No.626455

ALO~聖魔の剣~ 最終剣 終わりもまた始まり

本郷 刃さん

最終剣になります。
今回で最終話ですね、最後までお付き合いいただければ幸いです。

では、どうぞ・・・。

2013-10-09 09:39:50 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10155   閲覧ユーザー数:9433

 

 

 

 

 

 

 

 

最終剣 終わりもまた始まり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九葉Side

 

4月最初の土曜日、午後3時。横浜市保土ヶ谷区の丘陵地帯にあるカトリック教会にて、

1週間ほど前に亡くなった木綿季の告別式が行われて、ついさっき終わったところだ。

早めに開花した桜が散っていく姿は、まるで木綿季を見送ってくれてるみたいだと思った。

告別式の方は喪主である木綿季の叔母を含めた親戚筋がたった4人しか出席してなかったのに対して、

オレ達友人一同の人数は100人を超えるものとなって、親戚側はかなり驚いていた。

“しめやかに”という定番の静けさよりも彼女はみんなが明るく見送ってくれた方がいい、

そう思っているんじゃないかとオレは思ったりもした。

 

「九葉、1人でどうかしたのですか?」

「父さん…」

 

1人で桜並木を眺めていたところで父さんに話し掛けられた。

最初はオレと燐だけで来るつもりだったんだけど、父さんと母さんも付いてくることになったんだ。

「息子の奥さんの告別式に行かない親はいない」、と……木綿季と2人が話した時間は短いものだったけど、

両親は間違いなく彼女のことも娘だと思っててくれて、柄にもなく泣いたりした。

 

「みなさんは向こうで集まり話しをしていますよ。あなたも行かなくていいのですか?」

「うん……ちょっと、考え事があって…」

 

優しい表情で聞いてきたのでちょっと苦笑して答えることにした。

 

「なんで人は自分と違う存在を疎むんだろうなって、思ってさ…」

「ふむ…。それは、木綿季さんにあらぬ言葉を投げかけた人達に対して、ですか?」

「いや、それだけじゃないよ。オレや和人さん達が人一倍人殺しを嫌悪するように、

 犯罪者達が普通の生活を妬むように、健康な人が病気の人を遠ざけようとするように、

 どうして人は自分と違うと、それを疎もうとするんだろうって…」

 

別に殺人への認識を甘くするってわけじゃない。

ただ、やっぱりオレ達は誰かを失くすことに人一倍臆病で、だから殺人犯への憎悪が増して、

逆にSAOでとはいえ人を殺したことのある和人さん達は闇も深い。

そして犯罪者達が一般人を中心に狙うのは、憎しみや恨みとか以前に、やっぱり普通だからだと思う。

それに、健康な人が病気の人を遠ざけるのは自分が安全で居たいからで、ある意味ではそれも当然なんだと思う。

だけど、だからといってその病気のことを知りもしないで、特別なことがなければ移りもしない病気なのに、

ただ害悪だと言って木綿季やその家族に行った周囲の人間をオレは許せないと思ってる。

 

「違うからこそ、ではないでしょうか? まぁ、難しいことですよ…。

 その疑問が解けていれば、犯罪も争いも、とうの昔に無くなっているはずですからね」

「ん、そうだった…」

「ですが、それを考えるということは大事なことです。

 その考えを忘れずに未来への課題とし、いずれ解くことが出来れば、争いごとも少なくすることは出来るでしょう」

「そうだね。考え続けてみる…」

 

絶対にオレだけで解けることはないだろうし、みんなと考えてもほぼ解けるのは不可能、

それでも未来に向けてこの疑問を伝えていけば、いつかは解ける日がくると信じよう。

 

「しかし、和人ならばこう言うでしょう。“争いごと、強いて言うなら競争ごとこそが生物の根幹だ”、とね」

「あ~、確かに言いそうかも…」

 

和人さんの思考は“混沌”、別に平穏を嫌ってるわけじゃない……というか、

少なくともオレの周囲であの人ほど平穏を望んでる人はいないと思う。

だって、常に騒動の中心に居るような人だし。

まぁ、生物の発展には常に争いがつきものというのは、歴史の授業や物語の中で読んだことが証明してるけど…。

それでも、分かり合うことは不可能じゃないからな。

 

「さて、と……オレ、ちょっと話しに混ざってくるよ」

「はい。私と葵さんは一足先にホテルに戻っていますので、帰ってくる時には連絡を入れるのですよ?」

「了解」

「あぁ、それから……渡す物がありましたね」

 

父さんはそう言うと脇に挟んでいた1つの大きな封筒をオレに渡してきた。

受け取って中身を取り出してみると、それは1枚の紙だった。だけど、それはとんでもない物だった。

 

「コレって、土地の権利書!? それに、この住所は…!」

「はい、紺野さん御一家の御自宅のものです」

「な、なんでオレに……それに、お金だって…!」

 

そう、土地代なんて馬鹿にならないはずだ。

確かにウチは山を持っていて、父さんも株やらで稼いでいる(先見の明ってやつ)けど、それでも土地代なんて…。

 

「そうですね、確かにそれなりにかかりましたよ。それでも、あの場所には大きな価値がありますから」

「価値って…」

「私と葵さんからの結婚祝いです……親から子への、ね。しっかりと、あの家を守るのですよ?」

「っ……ありがとう、ございます…!」

 

父さんと母さん、2人からの結婚祝いという紺野一家の住んでいた家と土地。

父さんは笑みを浮かべてから、母さんと一緒にホテルへと帰っていった。

オレは絶対に守っていく……木綿季とその家族が残したあの家と場所を…。

 

 

それから落ち着いたオレはみんなのところに戻ろうとして、ふと別の場所に視線がいった。

そこは礼拝堂の影になっているところでベンチがあり、明日奈さんが座ってた。

オレと同じように、みんなの輪から抜け出てきたのかもしれない。

気になったのでとりあえず話し掛けることにしよう。

 

「明日奈さんも考え事か?」

「あ、九葉君…。“も”っていうことは、キミもなんだね?」

 

頷いて応じると彼女はおもむろに言葉を紡いだ。

 

「何十年か前に“全ての生命は遺伝子の運搬装置でしかなく、己の複製情報を増やし、残すためのみに存在する”、

 っていう説が流れたんだけどね……それについて考えてたの…」

 

随分と哲学のようなことを…と思ったけど、オレも近いような考えごとをしてたから人のことは言えないか。

 

「その観点で見てみるとね、ユウキの身体を蝕んだウイルスも純粋な生命っていうことになるの。

 だけどね、そのウイルスは遺伝子を運搬して、複製することはしても、最後は宿主の命を奪って、自分達も死に絶えてる…」

「確かに増殖や複製を繰り返しても、ウイルスは最終的に宿主の中で死んでるな」

 

納得しながら呟くと明日奈さんは頷いてからまた続けた。

 

「だけど考えてみたら、人もウイルスと同じことを繰り返してるんだよね。

 自分の利益を優先して、自分達の国の安全を保障するために、他の人や国を犠牲にしてる。

 そのうえで、わたし達は生きてる…。その先では人もいつかウイルスみたいに、

 この世界(地球)そのものを壊し尽くすか、別の知的生物との生存競争に負けて、

 全滅するんじゃないのかなって、思うの…」

「………」

 

言葉が出てこない…いや、オレも正直同じ意見だ。

特に命に関わったからなのか、いまのオレや明日奈さんは余計にこういうことを考えるようになってるのかもしれない。

けれど、そんな風に暗く話していた明日奈さんがふと笑みを浮かべた。

 

「でもね…ユウキとの思い出はわたしの、わたし達の中に確かに存在してる。

 大きな困難に立ち向かったユウキの姿は、魂としてわたし達の中で息づいてるって、今なら言える」

「そうだな。明日奈さんの言う通り、オレ達の中にはちゃんと、木綿季の魂が生きてる…」

 

そうだ、確かに木綿季は亡くなって新たな旅路に出た。

だけど、彼女の存在の証、思い出や姿、彼女自身の想いはオレ達の中に存在し続けてるんだ。

 

「残るものは必ずある……だから、命には遺伝子情報を運ぶ機能だけじゃなくて、魂や精神を運ぶ機能も存在すると思う。

 わたしは、それを信じることにしたの」

「曖昧な概念とかじゃなくて、確かに存在する魂や精神を記憶する媒体か…。

 それが実現できれば、生命の自滅も止められるかもな」

「うん。だからね、わたしはその日が来るまで、わたしに出来る方法でユウキのことを伝えていくつもり。

 子供ができたら、その子に話しを聞かせてあげて、その子がまた、他の人にユウキのことを伝えてくれるように…」

「オレも、そうするよ…。なんたってオレは、木綿季(ユウキ)の夫だからな」

 

明日奈さんは目尻に涙を浮かべながらも笑顔で言葉にして、オレも彼女(木綿季)の為に伝え続けていこうと決めた。

 

 

オレは誰かの気配を背後に感じて後ろを振り返った。

深い黒色に肩まであるストレートの髪をした女性でやや長身のその身に、

シンプルな黒のワンピースを着てショールを羽織り、細い銀のネックレスを身に着けてる。

女性はオレと明日奈さんの近くまでくるとお辞儀をしたので、

ベンチに座っていた明日奈さんは立ち上がってオレと一緒にお辞儀を返す。

 

「こちらでは初めまして、と言えばいいのでしょうか……九葉君、明日奈さん」

「あ、もしかして…」

「シウネーか?」

「ええ、そうです」

 

オレも明日奈さんも落ち着いたウェットなトーンの彼女の声を聞いて誰だかを悟った。

 

「本名は安施恩(アンシウン)といいます」

「それなら、改めて初めまして。時井九葉だ」

「わたしも…初めまして、結城明日奈です」

 

どこか矛盾した自己紹介が空気を和やかにして、くすりと笑い合う。

明日奈さんが彼女にベンチに腰掛けるように促して、

明日奈さんも再びベンチに座り、オレは2人の傍で立ちながら話しをする。

 

「ここに来てるってことは…」

「お体のほうは、もう…」

「はい、大丈夫です。この4月になって外出を許してもらえるようになったんです」

 

付添いでお兄さんが一緒ということらしく、そのお兄さんは待ってくれているという。

 

 

シウネーの病気は『急性リンパ性白血病』だったらしい……“らしい”というのは、

そのままの意味で、彼女の病気は完治したという。

発症したのは3年前で、1度は化学療法で寛解(病細胞が消えたこと)したらしいが、去年に再発したという。

再発後は骨髄移植しか有効な治療法がなかったのだが、家族に適合する人はいなかった。

骨髄バンクでもドナーは見つからず、サルベージ療法という色んな薬の組み合わせで寛解を目指したというのだ。

しかし、それは新薬や治験薬も積極的に使うようで、その副作用から彼女は何度も挫けそうになったと言った。

けれど、シウネーは決して挫けることはなかった……それは、木綿季の存在があったかららしい。

年下の木綿季が生まれてから15年間も闘い続けているのに対して、自分は3年間…しかも1度は寛解したのだ。

年上である自分が泣き言を言ってはいけないと、自身に言い聞かせたという。

2月頃には少しずつ薬の量が減ったらしく、医者も数値が良くなっていると言ったというが、

シウネーは自身にも時が来たのだと、悟ったらしいのだ。

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)優先の療法に変わったと、そう感じ取ったと。

恐怖はあったけれど、それでも木綿季と一緒なら、何処へだって行けるとそう思っていたという。

 

 

だが、そんな彼女に転機が訪れた……それは、木綿季の旅立ち()である。

 

「ユウキとお別れした次の日でした…。お医者様が、私に完全寛解したことを告げたんです。

 私、混乱しちゃって、訳が分からないままに退院して、病気が完治したって理解できたのは、昨日のことなんです」

 

治験薬の1つが劇的に効いたという。

いままで大きな効果を得られなかったものがいきなり効き目を出して、完治へと到った。

それはまさに、奇跡とも呼べる。けれど彼女は涙を流しながら語った。

失くしたと思っていたはずの時間をいきなり返されて戸惑い、

ユウキと彼女の姉と先に旅立った2人のメンバーとしていた約束、『いつまでも一緒』…。

それを違えるような形でここに残っていいのかと、そう感じているらしい。

泣きながら語る彼女にオレは声を掛けようとして…やめた。

これはどうやら、オレよりも適任の人がいるみたいだからな…。

 

「施恩さん。わたし、命は心を運んで、伝えるものだって思うんです。

 人に気持ちを伝えて、人の気持ちを知ることはすごく難しい……でも、それは怯えて足が進まないから。

 ユウキはその進むことの大切さを教えてくれました。その強さも、貰うことが出来ました。

 わたしはその大切さと強さを、色々な、たくさんの人に伝えていこうと思ってます。

 それが、いつかまたユウキと出会った時に、彼女に返してあげられることだと思いますから」

 

明日奈さんの言葉を聞いたシウネーは止めどなく涙を流して、

オレはそんな彼女の肩に手を置き、頷きながら微笑みかける。

 

「っ…ありがとう、明日奈さん、九葉君…」

 

涙を止めることができた彼女はハンカチで涙を拭うと、再び話し始める。

 

「私達、お二人にはとても感謝しています。

 私達が出来なかったユウキを支えるということを、お二人はやってみせてくれました。

 明日奈さんは親友として、九葉君は恋人…いえ、旦那様として、あの子を支えてくれました。

 いつも私達を支える為になんでも背負っていたユウキを…」

「礼を言われるようなことじゃないよ。オレも明日奈さんも、自分達がやりたいようにやっただけだからさ」

「そうですよ。わたしも九葉君も、後悔をしない道を選んだんです」

「そう、ですね……でもやっぱり、ありがとうございます」

 

改めてお礼を言われると照れるものがあって、オレは頭をかきながら顔を逸らした。

すると2人が小さく笑い、オレにも笑みが浮かぶのがわかった。

 

 

それから聞いたのは他のスリーピング・ナイツのメンバーのこと。

ジュンは難しい癌ということだけど、最近使い始めた薬がかなり効いているらしくて、腫瘍が小さくなったそうだ。

タルケンとノリも、薬による辛い副作用に耐えて、徐々に効き目を感じていると聞いたという。

そしてテッチ……彼も、残りの時間などあるのかという感じだが、それでも頑張っているらしい。

木綿季が喝を入れたのか、みんなが木綿季に言われたように旅立つ日が長くなるように頑張っているのかは、

分からないかもしれない。それでも、みんなが精一杯頑張っていることは間違いない。

 

 

3人で話し込んでいたら、再び誰かがこっちへやってきた。

1人は明日奈さんと同じ学校の男子制服を着た和人さん、もう1人は黒の礼服に身を包んだ倉橋医師、

そしてもう1人は黒の礼服に身を包んでいる女性。

明日奈さんとシウネーが立ち上がり、オレ達3人はお辞儀をし、向こうもこちらにお辞儀で返してきた。

 

「ここに居たんだな。お邪魔しちゃったか?」

「ううん、大丈夫だよ」

 

言葉を交わす和人さんと明日奈さん。それにしても、2人と一緒に居るこの女性は誰なんだろう?

 

「和人くんと先生はどうして一緒に?」

「通信プローブのことで色々とな」

「あのカメラを医療用フルダイブ機器に活かせないかと、桐ヶ谷君と神代博士に相談していたところなんです」

 

なるほど、確かにあのプローブは活かしたいところだな。

それにあの女の人、神代博士と呼ばれたけど、なにかの権威なのか?

あ、そういえば、先生に聞きたいことがあったんだ。

 

「倉橋先生。メディキュボイドのテストって、どうなったんですか? 他の人がモニターを引き継ぐとか…」

「いえ、テストはもう終わりましたよ。木綿季君のお陰で十分なデータを得ることが出来ました。

 今後は製品化に向けて、メーカーとの協議になる予定です」

 

そっか、木綿季がいままで頑張ってきたことは、無駄にならないでちゃんと活かされるんだ…。

 

「あぁ、そうでした……安さん、退院おめでとう。木綿季君も、きっと喜んでくれていますよ…」

「ありがとうございます。メディキュボイドが、これから多くの人を助けてくれることを思うと、

 ユウキの頑張りが私も凄く嬉しいです…」

 

先生の祝いの言葉と握手に応じるシウネー。

 

「初めましてと言えばいいのかな? 桐ヶ谷和人だ、退院おめでとう。シウネー」

「キリト君もありがとうございます」

 

和人さんの握手にも快く応じている。そこで、神代博士と呼ばれた女性が明日奈さんの傍に立った。

 

「初めまして、結城明日奈さん。私は神代凜子、キリト君から話しは聞いてるわ」

「あ、は、初めまして」

 

明日奈さんは何処か緊張した様子で応じてるみたいだけど、どうしたんだろうか?

 

「明日奈さん、九葉君、安さん。

 この神代博士がメディキュボイドの心臓部である超高密度信号素子の基礎設計を提供してくださったんですよ」

「「「えっ!?」」」

 

この人がメディキュボイドの心臓部を…!?

じゃあ、この人が居たからこそ、オレはALOでユウキと出会うことが出来たのか…。

 

「あの、神代さん。本当に、本当に、ありがとうございます…。

 メディキュボイドがあったから、ユウキはあそこまで頑張れて、私達も…」

「オレからも、ありがとうございます。アレがあったから、オレは木綿季と出会うことが出来ました」

「いえ、私はただ信号素子の基礎設計を渡しただけよ…。

 完成させたのはメーカーの方達で、基礎設計を作ったのも私の大切な人だったから…」

 

シウネーとオレのお礼を聞いた神代さんは複雑そうな表情をしていたけれど、答えたあとは笑顔でいた。

そんなオレ達の傍で和人さんと明日奈さんが話しをしている。

 

「ねぇ、和人くん…。その、基礎設計を作った人って、まさか…」

「あぁ、ヒースクリフ(茅場晶彦)だよ。

 メディキュボイドも、『ザ・シード連結体(ネクサス)』と同じでアイツが蒔いた種から芽吹いた物なんだ」

「そっか……ふふ、いつも凄いことをする人だね」

「まったくだ。まぁ、今回もアイツの手柄だな」

 

2人は誰かの名前を言っていたけど、それが誰のことを指してるのかは分からない。

でも、その人もオレと木綿季(ユウキ)が出会うきっかけをくれた人なのは違いないと思う。

だから、その人にも心の中でお礼を言っておこう、オレと木綿季(ユウキ)を出会わせてくれて、ありがとう…。

 

そこで一陣の優しい風が吹き抜け、幾つもの桜の花弁を攫いながら空高くへと飛んでいった。

その風の中に彼女の姿を思い浮かべながらこの言葉を送る。

 

「またな、木綿季(ユウキ)

 

九葉Side Out

 

 

 

「あれ…?」

 

野を歩く4つの人影。その最後尾を歩く少女がふと後ろを振り返る。

 

「お~い、早くしろ~」

「おいてっちゃうよ~」

「早くおいで~」

「わぁ、ちょっと待ってよ~」

 

前を行く3人に呼びかけられ、少女は前を向き、走り出そうとする。

しかし、その前にもう1度だけ振り返ると…。

 

「またね……九葉(クーハ)、みんな…!」

 

そう囁き、少女は3人に追いつくために野を駆けていった…。

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

あとがきも投稿します・・・。

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
19
7

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択