No.566742

【TWINS' MAGE's CATASTROPHE①】(仮題/設定資料)

孔明さん


これは“リアルの友人に捧げる設定資料シリーズ”の第3弾です。
このサイトを利用していることが判明したリアル友人に贈ります。

過度な期待はしないでください。

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2013-04-16 15:10:16 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:510   閲覧ユーザー数:502

 

 

 

<導入>

 

 魔法の時代。

 それは、科学時代の遺物――【魔導細胞】――によって開かれた、新世界。

 過去の文明人たちが最期まで想いを馳せながら、誰一人として至ることのできなかった未来。

 

 

 新歴245年、水の月・88日目。

 その日、ある国で100年以上も続けられてきた研究に、終止符が打たれた。

 その研究が行われていた施設の一角で、双子の姉弟が元気な産声を上げたのである。

 

 姉のマイナと、弟のアルカナ。2人は、ただの『人間』や『魔法使い』ではなかった。

 大賢者と謳われた男の【魔導細胞】から創られた、半人半精の【新人種】だったのである。

 

 

 この姉弟が時代の危うい均衡を掻き乱すまで、あと17年と3日――――。

 

 

 

 

<用語・舞台>

 

 

 

●魔法の時代(魔法文明)

 →科学文明(~20XX年)の崩壊と共に拓かれた、魔法が常識化した新時代。

  科学の力が不要になったわけではないが、世界中が魔法の存在を前提とした文明的進化を遂げている。

  200年代に入る頃には、世界人口の7割以上が『魔法使い』として登録されるまでになった。

 

  かつてはファンタジーの一言で片付けられていた非現実も、今では立派な現実となったのである。

 

 

●新暦(魔導新暦)  

 →太陽暦から新暦への移行に際して、暦の刻み方も変更された。

  太陽暦:1月~12月

      ひと月=約30日間

   新暦:水の月(1~3月)→風の月(4~6月)→火の月(7~9月)→土の月(10~12月)

      ひと月=約90日間

 

 

●魔導細胞

 →生物の細胞内部に発現する、魔力の源となる極小細胞の名称。

  創世神の『気まぐれ』によってヒトの世にもたらされた、奇跡の結晶。

  同時に、科学文明を滅ぼした、恐るべき力の象徴でもある。

 

  1.この細胞が発現した『人間』は『魔法使い』になれる。

    使える魔法の属性・種類は、遺伝で決まる場合が多い。

    稀に【レアスキル】や血筋と異なる属性・種類の魔法を会得する者もいる。

    ほとんどの場合は幼少期に発現するが、中には成人してから発現する場合もある。

 

  2.動植物には、自我と共有言語(多種族とも意思の疎通や会話ができる能力)が芽生える。

    また、野生の動植物は魔獣(魔物)化してしまう可能性が高い。

 

  3.純粋に【魔導細胞】だけで体組織を構成する疑似生命体を『精霊』と呼ぶ。

 

  4.理論上は、より多くの【魔導細胞】を持つ者こそが強者である。しかし、現実は甘くない。

    移植など、自然発現以外の方法で【魔導細胞】の数を増やそうとすれば、細胞が暴走を始める。

    暴走した【魔導細胞】は、それ以外の細胞を蝕み、最後には肉体を魔力の塊に変えてしまうのだ。

    この現象は動植物にも共通し、一度魔力の塊に変えられてしまったら、戻ることは不可能である。

 

 

●『人間』・『魔法使い』・『精霊』の定義

 →体内に【魔導細胞】を持つ者、【魔導細胞】を持たない者、【魔導細胞】のみで構成されている者。

  ……簡単に言ってしまえば、それだけの違いである。

  現在の人口比率は、『人間』:『魔法使い』=3:7、といった具合である。

  また、『精霊』の個体数は不明とされている。

 

 『人間』

  成人しても、体内に【魔導細胞】が自然発現しなかったヒト。

  各国に設置が義務付けられている『人間生活区域』内での生活を余儀なくされているのが現状。

  それでも、社会的弱者として差別の対象にならないように、各方面から手厚く保護されている。

 

 『魔法使い』

  成人するまでに体内で【魔導細胞】が発現し、魔力を得ることができたヒト。

  ただし、公に『魔法使い』を名乗るためには、己同じ属性を司る『精霊』との契約が必要となる。

  公に名乗れなければ、魔法学校に通うことも、魔法関係の職に就くこともできない。

  一方で、契約によって『魔法使い』の全能力が格段に強化されるという特典もある。

  また、社会的強者として、善良な『人間』を守る義務を負う。

 

 『精霊』

  体組織を【魔導細胞】のみで構成する疑似生命体の通称。

  通常、『精霊』は『魔法使い』と契約することで自我と共有言語を持ち、主従関係を結ぶ。

  この契約は『魔法使い』側に多くの制約を与えるが、その多くはヒトとして最低限の戒めである。

  つまり、『魔法使い』が『精霊』と契約するのは、強者としての己を律するためでもある。

  また、上位種である『大精霊』や、【魔導細胞】の突然変異によって生まれる個体も存在する。

 

 

●新人種(※グリモア・コピー)

 →ある国の研究チームによって極秘裏に開発が進められていた、新時代の支配者。

  平均値の数千倍という、人体の許容量を超越した数の【魔導細胞】を持つ『魔法使い』を指す。

  ヒトの【魔導細胞】から精霊を創り出す研究と、創られた精霊をヒトとして『魔法使い』にする研究。

  その両方を掛け合わせた結果として生まれたからこそ、彼らは半人半精と称されるのである。

  作中ではマイナとアルカナのみが該当するが、本人たちは事実を知らない。

 

  ※研究に用いられた【魔導細胞】の持ち主だった大賢者の名前から、こう呼ばれている。

 

 

●レアスキル

 →読んで字の如く、【魔導細胞】との相性が抜群に良い『魔法使い』にだけ発現する希少能力のこと。

  他に類を見ない特殊な魔法を得ることができるが、発現は完全に運任せであり、過去の事例も少ない。

 

  広義的には【四大禁術】もコレに含まれる。

 

 

●四大禁術と魔法の起源

 →創世と共に生まれた4つの原初魔法。その強大すぎる力は、本来、ヒトの器には余るものだった。

  その危険性を熟知するがゆえに、創世神は、魔法の存在そのものをヒトの歴史から遠ざけてきた。

  しかし、ヒトはその探究心から不遜にも神の懐にまで手を伸ばし、遂には魔法を手に入れてしまう。

  ……ならば、と。創世神は『気まぐれ』を起こした。ヒトの世に、自ら魔法をもたらしたのである。

 

  その日、1つの文明が滅び、新たな文明が拓かれた――――。

 

  1.GENESIS(創世)

    創世神だけが持つ魔法。魔法というよりも概念であり、『世界』そのものである。

  

  2.CHRONUS(時間)

    時間を司る魔法。世界線上のあらゆる『時間軸』に干渉できる唯一の魔法である。

  

  3.CHAOS(混沌)

    混沌、光と闇を司る魔法。その力は善悪を超越し、全世界の『理』をも呑み込む。

  

  4.C-ELEMENTS(元素)

    生命の起源を司る魔法。四大元素(火・水・風・土)を束ね、『魂』を支配する。

 

  今では日常生活の一部と化している魔法の多くは、上記の3・4から派生したモノである。

 

 

●クインティア地方

 →とある大陸の西方に広がる、魔法文明の発祥地。

  元々は砂漠と小国が点在するだけの片田舎だったが、新時代の発展と共に、急激な成長を遂げた。

  現在では、1つの帝国と4つの独立組織による分割統治が行われている。

  反面、防衛機能が整備されたエリアの外は、魔物の侵蝕によって、完全に荒野と化している。

  魔物の出現は大陸全土に共通する事象だが、クインティア周辺は特に魔物が凶暴化しやすい。

 

 

●クインティア地方の現状

 →【四大勢力】(下記①)と呼ばれる4つの独立組織によって、周辺地域の魔物討伐が進められている。

  その一方で、彼らは外側だけでなく、安全エリア内部における支配地域の拡大にも注力し始めている。

  これに対して、【完全中立国家】(下記②)は、彼らと不干渉条約を結び、事態の静観を決めた。

 

 

①四大勢力(クインティア・カルテット)

 →近年、大陸の東西南北にそれぞれ強大な勢力基盤を築き上げた、4つの独立組織の総称。

  元々は②の統治下にあったが、ある年の周辺地域への大規模な魔物討伐をキッカケに独立を宣言した。

  独立組織ではあるが、国家という括りではない。

 

  1.大陸最強の軍事力を誇る武装集団――【レクイエム尖兵隊】(本拠地:ザンバリア)

 

  2.東国の文化が入り混じる邪教集団――【銀楼院・夜想教会】(本拠地:トウロォ)

 

  3.女王の独裁に黙々と従う傀儡集団――【エル=ゴスぺリア】(本拠地:ボーワネスタ)

 

  4.老王の下に集い蜂起した民族集団――【パストラル同盟団】(本拠地:ナルムノーリャ)

 

  各組織の長を、まとめて【四天王(カルテット・リーダーズ)】と呼ぶ。

 

 

②完全中立国家(ザ・ソリスト)

 →クインティア地方の中央に位置する巨大国家――【オラトリオン帝国】を指す言葉。

  現在、地方内では唯一の『国家』であり、その歴史の始まりは新時代の最初期にまで遡る。

  代々賢帝による善政が敷かれ、今では争いとは無縁の平和な国として確固たる地位を築いている。

  また、国内で生まれ育った人間にはあまり知られていないが、大陸随一の城塞都市でもある。

  その防衛能力の高さは、強大な力を持った【四大勢力】と不干渉条約を結べることからも判るだろう。

 

 

●ハイデンベルグ

 →【オラトリオン帝国】の首都であり、魔法文明の起源とされる古都の名称。

  帝国の中心部に位置し、その周囲には高純度の魔力防壁が幾重にも張り巡らされている。

  その防壁には、悪意・害意の類を遮断する機能の他に、内部の環境を調整する機能も備わっている。

  一般的には『帝都』と称されることが多い。

 

 

●ルーキス魔法学園

 →帝都の三大建造物にも数えられる、世界最古の魔法学校。

  科学時代の『大学・専門学校』に相当し、入学(編入)に際して、年齢や身分の制限はない。

  ただし、魔法学の履修に専念するという理由で、『高校』卒業程度の基礎学力と教養は必須となる。

  

  帝都の三大建造物……【ルーキス魔法学園】・【ソール大聖堂】・【カエルム大鐘楼】

 

 

●昇級制

 →ルーキス魔法学園で採用されているクラス編成制度。

  科学時代の学校が採用していた『学年制』と違い、完全に実力至上主義の制度である。

 

  1.年間の総合成績と年初めに行われる実力テストの結果から、全校生徒を5段階で評価する。

 

  2.5段階の評価(【A】~【E】級/計20クラス)に則ってクラス分けされる。

    新入生は、入学式の前に行われる実力テストの結果のみで評価される。編入生も同様。

 

  3.昇級の判断は学園側の基準さえ満たせば生徒にも可能だが、降級は学園側から強制される。

    生徒の努力次第では飛び級も可能。

 

  4.卒業の基準は【A】級クラスに2年以上在籍すること。基準を満たした後は、いつでも卒業可能。

 

  5.唯一の例外として、通常の昇級では入れない最高評価【S】級が1クラスだけ存在する。

    主に【レアスキル】持ちや【A】級の最優秀者など、学園側が選んだ特待生のみが昇級できる。

 

 

●ルーキス魔法学園・敷地内(略図)

 

 

            (【S】/1クラス)

                ■

            (【A】/2クラス)

                ■

 (【B】/3クラス)■         ■(【C】/4クラス)

 

       (大図書館)□  ◆  □(大食堂)

              (大講堂)                  

 (【D】/5クラス)■         ■(【E】/6クラス)

                ▼

              (小正門)

    (学生寮・女子)▲       ▲(学生寮・男子)

                ▼

              (大正門)

 

 

 ■ … 教室棟  … 各棟に、職員室・事務室・図書室・学食・体育館・校庭が完備されている。

 □ … 大衆施設 … 全ランク・全クラスで共有されている施設。公平性に対する監視も厳しい。

 ◆ … 大講堂  … 全ランク合同で行われる行事や、大規模な集会の際などに利用される講堂。

 ▲ … 学生寮  … 通称【クレイドル】。男子寮が【ロンド】、女子寮が【ワルツ】と続く。

 ▼ … 正門   … 大正門は不審者の侵入などを防ぎ、小正門は遅刻した学生の登校を拒む。

 

 

 

 

 

 

<登場人物>

 

 

 

― 新人種(主役) ―

 

 

 

名称

 アルカナ・ディベルト  17・♂

魔法

 CHAOS(混沌=光×闇)

 LIGHT(光)

 DARK(闇)

魔導媒体

 カオス・ワンド(混沌の魔力を制御する長杖。光と闇の魔杖を魔力結合させることで完成する)

 ラスター・ワンド(光の魔力を制御する短杖。普段はこちらを持ち歩いている)

 シャドウ・ワンド(闇の魔力を制御する短杖。普段は影の中に保管されている)

契約聖霊

 ミネスティア(光) … 月光の姫君 ♀

 ギルハザード(闇) … 闇夜の狩人 ♂

解説

 ・10年もの放浪生活の末に【オラトリオン帝国】へと流れ着いた少年『魔法使い』。

  特例で【S】級クラスに編入されてからは『光の魔法使い・アル』と名乗っている。

 ・旅路を共にしてきた双子の姉だけが唯一の肉親であり、彼女には絶対の信頼を寄せている。

  そのため、周囲から見れば明らかに過剰な姉からのスキンシップにも平然としていられる。

 ・小柄で、身体の線が細く、顔立ちも中世的であることから、初見では高確率で女子と間違えられる。

  さらに、その小動物的な雰囲気から、同世代以上の女性陣の母性本能や庇護欲を刺激しまくっている。

 ・魔法実技と座学の成績は極めて優秀だが、運動系はダメダメ…(放浪中は魔法でカバーしていた)。

  また、放浪生活中に会得した調理スキルは神懸かり的で、どんなゲテモノ食材も美味に変えてしまう。

 

≪ネタバレ≫

 

 ・【新人種】として、『大精霊』と同等以上の魔力を持つ特異体質だが、まだ扱い切れてはいない。

 ・【四大禁術】の1つである【CHAOS】を持つが、この事実は姉と2人だけの秘密となっている。

 ・【CHAOS】の使用は命の危険すら伴うため、姉と精霊たちから使用を禁止されている。

 ・【CHAOS】の暴発を防ぐため、普段、ギルハザードは眠っている。

 

 

名称

 マイナ・ディベルト  17・♀

魔法

 C-ELEMENTS(元素=火×水×風×土)

 FIRE(火)

 AQUA(水)

 WIND(風)

 LAND(土)

魔導媒体

 テトラ・ステッキ(四大元素を司る短杖。先端の宝石が赤・青・緑・黄の4色に発光する)

 フランマレイ(炎の魔杖と水の魔杖を魔力結合させた長杖。棒術にも耐えられる強度を誇る)

契約聖霊

 グレンス(火) … 猛火の騎士 ♂

 シルキィ(水) … 激流の舞姫 ♀

 フォルテ(風) … 神風の射手 ♀

 ロードン(土) … 大地の老翁 ♂

解説

 ・アルカナの双子の姉。彼女が弟と共に生まれ育った施設から脱走したのは、7歳の時だった。

  特例で【S】級クラスに編入されてからは『火と水の魔法使い・マイ』と名乗っている。

 ・重度のブラコンを公言して憚らず、弟が関わるか否かで、彼女の気力には天と地ほどの差が生じる。

  また、1日に最低でも3回は弟とスキンシップ(過剰)を取らないと、各方面で禁断症状が出る。

 ・服装や化粧などには無頓着で、言動も男勝りなため、初見では弟と性別を逆に見られることもある。

  しかし、実際には美少女に分類されるべき容姿を持っており、小柄の割にはスタイルもいい。

 ・魔法実技と運動系全般の成績は優秀だが、座学系はボロボロ…(頭で理解するより先に体が動く)。

  また、放浪生活中に養ったサバイバル技術は神懸かり的で、ステルスや近接格闘も得意としている。

 

≪ネタバレ≫

 

 ・【新人種】として、『大精霊』と同等以上の魔力を持つ特異体質。弟とは違い、完全に制御している。

 ・【四大禁術】の1つである【C-ELEMENTS】を持つが、この事実は弟と2人だけの秘密となっている。

 ・【C-ELEMENTS】の存在を隠すため、普段はグレンスとシルキィのみを精霊として召喚している。

  ※フォルテとロードンは、姉弟の付き人(メイドと執事)として召喚されている。

 

 

 

<あとがき>

 

 

以上、設定資料の第3弾でした。

今回は長編モノをイメージして書いたので、かなりの量になってしまいました。

 

しかも、これで全部ではありません。

ここから、さらにキャラクター紹介が続きます。

 

主人公姉弟が編入する【S】クラスの面々や、【四天王】の方々、果てはラスボスまで。

 

全体の完成には、まだまだ時間がかかりそうです。

 

 

……それでは、今回はココまで。あでゅー。

 

 
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