No.670372

リリカルHS 9話

桐生キラさん

こんにちは!
今回はヴィータ視点による休日風景です

2014-03-13 17:00:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1575   閲覧ユーザー数:1412

 

 

 

 

 

 

ヴィータ「ちぇー、せっかくの休日だってのに、あたしだけ休みじゃなぁ」

 

ある休日の昼前、あたしは暇を持て余していた

 

はやて、シグナム、シャマル、ザフィーラ、リインは管理局の仕事で今日は家にいない。

あたしは基本的に平日に仕事を入れている為、はやて達と休日が被らないなんて事はよくある事だった

 

ヴィータ「昼飯、どうしようなぁ」

 

朝ははやてが作っていったものを食べたから良かったが、昼は用意されていなかった。

あたしは食べる専門だから、作る事はできないし…

 

ヴィータ「とりあえず、外に出るか」

 

あたしはとりあえず外に行く事にした。管理局で働いているから金はある。

ただ一人で外食となると、この見た目のせいで子ども扱いされ、

「一人でよく来たねー」なんて事を言われるのが悩みではあるんだよな

 

ヴィータ「ま、いざとなったら翠屋にでも行くか」

 

あたしはそう決意し、家を出るのだった

 

 

 

 

 

 

現在は5月の頭、世間はゴールデンウィークの真っ只中だ。

気候はとても暖かく、日本で言えば一番過ごしやすい季節となった。

こういう晴れた暖かい日は、散歩しているだけでも、なんとなく清々しい気分になってくる

 

ヴィータ「ん?」

 

あたしはふと、通りかかった小さな公園に目をやる。

遊具があって、砂場があって、子ども達が走り回っている。なんてことない普通の公園。

だけど一箇所だけ、普通ではない光景があった。

子ども達が遊んでいる端で、ベンチで寝ている大男が居たのだ

 

レーゲン「あ、ヴィータさん!こんにちは!」

 

子ども達と走り回っていたレーゲンが挨拶をしてくる。

あたしはそれに気付き、レーゲンに近づいた

 

ヴィータ「おう。お前のご主人様?はまた寝ているのか?」

 

レーゲン「はい!しきさん、あそこで寝るのが好きみたいで」

 

あたしは寝ている士希を見やる。あんなんだから、はやてから公園の主とか呼ばれるんじゃないか?

 

子ども1「あ、レーゲンくん、ぼくお腹すいたからご飯たべてくるね」

 

子ども2「あ、わたしも〜」

 

子ども3「ぼくもー!レーゲンくん、また遊ぼうね!」

 

レーゲン「うん!またねー!」

 

そう言って、先ほどまで遊んでいた子ども達は帰って行った。

残されたのはレーゲンと士希とあたしだけ

 

レーゲン「僕もお腹空いたなぁ。そろそろしきさんに起きてもらおう」

 

レーゲンは士希をゆさゆさと揺らして起こす。すると士希はゆっくり目を開けて起きた

 

レーゲン「しきさん!お腹空きました!」

 

士希「んお、もうそんな時間か……おや?

君は確か、はやてのところのヴィータちゃんじゃないか。おはよう」

 

ヴィータ「おはよう。お前、いつもここで寝ているのか?」

 

士希「暖かいからねー。このベンチには魔力を感じるよ」

 

ケラケラと笑って言う士希。夏に入るまではここに住もうかなとか言う始末だった

 

士希「さて、では帰るか。ヴィータちゃんはお昼食べたかい?まだならご馳走するけど」

 

ヴィータ「いいのか?」

 

士希「はは、君の主は、断り無しに俺の弁当をつついていくよ?」

 

ヴィータ「……なんか、ごめんな?」

 

士希「もう、慣れたよ…」

 

そう言う士希には、なんとなく哀愁を感じられた

 

 

 

 

士希「さぁ、どうぞー」

 

士希の家は、八神家の前にあるマンションの一室。そこの最上階だった。

中はマンションにしてはとても広い。だが広い割には、人がいない

 

ヴィータ「親はいないのか?」

 

士希「あぁ。ちょっと遠い所にいるんだ」

 

ヴィータ「そ、そうなのか…」

 

遠い所。仕事の都合でいないのか、それとももしかしてこいつも、

はやてと一緒で両親がもう…悪い事聞いちまったのかな

 

ヴィータ「寂しくないのか?」

 

士希「ん?そうだなー、今はレーゲンもいるからなんて事はないけど、

以前は多分、寂しかったんじゃないかな。『おかえり』って言ってくれる人がいないと、

しんみりしちゃうからね」

 

ヴィータ「そっか」

 

あたしはそれ以上何も言えなかった。はやても同じ気持ちだったのだろうか。

夜天の書が起動するまでのはやても、きっと寂しかったに違いない

 

ヴィータ「おかえり、か…」

 

今後はちょっと、気にしてみようかな

 

 

 

 

 

士希「さて、レーゲンにヴィータちゃん、何が食べたい?一応何でも作れるよ?

ちなみに昨日の夕飯はカレーだったからカレーもあるよ」

 

士希はエプロンを着けて聞いてくる。はやて曰く、士希の料理はプロ並みらしい。

はやてが士希の作ったハンバーグを食って絶賛していたからな

 

レーゲン「僕はオムライス!」

 

レーゲンは手を挙げて元気良く注文した。オムライスか、それもいいけど…

 

ヴィータ「なぁ、ハンバーグは作れるか?」

 

あたしは恐る恐る聞いてみる。すると士希は笑顔で

 

士希「はは、そんなに遠慮しなくていい。ハンバーグとオムライスだね?

わかった。早速作るか」

 

士希はそのままキッチンでご飯を作り始めた。あたしとレーゲンはその光景を眺めて待っていた

 

レーゲン「ごっはん♪ごっはん♪ごっはっんー♪」

 

レーゲンが何やら歌い始めた

 

ヴィータ「そんなに楽しみなのか?」

 

レーゲン「ふふーん!しきさんの料理は凄いですよ!

インスタントやコンビニ弁当が霞んでしまうレベルです!」

 

士希「あはは、レーゲン!嬉しいけどハードルが凄い上がってるぞ」

 

士希の言う通り、あたしの中でだいぶハードルが上がった。これは楽しみだ

 

程なくして、士希が料理を持ってやってきた。三人分のオムライスとハンバーグ。とてもいい匂いだ

 

士希「さぁ、食べようか」

 

士希が席につき、手を合わせる。あたしとレーゲンも手を合わせ…

 

ヴィータ・レーゲン「いただきます」

 

まずはハンバーグだ。はやて絶賛のハンバーグに箸を入れていく。とても柔らかい。

半分に割っていくと肉汁が溢れていく。あたしはさらに一口サイズに割っていき、それを…

 

ヴィータ「あむ……!!」

 

う、美味い!噛めば噛むほど広がる肉の旨みが、このソースとうまくマッチしてる!

はやての気持ちがわかったぜ。これはやみつきになる!

 

ヴィータ「もぐもぐ…あむ!……!!」

 

あたしはご飯が欲しくなり、半熟トロトロの卵が乗ったオムライスを口に運ぶ。

するとそのオムライスは、普通とは少し違う味付けだった。これは…カレーか?

 

士希「ふふ、今日のオムライスは、昨日の残りのカレーと一緒に炒めたものなんだ。

意外とイケるだろ?」

 

ヴィータ「あぁ!ほんのりピリッと感じる辛味とこの半熟玉子が絶妙だ!美味いぞ!」

 

士希「はは、足りなかったら言うんだよ」

 

あたしは士希の発言を聞き、食べる事に集中する事にした。

喋る時間がもったいない。今はこの料理の虜になっていたかった

 

 

 

 

ヴィータ「ふぅ、食った食った。ご馳走様!」

 

士希「お粗末様でした」

 

あたし達三人は昼食を終え、思い思いに過ごしていた。

士希は料理の後片付け、レーゲンは何やらテレビゲームをつけていた

 

レーゲン「ヴィータさん!ゲームしましょう!」

 

ヴィータ「お!無双○ロチ2か。いいぜ!」

 

あたしはレーゲンの隣に行き、コントローラーを手に取る。

この家凄いな。ありとあらゆるゲームがある

 

ヴィータ「お!バ○オ5と6あんじゃん!うちにもあるからオンラインしようぜ!」

 

士希「いい趣味だね。連絡さえくれたらいつでも出来るよ」

 

洗い物をしながらこちらを見ていた士希が言った。どうやら士希とはいい友達になれそうだ

 

 

 

 

 

レーゲン「よーし!僕は司馬懿と司馬師と司馬昭にします!」

 

レーゲンはキャラを選び終わったようだ。どうやら司馬一族でやるらしい

 

ヴィータ「ん?なんかこの司馬昭ってやつ、どことなく士希みたいだな」

 

士希「ゲホッゴホッ!!?」

 

なにむせてんだあいつ

 

レーゲン「あ、やっぱりヴィータさんもそう思いますよね?僕も似てるって言ったんだー」

 

士希「いやいや、俺はあんな面倒くさがりじゃないからね」

 

ヴィータ「まぁ、よく見れば違うんだけど、なんとなくってやつだ」

 

でも、ホントなんとなく、似ている気がした

 

 

 

 

 

ヴィータ「あたしは王元姫、貂蟬、卑弥呼にしようかな。

こいつらホント綺麗だよなぁ。絶世の美女っての納得だぜ」

 

あたしは気に入っているこの三人をセレクトする。

すると士希が洗い物を済ませ、飲み物を持ってきてくれた

 

士希「貂蟬…卑弥呼…王元姫か…現実でもこれなら…」

 

ヴィータ「ん?なんか言ったか?」

 

士希「いや、なんでもないよ…」

 

そういう士希の顔はどことなく暗かった

 

 

 

 

 

ゲームで遊んで数時間、気付けばもう夕方だった

 

ヴィータ「あ、もうこんな時間か。そろそろ帰んなきゃな」

 

レーゲン「えー!もっと遊びましょうよ!」

 

士希「こらレーゲン。わがまま言わない」

 

ヴィータ「悪いなレーゲン。また遊びに来るから」

 

レーゲン「うー、絶対ですよ!」

 

士希「はは、ごめんね。家まで送るよ。って言っても、目の前だけどね」

 

あたし達三人は士希の家を出て、マンション一階まで降りた。するとレーゲンが…

 

レーゲン「!!しきさん!来ます!」

 

突然犬型になったレーゲンが接敵を知らせてくれる

 

士希「りょーかい。ごめんねヴィータちゃん、ちょっと巻き込むよ」パチンッ

 

そして士希が指を鳴らすと、結界が展開されていく。

こいつ、あんな軽々とこんな大規模な結界を展開できるのか

 

士希「さて、リアル無双でもするか」

 

ヴィータ「付き合うぜ。アイゼン!」

 

あたしは騎士甲冑を身に纏い、グラーフアイゼンを出す。その隣では士希がナイフを手にしていた

 

士希「ふむ、今日は数が多いな」

 

目の前にはワラワラとマリオネットの大群が展開していた。

そのマリオネットが持っている武器が剣やら鎌やらショットガンやらと、なにかと物騒だった

 

ヴィータ「おい、撃破数で勝負しないか?」

 

士希「はは、俺は意外と強いぞ?」

 

ヴィータ「はやてから聞いてるぜ。人外なんだってな。だけど、あたしも強いぜ」

 

士希「ふふ、なら君が勝ったら、何でも言うことを聞こう」

 

何でも、か。なら絶対に勝つしかないな

 

ヴィータ「行くぞアイゼン!目の前の敵をぶち抜けー!!」

 

 

 

 

はやて「ただいまー」

 

時刻は19時半頃。はやて達が帰ってきた

 

ヴィータ「おかえりはやて!」

 

あたしははやてに抱きついて『おかえり』を言った。するとはやては頭を撫でてくれた

 

はやて「ん?どうしたんヴィータ?今日はえらい甘えんぼさんやね」

 

ヴィータ「あぁ、ちょっとな」

 

あたしははやてから離れる。そして後ろにいたシグナム、シャマル、ザフィーラ、

リインにも『おかえり』を言った。皆は不思議そうな顔をして首を傾げていた

 

はやて「ん?えらい良い匂いが…なんか出前でも取ったん?」

 

ヴィータ「あぁ、ちょっとな。さぁはやて!こっちに来て!」

 

あたしははやてを引っ張り、リビングに連れて行く。リビングには鍋が用意されてあった

 

士希「おかえりはやて。一応風呂も沸いてるし、飯の支度も済んでるぞ」

 

レーゲン「おかえりなさい、はやてさん!」

 

はやて「し、士希君にレーゲン!?なんでここに?え?てか、これ士希君が?」

 

士希「あぁ、士希さん特製の水炊き鍋だ。ヴィータちゃんに頼まれて作ったんだが、迷惑だったか?」

 

あの後、あたし達はマリオネット共を撃退し、その撃破数であたしは勝利した。

そしてあたしは士希に、はやて達に料理を作ってくれと頼んだのだ。

士希は「そんな事でいいのか?」と言ってきたが…

 

はやて「いや、迷惑なんかやないけど…うん、嬉しいわ。ありがとう士希君!」

 

あの優しいはやての笑顔が見れるんだ。あたしにとっては、とても大切なお願いだった

 

 

 

 


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