No.632533

恋姫婆娑羅

KGさん

今回、長い上に雑です。ダブルパンチです。すいません・・・

後、また、最近忙しくなってきたので投稿期間がまたおかしくなるやもしれませんので悪しからず・・・では良ければ見てやってください

2013-10-30 18:00:23 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4019   閲覧ユーザー数:3711

「補給線を封鎖せよ」

 

 

 

 

 

 

 

爆音と轟音が治まると華琳たちのもとに、政宗小十郎そして元親が戻ってくる。彼ら、あれだけ派手に暴れていたのに、傷どころか息一つ切らしていない辺り、本当に同じ人間なのかと疑いたくなってくる。

 

「ご苦労様、あなた達の働きでこちらの被害も最小限に収めることができたわ」

 

華琳の言葉通り、秋蘭も季衣も無事のようだ、彼らは安堵の息を吐く。

 

「それから、元親。あなたの下にこの三人を付けます、しっかりと面倒を見て上げて」

 

「・・・何だとぉ・・・?」

 

仲間になった凪、真桜、沙和の三人を元親の部下にすると言う華琳に元親は詰め寄る

 

「な、なんで俺なんだよ・・・!独眼竜でも右目の兄さんでも良いじゃねぇか!」

 

「まず、政宗は絶対ダメよ、あの三人が珍走団になりかねないから・・・小十郎はこちらの政務やら何やら手を貸して貰っているから忙しいしね。それからしたら、元親は今決まった仕事は無いでしょ?」

 

珍走団発言に何か納得してしまう元親、華琳の言い分には一理ある。ここに来てから自分は半分、前田の風来坊のような生活になっていた。それくらいの仕事は受けてやっても良いかもしれない、そんな事を考え出した元親に件の三人が声を掛ける。

 

「ウチはかまへんよ、この兄さんとは話も合うしなぁ」

 

「私もそれで良いのーお兄さんもカッコイイし♪」

 

「曹操様の命とあらば・・・従うまで」

 

この言葉で元親の腹も決まった。

 

「よーし、分かったこの任、この長曾我・・・・」

 

「ちょっと待ってください華琳様ッ!こんなバカに部下を付けるなんて・・・本気ですか?」

 

元親の言葉を遮り、桂花が声を上げる。

 

「なんだ・・・いたのか桂の字・・」

 

「いたわよ!後、その変な名前で呼ぶなッ!」

 

「・・・で、桂花? 何か問題があるの?」

 

二人の小競り合いに発展する前に華琳が話を進めさせる。

 

「問題大アリです!こんな変態に華琳様の貴重な部下を預けるなど・・・部下が穢されてしまいます」

 

「おいおい!何言ってやがるッ!?この西海の鬼をつかまえて変態扱いとは・・・これだから田舎者は困るぜ・・」

 

「な、誰が田舎者よーッ!!あんたみたいな年中半裸男が・・・」

 

ギャーギャーと騒ぎ出す二人を呆然として眺める三人であった。

 

「・・・とにかく、頼んだわよ、元親・・・じゃあこの件はもう良いわね。物資の配給準備が終わったら、今後の方針を決めるわよ、各自、作業に入りなさい・・・」

 

もはや面倒になったのだろうか、華琳はさっさとこの話題を終わらせ、この場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、これからどうするかだけれど・・・・。新しく参入した、凪たちもいることだし一度状況をまとめてみましょう。・・・・春蘭」

 

「はっ、我々の敵は黄巾党と言う暴徒の集団だ。細かいことは・・・片倉任せた・・・。」

 

説明を頼まれた春蘭は、誰が敵であるのか、これだけを確認し後は小十郎に丸投げする

 

「・・・やれやれ・・、黄巾党の構成員は若い奴が中心となって、散発的に暴力活動を行っている。だが連中には、主張らしい主張は無く奴らの目的がイマイチよく分からんのが現状だ。さらに、首魁の張角も旅芸人の女であること以外分かっていない」

 

春蘭に丸投げされた小十郎は呆れながらも律儀に答える。そんな小十郎の現状報告に真桜と凪が反応する

 

「分からない事だらけやな~」

 

「目的とは、違うかもしれませんが・・・我々の村では、地元の盗賊団と合流して暴れていました。陳留辺りでは、違ったのですか?」

 

「同じようなものよ。凪たちの村の例もあるように事態はより悪い段階へと移りつつある」

 

凪の言葉に重苦しく返す華琳。しかし現状をあまり理解出来ていなかった春蘭が質問する

 

「悪い段階ですか・・・?」

 

「ここの大部隊を見たでしょう? ただバカ騒ぎをしているだけの烏合の衆から、盗賊団やそれなりの指導者と結びついて組織として纏まりつつあるのよ」

 

「ふむ・・・?」

 

「要するにだ、お前が大声で吠えた所で相手が逃げなくなるということだ・・・」

 

「おお、なるほど・・・!」

 

桂花の回答にまだ疑問符を浮かべていた春蘭であったが小十郎の補足でやっと理解が出来たようだった

 

「ともかく、一筋縄ではいかなくなったという事よ。ここでこちらにも味方が増えたことは幸いだったけど・・・これからの案、誰かある?」

 

話を進める華琳に桂花が答える

 

「この手の自然発生する暴徒を倒す定石としては、まず、頭である張角を倒し、自然解体を狙う所ですが・・・」

 

「肝心の張角の居所が分からねぇじゃねぇか」

 

「恐らく張角は俺らみてぇに、本拠地といったもんが無ぇんだろ。全くTroublesomeな奴らだぜ・・・」

 

桂花の言葉は間違ってはいない、むしろ正しいのだが、今回ばかりはそうもいかない。元親や政宗の言うように居場所がわからないのである。本当に厄介な敵だと皆が頭を悩ませている時に兵士がおずおずと入り込んでくる。

 

「あの~申し訳ありません・・・軍議中失礼します。街の者に配っていた糧食が底をついたのですが・・・」

 

「そう・・・。桂花、糧食にはどれくらいの余裕がある?」

 

「数日分はありますが、義勇軍が入った分の影響もありますし・・・ここで使い切ってしまうと、長期に及ぶ行動が取れなくなってしまいますね・・・」

 

桂花の言葉に少し思案するようなそぶりを見せたが、すぐに行軍用の糧食三日分を配給することを決め、報告に来ていた兵士に告げる。告げられた兵士は、すぐさま行動に移っていった。

 

ここに来て食料の問題も出てきてしまった。しかし政宗の発言で、この場に漂う不穏な空気も吹き飛ぶことになる

 

「食料ねぇ・・・So easy だったら、奴さんにも同じことをしてやればいいだろ You see?」

 

「・・・なるほど」

 

「その手があったわね・・」

 

「良いところに気が付いたわね、政宗」

 

「さすが政宗様」

 

「流石、独眼竜は伊達じゃねぇな」

 

秋蘭、桂花、華琳、小十郎、元親は政宗の狙いに気が付いたのか、感心した声を漏らす。

 

「にゃあ?」

 

「どういうことだ・・?」

 

理解が出来ていない者が数名いたので華琳が代表して説明していく

 

「敵はあれだけの大部隊だもの。現地調達だけで武器や食糧を確保出来る筈がないわ。必ず何処かに、連中の物資集積地点がある筈よ」

 

華琳の説明にイマイチ理解が追いついていないようだが、今は時間が惜しい。秋蘭がすぐに動き出し、華琳も指示を飛ばす、こうして、敵の拠点を発見するための偵察部隊が編制され、各々が各所に散らばっていくのだった。

 

決戦はもう、間近に迫っている・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう日も傾きかけた頃、春蘭の働きによって敵の拠点の位置が分かった。ここから約半日ほどの所だそうだ。だが、敵は既に物資の移動の準備を始めているという、事態は時間との勝負になりそうだ、華琳の号令ですぐに陣の撤収作業に入る。

 

「おい、秋蘭と沙和がまだ戻ってないようだが?」

 

「今は、待つ時間も惜しいわ、遣いの者を出して現地で合流するように伝えなさい」

 

「予備の糧食は如何なさいます?」

 

「そうね・・・このまま置いて行っては争いの火種になることは明白だし・・・」

 

「んなもん、何人かの兵士に配らせりゃ良い、数人なら戦力に大きな差は無ぇしな」

 

「それが一番でしょう・・・では、決まりね。総員、撤収作業を急ぎなさい、終わった隊から現地に向かうように!」

 

 

それからの撤収作業は目を見張る速さだった。それだけで無く、敵の拠点までは半日の行程と言われていたところを僅か数刻で走破してしまう辺り、華琳の率いる軍勢がいかに訓練された精鋭であるのかが良く分かるだろう。そして、この精鋭部隊の前には山奥にひっそりと建てられた古びた砦が佇んでいる、これが敵の拠点だ。

 

 

「♪~こりゃ掘り出し物だな、奴さんらも良いモン見つけたもんだぜ」

 

「敵の本隊は、近くに現れた官軍の迎撃に出ているようです。ここに残っているのは一万程かと・・」

 

「しかし、マジで危ねぇとこだったな、あと一日でも遅かったらここはもぬけの殻だったろうぜ・・・」

 

華琳は、三人の言葉にそれぞれ頷きつつも、敵の奔放さにため息が出る

 

「厄介極まりないわね。それで秋蘭、こちらの戦力は?」

 

「義勇軍と併せて八千と少々です。向こうはこちらに気付いていませんし、荷物の搬出で手一杯のようです。今が絶好の好機かと」

 

「そう、ならば、一気に攻め落としてしまいましょうか」

 

笑みを浮かべつつ言い放つ華琳に、桂花が一つ提案をする。

 

「戦闘終了後、全ての隊は手持ちの軍旗を全て砦に立たせてから帰らせて下さい」

 

「え、どういう事ですか・・・?」

 

この提案に季衣が首を傾げる

 

「この砦を落としたのが、我々だと示す為よ」

 

「なるほど。黄巾の本隊と戦っていると言う官軍も、本当の狙いはここ・・・ならば敵を一掃したこの城に、曹旗が翻っていれば・・・」

 

つまりは、曹操の名を一気に知らしめるためのパフォーマンスという訳である。官軍も黄巾の本隊を倒したのちに、ここに来て砦に翻る曹旗を見ればここで何が起こったのか、いやでも分かるだろう。

 

「面白いわね。その案、採用しましょう。軍旗を持ち帰った隊は厳罰よ」

 

桂花の提案を嬉々として採用する華琳、話はいつしか、誰が一番高い所に旗を立てられるかという勝負事に発展している。さらに、華琳が一番高い所に旗を指した者に褒美を与えるなどといったから、もう収まりがつかない。ある意味では士気高揚の作戦であったとも言える。最後に褒美と言う言葉に浮かれている将たちに華琳は釘をさす。

 

「旗を立てる事も大切だけど、作戦の趣旨を違えない事。狙うは敵守備隊の殲滅と、糧食を1つ残さず焼き尽くす事よ。良いわね?」

 

皆がこの言葉に了解の意を返す

 

「それでは、これで軍議は解散とします。先鋒は春蘭と政宗に任せるわ。良いわね、 春蘭、政宗? 連携して敵陣を切り崩して」

 

「はっ! 御任せ下さいっ!!」

 

「All right・・・」

 

目を輝かせる春蘭と何か思う所があるような政宗だったが、二人の返事に満足したように華琳が高らかに宣言する

 

「この戦を持って、大陸全てに曹孟徳の名を響き渡らせるわよ! 我が覇道はここより始まる!! 各員、奮励努力せよっ!!」

 

ここから、曹魏の覇道が始まろうとしている・・・

 

(さて・・・曹孟徳・・いや、華琳よ。あんたの覇道がどこに行きつくのか。この左目に見せてくれよ・・・)

 

彼女の小さな背中を見つめて、心の中でそう告げる政宗であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍議も終わり、現在は部隊の配置の段階である。先程、華琳の軍門に下った義勇軍をまとめる凪、真桜、沙和の三人を眺める元親がいた。これまでも一軍の長としてやってきた元親であったが、少女を部下にするのは初めてある。イマイチどのように接して良いか分からずにいた。

 

「隊長。楽進隊、布陣完了しました!」

 

「隊長~、李典隊も布陣が完了したで」

 

「隊長、于禁隊も終わったの~!」

 

三人がほぼ同時に配置の完了を報告してくる。彼女らの言葉になにやら違和感を抱えつつ元親は答える。

 

「おお、ご苦労さん、中々の手際じゃねぇか・・・」

 

元親の労いに、真面目に答える凪と当たり前と胸を張る真桜、そして照れ出す沙和、三者三様の反応に思わず笑みがこぼれてしまう。

 

「隊長?なにか可笑しな事でも?」

 

「なんか、やらし~事考えてたんとちゃうやろなぁ、隊長?」

 

「いや~ん、隊長ってば、スケベなの~!」

 

「おいおい・・・・」

 

まただ、何か変だと、元親は拭えない違和感に頭を悩ませる。その様子に困惑する三人だが、このなんとも気持ちの悪い感覚から早く脱出したいと元親は、これまでの自分を思い出していく

 

(いくぜッ!野郎共ッ!俺についてこいよ!)

 

((((アニキーッ!!))))

 

(この世で一番強い男はッ?)

 

((((アニキッ!アニキッ!アニキッ!))))

 

四国に居た頃、荒くれ者の頭であった事、アニキと呼ばれていたこと・・・。これで元親は違和感の正体に気が付いた。

 

「そうだッ!!これだよっこれッ!!」

 

「うわっ!?」

 

「な、なんや!?」

 

「た、隊長・・・?」

 

急に大きな声を出した元親に驚く三人だったが、今の元親はそんなことは気にもしない。思いついたことを三人に言う

 

「おいッ! お前ら、俺の事は隊長なんて呼び名じゃなくて、アニキと呼びなッ!!」

 

そう、違和感の正体はこれだった。これまで元親は部下には一切の差別なくアニキと呼ばれ、呼ばせていた。だからこそ、隊長と言う何か堅苦しい名称に自然と拒絶反応が起きていたのである。突然の申し入れに、しばし、唖然としていた三人だが、真桜と沙和はすぐに了承する。

 

「ウチもなんか兄さんを隊長って呼ぶのに違和感があったんよ~。それじゃ改めてよろしゅうな、アニキィ!」

 

「沙和も真桜ちゃんと一緒の事思ってたの~、よろしく、アニキ~!」

 

「隊長・・・、それは命令ですか・・・?」

 

二人と違い、凪は何か顔を赤く染めて、中々アニキと呼ばない。そんな彼女を二人が説得する。

 

「凪、アニキが良いって言ってんのやから、ええやないの~」

 

「そうだよ、凪ちゃんも恥ずかしがらずに言うの~!」

 

「む、無理だっ!無理無理・・・恥ずかしくて言えない。それに上下関係が崩れるような名称を軽々しくは言えない!」

 

「「ええ~~」」

 

「まぁ、無理にとは言わねぇよ。だが、いつかはそう呼んでもらえると嬉しいんだがな?」

 

「ぜ、善処します・・・」

 

恥じらう乙女な凪の頭を、ポンポンと撫でる元親だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何をしているのだ? あのバカ共は」

 

「さあ? 戦闘前の気合いでも入れ直しているんじゃないの」

 

「・・・やれやれ、Happyな連中だぜ・・・」

 

これから、決戦だと言うのに、わいわいと騒いでいる元親たちに、さしもの春蘭ですらも呆れていた。そこへ、季衣が布陣の完了を伝える。準備は整った・・・

 

「・・・では、行きましょうか!」

 

「御意ッ!!」

 

「Have a party!! 派手な戦にしようぜ!!」

 

華琳の号令に、二人は声を張り上げる

 

「銅鑼を鳴らせ! 鬨の声を上げろ! 追い剥ぐ事しか知らない盗人と、意を借るだけの官軍に、我等の名を知らしめてやるのだ!!総員、奮起せよッ!突撃ぃッ!!」

 

「Are you ready, guys!! Burning up! Here we go!!!」

 

兵の雄叫びは確かな力を伴って、天と地を揺らし、一斉に砦へと殺到する。砦にいた賊も気づくが、もう遅い。そこには、覇王の軍勢と、二匹の竜に鬼神がいるのだ。ある者は、竜の雷にその身を貫かれ、またある者は地獄の業火に身を焼かれる。黄巾の徒は、ろくな抵抗が出来ずにやられていく。一瞬の間に数百の命が散っていった。彼らに取っては悪夢以外の何物でもないだろう。

 

「Death Fang!  Crazy Storm! 」

 

六の刀を自在に振り回し、賊を殲滅していく政宗、その荒々しくも洗礼された太刀筋に、すでに数えきれない程の賊が切り倒されている。

 

「りゅ、竜だぁ・・・竜がいるぞ・・・!?」

 

「バカッ!!ありゃ人間だ・・・今なら背中から・・うぎゃ!」

 

背中から切り掛からんとする賊は流麗なる太刀によって斬られる。

 

「政宗様!背中がガラ空きですぞ!」

 

「Ah?俺の背中はお前が守るんじゃなかったのか?」

 

「無論・・・この小十郎、第七の刀として・・」

 

奥州の双竜が揃えばもはや、ここに敵はいなかった。荒ぶる竜の前に黄巾党は、蛇に睨まれたカエル、いや、竜に睨まれた、ただの人だった。

 

「うおおりゃぁッ!!」

 

巨大な槍とも、船の碇ともつかぬ武器である、碇槍を振り回す元親はまさに渦潮だった。飲まれたものは容赦なく、潰され、貫かれ、そして焼かれた。

 

「うあああああ、こっちにゃ鬼がいるぞっ!!」

 

「こんな奴がいるなんて、聞いてねぇよぉ・・・・・!」

 

どれだけ遠くに逃げようが槍の先端が、まるで生きているかのように賊の頭に直撃する。元親の周りには既に死体の山が築かれていた。

 

「・・・無事にたどり着けよ。あの世への旅は長いぜ?」

 

黄巾党に桃太郎を知っているものはいないだろうが、この鬼を前にしたら、あの桃太郎ですらも裸足で逃げ出すだろう。今の元親はまさに西海の鬼神だった。

 

 

 

「相変わらず、凄まじいわね・・・私を倒しただけはあるわ」

 

「ぐぬぬ、私も負けていられん!!」

 

「姉者・・・あまり無理してくれるなよ・・」

 

「流石は、隊長・・・私も!」

 

「うひゃ~・・・アニキってホンマに人かいな・・・」

 

彼らの人外の活躍がさらに、軍の士気を揚げる。負けじと勇む者もいれば、ただ冷静に敵を打ち倒す者もいる。鎧袖一触とはまさにこの事。一万もいた黄巾党の賊徒は見る見る数を減らし、開戦からわずかな時間で全滅してしまった。そして・・・・。

 

 

「火を放て、糧食を持ち帰る事、まかりならん! 持ち帰ったものは厳罰に処すぞ!!」

 

春蘭の号令で敵の糧食に火が着けられる。一気に燃え上がる炎の前で沙和が呟く

 

「あーあ、やっぱりもったいないの・・・」

 

「仕方ねぇのさ、まぁ華琳も色々考えた上での決断だ。ここは大人しく従うしかないだろうぜ・・・」

 

「わかってるの・・・」

 

敵の持っていた糧食は全て燃やされた、桂花曰く、外道の奪った糧食をさらに奪って腹を満たすなどこれより覇を唱える華琳の名を落としかねない行為だと言う事であった。

 

「目的は果たしたぞ! 総員、旗を目立つ所に挿して、即座に帰投せよ!」

 

そこに秋蘭の声が響く、そういえば、旗の事を忘れていた。

 

「うし、さっさと旗挿して帰ろうぜ!」

 

「了解なの~!」

 

「あ~疲れた~アニキィ~帰ったらなんか奢ってぇなぁ」

 

「こらっ!真桜!隊長にたかるな」

 

「はっはっ!いいじゃねぇか!お前らの歓迎会って事で好きな所に連れて行ってやるよ!」

 

元親の言葉に三人は喜び、凪が適当な所に旗を挿して帰投したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城までの道中、華琳は簡単な会議のようなものを開いた。帰ったら片づけに専念してすぐに休めるようにという、華琳の優しさだった。

 

「作戦は大成功でしたね! 華琳様」

 

「ええ、皆も御苦労様。特に凪、真桜、沙和。初めての参戦で、見事な働きだったわ」

 

作戦の成功を喜ぶ春蘭に賛同しつつ、新たに加入した三人の働きを褒める華琳、褒められた三人も少し照れつつお礼を口にしている。

 

「まあ、差し当たり、これでこの辺りの連中の動きを牽制する事が出来た筈だけど・・・」

 

「はい。暫く大きな動きは出来ないでしょう。ただ、元々本拠地を持たない連中の事ですから・・・」

 

「今回は単なる時間稼ぎに過ぎないってこったな・・・」

 

桂花と政宗の言葉に頷く

 

「でしょうね。だから連中の動きが鈍くなった今、奴等の本隊の動きを掴む必要があるわ」

 

華琳の言葉に元親が口を挟む

 

「だが、連中は本拠地ってモンが無ぇんだろ?どうする気なんだ?」

 

「地道に情報を集めて回るしかないでしょう。補給線が復活すれば優先順位の高い所に回していくでしょうし・・」

 

桂花の答えに納得する元親、なるほど、理に叶っている。元親だけでなく、周りにいた全員がこれからの行動を把握した所で華琳が一声上げる。

 

「そう言う事よ。暫くは小規模な戦闘と情報収集が続くでしょうけど、ここでの働きで私達が黄巾党を倒せるかどうか決まると言っても良いわ。皆には一層の努力奮闘を期待する! 以上!」

 

かくして今後の方針が固まったのであった。それから、旗の件に関しては結局、季衣と凪が一番高い所に挿したようであった。政宗も同じくらいの高さの所に挿したのだが、旗が曹旗ではなく、喧嘩上等と書かれた派手な大漁旗であったため、除外の上で、後ほど華琳の説教が待っている。さらに季衣と凪の二人も特に褒美はいらないということで保留となった。

 

和やかに幕を閉じた黄巾との戦はまだ、始まったばかりである・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は色々と雑になってしまいました。申し訳ないです・・・

 

特に戦闘はひどいかなとすぐ終わってしまった・・・ひどく小ざっぱりとしてしまった。

 

こんな、作品ですが、これからも御付き合いして頂ける方には最大級の感謝を・・・では!

 

 

 

 

 

 

 


 
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