてね」

 

 

 

風「お兄さんお兄さん、備蓄米無償は流石にやりすぎだと思いますが、民に元気が無い国はっての件は風も異論ないのです。理想だけを唱えていたあの姿とは随分異なりますね」

 

一刀「あぁ……前は家臣にすべて押し付けてる甘ちゃんだったけど、ここでは違うようなだね。恐らく小さい子が張飛だとすれば、張飛の武・劉備の智と徳でこの琢郡を守っていると見て間違いないんさそうだな」

 

風「劉備さんもですが、お兄さんもずいぶん知恵がつきましたねー風はそこにびっくりなのですよ」

 

一刀「放っておけ、俺が一番自覚してるんだから」

 

 

(これは冀州に行ったら桂花ちゃんはビックリするのは間違いないですね~もちろん黙っておいた方が面白そうなので、桂花ちゃんへの手紙には書きませんが)

 

愛紗「一刀様、劉備というお方は立派なお方のようですし、1回お会いしてみてはいかがでしょうか?」

 

風「風もそうおもいますね~興味がわいてきました」

 

一刀「そうだな~おばちゃん、その劉備様にあえないもんかね?」

 

おばちゃん「劉備様なら会える日の方が多いぐらいだよ。ちょうどあそこで畑仕事しているさね」

 

一刀達はダメ元で劉備に会えないかおばちゃんに尋ねる。

当然いきなりじゃ会えないと思うよっと言われると思っていたが、そんな予想を裏切り会えると教えてくれた。しかも先程の話し通り、自ら畑仕事に精を出している劉備の姿があった

 

一刀「え?あそこの娘さんですか?」

 

おばちゃん「そうだよ、あの方が劉備玄徳様さね」

 

風「護衛もつけずに一人でいるなんて、危ない人ですねぇ~」

 

愛紗「それだけこの琢郡が平和って事なんでしょう。ここで見てるのも時間の無駄ですし、とりあえず行ってみましょう」

 

 

そうして一刀達は、畑を耕やしている劉備の下へ近づく。

こうして見ると、県令の身分とは思えない程、畑仕事が似合っていてシックリきていた、一刀は仕事の邪魔をするのは申し訳無いと思いつつも、意を決して話しかける

 

一刀「お仕事中申し訳ございません。琢郡県令の劉備様でしょうか」

 

劉備「はいその通りです。このような土塗れの格好で対応してしまいすみません」

 

一刀「いえ、私たちがいきなり押し寄せましたのでお顔をお上げください。私たちは代郡からの旅でこの琢郡までやって参りました。そしてこの街の人々から劉備様が素晴らしいお方だと伺いましたので、一度お会いしてみたいと思い参じました。申し遅れました、私の名前は呂珂玲綺と申します」

 

劉備「ご丁寧なご挨拶をありがとうございます。私の名前は劉備玄徳です。なにもない田舎の街ではありますが、ごゆっくりおくつろぎください」

 

突然話しかけてにも関わらず、嫌な顔一つです心底丁寧に対応する。

その対応には自分を良く見せる為の打算や思想は一切感じられず、劉備自身の人柄から出た行動だと理解した。

一刀と劉備が自己紹介を交わし、世間話を続けていると、おばちゃんが言っていたと思われる小さい女の子が劉備目掛けて走ってきた

 

 

張飛「おねーちゃん、業務が遅れててみんな困ってるのだ!城に戻って来て欲しいって伝言を言いに来たのだ!」

 

劉備「言いに来てくれてありがとうね、鈴々ちゃん~!大したおもてなしが出来ずに申し訳ありませんが、私はここで失礼させていただきますね。この琢郡でゆっくりお過ごし下さい」

 

一刀「こちらこそお話していただいてありがとうございます。」

 

最後まで一刀達に対して腰を低くして対応していた劉備は、最後に一刀達に軽く会釈をして、呼びに来た小さな女の子を連れて城まで戻って行った。

 

一刀「愛紗・風、彼女をどう感じた?」

 

風「これは度肝を抜かれたのですよ、彼女でしたらこの街並みも納得です」

 

愛紗「そうですね、私も劉備様は素晴らしい為政者だと思いました。民と共に働き、民と共に生きている為政者は初めて拝見しました。あのような人物はこれからその名を轟かせると思います。ですが・・・」

 

 

以前の外史で覇を争った劉備と、今出会った劉備では印象が百八十度違うと実感する。

今の劉備ならば華琳も好敵手として認めるか、配下にしたいと躍起になってたかもしれない

 

愛紗も風や一刀同様に、劉備の持つ魅力・才覚を感じ取り、劉備に仕え支えてみたいと少なからず思っているが、仕官を決断出来ずにいた。その決断を鈍らせている原因はと言うと・・・

 

一刀「ん、どうしたの愛紗?」

 

愛紗「なんでもありません!貴方には言えません!」

 

風「やれやれ、相変らず鈍いですねーお兄さん。」

 

 

一生治らないんじゃないかと思えるこのニブチン(一刀)のせいだった。

風と愛紗に言われても、やっぱり理解出来ない一刀である

 

一刀「俺のせいなの?。。。そういえば恋はどこに」

 

愛紗「恋でしたら多分あそこに」

 

恋「ハグガグ。。。もきゅもきゅ」

 

一刀「ああ~またこの流れなのね・・・本当に金が無い……」

 

愛紗「私も出しますので元気だしてください!一刀様!」

 

一刀「ほんとに愛紗はいい子だな~癒されるよ」

 

愛紗「私はただ当然のことをしただけですから!」

 

 

風「風の事を忘れていちゃいちゃするのは禁止なのです」

 

一刀「いや、いちゃいちゃなんてしてないから!ね、愛紗?」

 

一刀に直接否定言われて力が抜ける。

付き合いの長い風だけでなく、愛紗も一刀には言っても無駄だと早くも学習した

 

愛紗「そうですね~ハァ(一刀様のばか・・・)」

 

風「やれやれだぜ」

 

 

 

 

 

 

街でも評判の高い宿で一夜を明かし、旅の疲れをゆっくりと癒す事が出来た一刀達は、もう一度劉備に会えないかと考えていた。特に一刀はどうしても聞いておきたい事が一つあるのだ

 

一刀「女将さんおはようございます」

 

女将「おはよう。兄ちゃんちょっといいかい?呂珂さんっていうのはあんたかい?」

 

一刀「そうですが、どうかしましたか?」

 

女将「いまお城から使いがきて、あんた達に城にきてほしいってと伝言頼まれたのよ」

 

一刀「俺達がですか・・・?わかりました、すぐ行ってみます」

 

 

 

 

宿の女将が一刀達に伝言を頼んだ相手こそ、一刀達が会いたいと願っていた人物からの呼び出しだった。

なぜ自分達を呼び出したのかはわからないが、自分達にとっても好都合であったため、身支度を整え劉備が待つ城へと向かう。

 

門番にも話が通っていたらしく、一刀達が門番に用件を伝えるとすぐに部屋に案内をしてくれた

 

一刀「お召しにより参上いたしました。このたびはお招きいただき、ありがとうございます」

 

劉備「こちらこそ急にお呼び出しだったにも関わらず、来て下さった事に感謝します」

 

 

部屋で待っていたのは劉備本人と、護衛役の小さい女の子の2人だけだった。

自分が招いた客人とはいえ、年頃の女の子にしては無用心だな……男と意識されてないのかな?と苦笑いを浮かべる

 

 

一刀「改めて自己紹介させていただきます。私は姓は呂、名は珂、字は玲綺です」

 

愛紗「私は姓は関、名は羽、字を雲長と申します」

 

風「風は程昱 字は仲徳といいます~よろしくお願いしますです~」

 

恋「呂奉先」

 

劉備「私は姓は劉 名は備 字は玄徳です」

 

張飛「鈴々は張飛なのだー!よろしくなのだー!」

 

 

小さい子以外は一応面識はあったが、再度お互い自己紹介を始める。そして一刀の予想通り、小さい女の子の正体は張飛だった。張飛が傍で控えてれば暴漢に襲われる心配も無いかと納得した所で、呼び出した用件を聞くために話しを切り出す

 

一刀「私達に用件があると伺いましたが、ご用件はなんでしょうか?」

 

劉備「そうですね、私は腹芸が苦手なので率直に申し上げます。私たちに力を貸して下さい!」

 

一刀「・・・なぜ昨日お会いしたばかりの私達に声をかけたのですか?自分で言うのも変ですが、ただの旅人で、得体の知れない男ですよ?」

 

素性を知れない初対面の者を、自分の懐に招きいれるなど普通ならば有り得ない事だ。

しかし、彼女はそんな有り得ないを実行している、なぜそんな赤の他人を信じられるのか疑問が沸いてくる

 

劉備「こう言っても信じてもらえないかもしれませんが、私は人を見る目だけはあると思っているんです!今はなんとか私一人で業務をこなしていますが、万年人手不足でして、有事の際に対応出きるのが私と鈴々ちゃんだけでは手が回らなくなってしまいます。そこで呂珂さんたちに無礼を承知できていただきました」

 

劉備の目は貴方は人を裏切るような人では無いと訴えかけているようだった。お人好しな所は変わらずのようだが、人の本質を見抜く目は以前と大きく異なる点である。実際一刀達に裏切るなんて卑劣な行為は出来ず、義理堅い性格だ。劉備の人を見る目だけはあるっと言う話も本当なのかもしれない。

 

 

一刀「・・・せっかくのお話ですが、私はこの大陸の旅でやりたいことがありますので、ここに留まることは出来ません」

 

風「風もお兄さん専属の軍師なので、お断りさせていただくのです~」

 

恋「恋は...にぃにと一緒」

 

一刀はこの劉備となら共に戦うのもいいかもしれないと思うようになっていたが、一刀にはどうしてもやらなければいけない事がある為、今はまだ一箇所に留まる事は出来ないのだ。風と恋に関しても、一刀が残る気が無ければ彼女達も留まる事は無い。

 

劉備は3人の返事を聞き入れた後、最後に残った関羽の返答を聞くために話し始める

 

 

劉備「そうですか……わかりました。関羽さんはどうでしょうか、私達に力を貸していただけませんか?」

 

愛紗「私は・・・」

 

 

愛紗は劉備に仕えるか、一刀に寄り添うべきかをまだ判断出来ずにいる。

風は一刀に愛紗がここに留まってもいいのですか?と問いかけるが、本心では残って欲しい……でも、それは愛紗自身が決める事であって、俺が関与する事じゃないと口を挟む事はなかった。

 

そんな一刀の心境を察してか、素直じゃないですねと一刀に聞こえないように小声で呟き、一刀と一緒に愛紗の判断を見届けようと、俯いたままの愛紗に視線を向け直す

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「申し訳ありません……私も断らせていただきます」

 

劉備「そうですか・・・私の下に来れないのは……呂珂さんが原因かな?」

 

愛紗「んな!?」

 

劉備「そっか、そっか~そういう事だったか~!そこまでは見抜けなかったよ。ごめんね関羽さん、この話は忘れて!」

 

劉備は関羽に自分の下へ来ないかと聞いた時から、一刀の方をチラチラと見ている愛紗に気がつき、もしかしたら…とすぐに察しカマを掛けたのだ。結果は見ての通りで、原因を指摘されて愛紗の顔は恥ずかしさからか真っ赤になってしまった。

 

劉備は恋路の邪魔をする気が一切無いので、人手不足であろうが勧誘の話しを取り止めた

 

 

愛紗「ですが、それだと人手不足が」

 

人手不足が解消されないから残ると言いそうな雰囲気を出していたので、劉備は人差し指でそっと関羽の唇に添えて、それ以上は言いっこなしだよとやんわり止める。

民の事を第一に考えている劉備にとって、愛紗もまた自分が護る民の1人。だからこそ、民の幸せを妨害してはいけないと自分に架しているのだ

 

 

愛紗「劉備様……ありがとうございます」

 

劉備「うんうん、自分の心に素直にならないとダメだよ?絶対後悔する事になるからね!」

 

愛紗「はい、肝に銘じます」

 

愛紗の返答を聞いて、よろしい!と劉備は満足そうに笑みを浮かべてる。愛紗と話しこんでしまった事を思い出し、くるっと一刀達の方に体を向けて話しを再開する

 

 

劉備「今回は素直に引き下がりますけど、私は諦めが悪いので覚悟してくださいね!」

 

一刀「わかりました、覚えておきます。劉備様、一つだけお聞かせいただけますか、もしも・・・この大陸が戦乱になった時、劉備様はどう行動しますか?」

 

一刀の質問が予想外だったのか、目をぱちくりさせてから、う~んと少し悩んでから今答えられる気持ちを言葉にして口にする

 

 

劉備「私の理想は民が平穏に、笑顔で暮らすことは変わりません。群雄割拠の波が押し寄せてこようと、自領地の民を全力で守り抜きます。自分達のところの民すべてを笑顔にできなければ、どんな理想を唱えても嘘と言われるかもしれませんし、この大陸に住まう民を幸せになんて夢物語で終ってしまいます。私は領土野心がありませんので、私の両腕で支えられる民を護っていこうと思ってます」

 

一刀「言葉は悪いですが、自分ところ以外は知らないってことですか?」

 

劉備「もちろん救える人達は救いたいですが、すべてを抱えると私の手におえなくなってしまいます。そうなってしまっては本末転倒です。歯がゆいですが、まずは自分の力が及ぶ範囲で全力を尽くしたいと思っています。理想だけでは無く、それを実現出来る実力があると証明しなければいけませんし」

 

劉備は一刀の意地悪な質問に対しても、当意即妙に自分の考えを述べる。

偉そうに聞いていた一刀だが、彼女からは自分も学ぶ事が多いと実感させられた

 

 

一刀「このような事に答えていただき感謝いたします。さきほどの非礼をお侘びさせて下さい」

 

劉備「気にしていないので平気ですよ、私も目標を再確認する機会になりましたので!呂珂さん達の旅のご無事をこの地から祈ってますね」

 

 

一刀「それでは我々はこれにて失礼いたします。風・恋・愛紗行くよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劉備「あ~あ、振られちゃったか~。でもまた会えそうな気もするし、次会った時に恥ずかしくないように、もっと自分の力を磨いて、私を振った事を後悔させて見せるもんね!」

 

 

 

 

 

 

こんな感じでまとめてみましたがどうでしょうか?

ちょっと無理やりな展開だったかな~

 

政治パートもっとうまくかけたらよかったのですがこれが限界でしたorz

 

 

 

さて次は常山編にはいりまーす


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
41
5

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択