No.569538

真・金姫†無双 #34

一郎太さん

#34。

ギャグがまったくない件について。

どぞ。

2013-04-24 22:21:40 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7199   閲覧ユーザー数:5187

 

 

 

#34

 

 

「あの……アタイ、なんで縛られてるんすか?」

 

建物に入り、董卓さんへの謁見が始まって、第一声がコレだった。

 

「当然の扱いよ。どこの誰かも分からない奴が、この忙しい時にやって来たんだもの」

 

言葉を返すのは、眼鏡をかけたお嬢ちゃん。社長の妹の呂蒙ちゃんよりちょっと下の年頃に見えるが、気の強さは倍以上もあるんじゃね?

 

「事情は言った通りなんすけど……」

「えぇ、聞いたわ。とんでもない報告だったから、最初は意味が分からなかったわ」

 

眼鏡を掛けたその女の子は、相変わらずキツイ視線と口調でアタイを追い詰めてくる。でも、アタイだって社長の命で来てんす。失敗して首にでもなったら、天和ちゃん達に会えなくなっちまう。それは嫌す。

 

という事で、交渉開始。

 

「アタイは社長の命令でここまで来ただけでさぁ。文句なら社長に言って欲しいんすけど」

「何よ、『しゃちょー』って」

「上司…でいいのかな? アタイは総合商社『北郷』の副社長の波才っす。さっき話した通り、董卓様の力になれればと思い、訪問させてもらいやした」

「はっ! 笑えるわね。確かに猫の手も借りたい状況だけれど、知らない奴の手を借りるくらいなら自分たちだけでやった方がマシよ」

「お堅いすねぇ」

「というか、『総合しょーしゃ』って何?」

「その名の通り、総合的な商売をやる組織っす。ま、『なんでも屋』って言った方が早いでしょか」

「余計に信用出来ないわね。なんでも屋だろうがなんだろうが、結局は商人なんでしょ?なに? 私たちを連合に突き出して、褒賞でも貰うつもり?」

「そんな事しませんよ。実行する前に殺される『りすく』も高いですし」

「りすく? ……また変な言葉使って」

「社長がそういうお人なんす。アタイだって、まず意味は訊き返しますよ」

「あ、そう。どうでもいいけどね」

 

お相手さんがツンツン過ぎて、泣きそうになってきた。同じツンでも、地和ちゃんのツンは愛があるからいいけどさ。

 

 

 

 

 

 

そんな着地点の見えない会話をしていれば、ようやく、そのツン子ちゃん以外の人物が登場。

 

「――詠ちゃん、もうちょっと優しく話を聞いてあげよう?」

「ゆ、月っ!?」

 

なんとも線の細い、儚げな雰囲気のお嬢ちゃんだった。誰?

 

「月! 出てきたらダメよ!」

「ごめんね、詠ちゃん。でも――――」

 

漏れ聞こえてくる会話に耳を傾けていれば、いくつかの事がわかった。

 

お嬢ちゃんの方が、ツン子ちゃんよりも立場が上らしい事。

ツン子ちゃんは、お嬢ちゃんを人前に出したくなかった事。

ツン子ちゃんがお嬢ちゃんに押され気味である事。

 

そして、アタイは思いついた事を口に出すっす。

 

「もしかして……お嬢ちゃんが、董卓?」

 

その発言に真っ先に反応したのは、ツン子ちゃんの方だ。

 

「なっ、なにバカな事言ってるのよ! ボクが董卓だって最初に言ったじゃない!」

「いや、でもアンタよりもそっちのお嬢ちゃんの方が立場が上なんしょ?」

「ゔっ……」

 

そして、言い淀む。ここで追い打ちをかけるのが、社長から習った脅迫ゲフンゲフン、交渉術だ。

 

「董卓さんは相国だし、それより上って言ったら、浅学なアタイには帝くらいしか思いつきやせん。仮にそうだったとして、帝様がアタイなんかの前に姿を現すとは思えないすし」

「……」

 

どうやら、アタイの予想は当たっていたようだ。ツン子ちゃんは反論もしない。

 

ま、アタイは特殊な訓練を受けているっすからね。

 

 

 

 

 

 

しばしの沈黙の後、董卓さん(仮)が口を開いた。

 

「もういいよ、詠ちゃん」

「でも!」

「さっき、伝令の人が教えてくれたの。華雄さんが捕らえられて、汜水関が陥ちちゃったって……」

「え――」

 

その言葉に、ツン子ちゃんは固まる。時期を逆算してみれば、戦が始まって4、5日ってとこっすか。おそらくは、もっと時間を稼げると思っていたんっしょ。それが、こんなにも早くに終わっちまった。まだ虎牢関とかいう、これまたバカデカイ関が残っちゃいるらしいけど、この分だと、それもいつまでもつのか……って感じかな。ツン子ちゃんが考えているのは。

 

「……賈駆が大変失礼を」

 

そしてお嬢ちゃんはアタイに向き直り、穏やかな、それでいて悲しげな眼差しで口を開いた。

 

「じゃぁ、やっぱりお嬢ちゃんが……?」

「はい、私が董卓です」

「えーと、賈駆さん、したっけ? そっちのお嬢さん。賈駆さんとの会話は?」

「聞いていました…貴女が、私たちを助けてくれる、と……」

「ま、正確にはウチの社長すけどね」

 

ま、それはいいとして。

 

「大筋はお聞きになったかと思いやすが、アタイは社長に言われて、董卓さんを助けるためにこの洛陽までやって来ました。……いや、正確に助けるかどうかを見極める為にきました」

「……見極める?」

「そっす。お2人だって、連合が組まれた理由はご存知でしょ?」

「そりゃ、ね」

 

賈駆ちゃんは苦虫を噛み潰したような顔で頷く。

 

「『何進大将軍に招致された董卓が、洛陽にて帝を傀儡とし、暴政を敷いている』」

「その通りっす。連合に参加したのは、みな腹に一物を抱えた奴ばっか。中には半信半疑の奴らもいやすけど、勝ち馬に乗りたいんでしょう。あるいは、単純に洛陽の民を救う為に参加したか。

ま、いずれにせよ連合に参加する諸侯に、事の真偽を確かめる時間も、確かめるつもりもありゃしませんでした。だから、社長はアタイをこっちに派遣したんす」

 

喋り過ぎて、喉が渇いてきた。

 

 

 

 

 

 

「で、『洛陽の街が噂通りなら、そのまま帰って来い。噂が嘘なら、董卓さんを救う為に交渉して来い』ってのが、社長の命令す」

「なぜ…」

「はい?」

「なぜ…私なんかの為に……」

「さぁ? 何か利益があると踏んだんでしょ」

「利益って、褒賞に決まってるじゃない!」

「そりゃないっすよ」

「なんで言い切れるのよ!」

 

賈駆ちゃんは、董卓ちゃんに諌められても態度を変えないなぁ。

 

「だって、ウチの社長って、孫策さんより強いっすよ?」

「「えっ…」」

 

アタイの言葉に、2人が固まった。

 

 

 

 

 

 

「どしたんすか?」

 

アタイは、素直に疑問を口にする。

 

「先程華雄さんが捕らえられたと言いましたが……報告では、捕らえたのは孫策さんとの事です」

「華雄は猪武者だけれど、決して弱いわけじゃない。でも、その華雄が捕まってしまった……」

「そなんすか。ま、そゆ事すよ。仮に褒賞を得ようと思うんなら、華雄さんだろうが張遼さんだろうが、自分が倒しに行くはずっす。それに、董卓さんを捕まえるのは連合が洛陽に着いてからでも出来るでしょ。華雄さんを倒した孫策さんよりも強いんだし。

洛陽から逃げたとしても、アタイら商社の人間は広大な情報網(ねっとわーく)があるんでね。ま、捕まえる事は出来るんでないかと」

「……」

「そんじゃ訊くっすけど……連合は20万、董卓軍は4万か5万でしたっけ? 汜水関も楽々落として士気の高い連合軍を、その数で退けられると思うすか?」

「それはっ……」

 

賈駆ちゃんは口籠る。

 

「だから、連合が此処に来る前に交渉して、そっちが頷けばこちらも色々と動けるって感じすかね」

「動くって……具体的に何をするつもりなのよ」

「それに関しちゃ、こちらをどぞ」

 

賈駆ちゃんの問いに、アタイは竹簡を渡す事で答える。

 

「これは?」

「ウチの社長から。そこに、こちらからの条件と、交渉に応じた場合のアタイらの動き方、そちらの動き方が書いてまさぁ。ま、読む分にはタダなんで」

「詠ちゃん……」

「うん、月…」

 

2人は頷き合い、竹簡を広げた。

 

 

 

 

 

 

*****

 

とまぁ、こんな感じである。かくして交渉は上手くいき、俺は自部隊を率いて虎牢関の前に布陣した訳だ。

 

「さて、日が昇るまでおよそ3刻っすね」

「だな。じゃぁ、班を6つに分ける。半刻ごとに見張りと腹ごしらえ。時間が来れば、次の班を起こして睡眠。第6班については見張りから戦までぶっ続けだから、特別褒賞(ボーナス)出すから」

「「「「「(応っ!!)」」」」」

「(うるせぇぇぇえええっ!)」

「(も゙に゙ょぼっ!?)」

 

テンプレをかましてみたり。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

筆ペンの薄墨の方で書いたら、こんなんなっちまった。

 

 

作題『女だけに』

 

 

 

http://upup.bz/j/my78552FKnYt37Xd6jdLbnE.png

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で、#34でした。

 

 

ギャグが皆無だけど、許してね。

 

 

さて、いまだ#37までしか出来上がってないが、どうしたものか。

 

 

まぁ、頑張って#40までは作っていきたい。

 

 

そんなこんなで、また次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 


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