No.604566

ダンガンスクール[4] 不二咲千尋

アッキさん

 ダンガンロンパIfストーリー。
 もしも、彼ら彼女らが普通に学園生活を送っていたらどう言う生活を送っていたのか?
 第4話、【超高校級のプログラマー】不二咲千尋の話。

2013-08-03 14:23:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3008   閲覧ユーザー数:2971

【ダンガンロンパIfストーリー・ダンガンスクール】

【希望ヶ峰学園デノ生活】

【第4話・不二咲千尋】

【超高校級のプログラマー】

 

 

【クガツ・ジュウロクニチ】

 

 

 希望ヶ峰学園体育祭。本日は希望ヶ峰学園の体育祭が開かれていた。1週間後の23日から3日間、文化祭が開かれたりするのだがそれをとやかく言うのは野暮だと言う物だろうと、【超高校級の幸運】である苗木誠は思っていた。まぁ、今、プログラムは男子400mになっている。やるのは男子全員では無くて、走者は希望ヶ峰学園の中で自主的にここに参加を申し上げた5人である。

 【超高校級の占い師】、葉隠康比呂。【超高校級の野球選手】、桑田怜恩。【超高校級の御曹司】、十神白夜。【超高校級の同人作家】、山田一ニ三。そして【超高校級のプログラマー】の不二咲千尋の5人。5人はそれぞれ位置についている。

 

 

「今日の占いの1位は、オラっちだべ。つまりレースの1位はオラっちだべ」

 

 

「つーか、俺の勝ちに決まってるだろ。盗塁もまた野球選手の条件だから、【超高校級の野球選手】である桑田怜恩だからな」

 

 

「ふっ、何に置いても俺が勝つに決まってるがな」

 

 

「ククク……! ワタクシの勝利をセレス様に差し上げるのですよ!」

 

 

 それぞれ4人は力を込めるようにして、宣言をする。そして一番端のレーンに立つ不二咲千尋はジャージを着た状態で拳を構える。

 

 

「頑張れ、不二咲! お前なら出来る!」

 

 

「そうだぞ、不二咲君! 兄弟が言っている以上、君は間違いない! やれば出来る子だ!」

 

 

 と、隣で応援する【超高校級の暴走族】、大和田紋土と【超高校級の風紀委員】、石丸清多夏は揃って応援する。いつもは白い制服を着ている石丸だが、今日は大和田と同じ黒い学ランを着て応援している。それを見た不二咲は

 

 

「そ、そうだよね。頑張らないと」

 

 

 と言いながら、拳を強く握りしめる。

それを見て苗木は、彼の事を思い出す。

 

 

 彼は今まで大和田と石丸の助けで男らしくなるよう訓練を積んできた。全ては今までの自分から変わり、女装に逃げるのではなく、男らしい男になるために。それを見て来た苗木は、「不二咲君、頑張ってるな」と素直に声を出すと、大和田に聞こえたのか。声を出す。

 

 

「当たり前だぞ、苗木。不二咲は俺と兄弟の手で、男として生まれ変わったのだ。今までの不二咲ではない、男の不二咲が今見られるぜ!」

 

 

「そうだぞ、苗木君! 兄弟の教えを忠実に守った不二咲君は、今や立派な男性だ! 結果は問題じゃない! ここに出るのが、不二咲君にとって大きな経験になるはずだ!」

 

 

「ナイスだぜ、兄弟! その通りだ!」

 

 

 そうこう言っている間に、スタートの合図を任せられた【超高校級のスイマー】、朝比奈葵が立つ。

 

 

「じゃあ、行くよ! 皆、位置についてー!」

 

 

 その言葉に素直に従ったのは不二咲と葉隠の2人だけだった。山田は眼鏡をクイッと上げて、しぶしぶと従ったのは桑田。十神に至っては、そんな事は下らんと腕を組んだままだ。

 

 

「さぁ、行くよー! よーい、ドン!」

 

 

 とピストルが鳴り、レースが始まった。

 苗木は「皆、頑張れ―!」と応援していたが、その横に【超高校級のアイドル】、舞園さやかがやって来る。

 

 

「苗木君、もうすぐ“私との”二人三脚の時間です。1回練習しておきませんか?」

 

 

「あれ、そうだったかな? じゃあ、急がないと」

 

 

 そう言って、立ち上がる苗木だが、その前にさらに未だに皆に正体を明かしていない【超高校級の???】、霧切響子が現れる。

 

 

「待って。苗木君、次は“私との”借り物競争の時間よ。舞園さんのは後にしましょう」

 

 

 そう言いながら睨む霧切に、こちらもと睨む舞園。

 

 

「いいえ。苗木君は先に“私と”一緒に二人三脚をするべきです! 苗木君とペアである私は苗木君と力を合わせないといけませんので!

 霧切さんのペアは別の人、今走っている不二咲さんじゃなくって?」

 

 

「そうね。確かに私のペアは不二咲さんよ。

 苗木君が舞園さんと、葉隠君が江ノ島さんと。十神君が腐川さん、そして、何故か男女混合のはずなのに大神さんと朝比奈さん、大和田君と石丸君のペアが走る事になっているわ。確かにペアのコンビネーションは重要でしょう。けれども、私が言っているのは借り物競争。借り物競争ではポジショニング、つまり借りる人の位置を予め知っておくことが重要になって来る。苗木君とはその打ち合わせをしたいの」

 

 

「いいえ、苗木君は貸しません!」

 

 

「あなたのじゃ、ないでしょうに」

 

 

 睨む2人に対して、苗木は困惑するばかりであった。


 
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