No.697358

九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影=

Blazさん

寝た分、働け。

イメージソング

OP2「BLUE SANCTION」 BLAZBLUE -CHRONOPHANTASMA- より

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2014-06-29 11:07:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:843   閲覧ユーザー数:767

CP第一章 第三十四話 「対峙」

 

 

 

 

 

= アキツ、スノータウン付近 =

 

 

イカルガで唯一雪が降るアキツ。

しかし、その雪が無慈悲な烈火の炎で焼かれ、溶かされ、飲まれていったのだ。

その所為でその一帯の温度はみるみると上昇し、春の季節から夏への変わり目の様な暖かさとなっていたのだ。

 

アキツがここまでになる原因。

それは今戦っている者達が原因でもあったのだ。

 

 

 

フェイト「フォトンランサーッ!!」

 

距離を取ったフェイトは複数のスフィアを生成し、それを一斉に放つ。

しかし、一瞬にしてスフィアは全て切り裂かれ、撃破されたのだ。

 

フェイト「っ・・・・・!」

 

 

其処から反撃に放たれた紅蓮の一閃。

思わずシールドをカートリッジ込みで発動したフェイトはその一閃を受け止める。

 

だが、今までと違い火力が馬鹿高くなっていたせいか、シールドは呆気なく破壊されてしまったのだ。

 

フェイト「っあ!?」

 

反射で手を離したフェイトだが、僅かに攻撃が掠り、手にはヒドイ火傷が残った。

掠っただけでもこの威力。当たれば唯ではすまなかっただろう。

 

 

ルカ「フェイトッ!!」

 

僅かに隙が出来てしまったフェイトに、ルカがフォローに入る。

二丁の銃で弾幕を張り、相手の気を逸らす。

それが仇となったのか、寧ろ知られていたのか、相手をフェイトからルカに変え、ルカに対して連結刀の攻撃が襲い掛かった。

それを軽々と回避したルカはフェイトと同様に距離を取る。

 

相手の強さに驚くルカだったが、頬から血が僅かに流れているのには気づけなかった。

 

フェイト「・・・・・強い・・・・」

 

ルカ「ああ・・・・こっちは二人係だって言うのに・・・・・」

 

フェイト「これが・・・・模倣事象兵器の力・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

シグナム「ククククク・・・・・・」

 

フェイトとルカの前には狂気を纏ったシグナムが無傷で立っていた。

模倣事象兵器を生身で入れられた彼女はもう既に理性を半分ほど失っていたのだ。

その証拠に、周りは無秩序に広がる烈火。そして、彼女の足元は焼け野原の如く焦げていたのだ。

 

シグナム「憎い・・・・・・・アキヤ・・・・・・・・殺す・・・・・」

 

 

ルカ「・・・完全に俺狙い・・・か?」

 

フェイト「だったら私にわき目も無くアキヤに突っ込む筈。多分私も二の次だけど入っていると思う。一人で戦うよりも二人で分散して戦った方がいいよ。」

 

ルカ「・・・・それは分かったが・・・どうする?アイツの能力は馬鹿になんねーぞ?」

 

フェイト「うん・・・・・・その事なんだけど・・・」

 

 

その先から話されたフェイトの提案。それを聞き、ルカは自分の耳を疑った。

何故なら、その作戦は無謀の他に言い様が無い作戦ともいえない事だったのだ。

驚いたルカはその驚きを残しつつフェイトに再度尋ねたのだ。

 

ルカ「ほ・・・ほ、本気か!?」

 

フェイト「・・・だって、今の状況じゃコレしかないし・・・」

 

ルカ「いやだからって・・・・!」

 

フェイト「・・・・・・・アキヤ。」

 

ルカ「・・・・・・・っ。」

 

 

 

 

フェイト「・・・・・お願い。」

 

 

 

真剣な眼差しでルカの顔を見るフェイト。

その表情にルカは少し考えたが、結局は折れてしまい、条件付で承諾したのだ。

 

ルカ「・・・・・・・分かった。但し。無理はするなよ。」

 

フェイト「・・・・・・・・うん!」

 

 

 

 

出たとこ勝負の賭けの始まり。

賭けの始めはブレイドフォームに変えたフェイトでの突撃だ。

 

ルカ「行くぞ・・・・・・!」

 

そして、グリムニルを術式で纏い、ルカは力をグリムニルと術式に集中させていく。

 

 

刹那。グリムニルの形状が変化する。

 

 

 

ベルヴェルクと同じく、何かに成るのか。

ロケット砲かガトリングかと思われたが、グリムニルはそのどちらにも成らなかった。

俗に言う対戦車ライフル。正にそれだったのだ。

 

ルカ「吼えろ!ガイア!!」

 

 

照準をシグナムにあわせ、トリガーを引く。

其処からはまるで生き物の咆哮の様な発砲音とともに弾丸が放たれた。

同時に大きな反動がルカを襲うが、足を踏ん張り、どうにか少し退いた程度で保てた。

だが、身体にはとてつもない反動が響き、その証拠に歯肉から血が出ていたのだ。

 

ルカ「ぐっ・・・・!」

 

シグナム「・・・・・・・・!」

 

その弾丸をシグナムは剣で弾き飛ばすか斬ろうとする。

が、術式によって強化された弾丸に剣が負けてしまい、レヴァンテインが弾き飛ばされたのだ。

 

シグナム「ガッ・・・・・・!?」

 

 

ルカ「フェイトッ!!」

 

 

 

 

フェイト「行くよ・・・・シグナムッ!!」

 

カートリッジでの能力強化は出来ていた。それによって圧倒的スピードでシグナムの懐についたフェイト。

バルディッシュでシグナムを切り裂くかと思われたが、バルディッシュは『左手』に持たれていたのだ。

では一体何をする気なのか。

 

それは。

 

 

 

 

ガシィッ!!

 

 

シグナム「っ!?」

 

フェイト「見よう見真似の技だけど・・・・・・!!」

 

フェイトが右手でシグナムの頭を掴んだのだ。

其処からは僅かに電流が流れているのが見て分かった。

そして、右手に術式と魔力のエネルギーを集束させ、右手を獣の様な姿に変えたフェイトは其処から膨大な電流とともに叫んだのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイト「ショート・・・・・ボルトォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

 

 

 

 

刹那。大量の電流がシグナムに向かって放たれた。

その技こそ、フェイトの友人であるキリヤが使用していた技、『ショートボルト』の物まねバージョンだったのだ。

キリヤのショートボルトは魔素を使って大型の獣の手を作り出し、相手を掴んで魔力で電撃を流すといったやり方である。

しかし、フェイトのは彼女の魔素の管理能力が未発達な部分がある為、所々を魔力でカバーし、手の周りだけに術式と魔力を集めたものとなったのだ。

当然、短所はレンジが極めて短い事だが、威力はキリヤの技に勝るも劣らないものだった。

 

 

 

シグナム「?!?!?!?!?!??!」

 

 

 

声にもならない叫びと共に、シグナムはその電撃を受けた。

幾ら模倣事象兵器とて流石にこれだけ至近距離なら効果はあるだろう。

 

シグナムがそのままの状態で倒れ、其れを見て手を離したフェイト。

その一撃に全てを込めたかのように激しい息切れをしていたのだ。

 

フェイト「はっ・・はっ・・はっ・・・・」

 

ルカ「だ・・・大丈夫かよ!?」

 

フェイト「う・・・うん・・・・・・ちょっと身体が痛いだけ・・・・・」

 

ルカ「・・・・まさか、ココに来てカートリッジと魔素のダブルパンチかよ・・・・・」

 

フェイトがココまで息切れをしたのはカートリッジの負荷と魔素の侵食である。

といっても、魔素の影響はまだ微々たる物で大半はカートリッジが原因だろう。

その証拠に、僅かにではあるがリンカーコアの魔力が弱まっていたのだ。

 

ルカ(やっぱりココに順応しきれてないか・・・・けど、それは皆同じだ・・・例外は何人か居るけど・・・・・)

 

 

ちなみに。この世界の魔素に順応仕切れているのは旅団でも数人。

ランク順にすると、朱音・蒼崎・リバインズ・ZERO・支配人・Blazのたった六人。

ナンバーズ以外を入れたとしてもニュー唯一人なので実質七人だけが魔素に対する抗体を持って居たのだ。

 

ルカ「何処かで少し身体を休めないと・・・・・」

 

フェイト「っ・・・・駄目・・・・・・急がないと・・・・」

 

ルカ「・・・・そうは言うけど、その身体じゃどうにも成らないぞ。」

 

フェイト「・・・・・・・・・。」

 

ルカ「身体を休める事も大事だ。今はその身体を大事にしろ。」

 

フェイト「・・・・・・・・ん・・・。」

 

急がば回れ。ルカの言葉にフェイトも渋々了承し、少し身体を休める事にした。

すると、身体は正直であったようで、少し身体から力を抜くと途端に身体から力が抜けきってしまい、立てなくなり、地面に尻餅をついたのだ。

 

フェイト「うわっ・・・・」

 

ルカ「っと・・・・大丈夫かよ・・・」

 

フェイト「・・・・・・・・!//」

 

後ろからルカがフォローして腰辺りに手を置く。

尻餅はついたが、身体全体は倒れずに済んだ。のだが、流石にルカとの距離が近く、フェイトは顔を赤くしていたのだ。

 

ルカ「・・・・・どうした?」

 

フェイト「えっと・・・・・・なんでも・・・・・・・・」

 

ルカ「・・・・・そうか・・・・」

 

 

フェイト「・・・・・アキヤ?」

 

ルカ「・・・・・・・何で・・・・・シグナムはこうまでして俺達の前に立ちはだかったんだ・・・・」

 

 

唐突に呟くルカ。それは、自分達の前に倒れるシグナムに向かっての事だった。

主が為と言い、結果的には主の意思を無視して自身の考えに酔った。

そんな彼女を哀れと取るか愚かと取るか。

しかし、それは二人の考えであり、干渉すべき事ではない。

複雑な心境ではあったが、『それでも』と思い、二人は倒れたシグナムを見つめていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方。

イブキド封鎖地区で戦うハクメンは途中参加のアズラエルと共に襲い掛かってきたZEROの相手をしていた。

 

 

 

ハクメン「・・・・・・・・。」

 

 

 

鳴神を構え、対峙する二人に無情の面ではあったが睨んでいるのが分かる。

対する二人は余裕以上の表情で、ハクメン以上に傷ついていたが殺気などか、今まで以上に高ぶっていたのだ。

 

アズラエル「・・・・・さて。どうする?」

 

ZERO「・・本当は一人で食うつもりだったが・・・・流石に相手が一人だからなぁ・・・・」

 

ハクメン「・・・・どちらにしても私は変わらん。我は貴様等を屠る。」

 

アズラエル「フフフフフ・・・・・・確かにな。なら・・・・・」

 

ZERO「全てはまず貴様を倒してからだ・・・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那。アズラエルの身体に刻まれた紋様が暗く輝き始める。

周りには赤黒いオーラが漂っている。

同時に漂う殺気とプレッシャー。

 

 

 

ハクメン「・・・・・・・オーバードライブ・・・・・違うな。」

 

 

 

 

 

 

 

アズラエル「暴虐呪(エンチャットドラグノフ)、Lv.2・・・・開放・・・・!」

 

 

 

 

ハクメン「・・・・・なるほど。それが貴様の『拘束陣』か。」

 

 

 

 

アズラエル「ククク・・・・・流石は六英雄・・・一目見ただけで其処まで理解するか。そう・・・・これは俺の拘束具(リミッター)。でなければ満足に食事も出来んからな。」

 

 

ハクメン「・・・・・・・・。」

 

 

 

ZERO「・・・・・ほう・・・・・と言う事は・・・最大レベルではないのだな?」

 

 

アズラエル「当然だ。まだまだ序の口・・・・だが・・・貴様相手にこれで足りるかとも思えるがな・・・・・」

 

 

 

明らかな挑発にハクメンは静かに全身に力を込める。

そうでもしなければ直ぐに対応できないからだ。

 

木々が揺れ、地面が響き、生き物が怯え逃げ惑う。

 

三者のオーラとプレッシャーが具現化したように周りに影響を及ぼしていた。

もし、この状態でぶつかり合えばどうなるのか。

確実に一帯に甚大な影響が出るのは明白だ。

 

だが、今の彼等にはそんな事は気にもしないだろう。

 

油断すれば確実に死ぬ。

殺気だった三人はいつでも戦える臨戦状態だった。

 

 

 

 

ZERO「行くぞ・・・・・・!!」

 

 

 

ハクメン「・・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし。三人が相手に向かって襲い掛かる瞬間。

突如銀色の鉄球が数個、両者の間に放たれた。

 

アズラエル「・・・・・・!」

 

 

ハクメン「何っ・・・・・」

 

 

ZERO「・・・・・この攻撃・・・・・まさか・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「其処までです!狂犬アズラエル、凶獣ZERO!!」

 

 

 

ハクメン「お前達は・・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

= BGM : Condemnation Wings Ⅱ =

 

 

 

 

其処に現れたのは二人の女性と少女(?)。

赤い髪をなびかせ、審判の目と騎士の鉄槌を持つ者たち。

封印兵装『十六夜』を纏ったツバキと、バリアジャケットを纏ったヴィータだった。

 

 

ツバキ「ハクメン様!」

 

ヴィータ(マジで顔がねぇのかよ・・・・どうやって周り見てんだ?)

 

 

アズラエル「・・・・封印兵装だと?」

 

ZERO「オマケにヴォルゲンリッターとは・・・・物好きな連中だ。」

 

突如として現れた二人にアズラエルとZEROは眉を顰める。

それぞれ知る相手ではあったが、二人にとってどちらも最早あまり眼中に無い相手だった。

その理由はシンプル。『つまらない相手』だからだ。

 

ハクメン「・・・・・何故ココに来た。」

 

ツバキ「申し訳ありません・・・ですが・・・・・・私・・・・・」

 

ハクメン「・・・・・・・。」

 

 

ヴィータ「・・・分かってやってくれ。自分の正義信じてココまで来たんだ。コイツが何をしたくてココに来たのか・・・・アンタなら分かるだろ?」

 

ハクメン「・・・・・・・。」

 

 

 

ZERO「正義好きな連中が揃いも揃ってとはな・・・・笑えんな。」

 

ヴィータ「言っとけ。この駄犬。テメェにゃ色々と借りがあるからな。ココできっちりと変えさせてもらうぜ!」

 

アイゼンをZERO達に向け、戦闘の意思を示すヴィータ。

それにはZERO達も呆れてはいたが、同時に暇つぶしにはなると思っていた。

喰らう者が増えたからだ。

 

 

ハクメン「・・・・・・この場。預けるぞ。」

 

ツバキ「っ・・・・・・!」

 

 

アズラエル「何っ・・・・!?」

 

ZERO「・・・・・!」

 

 

ツバキ「・・・・はい!」

 

ハクメン(・・・・すまない・・・ツバキ・・・・)

 

 

何故ハクメンはツバキ達にこの場を任せるといったのか。

それはこの時、ZERO達には分からなかった。

 

ハクメンはそう言って鳴神を納刀すると、量産素体が自爆して開けた穴に向かって飛び込んだのだ。

其れを見て、アズラエル達が妨害しようとするが、それをツバキとヴィータが盾とアイゼンで防ぐのだった。

 

ZERO「っ・・・・・邪魔だぁ!!」

 

ツバキ「・・・・ココからは行かせませんッ!!」

 

ハクメンの使命を感じ取ったツバキ。

再び白く輝く十六夜を纏い、ZERO達と対峙したのだ。

当然。彼女達も二人で彼等の相手が勤まるはずが無いと言う事は理解していた。

なればと言う手もある。それは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何処見てるよ。ZERO。」

 

 

ZERO「ッ!!!」

 

 

刹那。魔力強化がされた拳のストレートを喰らい、ZEROは僅かにたじろぐ。

其れを見てツバキは僅かに表情をにやけさせた。

それが彼女がココで戦うと断言したもう一つの手だったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Falsig「寝てた分は・・・・・きっちり返す。」

 

 

ZERO「・・・・・・Falsig・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。一方・・・

 

 

 

 

ジン「ハハハハハハハハハハハハハハ!!兄さん!!待ってたよ兄さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

 

 

Blaz「俺はお前の兄貴じゃねぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」

 

 

 

面倒な戦いがイブキド付近で始まろうとしていた・・・のか?

 

 

 

 


 
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