No.596762

真・金姫†無双 #46

一郎太さん

やっぱりこんな時間

どぞー

2013-07-11 23:27:04 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:6877   閲覧ユーザー数:4750

 

 

 

#46

 

 

「へい、お待ち」

 

しばし料理に精を出し、幼女の為の品が完成する。焼き上がって一度お椀に写し、半球にした炒飯。それに薄く焼いた卵を被せ、裾の部分を炒飯の下に詰め詰め。見た目はケチャップ無しのオムライス。つくね用のひき肉を丸めたハンバーグ。母親がいるならば、ちゃんと野菜も出さなければ。とう訳で、人参を花形に切り、焼いたもの。

 

「わー、お花さんだー!」

「ほんとね。お野菜が苦手な璃々でも食べられそうね」

「うん!」

 

なかなかの感触。ハンバーグにも、刻んだネギと塩ダレを混ぜたものを乗せている。

 

「はい、こいつはサービスだ」

「さぁびすとは何だ?」

「無料提供って意味さ。お姉さん達みたいなお客さんは、この辺りじゃなかなか来ないからな」

 

銀髪のメガねーさん(メガ乳ねーさん、略してメガねーさん)が、赤ら顔で問いかけて来たので軽く返す。

 

「気前がいいな。ますたぁよ、酒の一杯くらいさぁびすしてくれてもよいのでは?」

「姉さん達がこの店に便宜を図ってくれるならいいよ」

 

俺の言葉に、銀髪メガねーさんがスッと眼を細める。母親の方も娘の様子を見ながら、こっちに注意を払っている事がうかがえる。それを受け、俺はニヤリと笑う。

 

「おやおや、マジに役職に着いてる御方たちだったんだ」

「「…………えっ?」」

「一般人なら、そんな反応しないさ。するとしても、また利用してくれって言ってると思うだろうし」

「「……」」

「お母さん、おいしーよ!」

 

お嬢ちゃんの喜びの声が響く。

 

 

 

 

 

 

話を聞けば、銀髪メガねーさんは厳顔さん。母親の方は黄忠さんらしい。ってことは、娘さんは……黄叙だっけ?

 

「まさか、こうも簡単にハメられるとはな」

「私たちも、まだまだ未熟ってことね」

「既にだいぶ熟してナンデモアリマセン」

「おいしー」

 

璃々ちゃんはいい子だなー。

 

「ま、さっきのは冗談さ。一般人だろうと帝だろうと、ウチで飯を食うなら等しくお客さんだ。その待遇に差なんてつけないよ(←セールストーク。春秋姉妹を厚遇していた過去は忘れた)」

「儂らもその方がありがたいしな」

「そうね」

「それにしても、結構な役職の御方がこんな店で飯なんて珍しいな(←セールストーク。長沙、陳留のことは忘れた)。何か用事でもあったのかい?」

「あぁ。街の外で新しく開墾を行なっていてな。コチラ側の門が一番近かったのだ」

「私は璃々とお散歩の帰りね。桔梗とはたまたま一緒になったの」

「んで、俺たちはここで店を開いていた、と。縁ってのは、やっぱあるもんなんだねぇ」

 

どうしてこう、有名人とばかり知り合ってしまうのか。

 

「縁とな?」

「あぁ。俺たちは元々長沙の出なんだが、向こうでも店を開いていてな」

「長沙というと、孫策のところね」

「そうそう。で、向こうでも街の重鎮たちに気に入られてね」

「重鎮?」

「あぁ。孫策ちゃんとか周瑜ちゃんとか、んー……黄蓋さんとかも知ってる?」

 

俺の言葉に、2人はおや、といった表情を浮かべる。

 

「あれ、知ってるの?」

「えぇ、祭…公覆のことならよく知ってるわ。3人で、よく弓の腕を競い合っていたもの」

「懐かしいな」

 

世間は狭いな。

 

「なんだ、知り合いか。なら祭ねーさんの性格は知ってるだろ? 乱暴な客を軽くあしらった事を聞きつけて、勝負をふっかけられた事があるんだよ」

「あらあら。祭も変わってないわね」

「いや、それよりも、ますたぁは祭に認められる程の腕ということなのか?」

「認められたかどうかはわかんないけど、たいてい引き分けに終わってるよ」

 

俺がそう言うと、厳顔ねーさんの眼がすっと細まる。

 

「おいおい、勘弁してくれよ。俺はただの商売人だぜ?」

「何を言うか。腕のたつ者が目の前にいるのだ。勝負をせずにいられるものか!」

「黄忠のねーさんからも言ってくれよ」

「でも、桔梗は言ったら聞かなくて」

 

おっと、けっこうな放任タイプなのかもしれない。あるいは、面倒事は避ける性質か。

俺は、対年上用の最終兵器を繰り出す。ほんのわずかに上目遣い(意識しないと気付かないレベル。無意識下に攻撃を与える)。

 

「……お姉ちゃん、厳顔姉ちゃんを止めてくれないかな?」

「あぅっ!?」

 

果たしてそれは、相当の効果を有していたらしい。黄忠ねーさんは、その巨大な胸を抑えて呻いた。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで戦闘回避。

 

「……まさか、紫苑があそこまで必死に止めにくるとは思わなんだぞ」

「だって、可愛い男の子のお願いだもの」

「違いない」

 

そう言って軽く笑い合う2人。アレ、なんか危険な雰囲気が。

 

「それはいいとして、だ。ツマミの皿が空いたけど、何か追加注文はあるかい?」

「どうする、紫苑? 酒ならいくらでも飲めるが」

「そうねぇ……」

 

と、そこで。

 

「ふぁぁああぁ……」

 

璃々ちゃんの可愛らしい欠伸。

 

「璃々もお腹いっぱいで眠そうだし、これくらいにしておきましょうか」

「そうだな。城に帰ったら焔耶でも捕まえて飲み直すとしよう」

 

もう1人いるのか?

 

「美味かったぞ、ますたぁ」

「えぇ、まだこの街にはいるのかしら」

「あぁ、もう少し稼がせてもらうよ。月たちの仕事の練習( O J T )もしたいし」

「だいぶ慣れたわ」

「うん、疲れるのは変わらないけど、楽しいよね」

 

詠たんも楽しそうだ。

 

「んんんー、ねみゅぅ……」

 

そしておねむの璃々ちゃん。黄忠ねーさんの服にしがみつき、その大き目の布に包まろうとする。

 

「少し風も出て来たな。待ってな。羽織らせるものを出すよ」

「あら、いいの?」

「お得意さんだからな」

「ふふっ、まだ1回目なのにね」

「なって欲しいのさ」

「えぇ、また今度ね」

「そうだな。また来させてもらう」

「あじゃじゃしたー」

 

そんな出会い。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

さて、寝るか

 

 

バイバイ。

 

 

 


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