No.704835

真・恋姫†無双 裏√SG 6.5話

桐生キラさん

こんにちは!
Second Generations雪蓮視点
大人視点の物語は.5で書いていこうと思います
孫呉にいる大人たちの一幕

2014-07-29 22:46:52 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2291   閲覧ユーザー数:1991

 

 

 

 

 

17年後の恋姫 孫呉編

 

 

 

 

 

冥琳「はぁ…」

 

雪蓮「あら?ため息なんてついてどうしたの?」

 

私が冥琳の部屋を訪ねると、冥琳は頭を抱え、紙を見てため息をついていた

 

冥琳「あぁ雪蓮、やはり蓮鏡はお前の娘だよ」

 

雪蓮「はい?」

 

私は冥琳から事情を聞いた。

どうやら蓮鏡、早速冥琳の子どもと話し合って、舞踊大会なるものを提案したようだ。

季春の人見知りを改善するのが目的だろうが、提案の書かれた紙には呉に潜む徐福の摘発もあった

 

雪蓮「へぇ、これ、しっかり考えられてるわね。

警備案も及第点、予算も無理のない範囲、裏で組織の根城を探すって言うのも悪くないわ。

欲を言えば、もう少し安全面を確保できれば良かったかしら。

この案だと、うちの旦那を使う事も入ってそうだし」

 

そして零士なら、嫌がる素振りを見せる事なく了承するだろう。それも見越して書いてある

 

冥琳「そうだな。この案だと、多少民の被害が出かねない。

だが、徐福相手なら、それもほとんどないだろう」

 

それは、徐福の目的が上層部だからか

 

雪蓮「あの手紙に書いてあったこと、本当なの?」

 

冥琳「残念ながら、な」

 

今回の帰省は、子ども達を鍛え上げて欲しいと言う依頼が目的でやって来た。

というのも、ここ最近、軒並み呉に属する兵士が殺されているからだ。

犯人は徐福。目的は不明。夏に入り、被害が二桁を越えたとの事。

だが、殺されているのは決まって兵士で、民間人の死傷者はいないらしい

 

雪蓮「なぜ民間人は殺さないのかしら?」

 

兵士のみを殺している。無差別な殺人ではない。なにか意味がある

 

冥琳「徐福からすれば、民は金なのだよ」

 

雪蓮「どういうこと?」

 

冥琳「徐福が生業としているのは、麻薬の売買と武器の流通だ。買い手は決まって民。

これは推測だが、殺された兵士というのは、その取引現場を見てしまったからだろう」

 

雪蓮「精強な呉の兵が、たかが賊に殺される?」

 

冥琳「ただの賊ではない。あいつらの組織は無駄に頭がキレる。

それに、おそらく腕の立つ用心棒もいるだろう。

それくらいを雇う金、あいつらにはあるだろうからな」

 

なんか、気に食わないわね

 

雪蓮「それで、こんな祭りを開いても、狙われるのは私達のような人間だけと」

 

冥琳「十中八九そうだろう。祭り当日は、民の警備に重きを置きつつ、

私達は暗殺に気をつける。そうなるな」

 

三国が同盟を結んで17年。大陸は間違いなく平和になっているはずだ。

まだまだ改善すべき点は多いが、少なくとも大戦時よりは住みやすい国になっている。

しかし、こういった賊が減ることはない。零士も言っていたが、

世の中には根っからの悪と言うものが居て、そいつらが消える事はないとのこと。

かつての零士は、そいつらを根絶やしにしようと頑張っていたが、それは叶わなかった。

だから零士は、北郷一刀に期待を抱き、心配している。

国をまとめる人間は、結局は減る事のない悪と戦い続ける道を歩く事になるのだから

 

雪蓮「平和を目指すは修羅の道、なのかしらね」

 

私達は平和を目指して戦ってきた。なのに、17年経った今も、争いは続いている。

かつて三国がそれぞれの理想の為に戦っていたように、

五胡や徐福とも理想を通すために戦わなければいけない。

万人の目指しているものが一緒なら……いや、それこそ夢想か。

考えても意味のないこと。そんな夢物語はない

 

 

 

 

コンコン

 

 

零士「零士ですけど、冥琳ちゃんのところに雪蓮ちゃんが来てるって聞いたけど、いるかな?」

 

コンコンと扉が叩かれると、直後に零士の声が聞こえた。私はスッと立ち上がり、扉を開ける

 

雪蓮「どうしたの?」

 

零士「あぁいや、大した用事じゃないんだ。今日の夕食は僕が作ろうと思ってね。

雪蓮ちゃんの好物を作ろうと思って、何が良いか聞きに来たんだ。

よければ、冥琳ちゃんの要望も聞くよ?」

 

やった!今日は零士が作ってくれるんだ♪

 

雪蓮「私、お寿司がいい!せっかく呉に来たんだから、魚食べなきゃ損よね!」

 

冥琳「ふむ、なら私は煮魚が食べたいな。零士殿の味付けがクセになって忘れられないのだよ」

 

零士「あはは、そう言ってくれると嬉しいな。わかったよ。

お寿司と煮魚だね。煮魚なら、今から仕込まないといけないな」

 

雪蓮「手伝おうか?」

 

零士「いいよいいよ。せっかく呉に来たんだし、雪蓮ちゃんは冥琳ちゃんとゆっくりしてて」

 

相変わらず零士は優しいなぁ。ちょっと意地悪しちゃえ!

 

雪蓮「それって、私がいると邪魔って事かしら?」

 

私は冗談半分で言ってみた。すると零士は少し慌てて、だけど何かを考えて…

 

零士「そうだね。厨房を荒されちゃうと、後で冥琳ちゃんに怒られるし」

 

雪蓮「ひ、ひどーい!!最近は私だってちゃんと料理できるようになったわよ!」

 

昔はできなかったけど、この数年で簡単なものなら作れるようになったのに…

 

零士「あはは!わかってるよ。僕、雪蓮ちゃんの作る玉子焼き、大好きだからさ。

でも、今日は僕が作ってもいいかな?頑張ってる雪蓮ちゃんに美味しい料理を食べて欲しいんだ」

 

雪蓮「ッ!?」

 

ヤバイヤバイヤバイ!零士が時々こういう返しをしてくるのを忘れてた!

落としてから上げるというたちの悪い手法に、何度こちらの心臓が止まりそうになったか。

そしてこの場合…

 

零士「だめ、かな?」

 

雪蓮「……だめ、じゃない……」

 

だいたい私は負けてしまう…

 

零士「よかった!それじゃあ雪蓮ちゃん、夕食は期待して待っててね。

冥琳ちゃん、雪蓮ちゃんのことよろしく。それじゃ」

 

零士は私の髪を優しく撫でて、 部屋から出て行ってしまった。

あぅー…ドキドキするー…

 

冥琳「ふふ!何年経とうと、相変わらず雪蓮は零士殿に勝てないみたいだな!」

 

冥琳はとても楽しそうに笑っていた。冥琳ひどい!

 

雪蓮「あの人、天然でやるのか、わかっててやってるのか、時々わからないのよね。

どっちもあるから」

 

さっきのアレは間違いなくわざとだが、零士は時々天然でたらしこむ時がある。

毎回わざとなら慣れるだろうに、天然でやるときの破壊力がヤバイから心臓に悪い。

ほんと、悪い男よ

 

雪蓮「そういえば、一刀が許昌に来てたけど、最近冥琳はどうなのかしら?」

 

そう聞くと、冥琳は呆れた顔でため息を吐いていた

 

冥琳「慣れたとは言え、あいつの節操無さには言葉も出ない」

 

雪蓮「そんなにひどいの?」

 

冥琳「あいつこそ無自覚で女性をたらしこむし、来るものを拒まないからな。

その点、零士殿はまだ節操があるし、家族以外を愛する気はないからまだマシだ。

この前なんて、自分の娘と近い年の子と関係を持ちそうになっていたからな」

 

雪蓮「うわぁ…それどうなったの?」

 

冥琳「蓮華様と愛紗に止められ、何事もなかったよ。

まぁ、あいつはこってり絞られたようだがな。いろんな意味で」

 

一刀も相変わらずね。英雄、色を好むなんて言うけど、零士はまだマシね。

妻が私も含めて5人はいて、月と詠もきっとまだ零士の事諦めてないけど

 

蓮華「そうなんです!聞いてくださいよ姉様!」

 

雪蓮「うわっ!?れ、蓮華?いつからいたの?」

 

気付けば、蓮華がプンプンとした様子で椅子に座ってお茶を飲んでいた。

いつの間に入って来たんだろう?

 

蓮華「一刀の話が聞こえたからやってきました」

 

どんな耳してるのよ

 

蓮華「それで一刀なんだけど、この前仕事で洛陽に行った時、久しぶりに一刀に会える!何しようかしら!なんて息巻いていたのに、一刀ったら私の相手を全然してくれなくて、あろうことかシャオや美羽とばかり閨を共にしていたのよ!あり得るかしら!?妻を放ったらかしで10代~20代とばかり寝るのよ!?私が何度枕を濡らし、一人寂しく慰めていたかわかってるの!?そんなに若い子がいいのかしら!?そんなに青い芽が綺麗に見えるのかしら!?私だってまだ若いわ!!30代舐めんな!!まだまだこれからなのよ!むしろ大人の色気とか出て凄いんだから!一刀帰ってこないかしら?帰ってきたら一晩かけて搾り取るのに、何十回戦でも付き合うのに、むしろ二人目とかどんと来いなのに、私も士希君みたいな男の子欲しいんだから!!あー咲夜や姉様が羨ましい、競争率が低いんだから、それでいてしっかり愛情を注いでもらっているんだから、いや別に一刀に愛されてないわけじゃないのよ?ただあの人には女がいっぱいいるだけでちゃんと平等に愛してくれるし、贈り物とかもしっかりくれるし、ただ、もうちょっと私の事見てくれないかなとか、もうちょっと呉に帰ってこないかしらとか、あぁでも、この前一刀と寝た時は嬉しかったなぁ。もうなんて言うの?至福?女の幸せ?一刀に愛されてる実感を得られて嬉しくなっちゃって、愛紗と一緒だったけど、そんなの関係なく幸せだったなぁ、むしろ愛紗と共有出来たことに感謝って言うか、愛紗と親友で良かったなぁ……って、聞いてます姉様?」

 

雪蓮「ん?聞いてるわよ。そうね良かったわね」

 

ぶっちゃけ聞いてないし、これちゃんと読む人だって少ないだろう。

なんか最後惚気てた気がしたから適当に相づちでも打っとけ

 

蓮華「はい!やっぱり旦那は一刀以外にあり得ないっていうか、私を愛せるのは一刀しかいないっていうか、彼ったら歳を取れば取るほどカッコ良くなって、ちょっと貫禄が出てきたって言うか―――――」

 

雪蓮「あ、お茶がなくなっちゃった。お茶淹れるけど、冥琳も飲む」

 

冥琳「気が利くな、いただこうか」

 

蓮華「あの時も賊から私を守ってくれて、その後みんなに内緒で森で―――――――――」

 

 

 

 

雪蓮「んー!お茶美味しかった!あーでも、なんか肩凝ったなぁ」

 

あれから蓮華の愚痴と惚気が2時間ぐらい続いたところで、

思春が蓮華を探しに来てくれて、ようやく解放された。

蓮華も溜まってるわねー。思春は相変わらず蓮華付きなのね

 

「タァァァ!」

 

雪蓮「ん?」

 

訓練所の方から、気合いの入った声が聞こえる。

私は特にやることもなかったし、見に行く事にした。そこには…

 

美羽「ふん!主様とばかりかまけておって、腕が鈍ったのではないか、小蓮?」

 

小蓮「あら?それはそっちの方なんじゃない?前より動きがトロいわよ、美羽?」

 

シャオと美羽が組手をしていた

 

三国同盟が締結されて一年が経つ頃、美羽と七乃が放浪の末保護された。

当時美羽は、手荒な真似で呉を追い出した私に対して苦手意識を抱いていたが、

時間を掛けて徐々に関係を修復。今では何てことのない友人のような関係だ。

特に歳の近いシャオと仲が良く、ああして二人一組で行動する事が多くなったようだ

 

美羽「言うではないか小蓮!我が乱舞、とくと味わえ!」

 

美羽は両手の鉄扇を広げ、小蓮に対して舞うように攻撃を仕掛ける。

あ、この動き、朝の訓練で零士がやって見せた舞の動きに近いわね。

武術と舞が近い関係にあるというのも、あながち間違ってはいないみたい。

現に、美羽のあの流れるような動きから来る鉄扇の鋭い攻撃、なかなかに見事だ

 

小蓮「ッ!?あいっかわらず、鬱陶しい攻撃ね!軌道が読み辛いのよ!」

 

そうボヤくシャオだが、なんだかんだ言ってもしっかり防いでいる。

月下美人を駆使し、時々反撃にも出ている

 

小蓮「あー、美羽が羨ましいわー。シャオ、胸が大きいから肩凝って仕方ないわー。

美羽のそのペッタンコな残念胸が羨ましいわー」

 

美羽「誰がペッタンコな残念胸じゃ!少なくとも桂花よりはあるわ!

お主も、姉二人より小さいではないか!」

 

小蓮「バカね。シャオのは美乳なのよ!小さ過ぎず、かと言って大き過ぎるわけじゃない。

一刀の手に収まるちょうど良いサイズ!あんまり大きくても、将来垂れるだけなのよ!」

 

………

 

美羽「で、あろうな。祭や穏を見ていると、少し哀れに思う。

あやつら、垂れないために胸筋を鍛えておるからな」

 

小蓮「そうなのよねー。あれ絶対お姉ちゃん達も大変だよ。

そのうち、雪蓮姉様あたりも垂れ始めるわ。歳を取るって怖いわねぇ」

 

美羽「まったくじゃ。その点我らはまだまだピチピチ!主様も喜んでくれるだろう!」

 

雪蓮「へー、良かったわねー。まだまだ若くてさ」

 

小蓮「ほんと、おかげで一刀もあい……って、この声……」

 

美羽「へ?って、げっ!?雪蓮!?」

 

私の登場に、二人は戦う手を止め、冷や汗を流してこちらに向いてきた

 

雪蓮「やっほー二人とも。ずいぶん久しぶりねー。元気にしていたかしら?」

 

小蓮「も、もちろんですよ雪蓮姉様。雪蓮姉様もお変わりなく、とても元気そうで」

 

美羽「そ、そうじゃの!雪蓮も相変わらず若いの!その若さの秘訣はいったいなんなのじゃ?」

 

雪蓮「あらぁ?別に秘訣なんてないわよ?それに、あなた達の方が若いんだしさぁ。

羨ましいわぁ。きっとそのうち、垂れて来ちゃうんでしょうね?」

 

小蓮「雪蓮姉様、怒っておいででしょうか……?」

 

雪蓮「別に怒ってないわよー。二人に会えてとーっても嬉しいんだから」

 

美羽「……こ、こいつじゃ!こいつが垂れるとか言い始めたのじゃ!」

 

美羽はシャオを指して言い訳を始めた。まったく無意味なのに…

 

小蓮「ちょ!?あんただって乗って哀れとか言ってたじゃない!?」

 

雪蓮「ちょっとちょっと二人とも。別に怒ってないわよ。だからそんな言い争いしない」

 

小蓮「ほんと?」

 

美羽「怒っておらんのかえ?」

 

雪蓮「えぇ。ただちょーっとだけ、訓練に付き合ってくれないかしら?

二人を見てたら、なんだか体を動かしたくなっちゃって」

 

美羽「ぴぃ!?」

 

小蓮「ッ!?しゃ、シャオもう疲れちゃったなぁ。ちょっと休んでく」

 

雪蓮「まだ、イケるわよね?だってあなた達、若いんだから」

 

私は逃げようとする二人の肩を掴んで引き止める。二人とも涙目で汗をかいていた

 

小蓮・美羽「い、いや~~~!!!」

 

 

 

七乃「クッ…相変わらずお嬢様は口の軽いバカ……

なんて愛おしいんでしょう」←一部始終を見ていてゾクゾクしている七乃さん

 

 

 

 

雪蓮「んー!スッキリした!」

 

シャオと美羽にせいさ……もとい訓練をした私は、ずいぶんと心が晴れやかになった。

シャオと美羽は煙を上げて倒れているが、まだまだね。これくらいで音を上げるなんて

 

雪蓮「おやおや?」

 

部屋に戻ろうと歩いていると、目の前を見慣れた人物が通った。

相変わらず、あの二人は仲良しね

 

雪蓮「やっほー明命、亞莎」

 

明命「雪蓮様!こんにちは!」

 

亞莎「こんにちは、雪蓮様。今朝は娘達がお世話になりました」

 

明命と亞莎は私の呼びかけに気付き、挨拶を返してくれた

 

雪蓮「なにしてんの?」

 

明命「先ほどまで休憩で、それで亞莎も同じく休憩でしたので、一緒に甘味を食べていました」

 

亞莎「ごま団子なんですけど、よかったら雪蓮さんもお一つどうですか?

私の手作りなんですけど」

 

そう言って亞莎はごま団子が入った容器を開けて見せてくれた。おー!美味しそう!

 

雪蓮「食べる食べる!亞莎のごま団子なんて、初めて食べるわ!」

 

明命「ふふ、亞莎のごま団子は絶品ですよ」

 

亞莎「えぇ!?『晋』さんで働いている雪蓮さんの舌に合うでしょうか…」

 

雪蓮「私の舌なんて、そんな大した事ないわよ!じゃあ、いただきまーす!」

 

私はごま団子を一口食べる。衣がカリカリとしている割には、中はふわふわだ。

甘さが控えめな餡と、ごまの風味がいい感じに合っている。これは文句無しね

 

雪蓮「亞莎、あなたうちで働いてみる気はないかしら?」

 

亞莎「えぇ!?『晋』さんでですか?」

 

明命「よかったですね亞莎。亞莎のごま団子は大陸一の料理店でも通用するそうですよ」

 

うちは特に甘味が少ないということもあるが、亞莎のごま団子なら間違いなく売れる!

私の勘がそう告げている!

 

雪蓮「亞莎!これ、もう一個貰っていいかしら?零士にも食べてもらうわ!」

 

亞莎「あ、はい、それは構いませんが…」

 

雪蓮「ありがとー!じゃあ行くわよ明命、亞莎!」

 

亞莎「へ?って、えぇ!?」

 

明命「わ、私もですかー!?」

 

私は明命と亞莎を引っ張り、厨房にいるであろう零士の元まで走ることにした

 

その道中…

 

祭「うぬぬ…」←胸の前でぎゅーっと合掌中

 

穏「ぐぬぬ…」←胸の前でぎゅーっと合掌中

 

………見なかった事にしよう

 

そして厨房に辿り着くと、そこには予想通り零士が夕食の準備をしている姿があった

 

零士「ん?どうしたの三人とも?まだ食べられるものはできていないよ?」

 

雪蓮「ふふーん!実は零士に是非食べて欲しいものがあるのよ!」

 

私は亞莎を引っ張り、零士の前に立たせる。

亞莎は少し戸惑いながらも、ごま団子が入った容器を開けてくれた

 

零士「これは、ごま団子?亞莎ちゃんが作ったのかい?」

 

亞莎「は、はい。あの、もしよろしければ、どうぞ…」

 

零士「あ、どうも。じゃあいただきます。あむ………!?こ、これは!」

 

零士は亞莎のごま団子を食べると、目を見開き、驚いていた

 

零士「亞莎ちゃん、是非うちで働かないかい?」

 

亞莎「えぇ!?零士さんまで!?」

 

明命「おぉ!ついに亞莎のごま団子が、大陸一の料理人のお墨付きを得ました!」

 

零士はごま団子を食べ切り、私と同じように亞莎を勧誘し始めた。

どうやら私の舌も確かなようだ

 

亞莎「さ、さすがに私まで呉を離れるわけには…」

 

零士「あ、そ、そうだよね。ごめんね。

あまりの美味しさに、ちょっと冷静な判断が出来なくなっていたよ」

 

申し訳なさそうに言う亞莎に、これまた申し訳なさそうに謝る零士。

なんだか見ていて面白いわね

 

零士「それで、このレシピ、いくらなら売ってくれるかい?言い値で買おう」

 

亞莎「えぇ!?」

 

しかし零士は意外と商魂逞しかった

 

 

 

とりあえず、亞莎のごま団子は、零士が呉にいる間亞莎に習う形になった。

その間の授業料は子ども達を鍛えあげること。

零士は素敵な交渉が出来たとご満悦のようだった。

零士が嬉しいって思うと、私まで嬉しくなるわね

 

祭「うぬぬ…」←胸の前でぎゅーっと合掌中

 

穏「ぐぬぬ…」←胸の前でぎゅーっと合掌中

 

あ、まだやってたんだ

 

 

 


 
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