No.736369

【獣機特警K-9ⅡG】戦慄!正義とは何か!?(後編)【交流】

古淵工機さん

正義とは何かを問う話の後編。
ジャスティスの正体が明らかに!
そしてやっぱりおいしいところはあの男が盗んでいくのか?w


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2014-11-10 18:44:08 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:517   閲覧ユーザー数:500

さて、犯罪者および警察関係者ばかりを狙った連続爆殺事件をうけ、

ラミナ警察署はK-9隊のクオン、イシス、ジョニー、ミライの4名を出動させた。

 

だがその頃、ラミナ警察署の付近に不穏な人影がうろついていた…。

「フン、愚かな。灯台下暗しとはまさにこの事だ…」

コートを羽織って帽子を深くかぶり、顔は判然としないが、この男はあからさまに怪しい。

彼は一体何をたくらんでいるのか?彼が『ジャスティス』なのだろうか!?

 

…そんなこととは露知らず、ナインキャリアーの中。

「でも隊長」

「なんだミライ?」

「そのジャスティスとかいう奴って一体どこにいるんですかねぇ?」

「そうですよ。足取りもつかめない、神出鬼没でまったく困ったもんでさ」

「何か物的証拠があればいいんですが、現場には犯人の痕跡ひとつない…」

「…だけどもしまた新たな被害が出る前に見つけ出さなければ。とにかくこれ以上奴の好き勝手にはさせない!」

と、ジャスティス逮捕に意気込んだK-9隊だったが…。

「こ、これは…!?」

ナインキャリアーのコンソールが点滅しているのにイシスが気づいた。

「…イシスさん!どうしたの!?」

「隊長!ラミナ署から暗号通信で緊急連絡です、すぐ戻れと…!」

「まさか何かあったんじゃ…すぐに引き返すぞ!!ジョニー、急速転回!」

「ラジャー!!」

すぐさま引き返してもとの道路を戻るナインキャリアー。

 

かくして、ラミナ警察署に戻ってきたK-9隊は警察署の入り口前に立っていたエルザと遭遇した。

「署長!!」

「ぶ、無事だったんですか!?」

「ああ、だが万が一ということもある。君らを呼び戻したのはそういう事態を案じてのことだ。それに」

「それに?」

「もしかすると君らが狙われる可能性もあるかもしれないのでね」

と、何の変哲もない会話をしているようにも思える光景。

 

いっぽう、気づかれないように物影に隠れている男は…。

「ちっ、奴らが戻ってきたか。まあいい、標的が増えただけのことだ。あとはこのスイッチを押せば…」

と、男がなにやら携帯端末を操作しようとしたときだった。

「…おや、そこで何をなさっているのですかな?」

「わ!?…び、ビックリした、急に声をかけるんじゃ…」

と、男は振り返ったとたん言葉を失った。顔こそ隠れていたが、中の表情は多分青ざめていただろう…!

なぜならそこに立っていたのは…!

 

「か、怪盗…ノワー…ル…!」

「興味深そうなものですね。少し私に預からせていただきたい」

「あ、待って…」

と、男が慌てふためくのをよそ目にノワールは指を振ると、男の手の中にあった端末がいつの間にかノワールの手に。

 

「フムフム…これで任意の場所にカブトムシ形メカを向かわせて爆破する、と。そういう仕掛けでしたか」

と、ノワールは端末を操作していくと、次の瞬間、男から5mほど離れた、人気のない場所にあった壁が吹き飛んだではないか!!

「あっ!?怪盗ノワール…!?なぜここに!」

「やあ、これはK-9隊の皆さんにエルザ署長。たった今署の周りにこの男がうろついていましてね。彼はこんな物騒なものを持っていましたよ」

と、ノワールはK-9隊の一同に向けて端末の画面を見せた。

 

「これは…!?」

「爆弾を内蔵したカブトムシメカを操作するための画面です。そしてそのメカはマグネシウムを含む合金で出来ていましてね。爆発すると跡形もなく燃え尽きる…。それと現場に残っていたメッセージカードですが、これは特殊な材質を使ったカプセルの中に封入されていた。その中身が…」

ノワールは、爆発のあった場所から一枚のカードを拾い上げる。

 

「こ、これはジャスティスのカード!」

「そう。今回の一連の犯行はこのカブトムシメカを使ったものだったというわけです…」

「お、おのれ…!」

ノワールに犯行の手口を見透かされた男は逃走を試みるが…。

「おおっと!逃がすかよっ!」

ジョニーの早撃ちが冴える!銃弾はサングラスの脇を掠め、さらにその衝撃で帽子まで吹き飛んだ!

中にいたのは、ハイエナ型のファンガーの男だった…。

「お、お前はもと陸軍特殊部隊のバルク・ダン大尉!?」

「そんな!何でこんなところに!?」

「フン、俺は今の世の中にことごとく嫌気が差してね。右を向いても左を向いても強盗に傷害、殺人…まったくどいつもこいつもくだらん悪事を働く…」

「だからそいつらを殺してもいいってのか!?」

「そうだ。犯罪者なぞ社会の屑…そんな奴らに生きる価値などない…不祥事にまみれた警察ども、それに汚職と賄賂にまみれた役人どももだ…」

 

唖然とする一同。バルクはさらに続ける。

「だからそいつらに正義の鉄槌を下してやろうと思ったのに…貴様が!貴様が邪魔をするからっ!!」

ノワールに飛びかかり、端末を奪い返すバルク。

「いいかぁ!こいつを操作すればこのラミナ署にカブトメカが飛来し、貴様らを一人残らず爆破する!」

「正気か!?大勢の警官たちと一緒にお前も死ぬんだぞ!!」

驚愕の表情を浮かべるエルザの言うことなど気にも留めず、バルクはなおも怒鳴り散らす。

「あと一歩のところだったのに…こうなれば貴様ら全員道連れにしてやる!死ねぇーーー!!」

と、バルクがスイッチを押したときだった。

「バカな!なぜ発進拠点が爆発した!?」

「ああ、先ほどあなたが私から端末を奪い返す直前にですね…自爆モードに設定して操作しておいたのですよ」

「さすがノワール!あざやかー!」

「貴ッ様ぁぁぁ!!」

と、バルクがノワールに斬りかかろうとしたその時、ノワールは咄嗟に身を翻すと大きくジャンプ。

「さて、では私はそろそろおいとまいたしましょう。アデュー!!」

「あっ!待てッ!!」

 

「どうやら大勢は決したようだな、自称正義の味方さん?」

「フン、何とでもほざけ!こうなればこの電磁ナイフで貴様らを殺すだけだ」

 

ナイフを構えるバルクに、クオンは吐き捨てるように言い放つ。

「何もわかってないんだな、あんたは。正義がどうこうなんて結局その人の価値で変わるものだろ」

「なんだとっ!?」

「確かに罪を犯すのはいけないことだ。だが、どんなに時間がかかるかもわからないけれど、生きていればその罪は償うことができる」

「ほざけ!奴らに生きる価値などない!生きていればまた罪を犯すぞ!」

 

「罪を犯すのが人間なら、その罪を償うのもまた人間だ!罪を犯したものを片っ端から抹殺すればそれが正義なのか!」

「黙れ!貴様ごときが正義を語るな!!」

 

怒鳴り散らすバルクに、ジョニーが言い放つ。

「それはこっちの台詞だDEAD野郎…じゃあお前の信じてる正義ってなんだ?お前が殺してきた奴はなんだ!?まだこれから罪を償えるはずだったのに、その選択すら許さねえってか…イヤだねまったく」

 

さらに、イシスが立て続けに言う。

「あなたは正義のためだとか言ってるけど、それはあなた自身の自己満足でしかない。あなたの信じている正義が、必ずしもみんなの思っているような正義と同じとは限らないのよ」

「だまれ!だまれだまれだまれだまれだまれっ!!こうなれば貴様ら全員蜂の巣にしてやる!」

と、バルクがマシンガンを取り出しトリガーを引こうとした瞬間だった。

「あ…!?」

エルザのスタン・トンファーが決まったのだ。

「まったく因果なものだな。貴様一人が満足すればそれでいいのか。そんなものはもはや正義ではない。ただの独り善がりだ」

「く、くそっ…」

トンファーを喰らい、身体が麻痺して動けないバルクにエルザは詰め寄ると、そのまま手錠を取り出しバルクの腕にかけた。

「バルク・ダン、貴様を殺人および大量破壊兵器取締法違反の現行犯で逮捕する」

 

その後、ジャスティスことバルク・ダンは社会全体を脅かし、多くの人命を奪ったことでその罪は重いものとされ、

裁判で終身刑が確定したということである。

さて、事件が解決したその日の夕暮れ。

「ねぇ、隊長…」

「ミライ?」

「…正義って一体なんなんですかね…あたし、何がなんだかわからなくなってきたッスよ…」

と、夕陽を見つめながらたそがれるミライの肩に、クオンはそっと手を置く。

「…大丈夫、きっと答えは見つかるさ」

「で、でも…」

「確かに今すぐその答えを導くのは難しいかもしれない。でも、生きていれば何が正義か、きっとわかるはずさ。時間はたっぷりあるんだ。ゆっくり見つければいいさ」

「そうか…そうですね!ありがとッス、クオン隊長!」

いつの間にか笑顔になっていたミライを見て、クオンは一瞬微笑むと、再び夕陽を眺める。

(…ノワール、君は…犯罪者というカテゴリにありながら、いつも僕たちを助けてくれる。きっと、君なりの、君の信じた正義がそうさせるんだろうな…)

 

正義とは何か。その答えを断言することは難しい。なぜならこの世界にはさまざまな人が暮らしている。

そしてその正義は、人によって違うのだから…。


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