No.595358

【獣機特警K-9】廃宇宙港の激闘【戦闘】

古淵工機さん

さぁ、こちらもいよいよ大盛り上がりだ。
暑い夏。ⅠGもまだまだ熱いぜ!

◆出演
K-9隊のみなさん

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2013-07-07 14:52:17 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:911   閲覧ユーザー数:874

グランドキャメル宇宙港…。

今は使われなくなったこの廃港に、次々とトレーラーが集まってくる。

やがてその荷台後部のハッチがゆっくりと開き、中から出てきたのは手かせ足かせを嵌められ、抵抗できない状態にされた女性たちであった。

いずれもうら若き美人ぞろい。それが今、なすすべもなくこの廃港に集められていたのである。

 

「おら!キリキリ歩け!」

マフィアたちの怒号が響き渡る中、女性たちは次々にコンテナの中へと押し込められていく。

その目の前では、ローゼン海賊団の首領、キャプテン・メルローズとレオーネ一味のボス、レオーネが話をしていた。

「いいのかいレオーネ!こんだけの商品をアタイらに?」

「あぁ、アタシらが一生懸命血眼になって探し集めてきた上玉も上玉。きっとアンタらの活動資金になってくれるだろうさ」

「ふふ…結構じゃないか」

そう、レオーネ一味がこの宇宙港に美女を集めたのは、彼女たちをローゼン海賊団に引き渡すためであった。

ローゼン海賊団はこの美女たちを辺境の惑星に売りさばき、一儲けしようというわけである。

 

「さ、あとはこのコンテナをアタイらの海賊船(ふね)に上げるだけ…」

と、メルローズが不敵な笑みを浮かべたまさに次の瞬間だった。

「そこまでよ!全員おとなしくなさい!!」

突然、よく通る声が響いたかと思うと、何者かがローゼン海賊団とレオーネ一味を取り囲む!

声の主はアイヴィー・ヒルトン。取り囲んでいるのはフュア・フランバージュ、そしてエルザ・アインリヒト率いるK-9隊だ!

「なんだと!?どうやってこの場所をかぎつけたっていうんだい!」

こんな状況に慌てるメルローズに対し、レオーネは落ち着き払った様子で切り返す。

「心配するなよメルローズ。こうなるだろうと思ってね、ちゃんと手は打ってあるのさ」

と、レオーネが指を鳴らすと、違法改造されたパワーローダーが数機現れた。

 

「くっ、あんなものまで用意していたなんて…」

と、歯を食いしばる煌月陸斗。

「…どうするね?」

と、グーテ・シュタールシルトがシス・セザンヌに尋ねる。

「……任務の障害とあらば排除するのみ。退却はない」

その言葉を聞いた超 五華が構える。

「へっ、そうこなくっちゃだよな!ローダーとザコはオレらに任せとけ!」

掛け声も勇ましく、周りの敵を一掃にかかる4人。

一方その頃…。

シャークロイドを引きつれた海賊シザーハンドと対峙するフュアと九段下久遠。

「フュアさん…いけるよね?」

「ああ、何人来ようが恐るるに足らんよ」

「言ってくれるなァてめえら。後悔すんじゃねえぞ!かかれーっ!!」

シザーハンドの号令とともにシャークロイドの軍団が飛び掛る。

「来るぞ!」

「おうっ!!」

次々に蹴散らされていくシャークロイドたち。

それを見ていたシザーハンドはすぐさま右腕のパワーシザーで応戦する!

 

さて、同時刻…。

コンテナを取り囲むように、シャークロイドが見張りについている。

だが、よく見てみると見張りが手薄になっている場所があった。

コンテナの背後はすぐ海であり、そこにイシス・トライスターが張り付いていたのである。

「あのコンテナですね…こちらイシス。コンテナの裏側に到達しました」

と、イシスが通信を入れる。その相手は…。

「了解。コンテナの外にいるシャークロイドを狙う、任せておけ」

するとアレクセイ・フトライミツィのレーザーライフルがシャークロイドを狙撃する!

脚を撃ち抜かれ、次々と倒れるシャークロイド。

「さぁ、みなさん急いでボートに乗ってください!」

フィーアが女性達に取り付けられた手かせ、足かせを外すと、一人また一人とボートへ誘導する。

そして無事に中の女性たちがボートに移動したことを確認すると、フィーアは暗号通信を送る。

「…(こちらフィーア。捕らえられていた女性達の誘導完了しました)」

「…(そうか、ご苦労だった。続いて構成員の確保を頼む)」

「(了解)」

暗号通信を終えたエルザ・アインリヒトはレオーネ・モルボーゾと対峙していた。

「…さぁ、これでお前達の企みは台無しだ。おとなしくお縄についてもらおうか」

「ふん、やってくれるね。ならアンタたちをバラバラにしてやるまでさ!」

睨みあう両者。レオーネは手のひらからエナジーブレードを展開し、エルザはトンファーを構える…。

 

「これでも喰らいなっ!」

先に仕掛けたのはレオーネだった。口からせり出してきたガトリング砲が、エルザ目掛けて火を噴く!

すかさずエルザは両腕でトンファーを振り回し、飛んでくる弾丸を弾き落とす。だが…。

「その程度の攻撃…なにっ!?こ、これは…ガススモーク弾!」

エルザが気づいた頃にはレオーネの姿はない。弾丸が破裂した際の煙にまぎれたようだ。

「くそっ!レーダー阻害パウダーも入っているのか…どこへ消えた…!」

辺りを見回すエルザだったが、その背後から気配のようなものを感じ取ると、瞬時にその方向へと身体を向ける。

 

「そこかっ!…ぐうっ…!?」

その光がエルザの肩を掠めたかと思うと、なんとエルザの左腕は切断され、コンクリートの地面に叩きつけられてしまった。

「はっはっは、惨めだね。片腕だけでどうやって戦うつもりなんだ?」

と、あざ笑うレオーネに対し、エルザは不敵な笑みを浮かべこう切り返した。

「ふふ、片腕を切り落としたぐらいで私に勝ったつもりか?」

「なんだと!?まさか…」

「ああ、お前の両手をよく見てみろ」

レオーネが自分の手を見てみると、その手首から先が砕かれ、内部からは千切れた配線が火花を散らしていた…。

「くっ…いつの間にこんな…だが前にも言ったよ。アタシは全身が武器で…」

「…その腹でどうやってあのレーザーを撃つ?」

「…!!!」

レオーネが切り落としたエルザの腕を見ると、その手に握られていたはずのトンファーがなくなっていた。

…そう、そのトンファーはレオーネの腹にしっかり刺さっていたのである!

「うっ…ぐ…バ、バカな…アタシが襲い掛かってから、アンタの腕を切るまでに…時間はかからなかったはず!なぜ…あんな短い時間で…」

 

腹を押さえてよろめくレオーネに、エルザは得意げに言った。

「言い忘れていたが私はカンが鋭くてね。それに腕を切り落とされたぐらいで挫けるようなヤワじゃない」

「くっ…次にあったときは必ず…アンタを殺ってやる…!」

そんな捨てセリフを吐きながら、レオーネは夜の闇へと消えていった。

「待て…ぐう…っ…!」

エルザは追いかけようとするが、切り落とされた左肩を押さえてその場にうずくまり、ただレオーネの逃げた方向を睨みつけるだけであった。

(くそっ…レオーネめ…!)

さて、エルザとレオーネの激しい戦いが繰り広げられていた頃…。

「フン。どこまでも憎い奴らだね。アタイらを怒らせたこと、後悔させてやるよ」

「それはこちらのセリフよ、キャプテン・メルローズ…覚悟なさい」

メルローズがレーザーソードを、アイヴィーが電磁警杖を構え、同時に飛び掛る!

 

「それそれそれそれっ!」

メルローズの素早い動きを、ひらりひらりとかわしていくアイヴィー。

だが、反撃する隙をメルローズは一切与えようとしない。防戦一方のアイヴィーを、メルローズはさらに追い詰める!

「くっ…!」

「どうしたどうした!防ぐだけでせいいっぱいかい!?」

このまま決着がついてしまうかに思われたそのとき、アイヴィーの瞳が鋭く光る!

そして次の瞬間繰り出されたのは…警杖を使っての足払いだったのだ!!

 

「なっ…なにぃ!?」

「はあぁぁぁぁっ!!!」

いきなりの足払いに体勢を崩し、よろめくメルローズに、アイヴィーの突きが炸裂する!

「ぐはっ…!」

勢いよく尻餅をつき、そのはずみで持っていた剣を取り落としてしまうメルローズに、アイヴィーが近づいていく。

「さて…抵抗をやめて大人しく…」

と、その時である!

「おらぁぁぁぁっ!!」

「っ…!?」

メルローズの蹴りが、アイヴィーの腹を直撃!

激痛に顔をしかめるアイヴィー。それもそのはず、履いている靴に特殊合金製の刃が仕込まれていたのだ!!

さらにメルローズは、マントの中に隠していた電磁ナイフでアイヴィーの身体に次々に傷をつける!

切り裂かれた外装の中から、配線やフレームが露出し、火花を散らしている…。

「はっ、ブザマなもんだ。アンタはこのままいたぶって、機能停止したとこを持って帰ってやるよ。そしてそこでじっくりバラバラにして高値で売りさばいてやるのさ。アーッハッハッハ!」

と、高笑いをしているメルローズ。だが、アイヴィーは歯を食いしばり身構えると、メルローズ目掛けて突進する!

 

「あ…!?」

次の瞬間、アイヴィーの拳はメルローズの頬を直撃した。

殴られた衝撃は凄まじく、勢いで後ろへ向かって倒れるメルローズのその姿は、まさに「殴り飛ばされた」という表現が似つかわしかった。

「ぐぅっ!!」

地面に叩きつけられるメルローズは、アイヴィーのほうを睨みつける…。

 

「よくも…よくもアタイの顔に傷をつけてくれたね…!この落とし前は必ずつけてやる!覚えておきな!!」

そう言ってメルローズは転移装置を作動させて去っていった。

さて、シザーハンドと戦っていたフュアの様子を見てみよう。

「いい加減…大人しくしたらどうだ!」

「ぐっ…やるじゃねえかくそったれが…船長!?」

電磁警棒を構えたフュアの右腕を必死に掴みかかるシザーハンドの耳に通信が入った。

『引き揚げだよ!作戦は失敗だ!!』

「ちっ…覚えとけよ!!」

「ぐああぁぁああ!!!」

去り際にフュアの右手首を破壊し、シザーハンドは去っていった。

 

「はぁ、はぁ…こちらフュア…敵は撤退…。右手首をやられました…!」

『そう…またしても逃げられてしまったのね。でも、生きていてくれてよかった…』

『こちらイシス。人質は全員保護しました』

『こちらウーだ。ザコどもは全部とっちめてやった!』

状況を確認しあう警官達。

その中でも特に激しい戦いを繰り広げたアイヴィー、フュア、エルザの三人はダメージを負いボロボロの状態であった…。

 

…その後捕らえられていた女性たちは無事保護され、元の場所へと帰りついた。

ここに到り、女性誘拐事件は終局を見たのである。

…翌日、ラミナ署・ロボットメンテナンスルーム。

「エルザさん、ホント無茶ばっかりして…本当に大丈夫なんですか?」

と、須国直子が心配そうに話しかける。

「大丈夫、たかが腕一本だ。気にすることはな…いててて」

 

「ホラ、無茶するから!…腕以外にも結構やられてるじゃないですか!」

「い、いや大丈夫…でもないか…」

「とにかく3日間は安静にしててくださいね」

「わ…わかったよ、はは…」

予想以上のダメージにより、エルザはしばしのメンテナンスルーム入りを余儀なくされたという。


 
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