No.635334

【獣機特警K-9ⅡG】鋼の胸に怒りを秘めて【戦闘】

古淵工機さん

大激突…ですが、あの人がピンチに!?

◆出演
K-9隊の皆さん
エルザ:http://www.tinami.com/view/551405

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2013-11-08 22:29:46 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:777   閲覧ユーザー数:713

さて、ここはロッソF地区の廃工場。

その中の奥まった位置に、クリムゾンクロスの総統アーベルが陣取っている。

「ふふふ…何も知らずいい気なものだ…機械人形どもめ」

その目の前にはシスター・クラレンスやクロエ・ポイズン、

そのほか各種対ロボット用武装で身を固めた構成員が参列していた。

 

「けどよぉ、そんな武器なんか使わなくたってコイツを確実に奴らの胸に突き刺せばそれでよくね?」

と、クラレンスがかったるそうに答える。

「クラちゃんさぁ、マジバカだよね」

「ん、んだとぉ!?」

「…施設ごとぶっ壊さなきゃ修理されるに決まってンじゃん。やるなら徹底的に。ジャマする奴は片っ端からぶっ飛ばしちゃえばいいんじゃねってコト」

「その通りだ。目的のためには手段を選ばぬのが我々クリムゾンクロスだ…ではいよいよ作戦を遂行し…」

と、アーベルが言いかけたそのときである!!

「そこまでだ!貴様らのたくらみはすべて割れた!!」

よく通る女性の声が、廃倉庫の中に響き渡り、錆付いた扉が破られた!!

声の主はラミナ警察署の署長であるエルザ・アインリヒト。そしてあとから続いてK-9隊が姿を現した。

 

「ほう…やはりこの場所を嗅ぎ付けると思っていたよ。大した物だ」

と、ほくそ笑むアーベルにクオンは食って掛かる。

「アーベル!これ以上お前らの好き勝手にはさせないぞ!」

「ふふふ…それはどうかな?わざわざ鉄屑になりに来たお前たちには止められまい」

その言葉に、ジョニーが、ミライが、ソラが吼える!

「ほざきやがれ!てめえは…てめえは一体何人のロボットを殺しやがったんだ!」

「それだけじゃない!ロボットを殺すために、関係ない人たちまで巻き込んで…!」

「私の大切な人も、あなたに殺される直前だった!絶対に許しておけないんだから!!」

それを聞いていたクラレンスとクロエは大笑いを浮かべる。

 

「あーっはっはっはっは!じゃあ聞くけどよー。てめえらが生きてる?笑わせんじゃねーっつーのwww」

「そうそう。あーたらは所詮ツクリモノっしょ?ツクリモノの分際で生きるとか死ぬとか?もう笑っちゃうw」

タツヤが、ソウが、ナタリアが相手をにらみつける!

「何がおかしい…!」

「なにっててめえら自身がさぁ。機械の分際で人間とおんなじだって思い込んでるの。ホント…腹立つんだよな…?」

と、クラレンスはナイフを取り出して構える。

「…てめえらに命を語る資格なんざねーんだよおぉぉぉ!バモラ・エルメシオォォォォン!!」

クラレンスはめくら滅法にナイフを投げつける!

「危ないタツヤ!伏せろ!!」

ソウが咄嗟にソードを構え応戦するが、投げ出されたナイフの速度は相当なものであった!

一本、また一本、ナイフがソウの身体を掠める!!

「ぐぅああああっ!!」

ナイフが当たったところはスーツと外皮が切り裂かれ、内部のケーブルすら断ち切られている。

肩、腕、膝…全身のあらゆる切れ口から火花が上がり、そのたびにソウを苦痛が襲う!

 

「先輩!よくも先輩を!!」

我慢ならなくなったタツヤが、やはりレーザーソードを構えてクラレンスに突っ込む!!

「やめろタツヤ!真正面から突っ込んだら!!」

「へっ、てめえも壊れちまいな!!」

と、クラレンスがナイフを投げつけようとしたそのときである!!

 

数発の弾丸がクラレンスの両手を掠めたかと思うと、手に持っていたナイフがはじけ飛ぶ!!

「…まったく物騒なシスターだぜ」

「て、てめえ…!!」

「ジョニーさん!!」

速撃ちのジョニーだ!ジョニーがクラレンスのナイフを弾き飛ばしたのだ!!

 

その頃…。

「あれあれー?クラちん超モテモテじゃね?ま、人形にモテてもうれしくないけどー?」

と、クロエがミライ、ベルタ、ソラに詰め寄る。

 

「二人とも油断しちゃ駄目だよ…アイツはヤバい」

「ミライさん…?」

「幻獣部隊のキリカさんから聞いたの…アイツの尻尾に気をつけて!」

「刺されると大変なことになるんだよね…ドラゴンのお姉ちゃんが言ってた!」

 

緊迫が走る中、クロエがさらに詰め寄る。

「正直さあ。人間ぶって笑ったり泣いたりしてっけどさあ。わかんね?アンタらはただのツクリモノなの。ツクリモノが笑ったり泣いたりしてるの見るとマジ気持ち悪いんだよね?」

クロエはそう言いながら、尻尾の毒針を三人に向ける。

「これなんだかわかるっしょ?コイツをぶっ刺せばアンタらは壊れて動かなくなる。人形は人形らしく大人しくしてりゃいーし」

「み、ミライお姉ちゃん…」

「…っ!」

ソラとベルタが息を呑む中、ミライは何かを察知したようだ。そして次の瞬間!

「な…なん…なの…!?」

何ということだろう。先ほどまで三人を突き刺そうとしたクロエの尻尾は途中で切り落とされていたのである!

 

「あーあ残念…せっかくの尻尾がねえ…スキだらけだったよ?今のあんた」

「だああ!ちくしょー!こうなったらコイツをお見舞いしてやる!みんなかかれ!!」

クロエが号令を飛ばすと、近くにいた数名の構成員たちが何やらケースを取り出した。

中身は、特殊な電磁波を発射する武器。

これが頭部に直撃すれば、いかに頑丈なロボットといえどもタダではすまないだろう…。

ケースから武器を取り出そうとする構成員。だが…。

 

「な、ないぞ!?ケースにはロックがかかっているはずなのに!」

「そんなバカな…お、俺のもだ!?」

「…もしかしてこれをお探しですかな?」

慌てふためく構成員たちの頭上から、男の声が響く。

 

「き、貴様は…!」

「怪盗ノワール!!」

「……危ないところでしたねK-9隊の皆さん。私の予想通り、連中これを使おうとしていたみたいです」

と、ノワールがマントを翻すと、出てきたのは例の武器。

ソラがノワールに訊ねる。

「ノワール…その武器はまさか!?」

「そうです。手紙にも書きましたが、これはすこぶる厄介な武器です。あなた方は忠告どおり耐パルス装備をしているようですが…それにしてもこんなものが使われればどれだけのロボットが死ぬことになるか」

と、ノワールは武器を放り上げると、マントの下からすばやくトランプを取り出し投げつける。

トランプが突き刺さった武器はバラバラに切り裂かれ、ガラクタと化した。

 

「くそぉ!やっちまえ!!」

構成員は電磁ナイフを取り出し、ソラ、ベルタ、ミライに襲い掛かろうとするが…。

「ぐわあああ!!」

一筋の閃光が彼らをかすめる。当たれば一時的に神経が麻痺するショックビームだ!!

 

「ナタリアちゃん!」

狙撃をしたのはナタリアであった。彼女はノワールの後ろから姿を現した。

「接近戦では敵うはずがない。だから…どうにか狙撃ができる場所に移動しなきゃって思ったんですけど…」

「…せっかくですから、私が彼女を誘導して差しあげたのですよ」

「ノワール…あんた本当に犯罪者とは思えないほどいい奴だよね…」

「お褒めに預かり光栄です、お嬢さん。ではこれにて…またお目にかかりましょう。アデュー!!」

…自らの役目を果たしたノワールはそう言うと、どこへともなく飛び去っていった。

「…本当、風のように現れて風のように消えていくわね…」

「でも、彼のおかげでわたしたち助かったのかもしれませんね、ソラちゃん、ベルタちゃん、ミライさん!」

「うん!あたしドロボーは嫌いだけど、ノワールは大好き!」

勝利を喜び合う4人の前で、クロエはひたすら歯軋りをしていた。

一方、工場の奥で孤立したアーベルの周りを取り囲むようにエルザ、クオン、イシスが立っていた。

「さて、あなたの部下たちは今頃苦戦しているはずよ」

と、イシス。そんな状況にもかかわらずアーベルは余裕の笑みを見せる。

「ふっ…だろうな」

クオンはアーベルに強い調子で言った。

「さあ、もう観念しろ。お前たちの野望はここで終わりだ」

「くっくっく…果たして本当にそうかな?」

不敵な笑いを浮かべるアーベルに、エルザの、クオンの、イシスの怒号が響く!

「黙れ!罪のないロボットたちの…いや、ファンガルド市民の命を奪った罪がどれほど重いか…貴様にわかるか!!」

「もう逃げられないぞ!さあお縄を頂戴しろ!!」

「アーベル・ディーゲルマン!傷害ならびに殺人の現行犯で逮捕するわよ!!」

じりじりと詰め寄る三人。アーベルはただ一息だけため息をつくと、同じように追い詰められているクラレンスやクロエをはじめとした部下たちに号令を出した。

 

「…諸君。今回の作戦は失敗だ。撤収するぞ」

「やれやれ、仕方ねえな。そういうワケだ。また遊んでやるよお人形さん」

「尻尾の落とし前、つけさしてもらうかんねー。マジ最悪ー」

 

マントを翻し立ち去ろうとするアーベルの目の前に、エルザが立ち塞がる!!

「往生際が悪いぞアーベル!このまま逃げられると思うな!!」

アーベルは制服の内ポケットから、拳銃のようなものを取り出した!

「ふふふ…その程度で私を止められると思ったのか?」

「そんな拳銃で何ができる。抵抗するつもりならばこちらも本気で行くぞ」

エルザがトンファーを構え、飛びかかろうとした刹那、アーベルは撃鉄を引いた…。

…その次の瞬間、信じられないことが起こった。エルザの胴体が突然爆発したのである!!

「…ア…アーベル…、貴様……!」

「はははははは!切り札は最後まで取っておくものなのだよ。この際1体破壊できただけでもよしとしよう。行くぞ!!」

アーベルはそう言うと銃を収め、部下を連れてどこへともなく逃げ去っていった…。

 

 

「ママ!ママ…死んじゃやだぁ!ママぁ!!」

胴体が吹き飛び、胸から上だけの状態になったエルザにベルタが泣きつく。

「署長…そんな…!」

「しっかりしてください!署長!署長ーーーー!!」

「アーベルめ…よくも署長を…!」

怒りと悲しみに声を上げるK-9隊の面々。

その声に、エルザの耳が動き、まぶたが重々しく開いた。

「…か、勝手に…殺さないでくれないか…?」

 

「署長!…よかった、生きてたんですね!」

と、ほっと一息のクオン。K-9隊員も安堵のため息をつく。

「ああ……もっとも…ご覧の通り。無事とはいえないがな…今だって…予備バッテリーだけで何とか動けているようなものだ…」

「じゃあ、バッテリーが切れたら…署長は…!」

「ミライ…勝手に殺すなといっているだろう…?AIと記憶回路は損傷を免れている…身体さえ修理できればまた復帰できるさ…」

「あ、それもそうか」

いつしかあたりは夕暮れになっていた。傷ついたそれぞれの身体を、夕陽の光が照らし出す。

「よし、とりあえず修理センターは無事だ…各員帰投。ただしイシスさんとジョニーは僕と一緒に、署長を修理センターまで送り届けるんだ。いいね」

「了解!!」

…かくして、一時の危機は免れたものの、エルザ署長は瀕死のダメージを負った。

そしてK-9隊もまた、全員無事とは呼べず傷だらけの状態であった。

恐るべき強敵、クリムゾンクロス。彼らはまたK-9隊に牙をむいて襲ってくるかわからない。

奴らが存在する限り、K-9隊に油断は許されないのだ…。

 

 


 
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