No.636773

九番目の熾天使・外伝 ~改~

竜神丸さん

対決:二人の人形兵器

2013-11-14 16:40:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1385   閲覧ユーザー数:935

「な、何だ貴様等は!!」

 

「寝てろボケ」

 

「な…ほがぁっ!?」

 

四人が研究施設に突入してから数十分。

 

警備員の顔面に膝蹴りを炸裂させ、昏倒させるガルム。その後方ではロキが別の警備員を手刀で気絶させている。

 

「ディアーリーズ、そっちはどうだ?」

 

「こっちも全員倒しました!」

 

ディアーリーズも、向かって来た警備員達を全員倒したようだ。その後方には、彼によって倒された警備員達が山のように積まれている。

 

「終わったのならさっさと進みましょう。システムはいくらかダウン出来たものの、奴等の事です。既に私達の侵入には気付いてるでしょうね」

 

「いや、お前も少しは働けっての」

 

「私はあくまで、データ収集に徹したいので」

 

「お前なぁ…」

 

竜神丸の変わらない態度に、ガルムは呆れつつもビームライフルにエネルギーを充填する。

 

「…さて。ロキさん、ディアーリーズさん」

 

「「!」」

 

「施設内の構造は大体把握しました。二人のデバイスに、データを送っておきます」

 

竜神丸がタブレットを操作し、ロキとディアーリーズの持つデバイスに施設内部のデータが送られる。

 

「んじゃまぁ取り敢えず、ここからは二手に別れるとしましょうかね。道も二つ分かれてる事だし」

 

「俺はディアーリーズと一緒に、子供達の捕らえられているフロアまで向かう。ガルムと竜神丸は二人で先に進んでくれ」

 

「了解しました」

 

「んじゃ、そっちは頼むぜ」

 

ガルムと竜神丸は二人で先に進み、残ったロキとディアーリーズはもう片方の通路を見据える。

 

「うし、俺達も行くぞディアーリーズ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「班長、侵入者が!!」

 

「侵入者だと!? 警備の連中はどうした!!」

 

「警備隊、全滅です…!!」

 

「な、何だと!?」

 

現在、施設内は慌しくなっていた。突然侵入者が現れたかと思えば施設内で暴れ始め、警備員はあっという間に全滅。この緊急事態に、技術班班長は思わず歯軋りする。

 

「おのれ……No.88とNo.91を迎撃に回し、仕留めさせろ!! 絶対にここへ近付けさせるな!!」

 

「は、はい!!」

 

(まだ手札はある……精々足掻け、侵入者共め…!!)

 

クククと下卑た笑みを浮かべつつ、班長はモニターに映っているロキ達を睨み付ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最奥部はこの先か?」

 

「はい、もう少しで辿り着きます」

 

襲い来る警備隊はガルムが薙ぎ倒し、発動するレーザートラップは竜神丸が破壊して突破、二人は技術班のいる最奥部まで後少しの距離を駆け抜けていた。

 

その時、タブレットでフロア構造を見ていた竜神丸は何かに気付く。

 

「…ッ!? ガルムさん!!」

 

「ん……ぬぉあ!?」

 

前方から一発の光線が放たれ、二人は素早く回避して立ち止まる。

 

「ヘヘヘ……餌がノコノコと現れてくれたな…」

 

「「!?」」

 

通路先の暗闇から、一人の男が姿を現す。両腕両足、ボディ全体に機械のアーマーを取り付けられた金髪の男だった。

 

「…あなたは?」

 

「あぁん? この俺が、何でお前等なんぞに名乗らなきゃなんねぇんだよ……と言いたいところだが、特別に名乗ってやらん事もねぇぜ」

 

男は右腕のアーマーから仕込み刃を、左腕のアーマーからビームライフルを出現させる。

 

「ここでは一応、No.88って名前になってる。よろしくなぁ」

 

「No.88…!?」

 

「…実験体、という事ですか」

 

「まぁそういうこったなぁ。そんな訳で…」

 

ビームライフルの銃口が、ガルムと竜神丸に向けられる。

 

「絶望しながら死んでいけや……檻の中に迷い込んだ、哀れな小ネズミさん達よぉっ!!!」

 

「「…ッ!!」」

 

戦いの火蓋は、切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ロキとディアーリーズは…

 

 

 

 

 

 

 

-ズガァンッ!!-

 

「ここか!?」

 

「はい、間違いありません!!」

 

入り口を破壊し、二人は牢獄フロアに到着した。牢獄には10代に満たないような子供達が、実験用として収監されていた。

 

「だ、れ…?」

 

「お兄ちゃん達、誰…?」

 

「大丈夫ですよ。すぐにここから出してあげますから」

 

ディアーリーズが牢屋を破壊し、中にいる子供達を助け出す。

 

「ディアーリーズ、どうだ?」

 

「心身共に、だいぶ衰弱してます。早く地上まで運びましょう!」

 

「と言っても、結構な人数だな。こりゃアン娘さん達に応援頼んだ方が良さそうだな」

 

ロキはユーズを通じて、現在楽園(エデン)にいるメンバーへ応援を頼もうとする。

 

そう……通信に集中していた為、彼はすぐには気付けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身にアーマーを装備した少女が、真上からロキ目掛けて斬りかかろうとしていた事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「侵入者発見……ターゲット、二名…」

 

「!! 何だ…うぉわっ!?」

 

寸でのところで殺気に気付いたロキがユーズを振るうのと、少女がブレードで斬りかかるのはほぼ同時だった。互いの武器がぶつかり合い、パワー差で僅かに上回っていた少女がロキを壁まで吹っ飛ばす。

 

「え、ロキさ…」

 

「No.91、戦闘を開始します…」

 

「な!? くぅ…!!」

 

ロキを吹っ飛ばした少女―――No.91は左腕に装備された光線銃をディアーリーズに向け、ビームを連射。ディアーリーズは素早くしゃがんで回避し、レオーネを刀剣状態にしたままNo.91に接近。ブレードを構えた彼女と猛スピードで斬り結ぶ。

 

(後ろには子供達がいる……巻き込む訳にはいかない…!!)

 

互角の剣捌きを見せる二人だったが、次第にディアーリーズの方が押され始める。しかし後方には子供達がいる為、あまり後ろには引き下がれない状況だ。

 

(せめて、一旦横に引いて態勢を立て直して…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こんにちはウルさん、また来てくれたんですね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ッ!?」

 

現在対峙しているNo.91と、金髪の少女の姿が重なって映る。

 

(今のは一体…)

 

「だらっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ッ!!」

 

そんな時、突撃してきたロキがNo.91の横腹に蹴りを加えた。No.91は吹っ飛ばされ、壁に突っ込んでそのまま瓦礫の中に埋もれる。

 

「ディアーリーズ、大丈夫か!!」

 

「あ、はい!! 子供達も無事です!!」

 

ディアーリーズは被害が及ばないよう、子供達のいる牢屋に結界を貼る。

 

「お兄、ちゃん…?」

 

「…少しだけ待ってて下さい。大丈夫です、すぐ戻って来ますから」

 

笑顔を見せる事で子供達を安心させてから、ディアーリーズはロキの下まで駆け付ける。

 

「子供達は?」

 

「結界を貼りました。これで何とか、子供達が巻き込まれる事はありません」

 

「だが、衰弱している事も変わらないか。さっき一応、アン娘さん達には通信を入れておいたが…」

 

 

 

 

 

 

-ボゴォンッ!!-

 

 

 

 

 

「「!!」」

 

「損傷率、18%……支障、無し。戦闘を続行します」

 

瓦礫の中からNo.91が出てきた。装備しているモノアイが赤く光り、二人を見据えながらブレードと光線銃を構える。

 

「ロキさん、あれは…」

 

「実験体だろうな。あの子も、ここで造り出されたんだろうよ」

 

「…やはり、そうですか」

 

自然と、ディアーリーズのレオーネを握る力が強まる。

 

「どうするよ? 向こうさん、俺達の事を確実に排除しようとしているんだが…」

 

「助けます」

 

堂々と言い切ってから、ディアーリーズは前に出る。

 

「…おいおいディアーリーズ、分かって言ってるのか? あの子も実験体だが、今は俺達と敵対してる状態なんだ。場合によっては…」

 

「そんなのは分かっています……だけど、それは彼女を助け出さない理由にはなりません。手の届く距離にいるのにこっちが手を伸ばさなかったら、後で死ぬほど後悔する事になる。だから手を伸ばすんです」

 

「ディアーリーズ…」

 

「少しでも可能性があるのなら、僕はそれに賭けてみたい……掴める距離にあるのなら、僕はこの手で掴んでみせます…!!」

 

「…あぁそうかよ」

 

ロキは彼の台詞に若さを感じつつも、小さく笑みを浮かべる。

 

「子供達の事だってあるんだ。アン娘さん達に応援を頼んだとはいえ、いつまでも時間をかけて余計に衰弱させる訳にはいかない」

 

ユーズを構え、ロキがディアーリーズの横に並ぶ。

 

「やれる所まで手伝ってやる。お前のその手で、あの子の手も掴んでやれ!!!」

 

「はいっ!!!」

 

「目標二名、戦闘意志ありと判断……速やかに排除します」

 

ロキとディアーリーズはその場から駆け出し、No.91はそんな二人を排除すべく迎え撃つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、旅団アジト楽園(エデン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ロキ達の方から応援を頼まれた訳なんだが…」

 

Unknownは横にいる人物をチラッと見る。

 

「…お前達、大丈夫なのか?」

 

「あ、あぁ、何とか……大丈夫、だ…」

 

「うぅ~…殴られた頭がぁ~…まだ痛いぃ~…」

 

「全然大丈夫じゃないだろお前等!!」

 

「休め!! お前等は目一杯休んでくれ、お願いだから!!」

 

松葉杖を使いながら、フラフラしている支配人。ZEROに殴られた後頭部を押さえているげんぶ。明らかにコンディションは大丈夫とは言えない状態だったのだ。awsと二百式が突っ込みを入れるが、それも無理は無いだろう。

 

(これも全てZEROが原因か……全く、いつになっても迷惑な奴だな)

 

二人がこうなったのには、両方共ZEROが関係している。ZEROが料理を喰らい続けた事で支配人が過労で倒れ、げんぶは食事の邪魔という形でZEROによって理不尽な仕打ちを受けた。同じ旅団メンバーにとっては非常に迷惑な話である。

 

「お困りかね、Unknownや」

 

「ん、kaitoか…」

 

Unknown達の下に、kaitoがひょっこり顔を見せる。

 

「こんな時こそ、自分に任せたまえよ!」

 

「…任せて大丈夫なんだろうな?」

 

「ありゃ、ひょっとして疑っちゃってる? 大丈夫だって、今回は普通に良いのが作れたから」

 

kaitoは懐から一本のドリンクを取り出す。

 

「こいつさえ飲めば、あっという間に復活して元気モリモリだよ~ん? という訳で、大人しく飲んでくれたまえ君達」

 

「「え、ちょ、ングググググ…」」

 

否応言わせる事なく、kaitoは支配人とげんぶに無理やりドリンクを飲ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数秒後…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!!」

 

「漲ってきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

支配人とげんぶは無事に回復。先程までと違い、元気いっぱいに動き回る。

 

「…凄まじい効果だな」

 

「でしょ~?」

 

「だがまぁ良い、これで心配は無くなった……二人共」

 

「「ん?」」

 

「これからロキ達の所へ助っ人に向かう。問題は無いな?」

 

「「もちろんだとも!!」」

 

Unknownの問いかけに二人は元気良く返事を返し、ロキ達の応援に向かう事になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人が出てから数分後、kaitoがある事に気付く。

 

「あ、ヤベェ。これ消費期限切れてたわ」

 

「えっ」

 

(…本当に大丈夫なのだろうか)

 

そう思わずにはいられない二百式だった。

 


 
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