No.628179

一刀の晋王転生録 第六章二十八話

k3さん

荀彧の策の失敗は何が原因なのか? それはある人物の存在が彼女の目を曇らせたのである。

2013-10-14 22:00:20 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2698   閲覧ユーザー数:2271

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第二十八話

   「汜水関の攻防 失敗の真相」

 

 

「け、桂花様!」

 

 許緒は燃える汜水関を目にした瞬間、そう口にしていた。

 

「おーほっほっほっほ! どうやら七乃さんがうまくやってくれたようですわね! 皆さん! やっておしまい!」

 

「うむ! 行くのじゃ!」

 

「あいあいさー!」

 

「わかりました!」

 

 麗羽の号令に斗詩と猪々子がさらに気が高ぶり奮戦する。美羽は麗羽と共に二人について行く。

 

「蒲公英、俺達は麗羽達の後ろを守るぞ!」

 

「うん!」

 

 翠と蒲公英は袁家軍についていく形で敵を屠っていく。しばらくすると今まで姿が見えなかった七乃が、翠と蒲公英の所に現れに合

 

流した。

 

「ふう、上手くいって良かったです」

 

「おう、七乃、お前凄いな! よくここまでの事を考えるもんだ!」

 

 汜水関を燃やす策を考えのは七乃だった。彼女は荀彧の策を見破っていたのだ。

 荀彧が麗羽達に挑発をしていたところまで時は遡る。

 

「うぬぬぬぬぬぬ!」

 

 麗羽は荀彧の思うように、自尊心を逆撫でされた事で腹を立てていた。ただ違うのは何とか耐えているという事だ。

 

(麗羽の奴、挑発に乗らないな……)

 

 翠はその様子を見て関心していた。麗羽はあの官渡の戦いで敗北したことでしばらく地獄のような牢獄生活をしていた。その事で敗

 

北する事を以前とは違う質で恐れるようになった。そのため簡単には挑発に乗らないのだ。

 

「ああ、麗羽様、思い切って打って出ても良いかもしれませんよ」

 

 しかし、七乃が麗羽の怒りを後押しするかのような発言をする。

 

「お、おい! 七乃!」

 

「大丈夫ですよ。私が勝つための細工をしますので」

 

「……よろしいんですの?」

 

「はい! 精一杯やっちゃってくださいな。あ、あと翠さん達は私のお手伝いをお願いしますね」

 

「お、おう、分かった」

 

「分かりましたわ! 皆さん! 行きますわよ!」

 

 こうして麗羽達は打って出ることにしたのであった。

 

「七乃、細工ってどういう?」

 

「時間がないのでやりながら説明しますね」

 

 そして馬超隊は七乃の指示に従い、汜水関の火計の準備を始める。

 

 しばらく続けると、麗羽達が危機に陥ったという情報が入る。

 

「七乃! 俺達は麗羽の援軍に!」

 

「もう少しだけお待ちを! もう少しで終わります!」

 

 七乃に言われ、翠達はやきもきしながら策の準備を進める。これが荀彧の予想より、麗羽達の援護に入るのが遅かった本当の原因で

 

ある。

 

「もう大丈夫です! 美羽様達をお願いします!」

 

「よし! 分かった!」

 

 七乃の許可が出た後、すぐに翠は麗羽達の援軍に向かう。七乃は汜水関の近くで、荀彧が汜水関に入るのを待つ。

 

 そして、荀彧が汜水関に入ったところで火計を発動。見事、荀彧を討ったのであった。

「ところで……」

 

 ふと、翠は七乃について疑問に思ったことを口にする。

 

「お前ほどの策謀家がどうして今まで噂にならなかったんだ? あれほどの事を思いつくんならおかしいと思うんだが?」

 

 そう、それこそが荀彧、そして曹操すらも計算を狂わせた原因だった。七乃ほどの策謀家がいるとわかれば荀彧はまだ警戒していた

 

はずだった。そして曹操は荀彧に警告していただろう。

 

「あの頃は真面目にするのが嫌だったんですよ。だって……」

 

 七乃は衝撃的な理由を言う。

 

「だって、それじゃあ、美羽様のお世話と観察が出来ないじゃないですか!」

 

「……はっ?」

 

「え?」

 

 これには翠と蒲公英も絶句する。

 

「でも今は美羽様を活躍させてかつての地位を得なくてはいけません。ですから真面目にもなります。そうしないと私の趣味が完璧に

 

は行えないので……では、私は美羽様の所にいきますね」

 

「あ、ああ」

 

 まだ放心していた翠達を尻目に七乃は美羽の所に向かう。

 

(……その趣味って奴があったから今まで優秀な将として噂にならなかったのか……)

 

 事の真相に思わず翠は頭を抱えそうになりながらも、戦闘を再開した。


 
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