No.646294

真・恋姫†無双~赤龍伝~第124話「黒幕は誰だ?」

さん

主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきますので、ご注意ください。

2013-12-19 02:24:12 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2578   閲覧ユーザー数:2400

真・恋姫†無双~赤龍伝~第124話「黒幕は誰だ?」

 

 

愛紗「辻斬りの男を逃がしただとーっ!」

 

玉座の間に愛紗の声が響き渡る。

 

翠「それってどういう事だよ!」

 

朱里「えっとですね。それは…」

 

焔耶が赤斗に詰め寄って、胸座を掴んだ。

 

焔耶「貴様どういうつもり何だ!? ……少しは認めてやっても良いと思っていたのに」

 

赤斗「………」

 

桔梗「焔耶、無礼だぞ。その手をはなさんか!」

 

焔耶「しかし、桔梗様。この男の所為でせっかく捕えた下手人に逃げられたんですよ!」

 

朱里「待ってください。これには事情があるんです」

 

焔耶「事情だと?」

 

朱里「はい。実は…わざと逃がしました」

 

一同「「な、なにーーー!?」」

 

 

翠「それってマジなのかよ!?」

 

朱里「はい。赤斗さんに協力して頂き、わざと逃げやすい状況を作りました」

 

愛紗「朱里よ。何故そのような事をしたのだ?」

 

朱里「それは今回の辻斬り騒動の黒幕を暴く為です。捕まえた辻斬りさんにどんな手段を使っても情報は得られないでしょう。だから…」

 

星「いっそのこと逃がして泳がしてみるというわけだな」

 

朱里「はい」

 

焔耶「だが、あの男を見失ってしまったら、元も子もないではないか!」

 

雪蓮「見失ってなんかないわよ」

 

焔耶「なに?」

 

雪蓮「優秀なうちの娘がしっかりと尾行しているわ♪ 赤斗をまいたと思って、油断していると思うから、きっと黒幕の所に戻っているんじゃない?」

 

桃香「焔耶ちゃん。そろそろ赤斗さんを放してあげようよ」

 

焔耶「あ、……す、すまない」

 

焔耶はようやく赤斗の胸座から手を放した。

 

赤斗「はは…大丈夫ですよ」

 

愛紗「桃香様もご存知だったんですか?」

 

桃香「うん。事前に朱里ちゃんや雪蓮さんから聞いていたから。でも、びっくりしたよ。せっかく捕まえた辻斬りさんをわざと逃がすだなんて言うんだもの」

 

翠「それで、黒幕はいつ分かるんだよ?」

 

雪蓮「さあね。近くにいるんなら、その分早く分かるんじゃない」

 

思春「雪蓮様。ただ今戻りました」

 

今まで居なかった思春が姿を現す。

 

雪蓮「あら思春、案外早かったわね。待ってたわよ。で、どうだった?」

 

思春「実は…」

 

 

桃香「張暗さんのお屋敷に!?」

 

愛紗「思春殿。それは間違いないのか?」

 

思春「ああ、間違いない。例の辻斬りの男は、一旦は成都を出たが、再び戻ってきて張暗とやらの屋敷に入っていった」

 

赤斗(張暗? そんな人物、三国志に出ていなかったよな……)

 

翠「よっしゃー。早速、張暗の屋敷に乗り込もうぜ!」

 

桃香「ちょ、ちょっと待って!」

 

焔耶「何故、止めるんですか? 張暗を庇うおつもりですか?」

 

桃香「だって、まだ張暗さんが黒幕だって決まったわけじゃないし」

 

赤斗「あのぉ張暗って何者です?」

 

星「成都を中心に手広く商いを行っている豪商です」

 

赤斗「豪商、か」

 

愛紗「桃香様。いかがしますか?」

 

桃香「うーーんとねぇ。とりあえず、張暗さんにお話を聞いてみようよ」

 

雪蓮「でも、『辻斬りの黒幕ですか?』って聞いても、素直には認めないと思うわよ」

 

朱里「そうですね。では、張暗さんを宴に招待しましょう」

 

赤斗「宴に招待?」

 

朱里「雪蓮さんの歓迎の宴を開き、成都の商人の代表として張暗さんを宴に招待しす。そして、張暗さんが城に来ている間に屋敷を調べてみて如何でしょう」

 

桃香「勝手にいいのかな?」

 

愛紗「そんな事を言っている場合ではありませんよ」

 

朱里「雪蓮さんたちにも、ご協力をお願いしたいんですけど、よろしいですか?」

 

雪蓮「別にいいわよ。面白そうだしね♪」

 

 

―――張暗の屋敷―――

 

張暗「なあなあ玄武はん。大丈夫やろか?」

 

小太りの中年の男が落ち着かない様子で、目の前で座っている男に尋ねる。

 

玄武「何をうろたえる必要があるのだ?」

 

張暗「これがうろたえずにはいられるかいな! 城から宴の招待状が届いたんやで。都の商人の代表として、ワイに来て欲しいとか何とか書いてあるけど、きっと辻斬りの事がバレたんや! そうに違いあらへん!」

 

玄武「ばれているのなら今頃、この屋敷に兵たちが差し向けられている筈さ。せいぜい今は、疑いはあるが確証がないってところさ」

 

張暗「……ほんまやろな?」

 

玄武「ああ、城に行っても堂々としていれば問題はないさ。後始末は俺がするから安心しろ」

 

張暗「わかった。玄武はんを信じようやないか」

 

玄武「……」

 

張暗「平和な世の中よりも、戦乱の世の中の方が儲かる事を教えてくれた事に感謝してるんや。だから、今は玄武さんの事を信じましょう」

 

 

 

つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
6
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択