No.578230

ALO~閃姫Next after~ EP16 救出成功

本郷 刃さん

EP16です。
攫われた雫と奏の前に現れた公輝、誘拐犯達の運命や如何に!(え、そっち?)

どうぞ・・・。

2013-05-20 12:02:41 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11085   閲覧ユーザー数:9983

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EP16 救出成功

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公輝Side

 

零間(れいげん)》で最も近くにいた男に接近した俺はそのままの勢いで奴が右手に持つ拳銃を蹴り上げ、

引き金に添えてあった指をへし折った。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!?」

 

痛みで絶叫を上げる男に対して回し蹴りを左側頭部に叩き込んでから正拳突きを腹部に行い、

男は5m程吹き飛んでから3m程転がり、そのまま意識を失った。

あまりの展開に朝霧も井藤も他の男達も呆然としているが、俺はその隙を見逃さない。

 

「神霆流闘技《霍翼(かくよく)》」

 

即座に近くに居た男の前に移動し、そいつの腹部に両掌を押しつけてから回転衝撃を与える。

その勢いのままに吹き飛ばされた男はガラクタの山に突っ込み、意識を底に落とした。これで2人目っと…。

 

「な、なんだよ、お前は…!」

「大の大人が喚くなって……で、来ないのか? 来ないならこっちから行く、ぞ!」

 

右手にナイフと左手に銃を持つ男に接近し、両手を殴りつけて武器を落とさせ、

足払いを行って倒れた男を強烈な蹴りで吹き飛ばす。

続けて4人目、銃を乱射してきたこの男には回し蹴りを脇腹に叩き込む。

その際にメキメキボキッという音が聞こえたけど無視しよう、

さらに2連続で顔面に右ストレートと左ストレートをぶつけてぶっ倒す。

 

「このっ、ガキが!」

「調子に乗るんじゃねぇ!」

 

銃では無理だと思ったんだろうな、2人で俺を囲みながらナイフで切りつけてきた……が、

 

「神霆流歩法術《影霞(かげかすみ)》」

「「はっ?」」

 

僅かな足捌きとステップでナイフを回避、まるで攻撃がすり抜けたように感じたんだろう、

困惑する2人の腕を掴んでそのままそれぞれの肩に突きつけさせた、そうナイフを。

 

「ぐぅっ!?」

「がっ!」

「仲間内で相討ちっと」

 

2人が痛みで転げ回る。さすがに死にはしないだろうけどこれで無力化に成功、残るは4人だな。

俺は落ちている2本のナイフを両手に持って構え、再度接近。

右のナイフで相手のナイフを斬りつけて両方とも砕け、驚いた男の腹に思いっきり右ストレートを叩き込む。

即座に背後に回っていた男のナイフに向けて左手に持っていたナイフで受け止め、またもや両方とも砕け散る。

今度は左手でアッパーカットを顎に向けて放ち、気絶させる。これであとは2人か。

 

「よっと!」

「んなっ!?」

 

さらに俺は手に持っていたナイフの柄を銃を持つ男の手に向けて投げ、

ぶつかった痛みで銃を手放した男が怯んだ隙に近づいて蹴りを股間に!

 

「お、おぉ……(どさっ)」

「……ふっ」

「Oh……」

「「……………」」

 

悶絶しながら崩れ落ちる男に対して俺はニヒルな笑みを浮かべ、

残った最後の男は股間を守るかのように内股になり、女性2人は唖然とした。

ふっ、何時の世も男の急所は儚いぜ……とかなんとかカッコイイ感じに思ってみたり。

そんな空気を払拭させようと俺は言葉を口にする。

 

「さて、これで残るはアンタだけだぜ」

「くっ…くそっ、くそっ、くそぉっ!?(ダンッ、ダンッ、ダンッ、ダンッ!)」

 

銃を連射してくるが混乱している男に上手く照準を合わせることなどできず、

当たりそうになる弾丸は《影霞》で回避し、最後に《零間》を使用して男の目の前に到達する。

 

「うっ、うわぁぁぁぁぁっ!」

 

―――ざしゅっ!

 

「ぐっ…」

 

恐怖でナイフを振り回した男、そのナイフを俺は手の平で受け止めたことで貫通した。

かなりの痛みが奔るがそれに耐えて男の肩を掴む。

 

「それじゃ……眠ってろ!(ゴンッ!)」

「ぐぁっ!?」

 

俺の渾身のヘッドパットを喰らい男はその衝撃によって意識を失ったようだ。ふん、鍛え方がまだまだだな。

倒れた男達全員に視線を送り、完全に気を失っているのを確認してから手の平のナイフを引き抜き、

ポケットに突っ込んでいたハンカチで止血をする。

それからロープで手首と足首を縛られて捕まっていた朝霧と井藤の側に歩み寄る。

 

「2人共怪我ないか?」

「え、えぇ、あたし達は平気よ…」

「で、でも、未縞君の、手が…」

「あぁ、大丈夫だって。すぐに病院いくから……と、ようやく来たみたいだな」

 

気遣ってくれる2人に軽く答えたところで、パトカーのサイレンが聞こえた。

ことは全部終わってるけど事後処理を任せますかね。

 

公輝Side Out

 

 

 

雫Side

 

あっという間でした……未縞君は10人の男達の意識を奪って私達を助けてくれました。

だけど彼は手の平をナイフで刺されてしまいました。

 

「ごめん、なさい……ごめ、ん…なさい…」

「え、ちょ、なんでっ?」

「雫…」

 

涙が流れてしまいます、未縞君は困惑し、奏も心配そうにしてくれています。

でもそれ以上に、私のせいで2人を巻き込んでしまって、彼に怪我をさせてしまって、

なのに自分は何も出来なくて、そんな自分が情けなくて、涙が止まりません…。

 

「ご、めん…な……ぇっ?(ぎゅっ)」

「もういいから…な?」

 

そんな私を彼は優しく抱き締めてくれて、途端に温かい気持ちが溢れてきました。

 

「っと、女の子を抱き締めるもんじゃないな…わりぃわりぃ」

「い、いえ…///」

「あらら、ふふ…」

 

彼が離れた事に何故か惜しみを感じてしまい、そんな私の表情を見た奏は微笑んでいます。

まさか、私は彼に…/// 奏、絶対に気付いてますよね///?

その時、大きな鉄の扉が開いて警察官の皆さんが入ってきました。

気を失っている男達に驚いた様子を見せた後で我に返り、彼らを捕らえ、私達を保護してくれました。

その後、私達は事情聴取の為に警察署に行きました。

 

雫Side Out

 

 

 

公輝Side

 

やはり和人が師匠に連絡を入れてくれていたようで、

手の治療を受けた後の事情聴取では簡単な状況説明をする事になったくらいだった。

俺は気になった事柄があったのでそれを訊ねる、ずばり誘拐犯の目的と正体だ。

確かに金目的ならば金持ちの子供でいいと思う……しかしだ、朝霧を狙う理由が掴めねぇ。

朝霧財閥を敵に回す、それのリスクは計り知れないものだからな。

そこら辺を聞いてみたが奴等は正体不明の男に300万で依頼を受けたと言ったらしい。

どうやらその男が黒幕らしいんだが、どうにも目的は誘拐じゃないっぽいんだよな~…。

 

「質問はこれくらいでいいかな?」

「あ、はい。お手数をお掛けしました」

「いやいや。誘拐犯から女の子を守ったんだ、これくらいは聞かれても大丈夫さ。

 ただ、あまり周囲には話さないでもらえるかい?」

「勿論です」

 

話しをしてくれた中年の警察官の男性の言葉に頷いておく。

ただ少しばかり申し訳なく思う、理由は黒幕を探す為だ。

話しを終えた俺は部屋を後にし、1階の入り口近くには朝霧と井藤、そして2人の家族らしき人達がいた。

その中で1人の老人が歩み出てきた、テレビで見た事がある人だな。

 

「はじめまして。お会い出来て光栄です、朝霧海童さん」

「ふぉっふぉっふぉ、儂を知っておるか…いや、そんな事はどうでも良いの。

 孫とその友人を助けてくれた事、誠に感謝している……ありがとう」

 

朝霧の祖父であり、朝霧財閥の前総帥である海童氏が頭を下げて礼を述べ、続けて2人の家族が頭を下げてきた。

 

「あ~、2人にも言ったんですけど、お礼とか良いんで。友達が目の前で攫われたから助けただけですから」

 

見知らぬ人間であっても目の前で誘拐されたら助けるけども、今回は女友達だったから余計な訳だ。

しかしそんな俺の言葉や心情を知らずに2人の家族達は何度も礼を言ってきた。

まぁ自分達の家族が誘拐されて無事に助け出された訳だからここまで言うのも仕方がないか。

だが俺には他の懸念事項がある、それについて話そうと思った時だった…。

 

―――~~♪~~♪

 

「あ、ちょっとすいません……もしもし、どうかしたのか、和人?」

『悪い、少しばかり報告がな…』

 

携帯端末に着メロが流れたので海童氏達に断りを入れてから通話に応じる、相手は和人。

報告と言っているけど一体なんだろうな~?

 

犯人(ヤツら)の移動経路を辿りながら監視カメラをハッキングした結果なんだが、如何にも怪しい奴が接触していてな』

「どんな奴だよ?」

『画像を送る』

 

端末に送られてきた画像に映っていたのは1人の男、年の程は40代前半というところか。

次の画像にはそいつがトランクケースを持っており、そこには札束があって男達がその金を確認しているようなものだった。

こりゃ完全に真っ黒だな…。

 

『ともあれ今回の誘拐は明らかに不自然な点が多い。

 勝ち目の無い朝霧への誘拐行為、まるで捕まえてくださいとでも言うかのような逃走ルートと隠れ場所、

 簡単な探りで見つかるような奴らが何故朝霧財閥の令嬢と友人を誘拐したのか。

 ここまで言えば黒幕の目星は簡単に付く……ずばり…』

「恨みや企みのある関係者、または内部の犯行、か…」

『そういうことだ……俺に出来るのは精々この程度だ、後は頑張ってくれ』

「おう、サンキュ」

 

和人からの報告を受けた俺は通話を切った……なにがこの程度だよ、十分ありがたいっての。

我が道をとことん行く弟分に心の中で感謝し、改めて海童氏に話しをする事にした。

 

公輝Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

2,3話で終わらせるつもりがあと1話続くことになりましたw

 

次回でちゃんと解決して完結するつもりですので何卒大目に見てください・・・。

 

それではまた次回で・・・。

 

 

 

 

 


 
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